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井坂 雅徳 (イサカ マサノリ)

  • 医学研究科細菌学分野 助教
メールアドレス: isakamed.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/04/26

研究者情報

学位

  • 名古屋市立大学医学研究科/博士(医学)
  • 東邦大学大学院薬学研究科/修士(薬学)

科研費研究者番号

  • 40336673

J-Global ID

研究キーワード

  • 免疫回避機構   糖鎖抗原   バイオフィルム   二成分制御   A群連鎖球菌   ワクチン   粘膜免疫   コレラ毒素Bサブユニット   

研究分野

  • ライフサイエンス / 細胞生物学
  • ライフサイエンス / 感染症内科学
  • ライフサイエンス / 細菌学

経歴

  • 1992-1994 大学院修士1995-2001 衛生技士

所属学協会

  • 日本インターフェロンサイトカイン学会   日本ワクチン学会   日本生化学会   日本細菌学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • アジュバントとしての組換えコレラ毒素Bサブユニットと組換えB型肝炎ウイルス表面抗原との経鼻投与によるB型肝炎ウイルスに対する粘膜免疫
    2001年
  • アジュバントとしての組換えコレラ毒素Bサブユニットとアルミニウム含有および非含有ジフテリアトキソイドとの経鼻投与による全身および局所免疫応答誘導
    2000年

MISC

  • A群連鎖球菌二成分制御因子SPY1588の酸感受性と自己リン酸化について(SPY1588, two component sensor protein of Streptococcus pyogenes, senses proton and is phosphorylated)
    井坂 雅徳; 立野 一郎; 前山 順一; 長谷川 忠男 日本細菌学雑誌 74 (1) 77 -77 2019年03月
  • 二成分制御センサータンパク質SPY1588は、バイオフィルム産生とmgaプロモーター発現を促進させる
    井坂 雅徳; 立野 一郎; 前山 順一; 長谷川 忠男 日本細菌学雑誌 73 (1) 84 -84 2018年02月
  • Streptococcus pyogenes二成分制御因子はバイオフィルム形成を制御する
    井坂 雅徳; 立野 一郎; 岡本 陽; 前山 順一; 長谷川 忠男 BACTERIAL ADHERENCE & BIOFILM 29 79 -80 2016年05月
  • Streptococcus pyogenes二成分制御因子はバイオフィルム形成を制御する
    井坂 雅徳; 立野 一郎; 岡本 陽; 前山 順一; 長谷川 忠男 日本バイオフィルム学会学術集会プログラム・抄録集 29回 42 -42 2015年07月
  • A群連鎖球菌が産生するバイオフィルムの構成成分の同定とその特性について
    井坂 雅徳; 立野 一郎; 前山 順一; 長谷川 忠男 日本細菌学雑誌 70 (1) 146 -146 2015年02月
  • Masaaki Minami; Daisuke Ohmori; Ichiro Tatsuno; Masanori Isaka; Yoshiaki Kawamura; Michio Ohta; Tadao Hasegawa FEMS MICROBIOLOGY LETTERS 298 (1) 67 -73 2009年09月
  • Ichiro Tatsuno; Jun Sawai; Akira Okarn Oto; Masakado Matsumoto; Masaaki Minami; Masanori Isaka; Michio Ohta; Tadao Hasegawa MICROBIOLOGY-SGM 153 (12) 4253 -4260 2007年12月
  • 井坂 雅徳; 前山 順一; 松井 秀之; 立野 一郎; 長谷川 忠男 日本細菌学雑誌 62 (1) 171 -171 2007年02月
  • 立野 一郎; 井坂 雅徳; 松井 秀之; 長谷川 忠男 日本細菌学雑誌 62 (1) 102 -102 2007年02月
  • BCGとの同時経鼻投与でみた組換えコレラ毒素Bサブユニットの細胞性免疫増強効果
    前山 順一; 山本 三郎; 井坂 雅徳; 安田 陽子; 谷口 暢; 諸熊 一則; 大隈 邦夫; 杤久保 邦夫; 後藤 紀久 日本細菌学雑誌 58 (1) 265 -265 2003年02月
  • BCGの鼻粘膜投与における組換えコレラ毒素Bサブユニットのアジュバント効果について
    前山 順一; 山本 三郎; 安田 陽子; 井坂 雅徳; 谷口 暢; 諸熊 一則; 大隈 邦夫; 杤久保 邦夫; 後藤 紀久 日本細菌学雑誌 57 (1) 335 -335 2002年02月
  • 組換えCTBに対する培養マクロファージ及び鼻咽腔関連リンパ組織の応答
    前山 順一; 安田 陽子; 井坂 雅徳; 諸熊 一則; 大隈 邦夫; 杤久保 邦夫; 後藤 紀久; 亦野 恵子 日本細菌学雑誌 56 (1) 319 -319 2001年02月
  • GOTO Norihisa; MAEYAMA Jun-ichi; ISAKA Masanori; TANIGUCHI Tooru; KOZUKA Satoshi; YASUDA Yoko; TOCHIKUBO Kunio Journal of toxicological sciences 25 (4) 309 -309 2000年10月
  • 粘膜アジュバントである組み換えコレラ毒素Bサブユニットに対するマクロファージの応答について
    前山 順一; 安田 陽子; 井坂 雅徳; 栃久保 邦夫; 後藤 紀久 日本細菌学雑誌 55 (2) 218 -218 2000年04月
  • サイトカイン応答からみた組換えコレラ毒素Bサブユニットのアジュバント作用の機作について
    前山 順一; 安田 陽子; 井坂 雅徳; 杤久保 邦夫; 後藤 紀久 日本細菌学雑誌 54 (1) 220 -220 1999年02月
  • GOTO Norihisa; MAEYAMA Jun-ichi; YASUDA Yoko; MATANO Keiko; ISAKA Masanori; KOZUKA Satoshi; TANIGUCHI Tooru; MIURA Yutaka; TOCHIKUBO Kunio Journal of toxicological sciences 23 (4) 321 -321 1998年10月

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 井坂 雅徳; 前山 順一; 立野 一郎; 矢木 宏和
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 前山 順一; 井坂 雅徳; 佐々木 永太
     
    CpG配列を含むオリゴDNA(CpG-ODN)であるG9.1の、これまで検討してきた5種類のマウスサロゲートに加え、マウス型ではあるがヒト型配列も考慮した配列5種を加えた。これは、将来の実用化を視野に入れたものである。これら10種類の配列および活性を示さない対照配列について、チオール等の修飾の無い天然型CpG-ODNとして合成した。 これらCpG-ODNの活性についてC57BL/6マウスから採取した骨髄細胞を用い、インターフェロンα(IFNα)産生を指標にELISA法で評価した。その結果、2種類の配列が、これまで検討してきたG9.1より大量のIFNαを産生することが分かった。またIFNα産生には最適濃度が存在し、それぞれ異なっていると考えられる結果が得られた。この2種についてmg単位で合成し逆相HPLC分析およびエンドトキシン測定を行い、精製度を確認した。 また、この2種について、CpG-ODNの受容体であるToll-likeレセプター9(TLR9)、およびIFNα産生増大につながるIFNαレセプター(IFNAR)をノックアウト(KO)したマウスの骨髄細胞を用いて、IFNα産生を評価したところ、TLR9KOでは全く産生されず、IFNARKOではわずかな産生が認められた。IFNαは、経鼻投与での抗体産生増強作用等様々な作用を持ち、これら受容体がG9.1の作用機序に重要であることは明らかであるが、一方で、IFNα産生がG9.1と比較して低いODNも抗体産生について同様な増強作用のあるものも存在し、配列によって異なるメカニズムが存在することが示唆されている。 見出された2種のCpG-ODNについて、骨髄細胞および肺組織における標的細胞の同定とともに抗体産生などのin vivoの反応をG9.1などと比較し解析するための準備を進めている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 井坂 雅徳; 長谷川 忠男; 前山 順一; 立野 一郎; 青山 峰芳; 矢木 宏和
     
    A群連鎖球菌は、咽頭炎や猩紅熱を引き起こす原因菌である。劇症型への機序について様々な研究報告が出ているが、一向に完全解明に至っていない。A群連鎖球菌劇症型株は健常人でも検出され、劇症型株に感染することが発症に必須ではない疑問がある。そこで、劇症型が発症するにはA群連鎖球菌がヒトへ感染後、変化するための何らかの情報を受け取らなければならないと考えた。ここで外界情報を受け取る二成分制御因子の研究が進んでいる、Streptococcus mutansに着目した。A群連鎖球菌と同属のこの細菌は、乳酸、酪酸を産生し、歯にバイオフィルムを形成して虫歯を増悪させる。この細菌の二成分制御因子は酸感受とバイオフィルム形成に関与する。同様の仕組みがA群連鎖球菌に存在するかを調べると、A群連鎖球菌の二成分制御因子の一つであるspy1588遺伝子欠損株は、バイオフィルム産生低下、酸抵抗性の低下を示した。我々は、酸を感受する二成分制御因子と、それに関連する遺伝子群に変異が劇症型に生じていると考え、研究を現在進めている。 本年度はSPY1588の立体構造を測定すべく、部分的ペプチドをpETベクターとタンパク質発現用大腸菌で発現させ、X線構造解析の資料作製を実施した。 SPY1588そのものの発現でも苦慮するところがあり、ペプチド合成にはさらなる抑制がみられた。pETベクターによる部分的SPY1588発現は、タンパク質の不溶化が発生した。これを解決するためにコンピーテントセルにあたる大腸菌の選別、ベクター候補の選出など様々な組み合わせでタンパク質を発現させた。pColdベクターによる低温発現実施では、発現をしたものの分解も生じてしまい、産物が回収できなかった。そこで封入体から産物を回収し、リフォールディングすることで部分ペプチドの可溶性を得ることが出来た。この後、結晶化を行う予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2020年03月 
    代表者 : 立野 一郎; 長谷川 忠男; 井坂 雅徳
     
    A群レンサ球菌新型株(特徴として、SalR-SalK遺伝子を含む領域を欠損している)には病原性の高い株と病原性の低い株の2種類が存在する。この病原性の違いが、fabT遺伝子の変異に依存していることを突き止め、解析結果を論文として発表した(2016)。但し、この論文内で実施したゲノム解析は不完全な状態(一本の環状DNAとしてつながっていない)であった。そこで、論文で使用した新型株である10-85を再度Pac-Bioを用いてシークエンスし、一本の環状DNAとしてつなげることに成功した(Accession No.AP019548)。この結果は、論文として発表済み(2019)。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 長谷川 忠男; 井坂 雅徳; 立野 一郎
     
    近年分離されるemm1タイプのA群レンサ球菌に含まれるファージ由来のDNAに注目して研究を行った。抗生物質マクロライドの耐性メカニズムとして考えられていたmef(A)/mef(E)遺伝子がコードする排出ポンプの役割は少なく、ゲノム上それらの直下に存在する各々のmsr(D)遺伝子がより重要な役割を果たすことが明らかとなり、耐性度の違いもそれぞれのmsr(D)の塩基配列の違いに起因していることが示唆された。マクロライド耐性に関しては、外界の刺激を感知し遺伝子発現を制御する二成分制御因子の関与が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2014年04月 -2019年03月 
    代表者 : 井坂 雅徳; 長谷川 忠男; 前山 順一; 立野 一郎
     
    A群連鎖球菌は劇症型という重篤な症状を引き起こすが、その機序は不明である。外界からの刺激を受け取り菌体内部へ情報を伝達する二成分制御系の仕組みを解析することで、劇症型発症機構が明らかになると考え、二成分制御因子のセンサータンパク質の酸感受性機構とバイオフィルム産生機序を解析した。その結果、SPY1622が酸感受後に繊毛を発現し、バイオフィルム産生をしていたことを見出した。また、新規にSPY1588も酸感受性に関与することが明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2013年04月 -2019年03月 
    代表者 : 前山 順一; 伊保 澄子; 井坂 雅徳
     
    CpGモチーフを含む新規オリゴDNAであるG9.1を粘膜アジュバントとして用いた場合、ジフテリアトキソイドとの経鼻投与で特異的抗体産生および毒素中和活性の増強が認められた。この反応は、TLR9および形質細胞様樹状細胞(pDC)の関与が認められた。また、マウス骨髄細胞と共培養したところ、IFN-αが強く誘導された。さらにTh1免疫特異的転写因子であるT-betが強く発現した。以上よりG9.1は、pDCのTLR9を介してTh1免疫を増強する粘膜アジュバントであることが示された。その作用機構としてIFN-αが重要な因子であった。モルモットの皮膚反応での結核ブースタワクチンの評価系を構築した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 長谷川 忠男; 立野 一郎; 井坂 雅徳
     
    A群レンサ球菌の、外界からのストレス感知にネットワークを構成し機能する二成分制御系について解析を行った。酸の感知には、複数のセンサー蛋白質が関連しており、これらは酸化ストレスの感知や、バイオフィルム産生にも関連していることが示唆された。ある種のセンサー蛋白質を検討し、病原因子獲得に有利に働く可能性を有する新規の株を見出した。更に一人の劇症型感染症患者の複数の組織から分離された株の解析により、CovSセンサー蛋白質が無菌部位への侵入に大きな役割を果たしていることが確認された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 立野 一郎; 長谷川 忠男; 井坂 雅徳
     
    A群連鎖球菌は近年(1900年以降)劇症型感染症の起因菌となる例が報告されるようになった。これは、本菌が新たな外来病原因子を獲得したためである可能性が指摘されている。本菌によって菌体外に分泌されるNAD-glycohydrolase(NADase or Nga)はその候補の一つである。そこで本研究では、当初の計画通り実験を行い、(1)マウスモデルを用いてnga遺伝子欠損株が劇症型感染症に関する病原性が低下する、(2)酵素活性に重要なアミノ酸残基(330番目)の同定、(3)本酵素活性を阻害するタンパク質を使用することによる本菌病原性の抑制、などの研究成果を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 井坂 雅徳
     
    コレラ毒素Bサブユニット(rCTB)の粘膜投与後の中枢神経系への影響の詳細な報告はまだされていない事から、脳、鼻腔等の組織切片の免疫染色法、HE染色法等により神経組織の影響を調査した。実験としてはコレラ毒素(CT)、rCTB経鼻投与マウスの脳、嗅球の凍結切片作製とヘマトキシリンヒオジシHE染色、抗CTB抗体による免疫染色による脳組織への移行性と組織への影響、ヒトで報告された顔面神経麻痺(ベル麻痺)から推測し、ベル麻痺の原因ウイルスであると言われている単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)感染マウスモデルの作製、HSV1感染マウスへCT、rCTB経鼻投与後の顔面神経麻痺の観察、顔面神経麻痺マウスの組織観察とNested PCR法によるHSV特異的DNA断片測定を行った。 コレラ毒素(CT)、rCTB経鼻投与マウスの脳、嗅球の脳組織への移行性と組織への影響を観察した結果、HE染色で検討するとrCTB経鼻投与マウスの嗅球は、組織的変化、炎症性細胞の浸潤等は全く見られなかった。一方CTの場合、上皮の剥離が著明で、糸球体構造も不規則な形態を取り、切片作製でも組織自体が固定しづらく不安定な状態であった。抗CTB抗体による免疫染色では、両者共に経鼻投与を行うと、嗅球の糸球体、僧坊細胞層にまで移行する事が示された。HSV1感染マウスへCT、CTB経鼻投与後の顔面神経麻痺の観察をすると、CT経鼻投与マウスの一部に、ウイルス投与側の目に麻痺を観察した。CTB, PBSコントロールでは観察されなかった。Nested PCRによる特異的DNA断片は、CT経鼻投与マウスの一部で測定された。以上の結果はウイルス投与マウスで観察され、ウイルス非投与群では観察されなかった事から、ヒトに経鼻投与されたワクチンに混入した大腸菌易熱性毒素による影響でベル麻痺が発症したと推測される。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 谷口 暢; 井坂 雅徳; 飯田 哲也
     
    腸管系起炎菌である毒素原性大腸菌および腸炎ビブリオの感染予防(ワクチン)には,腸管上皮への菌の定着を阻止する分泌型IgAと毒素に対する中和抗体の産生を誘導することが必須である。そこで,各病原体の病原性発現に重要な定着因子と毒素をワクチンのターゲットとし,それぞれのワクチン抗原を精製し,実験動物の免疫応答を調べた。なお,粘膜アジュバントには組換えコレラ毒素Bサブユニット(rCTB)を使用した。 1.ワクチン抗原の精製 毒素原性大腸菌が産生する線毛性定着因子(CFA/IとCFA/III)のアドヘシン(CfaEとCofJ)ならびに腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒の変異体(mTDH)をHis-Tag融合ベクター(pQE-30Xa)を利用して精製した。 2.実験動物の免疫応答 BALB/cマウスにCfaEまたはCofJを経鼻投与すると,rCTBの有無にかかわらず全身系免疫応答(血清IgG)が誘導された。また,粘膜系免疫応答(分泌型IgA)もrCTBの有無にかかわらず唾液,鼻腔,肺,膣,小腸,糞便で認められた。 BALB/cマウスにmTDHを経鼻投与すると,rCTBの有無にかかわらず全身系免疫応答(血清IgG)が誘導された。また,粘膜系免疫応答(分泌型IgA)も誘導され,特に,肺と小腸でrCTBの有無にかかわらず高い抗体価が得られた。さらに,免疫したマウスには,野生型TDHの致死活性に対する防御効果がみられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2002年 -2004年 
    代表者 : 井坂 雅徳
     
    研究実績の概要は以下のとおり. 研究課題のコレラ毒素Bサブユニット(rCTB)の粘膜免疫アジュバント活性機構に関する研究において、平成15年度は、免疫担当細胞の解析(抗原特異的T細胞増殖反応、抗体産生細胞等)、抗原刺激細胞のサイトカインアッセイを行った。マウスはBALB/cを使用し、rCTB:10μg(経鼻)でジウテリアトキソイドと共に4回免疫した。また、昨年の報告と同様に、アルミニウムアジュバント2.5μg(皮下)、コレラトキシン(CT,100ng,経鼻)も使用し、比較対照とした。単核球を免疫マウス脾臓から、比重遠心法で分離し、1×106cell/mlの条件で、rCTBを10μg/mlの濃度で培養し、各種サイトカイン産生の比較を行った。結果として、インターフェロンガンマ(IFN gamma)の産生が多く、IL4等は余り観察されなかった。IFNgammaの産生量の経日変化をみると、rCTB添加後2日目でピークに到達し、以降その産生は低下していった。この現象は、免疫アジュバントの種類に関係なく、全てで同様の結果を得た。各アジュバントで免疫した単核球を上記で決めたrCTB濃度で共に2日間培養し、細胞表面マーカーに対するモノクロナール抗体で染色後、FACScanによりセルソーティングし、アジュバントによる差の有無を検討した。測定細胞数を固定して観察した結果、rCTBの添加の有無で、CD4/CD8の細胞比が極端に変化したことが初めて示された。またCD11b抗体陽性細胞がrCTBの添加で有意に上昇していることが観察された。rCTBはホロトキシンのCTとは事なり、in vitorでIFN gammaを産生させ、炎症を抑える方向に向かわせていることが考えられる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 杤久保 邦夫; 井坂 雅徳; 谷口 暢; 安田 陽子; 大隈 邦夫; 後藤 紀久
     
    ブレビス菌-ベクター系により作製した無毒の組換えコレラ毒素Bサブユニット(rCTB)を粘膜アジュバントとして、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、B型肝炎ワクチンなどとともにマウスに経鼻接種すると、それぞれのワクチンに特異的な血清IgGおよび各粘膜部位でのIgA抗体が誘導され、得られた血清IgG抗体価は感染防御に十分な高い値を示す。これを基にして、本研究では以下の実験が行われた。 (1)インフルエンザA型赤血球凝集素(HA)ワクチン[A/ニューカレドニア(NC)/20/99株由来]1μg+インフルエンザB型HAワクチン[B/ヨハネスバーグ(JB)/5/99株由来]1μg±rCTB10μgのマウスへの経鼻投与実験(0,14,21,28日目に計4回接種、35日目に解剖) A型HAワクチン、B型HAワクチンともに抗原特異的血清抗体価(IgG, IgA)、肺と鼻腔のIgA抗体価および血清の赤血球凝集阻止(HI)抗体価が有意に上昇した。 (2)インフルエンザA型HAワクチン1μg±rCTB10μgによる経鼻免疫マウスへの感染実験 遺伝学的にA/NC/20/99株に近いA/Aichi/88/02株をBALB/cマウスに経鼻投与、肺をすりつぶしてその遠心上清を次のマウスに経鼻投与、この操作を5代繰り返してマウス馴化ウイルスを得た。これをMDCK細胞により増やした。このウイルスの100%致死量をHA±rCTB経鼻免疫マウス(0.14,21,28日目に計4回接種)に最終免疫後14日目に経鼻感染させて、生死を14日間観察した。その結果、HA±rCTB免疫マウスは全て生き残ったのに対して、HA単独免疫マウスは感染後4日目までに半数近くが死亡、非免疫マウスは感染後6日目までに全てが死亡し、経鼻免疫におけるrCTBの重要性が示された。 (1)肺炎球菌莢膜多糖体(PS)-rCTB化学結合ワクチン(PS-rCTB)のマウスへの経鼻投与 PSとrCTBを化学的に結合させた後、ゲル濾過により精製した。PS-rCTB0.5または5μgをrCTB10μg存在下と非存在下で(1)と同様に経鼻免疫して、35日目に血清と肺洗浄液を採取、ELISA抗体価を測定した。PS特異的血清IgG、IgA、IgM抗体価はPS量とrCTBの有無に関係なく上昇し、肺洗浄液中の粘膜IgA抗体価はrCTB存在下でのみ有意に上昇した。PS-rCTB結合ワクチンの可能性が示唆された。
  • コレラ毒素Bサブユニットの粘膜免疫アジュバント活性機構に関する研究
    研究期間 : 2002年 -2003年

その他のリンク

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