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今井 優樹 (イマイ マサキ)

  • 医学研究科免疫学分野 講師
メールアドレス: imaimmed.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/04/16

研究者情報

学位

  • 名古屋市立大学/博士(医学)

J-Global ID

研究分野

  • ライフサイエンス / 免疫学

経歴

  • 2023年04月 - 現在  京都橘大学健康科学部臨床検査学科教授
  • 2008年01月 - 2023年03月  名古屋市立大学大学院医学研究科免疫学分野講師
  • 2006年06月 - 2007年12月  大阪歯科大学薬理学講座講師
  • 2003年09月 - 2006年05月  アメリカ・サウスカロライナ医科大学微生物免疫学Research Assistant Professor
  • 2001年04月 - 2003年08月  アメリカ・サウスカロライナ医科大学微生物免疫学博士研究員

研究活動情報

論文

書籍

  • 補体への招待
    メジカルビュー社 2011年

MISC

受賞

  • 2023年08月 日本補体学会 日本補体学会優秀賞
  • 2004年 The Medical University of South Carolina Institutional Research Funds of 2004-05・New Investigator Grant Award
     
    受賞者: 今井 優樹

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 的場 拓磨; 岩崎 真一; 川北 大介; 今井 優樹
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 今井 優樹; 志馬 寛明
     
    抗腫瘍免疫応答の抑制に中心的な働きを担うTregに対してC3aRおよびC5aRがどのように作用するかは未だに明らかでない。そこで本研究でヒト口腔癌においてC3aRおよびC5aRがどのようにTregを活性化し、抗腫瘍免疫を制御しているのかの解明を試みた。昨年度は、公開されている頭頸部癌のデータベースを用い、Tregのマスター転写Foxp3 とC3aRおよびC5aRの発現レベル解析したところ、C3aRとC5aRのmRNA発現はともにFoxp3の発現が強く相関することを明らかにした。 今年度はヒト頭頸部がん浸潤細胞のフローサイトメーター解析を行った。ヒト頭頸部がん浸潤TregのC3aRおよびC5aRの発現はほとんど検出できず、CD4+T細胞も同様であった。また、頭頸部がんのシングルセルRNAシークエンスの公開データベースを用いて頭頸部がん浸潤細胞免疫細胞の解析を行ったところ、TregにはC3aRは一部の細胞に発現が検出できたが、C5aRはフローサイトメーター解析と同様にほとんど検出できず、これらのレセプターの発現は正常組織から採取されたTregと比較しても差は見られなかった。さらにC5aRの遺伝子発現はCD4+T細胞、CD8+T細胞、B細胞などのリンパ球でもほとんど発現していなかった。この結果から口腔癌浸潤Tregが補体系によってダイレクトに活性化されてはおらず、他の細胞によって間接的に活性化されていることが明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年10月 -2023年03月 
    代表者 : 山崎 小百合; 今井 優樹; 的場 拓磨; 志馬 寛明; 浦木 隆太
     
    自己免疫疾患は、自己と非自己を区別する免疫学的自己寛容のシステムが破綻し、本来であれば自己を攻撃しない免疫システムが自己を攻撃することにより発症する。免疫学的自己寛容の維持は、多くの仕組みで維持されているが、何らかの要因で破綻し、その結果、自己免疫疾患が発症する。自己免疫疾患の発症のメカニズムは、不明な点が多いが、その誘因の一つとして、病巣感染がどのようにして自己免疫疾患を誘因するか、その詳細な病態メカニズムの解明を目指し、これまでの私たちの研究成果を発展させて、各専門分野の先端研究者である海外共同研究者と協力し、病巣感染の病態メカニズムに迫ることを目指す。将来、発症メカニズムに基づいた副作用、合併症のおきにくい治療法の開発への貢献を目指し、新たな病巣感染のモデルも導入し、実験を進めており、現在解析中である。準備実験、条件決定に加え、シングルセルRNA-シークエンスなどのパブリックデータベース解析も利用した解析も行なっている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 志馬 寛明; 山崎 小百合; 小田中 瑞夕; 今井 優樹
     
    紫外線の照射を受けた皮膚では、CD4陽性Fopx3陽性制御性T細胞(regulatory T cell, Treg)が選択的に増加する。リンパ節や他の組織に浸潤する制御性T細胞や通常型T細胞と発現遺伝子を比較し、紫外線で増加した皮膚の制御性T細胞に特異的な遺伝子発現パターンを同定した。紫外線により増加した制御性T細胞は、プロエンケファリン(proenkephalin, PENK)やアンフィレグリン(amphiregulin, AREG)などを産生してケラチノサイトの増殖性および運動性を高め、皮膚の創傷治癒を促進することを見出した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 太田 里永子; 葛島 清隆; 今井 優樹; 岡村 文子
     
    がん患者において、がん組織に特異的ながん抗原が発現しているにもかかわらず、がんに対する抗体価は低く、がんに対する特異的な細胞傷害性T細胞(CTL,キラーT細胞)の頻度は低い。本研究では、日本人の約60%が有しているHLA-A24拘束性のがん抗原特異的CTLクローンの、「293T細胞ディスプレイ法」を用いたin vitroでの親和性の成熟の可能性を示した。また、膜侵襲複合体の形成を誘導する低分子抗体フラグメントscFvを構築できたことから、親和性を成熟させたがん抗原特異的なTCRと繋げ合わせた新たな治療薬の可能性を示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 今井 優樹; 太田 里永子; 山崎 小百合
     
    多くの癌組織でC5aレセプター(C5aR)が過剰に発現しており、C5aがC5aRに結合することで癌の増殖、浸潤や転移を引き起こす。口腔癌細胞株においてC5aRが発現しているかを検討したところ、C5aRのmRNAが検出された。その一方で、C5a-C5aRシステムが制御性T細胞への分化および癌組織への制御性T細胞(Treg)浸潤に関与しているという報告があることから、頭頸部癌浸潤TregのRNAシークエンスを行った。しかしながら、C5a-C5aRシステムがTregの分化および癌組織への浸潤に関与しているという報告があるにもかかわらず、TregではC5aRの発現が低かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 山崎 小百合; 小田中 瑞夕; 大倉 永也; 今井 優樹; 森田 明理
     
    私たちは、樹状細胞による抗原提示で制御性T細胞が抗原特異的に増殖できること、樹状細胞で増えた制御性T細胞が自己免疫や移植片拒絶のみを特異的に抑制できる事、をマウスの系で見出した。本研究では、これらの成果に基づき、自己免疫などの好ましくない免疫反応のみを抑える制御性T細胞療法を目指して実験を遂行した。マウス、および、ヒトの樹状細胞も用いて、制御性T細胞の抗原特異性のコントロールを行う研究を推進した。その結果、制御性T細胞を特異的に増殖誘導する樹状細胞のサブセットを見出し、遺伝子発現解析にも成功するなどの成果をあげることができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 小田中 瑞夕; 今井 優樹; 山崎 小百合
     
    紫外線照射は免疫寛容を誘導することが知られている。本研究では、紫外線照射による免疫寛容を誘導する樹状細胞サブセットを同定した。これまで皮膚免疫に重要であると考えられていたのは、表皮に存在するCD11b-typeランゲリン陽性樹状細胞(ランゲルハンス細胞)であった。しかし今回、紫外線照射した皮膚では、CD11b-typeランゲリン陰性樹状細胞によって制御性T細胞が誘導されることがわかった。この樹状細胞サブセットは免疫寛容や制御性T細胞の機能と増殖に関わる遺伝子を高発現している特徴を有することから、自己免疫疾患等を制御している可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 山崎 小百合; 小田中 瑞夕; 今井 優樹; 森田 明理; 大倉 永也
     
    メラノーマに免疫チェックポイント阻害剤 といわれる抗CTLA-4抗体や抗PD-1抗体による治療が開始され、効果をあげている。免疫チェックポイント阻害剤の適応のないメラノーマ以外の皮膚希少癌や他の癌腫に対して、これらの免疫療法の有効性を予測できるような基礎データを出すために本研究を遂行した。貴重な検体であるため、サンプリングに注意をはかり、酵素処理などの条件決定を行った。フローサイトメーターによる解析で皮膚希少癌や他の癌腫において制御性T細胞が浸潤し、特徴的な表現型を持っていることがわかった。制御性T細胞は、特徴的な遺伝子発現パターンを示しているというデータも得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2018年03月 
    代表者 : 太田 里永子; 今井 優樹
     
    口腔がん患者のがん組織において、その82%に終末糖化産物受容体RAGEが発現している。RAGEは、HMGB1などをリガンドとし、種々の細胞内シグナルを介し、細胞増殖、細胞運動・浸潤、血管新生を促進する。一方、I型ムチンのMUC1は、多くのがん細胞に発現し、がん抗原として着目されている。本研究ではRAGE及びMUC1に対する2重抗体を作成する目的で、RAGEに対するモノクローナル抗体を作成し、2重単鎖抗体の作成及び結合性の改良を試みた。口腔がんのみならず、さまざまながんにRAGE及びMUC1が発現していることから、これらの改良した抗体を用いることで、腫瘍の増殖抑制をもたらす可能性を示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 今井 優樹; 水野 正司; 太田 里永子
     
    我々は、歯周病が腹膜障害を増悪することでPD離脱患者が増加するのではないかと仮説を立て、歯周病原因菌感染とPDに関わる組織障害との関連について検討した。PD患者から得られたPD排液に歯周病原因菌が検出できるかどうかを試みたところ歯周病原因菌は検出できかなった。 次に、細菌感染とアナフィラトキシンの濃度の上昇が直接的に炎症反応の悪化させることを明らかにするため、低濃度LPS存在下又は非存在下でC5aまたはC5adesArgをラットに投与した。その結果、アナフィラトキシン単独では顕著な炎症応答は検出できなかったが、LPSを低濃度で前投与後アナフィラトキシンを投与すると強力な炎症反応が誘導された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 今井 優樹
     
    口腔癌細胞株に対するセツキシマブの補体活性化能を検討したところ、わずかではあるが、補体活性化を誘導した。次に、抗腫瘍免疫応答を増強することができると考えられる新規遺伝子組み換え抗体CR2-Fcを作製した。CR2-Fcはセツキシマブを血清存在下において口腔癌細胞に結合することができるかどうか調べたところ、ヒトCR2-Fcは補体成分C3が沈着した口腔癌細胞に結合することができた。また、CR2-Fcはセツキシマブによる補体活性化を増強した。これらの結果により、セツキシマブが補体活性を誘導でき、CR2-Fcは抗体による補体活性化能を増強することが可能であることを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 牧江 俊雄; 今井 優樹; 北谷 和之; 森永 紀; 中村 剛
     
    創薬開発に関する情報は医療保健科学院が発信している臨床研究 (試験)検索サイトとWHOが運営するサイトの2か所を利用できる。最終的にすべての情報はWHOのサイトに集約される。実際に調査したC型肝炎の登録情報では、WHOのサイトでは日本の治験のほとんどの情報を入手可能であったが、国内サイトでは臨床試験及び研究の約半数の情報しか入手できなかった。これらのサイトを利用すれば、論文発表よりも2年早く動向を知ることができることも分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 岡田 則子; 今井 優樹
     
    補体反応の過程で生成されるアナフィラトキシン C5a は極めて強力な起炎因子であり、好中球や血管内皮細胞を刺激活性化してサイトカインを放出させ、サイトカインストームを引き起こす。アナフィラトキシン C5a により惹起されるこれら重篤な炎症性病態の全容を解明するために、C5a に対する阻害ぺプチドを、相補性ぺプチド創出技術を用いて創出した。 C5a 相補性ペプチド AcPepA の効果をラット脳虚血再灌流モデルで検討したところ、AcPepA を投与した群はクリニカルスコアを有意に抑制した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2010年 
    代表者 : 今井 優樹
     
    MUC1特異的モノクローナル抗体は口腔癌の標的化には有効だが、抗体単独での抗体免疫療法では有効性が見られず、補体膜制御因子の発現によりその作用が抑えられていることを明らかにしてきた。そこで、補体制御因子の機能を抑えることで抗腫瘍効果が増強されるのではないかと考え、抗MUC1抗体と補体制御因子阻害抗体の相乗効果を検討した。補体依存性細胞障害反応において,抗MUC1抗体単独の場合と比較するとCD55あるいはCD59の機能阻害抗体を作用させた方が補体依存性細胞障害をそれぞれ約2倍,約3倍に増強した。また、口腔癌細胞を強力に破壊できる3つの機能を持った遺伝子組み換え三重機能抗体を作製することを試み、補体膜制御因子と阻害する部位と、MUC1を認識する部位を持ったヒト型三重機能抗体発現ベクターを作製した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 今井 優樹
     
    エンドセリン受容体阻害ペプチドは乳ガン細胞SKBR3, MCF7細胞において60-70%の増殖抑制がみられたが、口腔癌では増殖阻害活性を示さなかった。これらの結果より、口腔癌の増殖においてエンドセリンA受容体の機能は重要でない可能性が示唆された。また、口腔癌特異的な抗原(MUC1)に対する特異抗体C595 の単独での作用を調べた。C595 は補体依存性細胞障害反応、抗体依存性細胞障害反応をわずかに誘導したが、抗体単独では細胞増殖抑制には影響がなかった。従って、MUC1特異的モノクローナル抗体は口腔癌の標的化には有効だが、抗体単独での抗体免疫療法では有効性が見られないことが明らかになった。

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