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青木 康博 (アオキ ヤスヒロ)

  • 医学研究科法医学分野 教授
メールアドレス: aokiymed.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/04/24

研究者情報

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J-Global ID

研究キーワード

  • 法病理学   法医人類学   法医遺伝学   

研究分野

  • ライフサイエンス / 法医学

学歴

  • 1984年04月 - 1988年03月   東北大学大学院   医学研究科   社会医学系
  •         - 1984年   岐阜大学   医学部   医学科

所属学協会

  • 日本DNA多型学会   日本法医学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 青木 康博; 福田 真未子; 琵琶坂 仁; 舟山 眞人
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 青木 康博; 福田 真未子; 琵琶坂 仁; 臼井 章仁
     
    従来より性別・年齢推定に利用されてきた骨盤骨につき,多変量解析や近年進歩が著しい機械学習・深層学習の手法も取り入れ3次元的形態解析を行い,新たな性別・年齢推定法を考案することを目的とした。各骨盤骨のCT画像を3次元構成し,同一点(面)数,同一位相からなる3次元ポリゴン画像を作成し,これを前述の手法で解析し性別・年齢推定の精度を検証した。その結果性別判定では99~92%の高い正判率が得られた。一方年齢推定では,2群分類での正判率は75~80\%に留まり,回帰による年齢推定の誤差は,±9歳以上であった。本研究で検討した方法は法医人類学的計測に有用ではあるが,実務に供するにはさらに研究が必要である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 青木 康博; 琵琶坂 仁; 臼井 章仁; 谷尻 豊寿
     
    3次元CT画像から作成した相同モデル(男性:514例,女性:388例,16-100歳)を用いて,寛骨形状の性差および年齢依存性形態学的特徴を定量的に分析した。各性別および各年代の寛骨平均画像を主成分分析の結果をもとに作成した。男女の平均画像を基準モデルとし,各相同モデルの8,472の対応点の平均頂点間距離を測定することによって,93%以上の例で性別が正しく判定された。一方,いくつかの主成分は年齢と相関があり,腸骨稜の弯曲,弓状線および大坐骨切痕等の形状が影響していることが示された。しかし,年齢と相関のある主成分を使用した平均画像との比較による年代層推定においては,良好な結果を得られなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 青木 康博; 福田 真未子
     
    日本在住者747名につき,X染色体上の短鎖縦列反復配列(X-STR)27座位のデータを収集し,多型指標および連鎖不平衡の状態につき検討した。このデータを用いて行ったシミュレーションにより,XーSTRが父娘,および父由来アリルを共有する女性同胞(全同胞・父系半同胞)の鑑別に有用であることが示された。同胞尤度比算出のため,1)遺伝的距離に基づく組み換え価を採用し,座位ごとに順次計算する,2)連鎖不平衡が検出された座位はハプロタイプとして扱う,3)遺伝型に矛盾が生じた場合のみ突然変異を考慮する,としたモデルを考案した。本法は少ない計算量で妥当な同胞尤度比が得られ,法医遺伝学的に有用と考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 青木 康博; 琵琶坂 仁
     
    法医学分野において性別判定・年齢推定に有用とされている恥骨部につき,3 次元画像および 3 次元 CT 再構成像を用いて定量的解析を行った。恥骨結合部の平均面曲率は 30歳までは大きく,それ以降は低下し平準化した。凹部・凸部の面積比は加齢に従い増加する傾向が認められた。さらに恥骨結合部の相同モデルを作成し,これを利用して主成分分析を行ったところ,各年齢層に特徴的な成分,および特に 35 歳以下において年齢と相関した変化を示す成分が検出された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 青木 康博; 高宮 正隆
     
    本研究は受傷後経過時間の推定,すなわち創傷の陳旧度の判定および受傷時期の生前,死後の鑑定法といった法医学特有の問題意識から,有用なマーカーの検索とその評価を目指したものである.なお,皮膚を主として検討したが,脳,骨をも検討対象として加えた。研究の進めかたとしては,まず実験モデルを作成し,免疫染色法,リアルタイム定量PCR法,in situ hybridization法,beads suspension array法などの技法を用いてサイトカインの発現動態を遺伝子レベル、タンパクレベルで検討した.さらに受傷時期の明らかなヒト切創,刺創,裂創,挫創を対象とし定量解析を行い,また具体的な鑑定法の構築を行った.まず17種のサイトカインにつきタンパクレベルでの発現解析をおこなったところ, IL-5, IL-10, IL12p70, IL13, IL17, GM-CSF, IFN-Y, TNF-αの受傷後早期の,IL-6, MCP-1の中期の,またIL-1β, IL-2, IL-4, IL-8, G-CSF, MIP・1βの受傷後中期から後期にかけての発現の上昇を認めた.なお,IL-7は傷治癒過程で発現が抑制されていた.IL-5, IL-10, IL12p70, IL13, IL17, GM-CSF, IFN-Y, TNF-αは急性期の指標となることが示唆され,皮膚損傷受傷後経過時間推定においては,免疫組織学的手法に加え,定量解析も推定の一助になると考えられた.さらに法医実務への応用を視野に入れ,サイトカイン検査を外注で行うことを試みた.すなわち本邦の臨床検査会社におけるサイトカイン検査体制を調査した上で,本検討でのデータを考察し,法医実務で有用と考えられるサイトカイン10種, IL1β, IL4, IL6, IL8, IL10, G-CSF, GM-CSF, IFNγ, MCP1, TNFαを選定した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 中屋敷 徳; 青木 康博; 橋谷田 真樹
     
    1.DMPA(differntially methylated parental allele)検出法が応用可能な新規インプリント遺伝子SNPの検索を、新たに8遺伝子のSNPsについて行ったが、明らかに有用なSNPは確認されなかった.一方、これまでに応用可能が判明しているH19遺伝子について、以前に対象とした3SNPs(ハプロタイプとして3アリル)の近傍には11SNPsの存在が確認され、これらを加えた14SNPsの型判定をするとハプロタイプとして8アリルが検出された.このことは単独遺伝子多型として十分な情報力があると思われる。これらのSNPsの同時検出方法については現在検討中である. 2.DMPA検出法が応用可能な5遺伝子のうち4ローカス(H19,SNRPN,PEG3およびMEST)について集団調査を行った.アリル分布が偏っていたMESTを除き、代わりにHYMAIを加えた4ローカスの同時型判定をミニシーケンス法で行った.7SNPsに特異的なプライマーを用いることで型検出が可能であった.なお、4ローカスの多型の同時検出によりいずれか一つでもヘテロ型が観察される確率は93%であった.事前にDNAの酵素処理を行った後のミニシーケンス法によるDMPA判定ももちろん可能であった. 3.DMPA検出法の信頼性を高めるために3〜4人のDNAサンプルを用いたクローニングレベルのメチル化状態を解析した.その結果、個人により若干の差異はみられるが、いずれのローカスでもインプリント状態から推測される親アリルの高度あるいは疎メチル化状態が確認された.一方、少数のクローンではメチル化状態の混在も少数ながら観察されたことから、サンプルによっては判定に困難を伴う可能性があると推察された。このメチル化状態の混在が最も顕著だったのはPEG3であった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2005年 
    代表者 : 金武 潤; 青木 康博; 舟山 眞人; 平岩 幸一; 那谷 雅之; 中園 一郎
     
    5県(岩手・宮城・福島・三重・長崎)の警察医会・検案医会に所属する医師(一部歯科医師を含む)を対象にプレゼンテーションを行った後、アンケート調査を行った。本システムに対する関心は高かったが、携帯電話のカメラ・ウェブ機能の利用率は低かった。 6大学(札幌医大・岩手医大・東北大・福島県立医大・三重大・長崎大)の卒業後3〜5年目の医師を対象にアンケート調査を行った。若手臨床医の多くが死体検案の経験とその指導を受けた機会が少なく、可能な限り死体検案を引き受けたくないという実態が判明した。費用に関しては、無料あるいは勤務先の病院が負担すべきとの意見が大半を占めたが、少数ながら個人負担でも構わないとする意見がみられた。その一方で、携帯電話利用に対する拒否反応はなく、本システムに対する需要と期待があることが確認できた 全国79大学の法医学教室を対象に、アンケート調査を行った。死体検案に関する電話相談件数は年間数件である施設が大多数を占めた。携帯電話による画像の質は助言を目的とする場合には十分であるが、受け手側の体制整備とセキュリティの確保が最大の問題であると指摘された。 セキュリティの確保については、パスワード、暗号化、指紋認証、遠隔情報削除機能、画像ファイルの自動消去といった既存の技術を組み合わせることにより可能と判断された。また情報の二次利用の制限についても考慮する必要性が認められた。 本システムの運用形態として、(1)病院単位、(2)個人利用、(3)警察署へ配備しての共同利用等が考えられるが、最も効果的なのは研修医の教育を目的とした病院単位での利用であると考えられた。本システムの基本構想は既に完成しており、運用ガイドラインの策定に着手し、実際の運用を想定したシステム開発および実証実験を行う段階にあると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 青木 康博; 高宮 正隆
     
    本研究は受傷後発現する炎症性サイトカインのmRNAがどのように消長するかを比較・検討し,さらには皮下出血修復過程が多様性を有する原因を考察することを目指したものである。皮下出血モデルとしては従来皮下に自己血を注入するなどの方法が提唱されてきたが,法医学的に問題となる皮下出血の受傷機転,すなわち鈍体の打撲・圧迫とは本質的に異なる。そこでDDY雄性マウスを用い,背部中央の皮膚を剃毛し,中央を吊り上げ2枚のステンレスプレートで皮膚を圧迫する方法により皮下出血を作成した。まず血管修復因子として報告されているサイトカインtissue-type plasminogen activator(t-PA)の発現について検討したところ,皮下出血におけるt-PA mRNA発現量は受傷1時間後をピークとする経時的変動が認められた。皮下出血の発生機序は皮下の血管破綻であり,一般にplasminogen activatorは血管損傷後早期に毛細血管基底膜および細胞外器質を溶解し修復を促進するとされており,これが本検討における受傷後早期のt-PA mRNA発現量増大と関連していると考えられた。一方細胞外器質の一つであり創傷治癒への関与が報告されているfibronectinのmRNAの発現動態を検討したところ,皮下出血後のfibronectin mRNA発現量は損傷作成後後期をピークとする経時的変動が認められた。fibronectinの作用はオプソニン化への関与を含め多彩であるが,皮下出血治癒過程においては主として受傷後後期の組織リモデリングに関与しているものと推定された。またこれまであまり報告されていない,一定侵襲下での皮下出血に伴う炎症性細胞の動態の免疫組織学的検索も行い若干の知見を得た。これらの炎症細胞の動態と,それぞれ挙動の異なる複数のmRNAの発現を併せ検索することにより,データの分散が大きいとされる皮下出血においても比較的正確なエイジングができる可能性が示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 青木 康博
     
    本研究は受傷後経過時間の推定,すなわち創傷の陳旧度の判定および受傷時期の生前・死後の鑑別に有用なマーカーの検索とその評価を目指したものである。実験モデルの作成にあたり,侵襲形態として切創・熱傷・電撃等について検討を行ったが,侵襲量定量化が容易であること等からマウス切創モデルを採用することとした。血管増殖に関わるサイトカインとされているbasic fibroblast growth factor(bFGF)およびvascular endothelial growth factor(VEGF)の発現動態を免疫組織化学的に観察し,さらにその遺伝子の発現についてin situハイブリダイゼーションやリアルタイム定量PCR法などの技法を用いて検討した。その結果bFGFは受傷後0.5〜1時間後の線維芽細胞と24〜144時間後の表皮細胞において,VEGFは72,144時間後の表皮細胞において発現を認め,これらの染色像は死後変化に対して比較的耐性があり,また死後損傷によっては発現されないことが確認された。特に前者は表皮細胞のみならず線維芽細胞でも発現が確認できること,受傷後早期にタンパク発現を認めることなどから,受傷後経過時間推定にとってより有用なマーカーたりうると考えられた。そこでさらに,bFGFおよび線維芽細胞から発現しているとされるfibronectinについてその遺伝子発現について検討したところ,bFGFは受傷後早期に遺伝子発現量が増加するが,fibronectinは受傷後発現量は増加するものの特徴的な経時的変動を認めなかった。またbFGFについて他臓器の損傷に対しても同様に検討を進めたところ,肝損傷・腎損傷では受傷後遺伝子発現量の変動を認めなかったが,脳損傷においては受傷後経時的に遺伝子発現量が変動していることが明らかになった。以上の知見より,bFGFの遺伝子発現パタンは外胚葉系組織の損傷において,受傷後急性期の指標となりうる可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -1999年 
    代表者 : 中屋敷 徳; 熊谷 礼子; 青木 康博
     
    インプリンティング領域内における多型現象を法医学的に応用するべく検討した。染色体11p15.5におけるIGF2(父性アレル発現)ならびにH19(母性アレル発現)遺伝子内の塩基置換に基づく既知RFLP多型について,まず基本となるデータを得るために,岩手県集団の頻度調査および親子鑑定事例での遺伝様式を調べた。IGF2多型を報告にあるPCR-RFLP法に代えてPCR-SSCP法で調べたところ,簡単かつ確実な判定が可能となった(RFLP法による判定は時に誤判定を伴う)。一方,H19多型については,報告されているPCR-RFLP法が有効であった。それぞれの対立遺伝子頻度は報告されている数値と似ていたものの,期待値と観察値に若干の差が見られ,サンプル数を増やして追加・検討している。親子30例において遺伝的矛盾は全く見られなかった。 各々の多型の塩基配列に基づき、メチル化シトシン部位を推測してプライマーを合成した。DNAをbisulfite処理してmethylation specific PCR(MSP)を試みたが,両多型領域の特異的増幅は困難であった。これは,メチル化シトシン部位を特定するsequencingをすることで適切なプライマーデザインが可能となると考えられる。末消血中の両遺伝子の発現状態をmRNAのRT-PCRにより確認することと併せて,今後も研究を進める予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1999年 
    代表者 : 青木 康博; 中山 友美
     
    反復性の軽微な物理侵襲に対する脳組織の反応を免疫組織化学的・超微細構造的に検討することを目的とした。臓器レベル・細胞レベルそれぞれにおいて変化を観察するため,二種の反復物理侵襲動物実験モデルを作成した。In vivoにおける脳の反復損傷モデルとしては,ラットWeight drop modelを作成し,病理組織学的,免疫組織化学的検討を行った。1回では組織学的に明らかな形態の変化を惹起しない程度の侵襲を繰り返し(3回)与えることにより,頭蓋骨骨折,肉眼的な頭蓋内出血・脳挫傷等を生ぜしめることなく,脳微細構造の病理学的所見が得られ,比較的経度のびまん性脳損傷モデルとして有用であると考えられるが,軸索の変化については,明確な所見が得られなかった。一方で,特に神経細胞の加速減速刺激に対する超微細構造的変化を見るため,培養神経細胞に水平単振動刺激を与えるin vivoモデルを考慮し,神経突起の損傷メカニズムの解明を試みた。このモデルにおいては反復侵襲の蓄積により軸索損傷を惹起しうることを示すことができたが,それだけでなく,軸索損傷発生時のretraction ballあるいはbeading形成の原因として,突起の筒状形態を保つ細胞骨格のネットワークの破壊と,それによる損傷部位の変形を指摘しうる所見が得られた。さらに腫大部は損傷を受けた神経突起の再生の場であり,神経突起の再生は腫大部の細胞骨格を再構築することで進行すること,この再構築は比較的短時間のうちに行われるが,その理由として細胞骨格ネットワークの破壊が主にアクチンフィラメントおよび細胞骨格のクロスリンキングの部分に生じ,長径方向の骨格は保存されていることなどが示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1995年 -1995年 
    代表者 : 青木 康博
     
    非放射性物質標識による核酸の検出を容易に行うことを目的として、チミン・ダイマーおよびペルオキシダーゼに特異的なbispecific抗体の開発を試みた。報告者は抗ペルオキシダーゼ抗体産生細胞株は確立・保持していたが、抗チミンダイマー抗体産生細胞株を保有していなかったため、単クローン抗チミン・ダイマー抗体を作製した。抗原にはサケ精子DNAに紫外線を照射してチミン・ダイマー化したものを用いBALB/Cマウスを免疫し、脾細胞をX63-Ag8-653と融合した。その結果数株のIgGおよびIgM抗体産生細胞を得たが、dot ELISA法でサケ精子DNAに対しても抗体活性を示すものが多く、特異性の高い株の再クローニング等を行っており、チミン・ダイマー化したブローブの検出に関しての検討は十分になしえなかった。一方合成DNA(ATTT)_5にUV照射したもの抗原としてin vitro免疫・細胞融合により抗チミン・ダイマー抗体作製を試みたが、抗体産生細胞株確立には至らなかった。これと並行して4量体によるbispecific抗体産生細胞株作製法について抗ペルオキシダーゼ抗体産生細胞株(P445)および抗A単クローン抗体産生細胞株(2A1)を用いて検討した。後者をウワバイン含有培地で馴化培養し、10^<-3>ウワバインに対する耐性株を選択し、さらに100μg/mlまでの6-アミノメルカプトプリン含有培地にて順次培養し、HAT感受性株を選択して前者と融合した。融合後一時的にbispecificityを有する細胞の発育が認められたが、経代培養中に抗体産生能を失うものが多かった。ハイブリドーマ同士の融合は、融合効率・増殖環境等に改良の余地があると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1994年 -1994年 
    代表者 : 青木 康博
     
    ABO式血液型に対する単クローン抗体産生細胞株とペルオキシダーゼに対する抗体産生細胞株とを融合させ、血液型抗原および酵素と反応するbispecificな抗体の作製を試みた。報告者は単クローン抗酵素抗体産生細胞株を保有していなかったため、まず単クローン抗ペルオキシダーゼ抗体を作製した。抗原は市販の不活性化されたペルオキシダーゼを用いBALB/Cマウスを免疫した。その結果数株のIgGおよびIgM抗体産生細胞を得たが、このうち酵素と結合した際にその酵素活性を比較的阻害しない株(P445、IgG1)をハイブリドーマ融合に用いた。一方抗A・抗B単クローン抗体産生細胞株(2A1、B1)をウワバイン含有培地で馴化培養し、10^<-3>Mウワバインに対する耐性株を選択し、さらに100μg/mlまでの6-アミノメルカプトプリン含有培地にて順次培養し、HAT感受性株の選択を試みた。この操作によりB1についてはウワバイン耐性・HAT感受性株B1UHを確立することができたが、2A1については、培養中に抗体産生能を失うものが多く、現在のところ融合に好適なハイブリドーマを得ていない。 P445とB1UHを融合して4量体とし、ウワバイン・HAT加IMDM選択培地で培養を行い、2株のbispecific抗体産生細胞株PB9およびPB10を得たが、いずれの産生する抗体も抗B活性に比して抗ペルオキシダーゼ活性がやや低いため、現在再クローニング中である。この抗体は抗IgG・抗IgMのいずれとも反応する。酵素活性を阻害するか否かなどの詳細な検討は完了していない。2A1については現在もウワバイン・6-アミノメルカプトプリン含有培地で培養中である。一方ハイブリドーマ同士の融合は、4量体形成率の向上について技術的に改良の余地があると考えられた。さらに、今回扱った4量体細胞の増殖速度はハイブリドーマの1/2ないし1/3程度であり、抗体産生細胞株の確立に時間を要するのが問題点として挙げられる。 Monoclonal antibody ABO blood group Hybrid hybridoma
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 青木 康博
     
    羊水中のタンパクの性状について検討し、羊水特異的にタンパク、特にABO式血液型物質担荷タンパクに対する単クローン抗体の作製を試みた。 臨床診断のため妊娠第16週の妊婦より得た羊水中のタンパクをSDS-PAGEにより分離し、免疫ブロッティングによりABO式血液型活性の有無について検討したところ、170KDaおよび200KDa以上の分画に活性を認めた。血清・唾液・精液・膣液等ではこれらの分子量領域には型活性がみられなかったので、この分画を羊水特異的なABO式血液型物質担荷タンパクを含む分画と考えた。O型羊水からゲル濾過によってこの分画を分離し、抗原としてBALB/c系マウスを免疫し、細胞融合・クローニングを行った。1回の免疫の抗原量は10μgで、週1回・3回腹膣内に投与し、細胞融合3日前にブ-スター投与を行った。アッセイはA型羊水を固相化したELISAによった。クローニングにより抗体生産細胞株を2株分離し、それぞれ産生された抗体の特異性について検討したところ、このうち1株が羊水と特異的に反応する抗体を産生していることが確認された。この抗体はIgG1抗体で全羊水と反応し、血清・精液その他の体液とは反応しないが、羊水中のどのタンパクに対し反応するか等の詳細な検討は完了していない。今後、抗体を精製し、その認識するエピトープについて検討するとともに、微量試料における羊水の証明および血液型検出等への法医学的応用を試みたい。

委員歴

  • 2017年07月 - 2021年06月   特定非営利活動法人日本法医学会   理事長

社会貢献活動

  • 「女性なごや」に寄稿
    期間 : 2013年02月 - 2013年02月
    主催者・発行元 : 行政
     ― 「女性なごや」に「名市大だより 入浴中の異状死について」を寄稿した。
  • 災害発生時における検視等・検案業務に関する検討会参加
    期間 : 2012年05月 - 2013年02月
    主催者・発行元 : 行政
     愛知県医師会館 愛知県警察、愛知県医師会とともに大規模災害時の検視・検案体制の整備について検討を行った。
  • 公開シンポジウムのシンポジスト
    期間 : 2012年06月09日 - 2012年06月09日
    主催者・発行元 : 地域団体・NPO
     アクトシティ浜松 日本法医学会公開シンポジウム「東日本大震災における検案支援の実際と課題」のシンポジストを務めた。

その他のリンク

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