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青山 峰芳 (アオヤマ ミネヨシ)

  • 薬学研究科病態解析学分野 教授
Last Updated :2024/03/22

研究者情報

学位

  • 博士(医学)(名古屋市立大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 包括脳ネットワーク   マイクロアレイ   神経芽腫   腫瘍幹細胞   AKT   ERas   神経芽細胞腫   神経幹細胞   薬剤耐性   アストロサイト   サイトカイン   GMFB   血液脳関門   EIA   GMFG   血管内皮細胞   部位特異性   急性脳症   グリア   

研究分野

  • ライフサイエンス / 胎児医学、小児成育学

経歴

  • 2015年 - 現在  名古屋市立大学大学院 薬学研究科Graduate School of Pharmaceutical Sciences教授
  • 2009年 - 2015年  名古屋市立大学大学院 医学研究科Graduate School of Medical Sciences講師
  • 2007年 - 2009年  名古屋市立大学大学院 医学研究科Graduate School of Medical Sciences助教
  • 2003年 - 2007年  名古屋市立大学大学院 医学研究科Graduate School of Medical Sciences助手

学歴

  •         - 2000年   名古屋市立大学大学院   医学研究科小児科学
  •         - 1993年   名古屋市立大学   医学部

所属学協会

  • 日本骨代謝学会   日本薬学会   日本解剖学会   日本薬理学会   日本生理学会   日本神経科学学会   日本再生医療学会   日本リウマチ学会   日本癌学会   日本神経化学会   北米神経科学会   日本小児科学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 永谷 祐子; 青山 峰芳; 川口 洋平
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 千田 博也; 上用 祐士; 青山 峰芳; 永谷 祐子
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 森 義徳; 久保田 英嗣; 片岡 洋望; 青山 峰芳
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 田村 哲也; 青山 峰芳; 青木 啓将; 祖父江 和哉
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 垣田 博樹; 竹下 覚; 山田 恭聖; 青山 峰芳
     
    新生児脳障害の原因としては、大きく正期産児にみられる新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)と早産児にみられる脳室周囲白質軟化症(PVL)が挙げられる。これらの疾患は脳性マヒをはじめとする重篤な後遺症を残し、その克服は現在の新生児医療における大きな課題である。新生児脳障害の治療法として、現在までに確立しているのはHIEに対する低体温療法のみである。しかしながら低体温療法を施行しても、依然として30-60%の症例で予後不良であるのが現状であり、さらに早産児に白質傷害を起こすPVLにおいては、確立された有効な治療法はない。 申請者らは、培養グリアを用い、低温状態がアストロサイトのEPO分泌を促進し、ニューロンの傷害を抑制することを明らかにした(J Neuroinflammation 2020)。さらに、アストロサイトを低酸素および無糖状態にすることで亢進するEPOの発現にAMPKが関与していることを明らかにした(未発表)。また申請者らは低温状態がミクログリアの活性化を包括的に抑制し、神経傷害を抑制することを明らかにした(Cell Mol Neurobiol 2021)。さらに、LPSで活性化したミクログリアは低温状態で活性型AMPKの発現を促進することを明らかにした(未発表) これらの研究成果はグリアに注目した基礎研究で、低体温療法の脳保護メカニズムのさらなる解明、新規補完治療法の開発につながる可能性がある。さらにグリアの機能を制御することで低体温療法が施行困難な早産児の脳室周囲白質軟化症も含めた包括的な新生児脳障害の治療成績を向上させることが期待できる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2024年03月 
    代表者 : 青山 峰芳; 垣田 博樹; 山田 恭聖
     
    周産期医療の進歩により新生児の救命率は著しく改善した一方で、中枢神経の後遺症に苦しむ患児を救うことは本人や家族や新生児医療関係者にとって切実な課題である。低体温療法の普及により、多くの新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)患者の予後を改善している。しかし、効果が不十分な症例や他の合併症によって適応を断念する例が存在する。申請者らはこれまで、エリスロポエチン(EPO)をはじめとする神経保護因子の研究を通じて、グリアに注目した神経保護治療の可能性拡大を基礎研究により解明してきた。本研究では、新生児のHIEに対して効果が期待されてきた低体温療法の作用メカニズムの解明と至適化に向けた基礎研究を計画する。グリアによるNeuroinflammationの制御という観点から治療メカニズムの解明および補完できる新規治療ミックスを提案することを目指す。新生児医療におけるより効果的な低体温療法を提案し、新生児期中枢神経疾患の後遺症の予防法開発を目標とする。HIEを模したIn vitroおよびIn vivoの実験により、低体温が細胞レベルおよび生体レベルでどのような効果があるか検討する。in vitroにおいて、培養グリア(アストロサイト、オリゴデンデンドロサイト、ミクログリア)、培養ニューロンに細胞傷害をあたえたのち、低温度環境下で培養を持続した結果得られる細胞の反応について解析を行った。in vivoにおいては、病態を模したモデルラットを安定的に作成できる実験系の確立を開始した。さらに脳の凍結切片を作成し免疫染色を行い、脳傷害の部位、程度、病変部でのグリアの集積、形態変化などを検討することを計画している。本研究により、新生児医療におけるよりよい低体温療法を提案し、新生児期中枢神経疾患の後遺症の予防法開発につながることが期待できる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 上田 博子; 垣田 博樹; 山田 恭聖; 青山 峰芳
     
    脳室周囲白質軟化症(PVL)は早産児に発症し、将来の脳性麻痺や発達障害を引き起こす重篤な疾患である。PVLの発症は感染、炎症、低酸素虚血状態などによる局所的な軸索の脱髄が原因である。和われらはこれまでにPVLを高率に合併する晩期循環不全(LCC)を発症する早産児では、副腎不全による内因性ステロイド不足が潜在することを明らかにした。またPVLモデルにおいて、グリアが疾患の増悪や神経保護において、多面的かつ主体的に関与していることを明らかにしてきた。これらの研究成果からステロイドがグリアに及ぼす影響に着目し、PVL発症メカニズムを解明する。特にこの内因性のステロイド不足が、脳虚血の前段階として、脳室周囲白質のオリゴデンドロサイトの虚血に対する脆弱性に関わっている可能性を検証することを目的とする。 本年度は副腎不全モデルラットの作成に取り組んだ。早産児に相当するP3ラットの両側副腎を外科的に結紮するモデルの作成に取り掛かった。しかしながら、外科的結紮では、著明な低ナトリウム血症により、致死率が50%を超え、長期生存個体による検証が困難であった。そこで現在はコルチゾール合成阻害の投与により、一過性の副腎不全をきたすモデルラットの作成をおこないっている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 井坂 雅徳; 長谷川 忠男; 前山 順一; 立野 一郎; 青山 峰芳; 矢木 宏和
     
    A群連鎖球菌は、咽頭炎や猩紅熱を引き起こす原因菌である。劇症型への機序について様々な研究報告が出ているが、一向に完全解明に至っていない。A群連鎖球菌劇症型株は健常人でも検出され、劇症型株に感染することが発症に必須ではない疑問がある。そこで、劇症型が発症するにはA群連鎖球菌がヒトへ感染後、変化するための何らかの情報を受け取らなければならないと考えた。ここで外界情報を受け取る二成分制御因子の研究が進んでいる、Streptococcus mutansに着目した。A群連鎖球菌と同属のこの細菌は、乳酸、酪酸を産生し、歯にバイオフィルムを形成して虫歯を増悪させる。この細菌の二成分制御因子は酸感受とバイオフィルム形成に関与する。同様の仕組みがA群連鎖球菌に存在するかを調べると、A群連鎖球菌の二成分制御因子の一つであるspy1588遺伝子欠損株は、バイオフィルム産生低下、酸抵抗性の低下を示した。我々は、酸を感受する二成分制御因子と、それに関連する遺伝子群に変異が劇症型に生じていると考え、研究を現在進めている。 本年度はSPY1588の立体構造を測定すべく、部分的ペプチドをpETベクターとタンパク質発現用大腸菌で発現させ、X線構造解析の資料作製を実施した。 Spy1588の遺伝子組換え体作成を実施した。昨年精製法を一部改良して実施したが、タンパク質が凝集して精製困難な場合が多いため、精製段階からの見直しを行いました。すると、大腸菌由来であろう凝集物が目的産物に結合して精製を阻害していることを突き止めた。この阻害物の除去の精製法が得られたので、再度純度を上げた精製法でペプチドを精製しています。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 垣田 博樹; 山田 恭聖; 青山 峰芳
     
    新生児の後遺症なき生存を阻む大きな壁は脳障害である。近年、低体温療法が新生児低酸素性虚血脳症における治療法として確立している。しかし、その効果は限定的である。低体温療法は興奮性アミノ酸、フリーラジカル、炎症性サイトカイン産生抑制、さらに抗炎症性サイトカインの誘導などにより脳傷害を抑制すると考えられている。今回の研究で申請者は、アストロサイトが分泌するエリスロポエチン(EPO)が、低体温療法における脳保護に重要であることを明らかにした。。さらに低体温療法はミクログリアにおいてNFκ-Bの活性化を抑制することで、神経保護効果を示すことを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 山田 恭聖; 垣田 博樹; 青山 峰芳
     
    早産児も生存可能となったが、長期予後に関しては行動異常を含めまだ改善の余地がある。自閉症スペクトラム障害(ASDs)の発症頻度は一般母集団の2倍以上であると言われる。動物実験では、新生児期に痛みに暴露されると成獣期において、不安行動が認められたり、視床下部ー下垂体ー副腎皮質の制御が撹乱する。私たちは新生児期の痛み刺激の増加がASDs発症につながると考えている。本研究では、早産児に暴露した痛み刺激と非定型的な発達の関連を修正12ヶ月で確認した。また自動型ランセットによる足底採血は従来の針による採決に比較して痛みが少ないことを見つけ、将来のASDsにつながる非定形発達を予防する可能性を示唆した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 青山 峰芳; 山田 恭聖; 浅井 清文
     
    脳室周囲白質軟化症(PVL)は、早産児に特有で比較的軽度の虚血から脳室周囲白質の傷害を引き起こし、脳性麻痺の主な原因となる重篤な疾患である。申請者は造血作用ホルモンであるエリスロポエチン(EPO)の脳保護作用について研究を継続し、本研究ではEPOによるミクログリアの活性化調節作用に注目し解析した。細胞レベルの解析により、EPO投与によりミクログリア活性化が抑制されることを確認した。生体内での活性化ミクログリアに対するEPOによる効果も細胞レベルの解析と同様だった。以上の結果をまとめて、論文として報告した。引き続き、EPOによる脳保護効果についての詳細なメカニズムの解析を継続していく。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 田村 哲也; 祖父江 和哉; 青山 峰芳; 浅井 清文
     
    貧血の治療薬であるエリスロポエチン(EPO)は脳神経保護作用があることが近年知られているが、その機序は不明である。多くの脳疾患では、脳を構成する細胞の一つであるミクログリアが活性化していることが多い。我々は脳に傷害を及ぼす活性化ミクログリアに注目し、ミクログリアにEPOの受容体があることを発見した。 本研究では、ミクログリア培養細胞とマウスを用いて実験を行い、EPOが活性化ミクログリアによる脳への傷害的な作用、例えば炎症性サイトカイン産生や傷害的な貪食などを抑制することにより脳保護効果を示すことを明らかにした。救急・集中治療領域における急性期の脳疾患でEPOが治療薬として有用な可能性がある。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 森 義徳; 片岡 洋望; 青山 峰芳
     
    進行再発手術不能の消化管間葉系腫瘍(Gastrointestinal stromal tumor; GIST)に対する治療には薬物療法が選択されるが、その効果は限定的で、薬剤耐性獲得などの問題もあり、新規治療の開発が望まれている。本研究では、腫瘍溶解性ウイルス、レオウイルスのGISTに対する有効性を分子生物学的手法を用い検証した。レオウイルスはGIST細胞に殺細胞効果を示し、またGISTの標準治療薬であるイマチニブへの耐性を獲得したGIST細胞に対しても有効性を示した。われわれの研究結果は、レオウイルスがGISTの新たな治療薬として期待しうるものであることを示唆するものであった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 垣田 博樹; 浅井 清文; 青山 峰芳
     
    新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)に対して現在まで報告されている有効な治療法としては、低体温療法のみである。本研究ではHIEに対する低体温療法によるグリア機能制御による脳内の微小環境改善 を視野に入れた検討を行った。培養アストロサイト、ミクログリアにおいて低酸素負荷を行い、これらの細胞を低温状態(32-34℃)にすることにより、iNOS、炎症性サイトカインの発現が抑制されることを明らかにした。さらに神経保護作用を有するEryhtropoieitnは低温状態により、高発現が持続することを明らかにした。本研究により、現在もなお予後不良疾患であるHIEの病因および治療法の開発に貢献できるものと考える。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 青山 峰芳; 浅井 清文
     
    エリスロポエチン(EPO)は主に腎臓で産生される造血作用ホルモンである。近年、EPO受容体(EPOR)が中枢神経で発現し、EPORを介したシグナルが神経保護効果を有することが報告された。申請者は、EPOによるミクログリア活性化調節機構に注目して解析を行った。その結果、EPOは神経保護効果のみならず、ミクログリアの炎症性サイトカインの産生、貪食能、形態変化をはじめとする細胞活性化調節作用も有することをあきらかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 森 義徳; 片岡 洋望; 三浦 裕; 粕谷 英樹; 青山 峰芳
     
    HER2陽性胃癌に対してはHER2の分子標的薬トラスツズマブと抗癌剤の併用療法が第一選択となっているが,十分な治療効果が得られていないのが現状である.近年,新たな抗腫瘍療法として腫瘍溶解ウイルスが期待されている.今回我々はHER2陽性胃癌細胞におけるトラスツズマブと腫瘍溶解性レオウイルスの併用による抗腫瘍効果を検討した.HER2陽性胃癌細胞に対するトラスツズマブとレオウイルスの併用は,カスパーゼ3/7を介したアポトーシス誘導により抗腫瘍効果を増強すると考えられた.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 浅井 清文; 青山 峰芳; 垣田 博樹
     
    インフルエンザ脳症をはじめとするウイルス性脳症の病態を理解し、特にジクロフェナックナトリウムにより増悪メカニズムを解明するために本研究を企画した。培養アストロサイトおよびミクログリアを、IL-1β、TNF-α、IFN-γにて刺激すると、アストロサイトでは、iNOS、AQP4が発現上昇し、NOの産生も高まった。ミクログリアでも、iNOSが誘導され、NOの産生が高まると共に、貪食作用も高まった。サイトカインによるこれらの誘導は、DCF存在下で強くなることから、これらの誘導が、脳症増悪メカニズムの一端を担っている可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 久保田 英嗣; 片岡 洋望; 浅井 清文; 青山 峰芳; 鈴木 周吾
     
    近年,がん治療は著しく進歩したが,胃癌においては未だ十分な成果は得られておらず,新たな治療の開発が喫緊の課題である.この問題を克服するためには,新たな胃癌の治療標的分子を明らかにすることが重要であると考えられる.これまでに我々は新規Ras遺伝子,ERas(ES cell-expressed Ras)が胃癌に発現し,胃癌の浸潤・転移に関与していることを,ERasが胃癌の予後診断バイオマーカーとして有用である可能性を示してきた.本研究ではさらに研究を発展させ,ERasの転移促進のメカニズム,ERasを標的とした治療の可能性を示した.
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2010年 -2011年 
    代表者 : 青山峰芳
     
    ヒト iPS 細胞から神経幹細胞を作成し、小児の神経系腫瘍である神経芽腫に関連した癌遺伝子N-myc を発現させることで、神経幹細胞が腫瘍化するか検討した。ヒトおよびマウス神経幹細胞から神経発生過程に一致した様々な段階の神経幹細胞の作成を試みた。さらに、N-myc 遺伝子を神経幹細胞へ遺伝子導入し、細胞増殖の変化を観察した。この成果は、正常細胞が腫瘍化するモデルを細胞レベルで再現することとなり、腫瘍発生メカニズムを解明する知見となると考える。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 浅井清文; 青山峰芳
     
    申請者らは、血液脳関門を形成する脳毛細血管内皮細胞およびアストロサイトを安定して供給するために、これら細胞の初代培養細胞に遺伝子導入し、長期培養可能な細胞株を得ることを試みた。マウスの脳から脳毛細血管内皮細胞を初代培養し、SV40T抗原cDNAを含むベクターを遺伝子導入し、3個のクローンを得た。一方、ラット胎児(E18)の大脳皮質から初代培養し、同じ手法にて10個のクローンを得た。これらの13個のクローンは、全てテトラサイクリンにて遺伝子発現がコントロール出来るTet-onシステムのベクターを用いたが、テトラサイクリンを除去した場合にSV40T抗原の発現低下が観察されなかったため、これらのクローンに、再度、Tet repressorを発現するベクターを遺伝子導入した。再び細胞株を選択し、ウエスタンブロットで確認したところ、テトラサイクリンを除去した場合にSV40T抗原の発現が消失するクローンを得ることが出来た。SV40T抗原のON/OFFにより、細胞株の性質(脳毛細血管内皮細胞やアストロサイト特異的タンパクの発現など)が、どのように変化するか、RT-PCRおよびウエスタンブロットにて確認を行なった。アストロサイトにおいて、GFAPの発現量を比較したところ、T抗原の消失に伴い、発現上昇傾向が観察された。現在、これらの細胞株を用い、共培養系を用いた細胞の形質の変化の検討を行っており、血管内皮細胞株におけるタイトジャンクション構成蛋白の発現の変化を観察している。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 青山峰芳; 浅井清文
     
    神経芽細胞腫由来腫瘍幹細胞および神経幹細胞の細胞特性を解析し、神経芽細胞腫由来腫瘍幹細胞と神経幹細胞との類似点と相違点を明らかにすることで、神経芽細胞腫の悪性化メカニズムを解明することを目的とした。正常の神経幹細胞の単離については、胎生期のマウス全脳および成体マウス側脳室外側からneurosphere法によって神経幹細胞を単離した。一方、マウス神経芽細胞腫由来腫瘍幹細胞の単離については、腫瘍幹細胞の表面マーカーによる単離およびneurosphere法に類似した方法である機能的な単離を試みたが、単離できなかった。株化した神経芽細胞腫株の中にはヒト神経芽細胞腫摘出腫瘍内に見られる腫瘍幹細胞がほとんど存在しない可能性が示唆された。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 浅井清文; 三浦裕; 青山峰芳
     
    申請者らは,アストロサイトが様々な脳内部位において異なる機能を有することを想定し,その相違を分子レベルで証明することを目的に解析を行ってきた。昨年までに,凍結ラット脳切片を迅速免疫組織染色法によって抗GFAP抗体にて染色し,laser microdissection(LMD)法を用いて各脳内部位からGFAP陽性細胞のみを採取し,遺伝子発現の違いをDNA microarray(Agilent社製)を用いて比較した。その中で大脳皮質と線条体において有意に発現の違いを認めた遺伝子,12個を見いだした。そこで,今年度は詳細な観察を行うため,大脳皮質で発現が高かった水の輸送に関与するアクアポリン4(AQP4)の発現について注目し解析を行った。空間的,時間的多様性を調べるために年齢別,部位別に凍結ラット脳切片を用いた免疫組織染色を行った。また,年齢別,部位別のアストロサイト培養細胞を用いた免疫細胞染色を行い,細胞培養系においても脳内部位特異性が保持されるか検討した。その結果,少なくとも大脳皮質と線条体においてアストロサイトにおけるAQP4の染色性が異なることがわかり,それは部位特異的に均一な細胞集団であるというより,部位特異的にヘテロな細胞集団の構成が異なることが考えられた。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(若手研究(B))
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 青山峰芳
     
    本年度は、ES細胞特異的に発現している新規遺伝子ERasの発現を実際の神経芽腫摘出標本で確認し、腫瘍細胞株を用いてERas発現による腫瘍形成能、薬剤感受性の変化について解析した。 1,神経芽腫摘出標本でのERasタンパクの発現 患者または患者家族から遺伝子およびタンパク発現の解析について同意を得た神経芽腫患者摘出腫瘍切片を用いて免疫染色によりタンパクレベルでの発現を確認した。抗体は研究協力者の山中らがすでに作成し、特異性を確認できている抗ERas抗体を用いた。今回用いたほとんどすべての神経芽腫切片で発現を確認したが、特に未分化な腫瘍細胞ほど強い染色性を示した。また、ERasタンパクは細胞内の細胞膜に局在していると考えられた。 2,神経芽腫細胞株でのERasの発現 神経芽腫細胞株では複数の細胞株でERas遺伝子の発現をRT-PCRによって確認していたが、Western blottingによってタンパクレベルでの発現も同時に確認できた。 3,神経芽腫ERas遺伝子強制発現株の解析 ERas発現が確認できている中でも低発現である神経芽腫細胞株SH-SY5Yを用いてERas遺伝子を導入し強制発現株を作成した。これらのクローン細胞株は細胞増殖能に影響は与えない一方で、soft agarを用いた足場非依存性の増殖を亢進し、シスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチンといった神経芽腫への化学療法剤による細胞死を抑制した。この薬剤耐性のメカニズムにはERas発現による下流シグナル分子のリン酸化を介したERas/Akt pathwayの活性化が重要な働きをしている可能性が示唆された。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 浅井清文; 青山峰芳; 三浦裕
     
    本研究では、ヒトおよびマウスのGMFGのgenomic DNAの解析を進めた。また、GMFB、GMFGに対する特異的抗体を用いて酵素抗体法による高感度測定法(EIA)を確立した。また、凍結によって作成した脳損傷モデルラットを用いて、損傷後の脳組織におけるGMFBの発現変化を検討した。 [1]GMFG genomic DNAの解析:ヒト及びマウスGMFGのgenomic DNAをクローニングし、塩基配列を決定した。その結果、ヒトおよびマウスともGMFGは7つのexonより構成されることが判明した。Promoter部位はTATA lessで、housekeeping gene様のGC rich promoterであり、転写開始点が数カ所あることが判明した。また、エンハンサー領域の解析を行った(Kawai et al. BBA,1625,246-252,2003)。 [2]Enzyme Immunoaasay(EIA)系によるGMFsの定量:EIA系を用いて、ラットおよびヒトの各種臓器中のGMFB、GMFGの濃度を測定した。GMFBは、中枢神経でもっとも発現が高く、それ以外に、脾臓、胸腺、肺、腸管にも分布していた。一方、GMFGは、胸腺での発現が圧倒的に高く、ついで、脾臓に発現が高かった。また、ラットおよびヒト血清中濃度を測定したところ、GMFBは年齢、性別による変化は無かったが、GMFGは、年齢とともに低下傾向であった(Inagaki et al. BBA 1670,208-216,2004)。 [3]ラット脳凍結損傷モデルにおけるGMFBの発現変化:Wistar系ラットの大脳皮質に凍結損傷を作成し、損傷後のGMFBの発現変化を検討した。その結果、GMFBは、損傷周囲の反応性アストロサイトに強く発現していた。mRNAおよびタンパク発現は、損傷後上昇し、14日をピークに以降減少した。これらの結果から、脳損傷後の修復過程においてGMFBが何らかの役割を担っていることが考えられた(Hotta et al. Mol.Brain Res.,133,71-77,2005)。

委員歴

  • 2019年 - 現在   日本薬理学会   学術評議員
  • 2017年 - 現在   日本生理学会   評議員
  • 2017年 - 現在   日本小児科学会   代議員
  • 2017年 - 2019年   日本薬学会   代議員

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