研究者データベース

道川 誠 (ミチカワ マコト)

  • 医学研究科神経生化学分野 教授
Last Updated :2024/04/13

研究者情報

学位

  • 医学(東京医科歯科大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • 歯科疾患と認知症   アルツハイマー病   アポリポ蛋白E   血液診断マーカー   アミロイドβタンパク質   アンギオテンシン変換酵素   HDL産生   コレステロール   リポ蛋白リパーゼ   

研究分野

  • ライフサイエンス / 基盤脳科学 / アルツハイマー病
  • ライフサイエンス / 補綴系歯学
  • ライフサイエンス / 神経内科学
  • ライフサイエンス / 神経科学一般

経歴

  • 2023年04月 - 現在  日本歯科大学新潟生命歯学部高齢者医療学
  • 2022年04月 - 2023年03月  名古屋市立大学 副学長(兼任)
  • 2012年04月 - 2023年03月  名古屋市立大学大学院医学研究科 神経生化学分野教授
  • 2017年04月 - 2021年03月  名古屋市立大学大学院医学研究科研究科長・医学部長
  • 2005年10月 - 2012年03月  国立長寿医療研究センターアルツハイマー研究部部長
  • 1996年03月 - 2005年09月  国立長寿医療研究センターアルツハイマー病研究部室長
  • 1995年 - 1996年  東京医科歯科大学 医学部Faculty of Medicine助手

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 佐治 直樹; 山下 智也; 道川 誠; 都築 毅; 室谷 健太
     
    近年、腸内細菌と認知症との関連が注目されている。「腸内細菌」と「認知症」という一見接点のなさそうな組み合わせでありながら、インパクトのある関係から、世界中で研究が展開されている。これまでは見えなかった「新しい臓器」としての腸内細菌の解明が病気の予防につながり、国民の健康生活に貢献しうるため、腸内細菌についての研究を私達も進めている。 もの忘れ外来の患者さんを対象に腸内細菌についての臨床研究を実施してきた結果、①認知症と腸内細菌叢(エンテロタイプ)に有意な関連があった(Saji N, et al. Sci Rep. 2019.)。②軽度認知障害群と認知機能健常群との比較でもエンテロタイプは異なっており、認知症になる前から腸内細菌叢に変化が生じていた(Saji N, et al. Sci Rep. 2019.)。③加齢や動脈硬化を伴う生活習慣病の併存によってもエンテロタイプの割合に違いがあった(Saji N, et al. Hypertens Res. 2019.)。機序は未解明であったため、腸内細菌の代謝産物も解析した結果、④認知症群で、アンモニアなどの有機酸は増加し乳酸値は減少していた(Saji N, et al. Sci Rep. 2020.)。さらに、⑤腸内細菌は大脳白質病変(脳MRIの異常所見)とも独立して関連しており、腸内細菌と脳・認知機能に関する深い関係が判明した(Saji N, et al. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2021.)。 現在は、腸内細菌、細菌代謝産物、認知機能、の関連を包括的に評価し、腸内細菌と認知症について関わるメカニズム解明を目標にしている。また、口腔内細菌(歯周病)と認知機能との関連についても、歯科のグループと連携して研究を展開している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 鄭 且均; 道川 誠
     
    糖尿病はアルツハイマー病(AD)の危険因子であり、特に脳内のインスリン欠乏はタウタンパク質をリン酸化させ、認知機能障害を引き起こす。申請者らは、1)ADモデルマウスでストレプトゾトシン投与により1型糖尿病を誘発させ、脳内で変動する分子を2次元電気泳動-質量分析法で網羅的に解析した結果、転写因子であるATBF1の発現レベルが減少することを発見した。本研究の目的は、①インスリン欠乏によるATBF1発現減少メカニズムと、②タウタンパク質のリン酸化におけるATBF1の機能を明らかにすることである。昨年度までには、ATBF1発現はインスリンシグナルによって制御されることや、N2AP301L細胞にATBF1を過剰発現させるとタウタンパク質のリン酸化が亢進し、ATBF1をノックダウンすることでタウタンパク質のリン酸化が抑制されることを明らかにした。 本年度は、ATBF1によるタウタンパク質のリン酸化メカニズムを解明するため、①ラット由来の初代神経培養細胞およびN2AP301L細胞にATBF1を過剰発現またはノックダウンした後、タウタンパク質のリン酸化に関わる酵素(GSK3β、CDK5、JNKなど)およびタウタンパク質の脱リン酸化に関わる酵素(PP1、PP2Aなど)の発現変動を検討することや、②野生型マウスおよびATBF1(+/-)マウスにストレプトゾトシ(STZ)を投与することによるインスリン欠乏マウスを作成し、このマウスを解析することである。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 松下 健二; 佐治 直樹; 里 直行; 多田 浩之; 山田 匡恵; 道川 誠
     
    歯周病および口腔機能と認知症の関係を明らかにするため、国立長寿医療研究センターもの忘れセンターを受診する患者について、本研究の内容を口頭と文書で説明し、同意の得られた被験者を受診時の診断(研究分担者:佐治直樹)に基づき、健常、軽度認知障害(Mild cognitive impairment: MCI)、認知症の三群に分類し、同被験者の歯周病精密検査、口腔機能検査、および口腔内細菌採取を実施した。電子カルテを用いて、患者の①基本情報、②診断名、③総合的機能評価、④神経心理評価、⑤身体機能評価、⑥頭部MRIや脳血流シンチなどの画像情報、血液バイオマーカーなど様々な臨床情報を収集し、患者登録時のこれらの情報と口腔内診査情報および口腔細菌叢の情報について横断解析を実施している。現在、約180名の被験者の歯科検診を修了するとともに、舌苔プラークと歯肉縁下プラークの解析を実施中である。現在までのところ、各種口腔機能の低下と認知機能の低下との間に有意な相関関係が認められている。また、保有歯数減少と認知機能低下の間に有意な相関関係が認められた。加えて、BOPやPISA(Periodontal Inflamed Surface Area) と認知機能との間にも有意な相関関係が見られた。現在、歯周病、口腔機能と認知症・認知機能の三者の相互関連性についても解析を進めている。加えて、口腔清掃習慣と認知機能との関連性も検討中である。本年6月に開催される日本歯周病学会でその解析結果の一部を発表する予定である。また現在、糖尿病合併認知症モデルマウスの口腔内の解析を実施中である。
  • アルツハイマー病早期発見に資する新規血液診断マーカーの確立と診断法開発に関する研究
    国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED):認知症研究開発事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 道川 誠
  • 認知症予防を目指した多因子介入によるランダム化比較研究
    国立開発法人 日本医療開発研究機構(AMED):認知症対策官民イノベーション実証基盤整備事業
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 安彦 善裕; 植原 治; 太田 亨; 道川 誠
     
    本研究は、歯周病原菌であるPorphyromonas gingivalis由来内毒素Lipopolysaccharide(LPS)による、脳の海馬でのエピジェネティクス修飾について網羅的に観察することを目的とする。LPSをマウスに1ヶ月間投与後、海馬を摘出し解析した結果、アルツハイマー病発症に関与する遺伝子であるMMEの発現変化にはIL-10が関与しており、LPSによる持続的な刺激が血清中のIL-10濃度低下およびMMEの減少につながり、アミロイド蓄積を引き起こすことによってアルツハイマー病の病態進行に関与している可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 藪下 忠親; 小海 暁; 加藤 千帆; 沖原 秀政; 小野 卓史; 道川 誠; 牧口 実央; 阿部 泰典; 小川 卓也
     
    近年、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎といった鼻呼吸障害を有する児童は読解力や記憶力、学力が劣ることが報告されている。当研究では成長期鼻呼吸障害モデルマウスを用いて、記憶学習機能の中枢である海馬の変化や記憶学習機能を評価した。成長期鼻呼吸障害は血中酸素飽和度の低下やストレスの増加といった全身的な影響に加え、海馬において神経細胞の成長発達を司るBDNF/TrkB signalingの不調和や神経細胞数の低下といった器質的変化を誘発することが実証された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 道川 誠; 赤川 安正; 大上 博史; 小野 卓史
     
    近年、食事の欧米化や液体タイプの食事などが広がるにつれ、咀嚼の絶対量が低下する傾向にある。一方、歯の欠損あるいは咀嚼機能低下が、アルツハイマー病発症に関連することが疫学研究で報告されており、咀嚼機能低下と認知機能障害との関連が指摘されている。 しかし、両者を結ぶ因果関係の分子基盤は不明である。本研究では、咀嚼機能低下を引き起こす2つの病態・原因として、歯の欠損ならびに粉末食・液状食(リキッドダイエット)を取り上げ、これらが記憶・学習機能へ及ぼす影響を分子メカニズムを含めて動物モデルを用いて明らかにした。
  • 血液を用いたアルツハイマー病超早期診断キット開発
    国立研究開発法人 日本医療開発研究機構(AMED):橋渡し研究(シーズA)
    研究期間 : 2017年04月 -2018年03月
  • 歯周病によるアルツハイマー病病態促進の分子機構解明と治療介入による認知症進行抑止
    文部科学省:科学研究費補助金 (基盤研究(B))
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 石田 和人; 豊國 伸哉; 道川 誠; 杉山 佳隆; 高松 泰行; 玉越 敬悟
     
    「健康寿命」延長の具体的な方策を確立することは急務であり,特に,QOLを著しく制約する脳梗塞や認知症の予防方策を確立する必要がある. 脳梗塞動物作成前に、3週間の運動を行うことで脳梗塞の障害予防効果と脳内の抗酸化酵素発現増加を確認した.また,脳梗塞前の運動が,梗塞部周辺領域におけるアストロサイト活性と低酸素誘導因子-1αの発現増加をもたらすことで神経保護作用が高まる可能性を示した.さらに,加齢とともに認知症様の症状を漏らすとされている認知症マウス(アポリポ蛋白E4ノックインマウス)に対して,6週間の自発的運動を実施したところ,空間記憶に関する認知機能の低下を防ぐ効果を齎すことを示した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2017年03月 
    代表者 : 堂前 純子; 道川 誠
     
    マウスを用いた解析から、ABCA7欠損は内因性アミロイドβ(Aβ)のうち、毒性の高いAβ42の産生が高いこと、アミロイドβ産生亢進モデルマウスでは、ABCA7欠損に伴ってアミロイド沈着が増加することを確認した。またABCA7欠損では、ミクログリア細胞表面でのAβ産生に直結するアミロイド前駆体タンパク質のエンドサイトーシスが亢進することもわかった。さらに、ABCA7はヘテロ欠損であっても腹腔マクロファージ細胞のファゴサイトーシス活性低下の生じることを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2013年04月 -2017年03月 
    代表者 : 斎藤 博幸; 笠原 二郎; 長尾 耕治郎; 赤路 健一; 大髙 章; 岡村 恵美子; 小林 典裕; 北河 修治; 道川 誠
     
    本研究課題では、血中や脳内でのコレステロール代謝平衡を調節しているヘリックス型アポリポタンパク質であるアポA-IとアポEについて、(1)HDL非結合-結合型構造間の動的平衡コンフォメーションに関する蛍光分光学的解析、(2)ABCA1トランスポータータンパク質との相互作用を介したHDL形成反応の物理化学的基盤解明と新たなHDL検出法の開発、(3)遺伝的変異アポリポタンパク質の高次構造異常が引き起こす機能欠損・疾患発症の物理化学的メカニズム解明などを行うことで、アポリポタンパク質によるHDL産生・代謝調節機構の物理化学的基盤解明を進めた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 遠山 育夫; 赤津 裕康; 井之上 浩一; 清水 志乃; 道川 誠; 松川 則之
     
    アルツハイマー病(AD)の早期診断法として、PETによるアミロイドイメージングや髄液中のβアミロイドペプチド(Aβ)の測定が提唱されているが、もっと簡便で侵襲が少なく安価な診断法の開発が期待されている。我々は、血液を介さずに脳内との間で物質の移動が行われる鼻腔・鼻粘膜に着目し、鼻粘膜に存在する認知症バイオマーカーの同定と測定技術の確立を目的に本研究を行った。その結果、ヒト鼻粘膜中にAβ、タウ、リン酸化タウが存在することを明らかにした。さらに、ヒト鼻粘膜サンプルをからAβ42を定量測定する方法を開発して学術誌に発表した。開発した方法を用いてAD患者、対照例を対象に臨床研究を実施した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2015年03月 
    代表者 : 赤川 安正; 道川 誠; 是竹 克紀; 宮本 泰成
     
    歯の喪失はアルツハイマー病のリスク因子と考えられてきたが,歯の喪失がアルツハイマー病の分子病態に及ぼす影響は未だ十分に解明されているとは言い難い。そこで,本研究課題ではアルツハイマー病モデルマウスを用いて,歯の喪失がアルツハイマー病の分子病態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 14ヵ月齢のADモデルマウスの上顎臼歯部を抜歯する群と抜歯しない群に分け,4ヵ月後,脳内の病態および学習・記憶能を比較した。その結果,脳内アミロイドβや海馬錐体細胞数,学習記憶能に差はなかった。本研究の結果,アルツハイマー病が進行した状態での歯の喪失はアルツハイマー病態を悪化させるほどの影響を与えなかった。
  • アルツハイマー病の根本的治療薬開発に関する研究
    厚生労働省:厚生労働科研費補助金(認知症対策総合研究事業)
    研究期間 : 2011年04月 -2014年03月 
    代表者 : 道川 誠
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 赤川 安正; 道川 誠; 宮本 泰成; 宮本 泰成
     
    アルツハイマー病と歯の喪失との関連を明らかにするために,アルツハイマー病モデルマウスを用いて抜歯群と非抜歯群を比較した。その結果,Aβ沈着に有意差は認められなかったが,非抜歯群に比較して抜歯群の錐体細胞は有意に減少しており,行動実験の結果が劣っていた。歯の喪失はアルツハイマー病の原因分子である Aβに影響を及ぼさない経路でアルツハイマー病の発症・憎悪に関わっていることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2010年 -2011年 
    代表者 : 鄒 鶤; 駒野 宏人; 道川 誠
     
    アルツハイマー病(AD)では、アミロイドβ蛋白(Aβ)の脳内蓄積機構の解明が重要な課題となっている。我々は、Angiotenisn-converting enzyme(ACE)が、神経毒性の強いAβ42を神経保護作用をもつAβ40に変換する活性(Aβ変換活性)を有することを見いだした。更に、Aβ変換活性とアンギオテンシン変換活性がACEの異なるドメインに存在することを明らかにした。(Zou et al., J Neurosci, 27 : 8628-35, 2007 ; Zou et al., Rev Neurosci, 19 : 203-212, 2008 ; Zou et al., J Biol Chem, 284 : 31914-20, 2009)。一部のACE阻害剤は、Aβ変換活性をより強く阻害し、アルツハイマー病の発症に関与している可能性が考えられた。本研究は、これらの結果を踏まえ、ACE抑制が脳内神経細胞死に関連するか否かを検討した。 ACE阻害剤のカプトプリルを低濃度(lowc aptopril)と高濃度(high captopril)を二種類の投与をAPP tgマウスへ11カ月間連続投与し、17カ月齢マウス脳内のアミロイド沈着をthioflavin S染色で検討した。加齢対照群マウスの海馬および大脳皮質にアミロイド沈着が検出されたが、過剰用量のカプトプリルがAPPtgマウスの海馬および大脳皮質のアミロイド沈着を顕著に増強した。さらに、臨床に応用されている用量においても、アミロイド沈着の増強が認められた。これらの結果から、ACE抑制が脳内アミロイド沈着を促進することが示唆された。さらに、我々は、アルツハイマー病で良く見られるもう一つの病理像、tauのリン酸化が起きている否かを検討した。対照群に比べ、低濃度カプトプリル投与群では、脳梁神経細胞のtauリン酸化増強の傾向を示したが、有意差が認められなかった。高濃度カプトプリル投与群では、脳梁神経細胞のtauリン酸化が顕著に増強された。これらの結果から、ACE阻害が引き起こしたアミロイド沈着の増加がtauリン酸化を促進したと考えられる。また、高濃度カプトプリル投与群は大脳皮質の神経細胞が明らかに減少し、その局在が乱れていることを判明した。APPtgマウス脳内では、顕著な神経細胞死が通常認められていないが、ACE活性抑制APPtgマウス脳の病理像では、神経細胞死を含めアルツハイマー病患者脳の病理像と極めて類似していた。このことは、ACE活性低下がAβ42沈着の増加を招き、アルツハイマー病の発症と関連していることを示唆した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 道川 誠
     
    我々は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)は、アルツハイマー病の原因分子amyloidβ蛋白42(Aβ42)をAβ40に変換する酵素であることを発見した。また、アンギオテンシンII受容体がアルツハイマー病病態関連分子の代謝に影響することを見いだした。本研究は、アルツハイマー病の分子病態進行におけるレニン・アンギオテンシン系の関与を明らかにするプロジェクトである
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2007年04月 -2009年03月 
    代表者 : 道川 誠
     
    アルツハイマー病の病因分子であるamyloid β蛋白(Aβ)の分解酵素であるACEの脳内Aβ沈着に及ぼす影響を解析し、ACEが脳内でAβの分解やAβ42をAβ40に変換する働きをしていることを明らかにした。また、ACEにある2つの主要ドメイン機能は、それぞれ異なる基質(アンギオテンシンIならびにAβ)に対して別の作用を持つことを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究
    研究期間 : 2008年 -2009年 
    代表者 : 道川 誠
     
    (背景および目標)アルツハイマー病(AD)はアミロイドss蛋白(Ass)の産生、凝集・沈着の増加を原因とする神経変性疾患である。従って、その根本的治療薬開発にはAss代謝系を標的にした介入が有効である。研究代表者は、ApoEによる脳内HDL産生にApoE3>ApoE4の違いがあることを見出し、(i)危険因子ApoE4の機能増強を標的にHDL療法の概念を創出した(独創性)。脳内でApoEによって産生されるHDLは、コレステロール供給によってシナプス可塑性維持や神経修復に重要な役割を果たすとともに、HDL-ApoEはAss分解・除去に関与すること、が示されている。ABCA1蛋白質の発現・機能調節によってHDL産生を増加させる薬剤探索を行い、Assを脳内から除去・分解させるAD治療薬の開発を目指した。 (結果)薬剤ライブラリーから187個の化合物と天然物ライブラリーから2種類の化合物を同定し、それらの薬理作用を明らかにした。また類縁構造の薬物サーチや構造機能解析等を行っており、今後リード化合物の同定を目指す。さらに、脳内脂質代謝に焦点を当てた研究から、新規Ass分解・除去酵素を発見した。この酵素は、Assと結合し、その取り込みを促進させることで、脳内Assの除去・分解に貢献していると考えられた。これは創薬の新たな標的になりうると考えられた。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(萌芽研究)
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 赤川 安正; 久保 隆靖; 田地 豪; 道川 誠; 是竹 克紀
     
    本年度は準備期間と位置付け,アルツハイマー病モデルマウスの選定と,それに伴う遺伝子改変動物使用における認可の取得,同時に通常のマウスによる抜歯手技の修得,ならびに認知機能解析および脳解析のための技術修得を行った。 研究分担者である国立長寿医療センター・アルツハイマー研究部・道川誠と研究計画およびアルツハイマー病モデルマウスの選定について協議し,アルツハイマー病の病因の一つとされるアミロイドβタンパク前駆体の遺伝子であるAPPを改変したAPPtgマウスと,アルツハイマー病の遺伝的因子とされるApoE蛋白遺伝子を導入したApoEノックインマウスを使用する事として,遺伝子改変動物使用における認可取得を行った。 同時に,マウス抜歯手技の確立・修得を目標として,機材の調達およびマウスの購入を行い,イソフルラン(商品名:フォーレン 明治製菓(株))による吸入麻酔と塩酸メデトミジン(商品名:ドミトール 明治製菓(株))による腹腔内投与の併用によって全身麻酔管理下にて双眼ルーペ視界下で耳小骨鉗子(高原氏鋭ひ First)を用いて両側上顎第一臼歯から第三臼歯の計6本を抜歯した。また,抜歯に伴うマウスの栄養状態の変化はその後の結果を左右する事が考えられるため,体重測定および血糖計(商品名:メディセーフミニ テルモ(株))を用いた血糖値測定による抜歯後マウスの栄養状態モニタリング法を確立した。 認...
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 道川 誠
     
    アルツハイマー病の病因分子であるamyloid β蛋白(Aβ)の分解酵素であるACEの脳内Aβ沈着に及ぼす影響を解析し、ACEが脳内でAβの分解やAβ42をAβ40に変換する働きをしていることを明らかにした。また、ACEにある2つの主要ドメイン機能は、それぞれ異なる基質(アンギオテンシンIならびにAβ)に対して別の作用を持つことを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 鄒 鶤; 駒野 宏人; 前田 智司; 道川 誠
     
    アルツハイマー病(AD)では、アミロイドβ蛋白(Aβ)の脳内蓄積機構の解明が重要な課題となっている。我々は、Angiotenisn-converting enzyme(ACE)が、重合能の強いAβ42を神経保護作用をもつAβ40に変換する活性(Aβ変換活性)を有することを見いだした。更に、Aβ変換活性とアンギオテンシン変換活性がACEの異なるドメインに存在することを明らかにした。 プレセニリン(PS)は家族性ADの主な原因遺伝子であり、γセクレターゼ複合体の中で中心的な役割を担っている。我々はPS 1,2欠損細胞を用いて、プレセニリンが蛋白特異的にtraffickingやmaturationを制御することを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 道川 誠
     
    研究目的:2年間の目標は,(1)ApoEやABCA1等によって担われる脳内コレステロール代謝の主要経路の解明とHDL産生におけるApoEアイソフォーム依存性の分子機構の解明(細胞外ApoE作用),(2)ApoEあるいはABCA1の機能制御による脳内コレステロール代謝調節を通してのアルツハイマー病病理発現の抑制法の開発,(3)細胞内ApoE輸送機構ならびに細胞内ApoE機能の解明(細胞内ApoE作用)である。 研究成果:(1):(i)ApoEによるコレステロール搬出はN末端断片のみでApoE3>ApoE4であること,(ii)その理由はApoE3N末端断片が持つシステイン問によるdisulfide結合による2量体形成(分子間相互作用)にあること,(iii)C末端断片はそれ自体ではコレステロール搬出能が弱いが,N末端断片の作用を相加的に修飾すること,(iv)しかしApoE4では,ドメイン相互作用のためC末端断片が相加的に働かない(分子内相互作用)こと等を明らかにし,ApoEアイソフォーム特異的HDL産生機構のほぼ全容を解明した。(2)薬剤スクリーニング系を確立し,複数の薬剤ライブラリーを用いて探索を開始した。(3)ApoEに結合しうる蛋白質を複数(UQCRC2,Chytochrome C1,COXIV-1など)同定し,それらの多くがミトコンドリア関連蛋白質であることを明らかにした。神経培養細胞にApoE4およびApoE4断片(1-272)を発現させ,ミトコンドリアを調整し,呼吸酵素複合体の活性を測定したところ,呼吸酵素複合体III,IVの機能がApoE4断片存在下では低下することを見出した。このことから,呼吸酵素複合体III,IVのサブユニットであるUQCRC2,Chytochrome C1,COXIV-1にApoE4断片が結合することにより,これらの蛋白質機能が低下し,ミトコンドリア複合体の機能低下を引き起こすと考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 山根 恒夫; 岩崎 雄吾; 道川 誠
     
    近年、天然リン脂質の1つであるホスファチジルセリン(PS)やドコサヘキサエン酸(DHA)のような高度不飽和脂肪酸が、脳・中枢神経系に対して有用作用を持つことが報告され、生理機能を持つ機能性食品及び医薬品素材として注目されている。そこで、本研究では構造リン脂質としてDHAを構成脂肪酸として含有するPS(DHA-PS)をターゲット分子とし、培養脳神経細胞における機能評価を行う事を目的とした。天然リン脂質として入手が容易なホスファチジルコリン(PC)とDHAからDHA-PSなど各種の構造リン脂質を合成した。得られた脂質をラット胎児脳から調製した初代培養神経細胞に添加し、その影響を細胞死に伴って細胞から放出される安定な酵素であるLactose dehydrogenase(LDH)活性を用いて評価した。また、Amyloid βタンパク質(Aβ)というアルツハイマー病脳細胞において顕著な蓄積が確認され、神経細胞死を引き起こす蛋白質を加えた培養系に各種脂質を添加し、細胞保護作用の有無をLDH活性で評価した。実験に使用した各種脂質には培養条件により生ずる自然細胞死を抑制する作用は確認出来なかった。しかしながら、1,2-didocosahexaenoyl-phosphatidylcholine,1,2-didocosahexaenoyl-phosphatldylserine,1-oleoyl-2-docosahexaenoyl-phosphatidylserineのAβ毒性に対する神経細胞保護作用が確認され、これら構造リン脂質の有効性が明らかとなった。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 1999年 -1999年 
    代表者 : 森 啓; 星 美奈子; 田代 朋子; 金井 克光; 白澤 卓二; 道川 誠; 西道 隆臣; 田平 武; 山口 晴保; 石浦 章一; 井原 康夫; 武田 雅俊; 玉岡 晃; 池田 研二; 浦上 克哉; 東海林 幹夫; 葛原 茂樹; 荒井 啓行
     
    社会的に重要課題であるアルツハイマー病研究を幅広い研究層によって強力的にかつ効率よく進展させるためには特定領域研究(A)を立ち上げ国内の研究を推進することを目標として、現状の問題点と重点的課題の展望について調査した。 調査研究は本研究組織に加わった全員からなる全体会議のもとに実施し上記調査目標の確認と、具体的な方策を探るために3つの検討課題(Brain Bank調査、病因解明研究調査班、基礎生物学検討調査)を設定し、各研究者が個別の検討課題について分担して調査する事とした。主たる研究対象はヒト脳組織であるが、これを保有する医療関係施設からの提供をはじめとした具体的なネットワークの構築と情報交換の必要性が指摘された。特定領域研究によってこれらの有機的な組織化が公費によって支援されることから国内の研究レベルが向上するばかりでなく、共同実験による効率的な研究が飛躍的に推進されることが期待される。 各調査内容は全体会議でも議論集約・調整した。この過程で本研究組織以外からもひろく意見を取集することが提案され、公開学術シンポジウムを平成11年11月20日に都市センターで開催することにした。シンポジウムと全体会議ではアルツハイマー病研究が、痴呆・老化研究に従事する一部の医学だけでなく神経発生を含む生物学・農学・薬学での課題として捉えるべき内容になっていることから広い範囲からの研究者が参画で...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(試験研究(B), 基盤研究(B))
    研究期間 : 1995年 -1996年 
    代表者 : 横田 隆徳; 道川 誠; 和田 義明
     
    本研究では、CAGリピ-トの増加したアンドロゲンレセプタ-(androgen receptor,AR)の神経細胞におけるneural plasticityへの影響を解析するとともに、CAGリピ-トの増加により発現異常をきたしたAR標的分子を検索し、CAGリピ-トの増加に関わる神経細胞変性機序の解明を目的としている。 神経細胞分化の研究に用いられてきたPC12細胞は、ARを発現していないため遺伝子導入したARの細胞への影響を評価する上で適している。今回、PC12に正常CAGリピ-ト数のAR全長cDNA、CAGリピ-トが増加したAR全長cDNAを導入した。ARによる効果が、ホルモン結合、DNA結合部位を介したものかどうかを検討するために、ホルモン及びDNA結合部位を欠く正常及びCAGリピ-トの増加したエクソン1のみの導入も併せて行った。 正常及びCAGリピ-トの増加したヒトARのcDNA全長とヒトARのエクソン1領域のクロ-ニングを行った。それぞれをpRc/CMVベクタ-にサブクロ-ニングし、自動シ-クエンサ-にてシ-クエンスを確認した。 遺伝子導入は、エレクトロポレ-ションにて行い、ネオマイシン耐性株をクロ-ン化する。AR発現量は、ノ-ザンブロット解析にて検討しARの高い発現量を示すクロ-ンを選別した。全長cDNAを導入したクロ-ンは、アンドロゲンバインデング活性を検討し、アン...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(試験研究(B), 基盤研究(A))
    研究期間 : 1995年 -1996年 
    運動ニュ-ロン特異的遺伝子を単離する目的で、マウス運動ニュ-ロンと神経芽細胞腫とのハイブリッド細胞株NSC-19を用いてサブトラクションcDNAライブラリ-を作成した。200クロ-ンをスクリ-ニングして、3つのNSC-19に特異的に発現する遺伝子を単離した。ひとつはamyloid precusor like protein1、他の2つは未知の遺伝子であった。新規の遺伝子のひとつは胎生期の中枢神経系に強く発現しており、全長クロ-ニングを行った結果、thrombospondin type1 domainを有する新規の分泌型当蛋白で、thrombospondin(TSP)ファミリ-のひとつであることが判明した。in situハイブリダイゼ-ションによる検討では、終脳の一部、中脳から脊髄の神経蓋板、趾芽などにシグナルが見られた。中枢神経系での発現は終脳も含めて神経管背側領域に強く限局しており、神経管背側での重要な役割を有することが予想された。TSP type1 domainを有する蛋白で特に中枢神経系と関連しているものはthrombospondinの他、F-spondin、SCO-spondin、UNC-5が知られている。TSP type1 domainには細胞接着や神経突起の伸長などの機能が推定されており、この機能を通じて本遺伝子は神経管背側での器官形成や神経組織の発達に関与する可...

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