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井上 浩一 (イノウエ コウイチ)

  • 医学研究科統合解剖学分野 准教授
Last Updated :2024/04/16

研究者情報

J-Global ID

プロフィール

  • 神経、血管系とそれらがかかわる病態に興味を持って研究しています。

研究キーワード

  • 発達   cell sorting   脳   マイクロアレイ   移動   神経   GABA   細胞移動   クロライドトランスポーター   カハールレチウス細胞   国際情報交換   ドイツ   タウリン   皮質板細胞   グリシン   てんかん   イメージング   皮質形成異常   クロライドイオン   大脳皮質   Cl^-ホメオスタシス   Chrolide   プリン受容体   小脳   肝細胞癌   生物進化   電気穿孔法   言語   クロラドトランスポーター   化学発癌   

研究分野

  • ライフサイエンス / 神経科学一般
  • ライフサイエンス / 精神神経科学
  • ライフサイエンス / 麻酔科学

経歴

  • 2023年 - 現在  奈良県立医科大学 医学部教授
  • 2017年  名古屋市立大学医学研究科准教授
  • 2015年  名古屋市立大学医学研究科助教/講師
  • 2012年  Morehouse School of MedicineAssistant Professor
  • 2010年  浜松医科大学 医学部Faculty of Medicine准教授
  • 2009年  浜松医科大学 医学部助教
  • 2006年  Legacy ResearchPostdoctoral Fellow
  • 2002年  浜松医科大学医学部助手

学歴

  •         - 2002年03月   東京医科歯科大学大学院医学系研究科
  •         - 1996年03月   名古屋市立大学医学部医学科

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 井上 浩一
     
    昨年に引き続きミクログリア細胞株BV-2においてSGK阻害剤投与時のIL-4の発現確認を種々の方法で行ったが、いずれの方法でも確認できなかった。予期に反してミクログリア細胞株でのSGK依存的IL-4発現はないものと考えられる。ただし、脳内でIL-4の存在が認められるため、脳内外のどこかで発現したIL-4によりミクログリアの極性変化及びグリオーマの細胞増殖への影響がみられるか検討を行った。BV-2にIL-4 10ng/mlを投与してもミクログリアのM2極性のマーカーであるArg-1の発現変化は認められなかった。一方、SGK1破壊型BV-2細胞(Asai, Inoue et al 2018 IJPPP)にIL-4を投与したところArg-1遺伝子発現の増加傾向が認められた。これからミクログリアのIL-4依存性の極性変化にSGK1が関与する可能性が示唆された。続いてグリオーマ細胞株T98GにIL-4を投与し増殖を確認したところ、IL-4 30ng/mlまで増量しても大きな増殖変化は認められなかった。これらのことから、少なくともT98G株では当初予期したようにIL-4による増殖の増強が起こらないことが示唆された。これが一般的な事実だとすると、ミクログリアとグリオーマの関係はIL-4を介しては特にないことになる。また、SGK1はIL-4の発現にあまり関与せず、ミクログリアの極性には関与する可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 佐久間 英輔; 植木 孝俊; 井上 浩一; 和田 郁雄; 若林 健二郎; 河 命守
     
    酸感受性イオンチャンネル1a; Acid-sensing ion channel 1a (ASIC1a) は次世代型鎮痛剤の作用の受容体等として世界的に注目を集めている。最近、我々はASIC1aのノックアウトマウスの雌に上下肢の筋力の低下と易疲労性(サルコペニア)、脳内の側坐核(Nucleus accumbens)と海馬(hippocampus)を中心にしたミクログリアの増加(認知症)を見出した。このミクログリアの増加に注目し、マウス由来のミクログリア細胞株BV-2及びN-9を使用し、PCRやウェスタンブロッティング法などの手法を用いて解析し、また、SGK1遺伝子破壊株の作成にはCRISPR/Cas9システムを用いた。初めに二つのミクログリア細胞株におけるSGKサブタイプの発現を検討した結果、SGK1とSGK3の発現が認められた。SGK1遺伝子をCRISPR/Cas9システムを用いて破壊すると、SGK1遺伝子の破壊によるSGK3蛋白の発現変化は認められなかった。SGK1遺伝子破壊株(SGK1KO)と野生型の形態を比較したところ、活性化したミクログリアでしばしば見られるアメボイド型の細胞がSGK1KOでは野生型に比べ有意に多く観察された。また、SGK1KO細胞では細胞増殖の速度が増加した。これらのようにSGK1遺伝子の破壊により主に活性化されたミクログリアで見られる表現型が認められることから、SGK1はミクログリアの活性を抑制している可能性が示唆された。以上を、学会発表と論文作成した。(Potential implication of SGK1-dependent activity change in BV-2 microglial cells. Int J Physiol Pathophysiol Pharmacol. 2018 10(2):115-123.)
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    研究期間 : 2016年06月 -2021年03月 
    代表者 : 桜井 武; 田中 あゆみ; 浅川 明弘; 藤原 広臨; 尾内 康臣; 征矢 英昭; 加藤 隆弘; 佐久間 英輔; 杉原 玄一; 井上 浩一; 鈴木 高志; 乾 明夫; 須藤 信行; 榊 美知子; 植木 美乃; 入鹿山 容子; 犬束 歩; 杉山 陽子; 牧之段 学
     
    創造的で活力あふれる生活を送るには、困難を乗り切り、目標に向かって努力する力=意志力(ウィルパワー)の高さが不可欠である。一方、青少年における「やる気」「モチベーション」の減退およびそれらと障害の基盤を共有すると思われる摂食障害、気分障害、アパシー、ひきこもり、適応障害、現代抑うつ症候群(新型うつ病)などの罹患者の増加への対処が、未曾有の少子高齢化に見舞われるわが国の社会福祉政策の喫緊の課題となっている。本領域では、意志力という精神機能に対する社会環境・体内環境の影響を解明し、その動的平衡のパラメーターとなる環境因、脳内分子を探索する一方、それらを制御し意志力を育むための支援の方策を確立することを狙いとする。意志力の神経基盤を理解するとともに、スポーツや教育による支援の方策を検討するために、神経科学、精神医学、内科学、教育心理学、スポーツ科学の研究者が緊密に連携する分野間横断研究を推進する。総括班においては、上記のような学際的・融合研究を推進するための総合的なサポートを行った。具体的には、マウスの睡眠・覚醒解析支援、超解像レーザー顕微鏡、体内時計機能解析を中心とした研究支援活動を行ったほか、脳機能画像解析や電子顕微鏡による超微携帯解析ワークショップなどの技術支援を行った。また、若手・女性研究者のサポートを行い、若手主催の研究集会を行うほか、領域内の共同研究を促進し、若手研究者を支援ため、若手研究者の滞在支援をおこなったほか、成果発表会やシンポジウムを開催して領域内外の交流・情報交換を通して各研究グループの研究推進をサポートした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    研究期間 : 2016年06月 -2021年03月 
    代表者 : 乾 明夫; 浅川 明弘; 須藤 信行; 佐久間 英輔; 井上 浩一
     
    本研究では、意志力に掛かる脳機能の発現を、内臓環境、特に消化器系を巡る環境が制御する分子・神経基盤を探究することをねらいとしており、30年度では、以下の研究項目を軸に、消化器系が意志力の発現に与る脳内環境のホメオスタシスを調節する腸・脳間情報伝達系の分子的基礎の解明に当たった。 (1) 鹿児島大の乾、浅川らは、グレリンなどの消化管ペプチドとその自己抗体の動態をヒト、マウスの血液で解析し、ホルモンの生理活性が意志力の発現に連関すること、グレリンがSIRT1を活性化し、脳内ミクログリアの毒性転化を抑制することを確認した。また、マウスにおいてpalatable foodを用い、側坐核のCX3CR1、ΔFosBの発現が減少することから、fractalkine-CX3CR1シグナルが意志力に関与している可能性を見い出した。さらに、緑葉タンパク由来ペプチドやhelicobacter pyloriが産生するVacAが情動に影響することを見い出した。 (2) 九大の須藤らは、前年度に引き続き、腸内細菌叢による意志力制御の分子的基礎の解明に当たった。即ち、神経性やせ症患者の腸内細菌叢を移植した人工菌叢マウスが、体重増加不良を来すとともに、ストレス耐性が脆弱であることを見出した。また、同マウス菌叢の遺伝子解析により、病態を呈する菌種を特定するとともに、メタボローム解析により、トリプトファン代謝物質が増加していることを見い出し、内臓環境が意志力の発現を制御する可能性を指摘した。 (3) 名古屋市大の井上、植木らは、グレリン、レプチンなどの消化管ペプチドがミクログリアの毒性転化を伴う脳内炎症反応を抑制する一方で成体脳神経新生を増幅することを、老化促進マウス及びミクログリア-神経幹細胞培養系で確認した。これらの知見は、消化管ペプチドが神経免疫活性を調節することにより意志力の発現・維持に影響を及ぼすことを示唆する。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 井上 浩一; 佐久間 英輔
     
    近年、光感受性分子を細胞に導入・刺激し、細胞や生体での生理活性を引き出す光遺伝学的手法が開発された。実際、神経細胞や実験動物の脳に導入し、光刺激によりその神経活動を修飾することにより脳機能や脳梗塞等でおこる脳障害を改善することが報告されているが、非神経系への適応はまだほとんどない。本研究課題では、光遺伝学ツールを血管系の細胞に導入し、光刺激により血管径や血管機能を調節することを目指す。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 熊田 竜郎; 福田 敦夫; 井上 浩一; 古川 智範
     
    生後初期の小脳における葉形成期にはGABA-A受容体の発現分布とGABA-A受容体を介する応答性(興奮性)がダイナミックに変化するが、その発達過程における役割についてはよく分かっていない。我々は共同開発した細胞外 GABAイメージング法を用いて十葉構造が出現する時期(生後0週齢)に合わせて一過性に細胞外 GABAが小脳外顆粒層に著増することを見出し、この作用が in vivoで小脳顆粒前駆細胞の増殖に関与することを明らかにした。また、小脳顆粒前駆細胞の増殖に関わる分子であるSonic hedgenogシグナルとの関連性について、免疫組織学的およびカルシウムイメージング法にて検討した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型))
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 井上浩一
     
    成体では抑制性に作用するGABAは未成熟な神経細胞では興奮性伝達物質としてはたらくが、これはCl^-イオン輸送体KCC2の活性が発達と共に上昇するためである。ラット・マウスでは脳幹の細胞や大脳皮質形成過程の辺縁帯カハール・レチウス(CR)細胞が出生前後に既にKCC2を発現していることが報告されているが、反対する報告もある。前年度は免疫染色法やin situ hybridization法を用いてともに大脳皮質形成過程においては早生まれであるサブプレート(SP)細胞とCR細胞でKCC2の発現レベルが異なることを見出した。そのため、ホールセル・パッチクランプ法でSP細胞とCR細胞で細胞内Cl^-([Cl^-]_i)濃度の指標となるGABAの逆転電位(E_)を測定したが、有意な差が認められた。これは想定外の結果であったため、本年度は正確に([Cl^-]_i)を測定することができるグラミシジン穿孔パッチクランプ法を行った。しかし、ホールセル・パッチクランプ法の結果と同じく、SP細胞のE_はCR細胞のE_より過分極側にシフトしている傾向があった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 福田 敦夫; 井上 浩一; 熊田 竜郎
     
    母体への環境的ストレスが胎仔脳のGABAシステムをどのように撹乱し、正常な脳の発達にどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的とした。胎仔大脳新皮質における皮質板細胞(将来の錐体細胞:グルタミン酸作動性興奮性細胞)の発生と移動は母体ストレスによる影響を全く受けなかった。しかし、胎仔の内側基底核原基におけるGABA細胞の前駆細胞の発生のみが特異的に障害されていた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2011年 
    代表者 : 福田 敦夫; 井上 浩一; 江川 潔; 秦 健一郎
     
    中枢神経系の最も主要な抑制性神経伝達物質であるGABA(γ-アミノ酪酸)の発達期の脳における作用はCl^-ホメオダイナミクスに代表されるように、実にマルチモーダルなものである。すなわち、(1)神経発生期と細胞移動期には非シナプス性の傍分泌的な脱分極作用で、細胞分裂の促進と抑制、ついで移動のブレーキあるいはアクセルとして移動速度を調節し、(2)回路形成期には興奮性伝達物質としてシナプスの形成・強化に関与する。そして(3)成熟後に初めて抑制性神経伝達物質として作用するのである。このように、GABAには発達段階に応じた3つの役割があり、発達初期における役割は古典的概念の抑制性伝達物質とは大きく異なっている。したがって、胎児・新生児期の疾患の病因や病態には、種々の外的要因がこれらマルチモーダルなGABAの作用に影響することで起こるものが含まれている可能性がある。そこで、種々のモデル動物を用いこの仮説の当否を検討した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2011年 -2011年 
    代表者 : 井上浩一
     
    タウリンは発達期脳に非常に多くその後減少することが知られている。我々はこれまでの研究から、タウリンがWNK-SPAK/OSR1のシグナルを沼生化し、KCC2のThr906とThr1007をリン酸化することにより、RCC2の活性を抑制し、細胞内Cl-濃度([Cl-]i)を上昇することを突き止めた。さらに子宮内電気穿孔法で導入したKCC2変異体(RCC2T906A/T1007A)を用い、発達期大脳皮質における神経細胞移動が[Cl-]iにより調節を受けていることを見出した。 そこで、本年度は、KCC2T906A/T1007Aによりその移動が阻害された神経細胞の由来を調べるため、大脳皮質の成体での深層、浅層の分子マーカーであるTbr1、Cux1を用い免疫染色を行った。胎生15日のラット胎仔に電気穿孔法を行った場合、対照としてのGFP、あるいはGFP+KCC2を導入した神経細胞朗台生18日では浅層にあり、それらの多くはCux11陽性であった。これらは、その後大脳皮質の成熟に伴い深層に位置することになる。|方、KCC2T906A/T1007Aを導入した神経細胞は、胎生18日でその多くが脳室帯付近に存在したが、それらの細胞もCux1陽性であった。また、いずれの細胞もTbr1陰性であった。これらのことから、KCC2T906A/T1007Aを導入された細胞は本来Cux1陽性細胞として成体では大脳皮質のV、VI層に存在するはずのものであり、それらの移動が阻害されて胎生18日の時点では脳室帯付近に存在していることが示唆された。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 熊田竜郎; 福田敦夫; 古川智範; 森島寿貴; 井上浩一
     
    細胞内イオンイメージング法を用いて、グリオーマ細胞の移動時における自発的な細胞内Ca^<2+>とCl^-濃度の変化を可視化してその役割を検討した。グリオーマ細胞では細胞内Ca^<2+>濃度の頻度の変化は著しい加速を示す移動細胞の指標と成ったが、移動速度との関連性は無かった。細胞内Cl^-イオン濃度をFRET型インディケーターで測定し、細胞内におけるCl^-の局在性について検討した。また、細胞内Cl^-イオン濃度を変化させるとグリオーマ細胞の移動速度を変化させることが分かった。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(萌芽研究)
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 三浦直行; 井上浩一; 大野浩司
     
    2系統のRbトランスジェニックマウスを得た。A系統のマウスはトランスジーンを1倍体当たり11コピーもち、B系統のマウスは1倍体当たりトランスジーンを4コピーもっている。今年度は、このトランスジェニックマウスが化学発癌抵抗性を示すかどうかを検討した。化学発癌にはRbトランスジェニックマウス雌とC3H雄のF1(遺伝的背景:B6C3F1)を用いた。生後6週齢のマウスにジエチルニトロソアミンを腹腔内投与し、1週後からフェノバルビタール含有水を35週継続飲水させる。コントロールマウス、Rbトランスジェニックマウス肝臓の病理標本を作製し、腫瘍性病変の性質、悪性度、頻度を検討した。まず、コントロールマウスでは雄、雌とも肝細胞癌が誘導された。雄の発癌性は雌の2-3倍であった。Rbトランスジェニックマウスでは雄雌とも肝細胞癌はまったく認められなかった。次に、結節病変について検討した。コントロールマウスでは雄は平均3.85個の結節を生じるに対し、雌は平均1.70個の結節を生じた。RbトランスジェニックマウスA系統では、雄は平均0.82個の結節を生じ、雌は平均0.33個の結節を生じた。A系統のマウスでは雄雌とも、トランスジェニックマウスは癌抑制性に働いていた。一方、B系統のマウスの雄では、平均0.60個の結節を生じ、雌では平均1.20個の結節を生じた。有意検定をしたところ、B系統では雄のみに有意に...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 井上浩一; 古川智範; 窪田寿彦; 古川智範; 福田敦夫; 熊田竜郎
     
    子宮内電気穿孔法を用いて胎生13日齢のICRマウス胎仔脳室周囲の神経前駆細胞にEGFPを導入した。それらの細胞は徐々に脳表に移動(radial migration)していくが、遺伝子導入3日後ではEGFP陽性細胞は脳室帯、中間帯、辺縁帯にほぼ均等に分散している。そこで、胎生15日の脳室帯、胎生16日の中間帯、胎生18日の辺縁帯を脳スライスから切り出し、細胞を分離させた後、cell sortingによりEGFP陽性細胞のみを回収した。細胞数が不十分であったため、in vitro転写法により、2段階でRNAを増幅し後マイクロアレイを行った。細胞の垂直方向への移動と関係が示唆される遺伝子であり、シグナル強度が十分で、かつ、胎生16日中間帯で3倍以上発現が上昇しその後減少していたSema6cとSyntaphifilinについて、免疫組織学的手法により解析をおこなった。胎生17日齢の胎仔大脳皮質におけるSema6CとSyntaphilinの局在を免疫染色法により観察した結果、中間帯に強く発現していることが認められた。この結果から、マイクロアレイにより得られたSema6CとSyntaphilinの遺伝子レベルでの解析結果は、タンパクの局在とほぼ一致することが確認できた。したがって、脳室帯において子宮内穿孔法により標識された神経細胞では、radial migration中にSema6CやS...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2004年 -2006年 
    代表者 : 福田敦夫; 山田順子; 井上浩一; 窪田寿彦; 熊田竜郎; 岡部明仁; 山田順子
     
    発達期のプログラムされたCl^-ホメオスタシスがGABAを興奮性に作用させ細胞移動による回路構築を促し、環境刺激によるCl^-ホメオスタシス変化が、神経回路形成や再生にも影響するという仮説の検証を目的とした。まず、GAD67-GFP knock-inマウス胎仔脳へHcRed遺伝子をインビボで導入しradial移動中のglutamate細胞とtangential移動中のGABA細胞を生きた状態で識別する方法を確立した。胎仔脳に豊富に存在するタウリンがGABA_A受容体の内因性アゴニストとして作用して、autocrine的にradial移動細胞に働いたり、paracrine的にtangential移動細胞へのシグナルとなっている可能性が示唆された。細胞移動中に強制発現させたKCC2はin vivoでは機能しないことが示唆された。そこで、Cl^-トランスポーターの転写過程を阻害するshRNAに最適な塩基配列をつデザイン・合成して、shRNA発現プラスミドベクターを構築した。またradial移動に影響を与えるCajal-Retzius細胞を含む辺縁帯の興奮伝播では、GABAがGABA_A受容体の、そしてタウリンがglycine受容体の内在性アゴニストとして働き、しかもNKCC1によって[Cl^-]_iが高く維持されることにより、本来抑制性であるGABA_Aやglycine受容体が興奮...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2005年 -2005年 
    代表者 : 福田敦夫; 井上浩一; 熊田竜郎
     
    1.radial及びtangential移動細胞におけるCl^-トランスポーター遺伝子発現変化の解析[福田・井上・熊田]:GAD67-GFP knock-inマウス脳室帯の新生ニューロンへのHcRed遺伝子の導入を行い、GABA含有量が異なるホモ、ヘテロ、野生型間でradial及びtangential移動の状態を比較したが全く差は見られなかった。さらに、パッチクランプ法でradial移動中のglutamate細胞におけるGABAのdose-response curveを測定したが全く差は無かった。HPLC法を用いてGABAの細胞外濃度を測定したところ、予想通り野生型に比べてヘテロタイプ65%、ホモタイプ7%であった。以上からGABA以外の内因性アミノ酸が代償作用を持つと考え、細胞外タウリン濃度を調べたところGABAの1000-10000倍であり、GABAの1%程度の親和性でGABA_A受容体を介した脱分極を惹起した。すなわち、タウリンがGABA以上にGABA_A受容体の内因性アゴニストとして作用しているため、細胞外GABA濃度が異なるどのgenotypeでもGABA_A受容体やCl^-トランスポーター発現に差が出なかったと考えられた。2.辺縁帯におけるCajal-Retzius細胞/non Cajal-Retzius細胞間のクロストークの解析[福田・Luhmann]:辺縁帯の...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2005年 -2005年 
    代表者 : 三浦直行; 大野浩司; 井上浩一
     
    マウスFoxp2染色体遺伝子をまず単離した。この遺伝子は19エキソンからなる全長が300kbp以上の大きい遺伝子であることが判明した。エキソン14をloxPで挟み込んだターゲティングベクターを作製し、マウスES細胞にエレクトロポレーションにて遺伝子導入した。相同的に組み換えを起こしたクローンをサザンブロット法にて判定し、5クローンを得た。現在、キメラマウスを作製中である。メダカFoxP2遺伝子は、マウスFoxp2遺伝子との相同性を用いてクローニングし、全長のcDNAを得ることに成功した。マウスFoxp2蛋白が715のアミノ酸からなるに比し、メダカFoxP2蛋白は766アミノ酸からなることが判明した。構造的特徴であるジンクフィンガー、ロイシンジッパー、フォークヘッドドメインは保存されていた。フォークヘッドドメインのN末側に16個のアミノ酸からなる領域が、C末側に54個のアミノ酸からなる領域が挿入されていた。また、ヒトやマウスに保存されていたポリグルタミン配列が欠失していた。ヒトとマウス間では3アミノ酸が異なるのみであったが、マウスとメダカ間では、20%のアミノ酸が置換していた。メダカにおけるFoxP2遺伝子の発現を抗メダカFoxP2抗体によるホールマウント免疫染色法で観察すると、前脳の一部、中脳の広範囲に強い発現が認められたが、小脳における発現は弱い発現であることが判明した。マ...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2005年 -2005年 
    代表者 : 三浦直行; 大野浩司; 井上浩一
     
    中胚葉発生制御遺伝子Twistが上皮-間葉転換を介して乳癌細胞の転移能を増加させる報告を見て、我々が研究してきたFoxc2遺伝子についても同様な機能があるのではないかと考えた。Foxc2遺伝子は、多くの中胚葉由来組織の発生を制御していることが以前の我々のノックアウトマウスを用いた研究からわかっていた。例えば、体節は最初上皮様構造をとっているが、その後硬節を経て中胚葉細胞に転換し骨格系の前駆細胞になる。まず、マウス乳癌EpRas細胞にFoxc2発現ベクターを遺伝子導入し高発現永久株を樹立した。親株のEpRas細胞やFoxc2高発現株細胞をマウス乳腺皮下の脂肪組織に移植した。約6週後に、原発巣および肺転移の癌を検討した。原発巣の腫瘍サイズや数は親株と高発現株の間に差はなかった。しかし、肺への転移巣の数は親株を移植した場合10個であるのに対し、Foxc2高発現株では40個と4倍になっていた。また、転移巣の癌細胞はFoxc2高発現が持続していた。そこで、Foxc2遺伝子による転移能亢進の分子メカニズムとして上皮-間葉転換がおこっている可能性を明らかにするために、上皮細胞MDCKにFoxc2発現ベクターを遺伝子導入し、永久株を得た。Foxc2高発現細胞における上皮マーカー、間葉マーカーの変化を検討した結果、Foxc2高発現細胞株では、上皮マーカーのE-cadherin, catenin...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 上野伸哉; 井上浩一; 山田順子; 福田敦夫; 早狩誠; 森山朋子
     
    ATP受容体は神経因性疼痛の形成に重要な役割を果たしていることが,明らかとてきた。さらに,中枢神経における主要な抑制性伝達物質であるGABAが,ATP受容体活性化を通じて興奮性に働くことも明らかとなってきた。正常神経細胞においては,細胞内外のClイオン濃度はそれぞれ,10mM以下及び120-130mMを示し,この条件下において,GABAはGABAタイプA受容体活性化によりClイオン流入を引き起こし,膜電位を過分極させる。一方,発達段階や,末梢神経障害により細胞内Clイオン濃度が上昇すると,GABAによりClイオン流出がおこり結果として,膜電位脱分極と細胞興奮が引き起こされる。このようなGABA機能の逆転が神経因性疼痛時におこり,この細胞内Clイオン濃度を調節するトランスポータの役割を電気生理学的およびyeast-two hybridシステムを用い解析した。yeast-two hybridシステムにより神経特異的なKCC2トランスポータが脳型creatine kinaseと相互作用する可能性が資された。そこでHEK293細胞にKCC2を導入し,stable lineを作成し,kinaseをさらに強制発現させ機能解析を行った。電気生理学的手法により,細胞内のCl濃度を測定し,細胞内でKCC2がこのkinaseにより,活性化され,細胞内Clイオン濃度上昇を来すことを明らかとした。ま...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 福田敦夫; 山田順子; 井上浩一; 窪田寿彦
     
    1.脳スライスのアストロサイトからの[Cl^-]_i測定とグリアによる神経回路機能調節の証明[窪田・福田]:まずアストロサイト親和性色素のsulforhodamine 101を用いて、海馬スライス中のastrocytesを同定した。次にパッチ電極内液にCl^-感受性蛍光色素のMEQを加えておき、同定した多数のastrocytesにsingle-cell electroporation法で次々とMEQを注入し、同時に5-6個のastrocytesでのCl^-イメージングを可能にした。シェーファー側枝をテタヌス刺激した時のastrocytesの[Cl^-]_i変化をこれら複数個のastrocytesで同時に観察した(astrocyte回路網のCl^-イメージング)。シェーファー側枝の高頻度刺激で記録したすべてのastrocyteでMEQ蛍光が低下、すなわち[Cl^-]_i上昇が見られた。これらの[Cl^-]_i上昇は刺激の頻度や強度に応じて変化した。しかしこの変化は、以前我々が報告した錐体細胞でのGABA作用を抑制性から興奮性に逆転させるCl^-蓄積(J.Neurophysiol. 2003)とは時間経過が異なり、静止電位におけるastrocyteのCl^-の電気化学勾配もニューロンと逆向きとの報告もあるので、このastrocyteでの[Cl^-]_i上昇はニューロンとは全く別の...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2004年 -2004年 
    代表者 : 福田敦夫; 山田順子; 井上浩一; 窪田寿彦
     
    1.GFPとHcRed標識による接線方向移動細胞と放射状移動細胞の識別[井上・山田・福田]:GAD67-GFP knock-inマウス(C57BL/6j)胎仔にHcRed遺伝子を胎生14日に電気穿孔法で脳室帯の新生ニューロンに導入し、発達の各段階で脳スライスを作成した。接線方向移動中のGABA細胞(GFP蛍光)と放射状移動中のglutamate細胞(HcRed蛍光)が識別できた。放射状移動細胞は大脳皮質II/III層を形成し、接線方向移動細胞は主に中間帯と辺縁帯を移動し、中間帯から皮質版に進入していた。2.radial移動細胞における細胞内Cl^-濃度とCl^-トランスポーター遺伝子発現変化の解析[福田・窪田・山田・Luhmann]:グラミシジン穿孔パッチクランプ法で、放射状移動中のglutamate細胞のGABA/グリシン反応とCl^-平衡電位を測定して、Cl^-トランスポーターとGABA_A/グリシン受容体mRNAのsingle-cell RT-PCRを行った。その発現パターンを各々の細胞の発生時期や移動状態のちがいで比較し、放射状移動細胞の[Cl^-]_i高値と、定着後の[Cl^-]_i低下に伴うGABA_A/グリシン作用の興奮→抑制転換の分子的要因を明らかにした。また、辺縁帯のCajal-Retzius細胞でもグリシン(タウリン)反応と[Cl^-]_iを解析し、グリシ...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 山田順子; 井上浩一; 岡部明仁; 福田敦夫
     
    移動細胞と[Cl^-]_iの測定胎生14日齢のマウス胎仔に電気穿孔法によりGFP遺伝子を導入し、その胎仔の羊水中にトリブチルスズを注入した。トリブチルスズ1μlを注入し、2-3日後の胎仔の様子を観察した。また、生存していた胎仔の脳スライスを作成し、細胞移動の様子を解析した。・1M:胎仔は萎縮して死亡しており、両側のコントロール(電気穿孔とDMSO1μlのみの胎仔、電気穿孔のみの胎仔、何も処置しない胎仔)も死亡していた。・500mM-100mM:胎仔は萎縮して死亡していたが、両側のコントロールは生存していた。・10mM:胎仔は萎縮はしていなかったが死亡しており、両側のコントロールは生存していた。・1mM:胎仔は生存しており、細胞移動も正常であった。トリブチルスズ暴露によるCl^-ホメオスタシスへの影響・[Cl^-]_iへの影響トリブチルスズ暴露による[Cl^-]_iへの影響をみるため、トリブチルスズ30nM3日、処置したグループとコントロールグループの細胞にグラミシジン穿孔パッチクランプ法を適用し、[Cl^-]_iを測定したが、両グループ間で有意な差はみられなかった。・GABA受容体への影響トリブチルスズ暴露によるシナプス電流に変化が見られたことから、GABA_A受容体が変化していることが考えられる。トリブチルスズ30nM3日間暴露した細胞群とコントロール群の細胞のmRNAを抽...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(萌芽研究)
    研究期間 : 2002年 -2004年 
    代表者 : 福田敦夫; 清水千草; 上野伸哉; 山田順子; 井上浩一; 窪田寿彦
     
    1.ヒト皮質異形成組織標本におけるreelin遺伝子発現変化の解析(福田、井上):Reelinは大脳皮質第一層に存在するCajal-Retzius細胞から分泌され、大脳皮質の神経細胞の配置決定に重要な役割を果たしていると考えられる。大脳皮質形成異常は発生異常に基づく神経細胞の配列や形態異常などの組織像を示すので、難治の部分てんかんに対する外科治療により摘出された皮質形成異常標本を用いてreelin遺伝子の発現変化をin situ hybridization組織化学法を用いて検討した。コントロールとして摘出標本内の組織学的な形成異常がない部位を用い、比較定量的な解析を行ったところ、reelin mRNAが形成異常部位において有意に減少していた。2.皮質形成異常動物モデル標本を用いた異常層構造形成過程の解析(福田、井上、窪田、Luhmann):異常な皮質層構造の形成過程における興奮性GABA/グリシン作用の要因について検討するため、ラットの皮質凍結損傷モデルを用いて、異常皮質形成過程で損傷部位へ移動中の細胞におけるGABA_A受容体、グリシン受容体、Cl^-トランスポーターのmRNAの発現量変化をin situ hybridization法を用いて解析した。凍結損傷4日後の移入細胞でNKCC1が増加、逆にKCC2が減少しており、[Cl^-]_i上昇の原因と考えられた。これらの変化...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2003年 -2003年 
    代表者 : 福田敦夫; 井上浩一; 山田順子; 岡部明仁
     
    1.マウス胎仔脳への電気穿孔法を用いたEGFP遺伝子導入による移動細胞の可視化(井上、山田、福田):分化直後の神経細胞に特異的にEGFPを発現させて移動過程を可視化する為、子宮内胎仔へのin vivo電気穿孔法により遺伝子導入を行った。すなわち、胎齢13日のマウス胎仔の側脳室にCAGプロモーターにEGFPあるいはDsRed2遺伝子を繋いだプラスミドを注入し、パルス電圧を加え脳室帯で分化直後の神経細胞に遺伝子導入した。これらの細胞がEGFP/DsRed2の蛍光を発しながら脳室帯から皮質板へ移動してinside-outの細胞配置により皮質を形成することを経時的に確認できた。これにより、細胞の発生時期を蛍光で識別することが可能になった。2.皮質板細胞でのCl^-ホメオスタシス調節遺伝子群発現バランスと細胞移動の解析(山田、岡部、福田):子宮内胎仔へのin vivo電気穿孔法により、分化直後の細胞(EGFP蛍光)にKCC2遺伝子を強制発現させ、[Cl^-]_iを低下させた細胞で細胞移動に変化があるかを調べた。まだ例数が少ないため、結論を得るために今後例数を増やす。グラミシジン穿孔パッチクランプ法でCl^-平衡電位を測定し、実際に[Cl^-]_iが低下していることを確認して、移動や[Cl^-]_iとの関係を明らかにする。3.辺緑帯におけるCajal-Retzius細胞間のクロストークの...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(B))
    研究期間 : 2000年 -2003年 
    代表者 : 福田敦夫; 内田勝久; 鮫島道和; 岡部明仁; 清水千草; 井上浩一; 上野伸哉
     
    部分てんかんの原因として注目されている皮質形成異常は、神経細胞の発生・分化・移動の過程で生じた異常であり、神経細胞の配列や形態異常などの組織像を示すとともに病変自体がてんかん原性を有している。本研究課題では、皮質形成異常の成因やそのてんかん原性にCl^-ホメオスタシス異常によるGABA作用の過分極/脱分極の逆転が関わっている可能性を検討することを目的とした。まず、focal freeze-lesionによる局所的細胞移動障害モデルを作成し、Cl^-トランスポーター、GABA及びグリシン受容体サブユニット、細胞移動関連分子などのmRNAの発現変化をin situ hybridization法を用いて検討し、機能的変化をCa^<2+>イメージングやグラミシジン穿孔パッチクランプ法で解析した。その結果を、正常発達過程のラットやキンドリングモデルと比較して、細胞移動や層構造の異常及び発作波様異常興奮におけるCl^-ホメオスタシス、GABA/グリシン作用や電気生理学的特性の役割を解析した。次いでヒトてんかん原性皮質形成異常摘除組織でのCl^-トランスポーター(NKCC1=Cl^-取込,KCC2=Cl^-排出)と細胞移動関連分子(reelin)のmRNAの発現変化の解析を行い、モデル動物と比較した。その結果、モデル動物の異常皮質形成過程ではNKCC1発現上昇とKCC2発現低下、それに伴う...
  • 文部科学省:科学研究費補助金(特定領域研究)
    研究期間 : 2002年 -2002年 
    代表者 : 福田敦夫; 井上浩一; 山田順子; 岡部明仁
     
    1.ラット胎仔脳への電気穿孔法を用いたEGFP遺伝子導入による移動細胞の可視化(井上、山田、福田):移動中の細胞に特異的にEGFPを発現させて移動後の細胞と識別する為、ラット胎仔を用いて、CMVプロモーターによるEGFP発現プラスミドを用いた遺伝子導入を電気穿孔法により行った。しかし、有効な遺伝子発現が得られず、プロモーターをEF1に変更しても同様であった。そこで、マウス胎仔を用いてCAGプロモーターによる遺伝子導入を行ったところ、脳室帯の細胞にEGFPの蛍光を確認できた。今後は移動中の細胞のみを識別することを可能にするため、各種プロモーターによる発現時期の違いを検討する。2.Cajal-Retzius細胞の生理学的特性と辺縁帯におけるシグナル伝達の解析(福田、岡部、Luhmann):辺縁帯のtanential sliceを作成し、グラミシジン穿孔パッチクランプ法でCaial-Retzius細胞のグリシン応答と[Cl^-]_iを記録した後、Cr^-トランスポーターのKCC2(Cl^-排出)とNKCC1(Cl^-取込)及びglycine受容体subunit(alpha1,alpha2,beta)mRNAのsingle-cell RT-PCRを行って単一細胞でのそれぞれの発現パターンを解析した。Cajal-Retzius細胞では皮質板細胞に比べてNKCC1の発現が優位で、[Cl^...

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