研究者データベース

杉谷 光司 (スギタニ コウジ)

  • 理学研究科自然情報系 教授
メールアドレス: sugitaninsc.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/04/24

研究者情報

学位

  • 名古屋大学理学研究科宇宙理学/博士(理学)・修士(理学)

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 80192615

J-Global ID

研究キーワード

  • 星間磁場   赤外線天文学   星形成   

研究分野

  • 自然科学一般 / 天文学

学歴

  • 1984年04月 - 1987年03月   名古屋大学   大学院理学研究科   宇宙理学専攻博士後期課程
  • 1982年04月 - 1984年03月   名古屋大学   大学院理学研究科   宇宙理学専攻博士前期課程

所属学協会

  • 日本惑星科学会   IAU(国際天文連合)   アメリカ天文学会   日本天文学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • Deep Near-IR and H13CO+(J=1-0) Observations of BRC38 (IC1396N)
    2002年
  • A Large Number of H-alpha Emission Stars and Herbig-Haro Objects in and around Bright-Rimmed Clouds
    2002年
  • A Dense Shell Surrounding NGC 2264 IRS1
    2002年
  • Star Formation Sequence in the Eagle Nebula
    2002年
  • Development of SIRIUS --- A Simultaneous-Color InfraRed Imager for Unbiased Survey
    1999年
  • A Large Number of Halpha Emission Stars Associated with Bright-Rimmed Clouds
    1999年
  • Small-Scale Sequential Star Formation in Bright-Rimmed Clouds
    1999年
  • ASCA Observations of the Monoceros OB1 Molecular Cloud
    1999年
  • SEST observations of the HH135/136 complex
    1997年
  • Inferferometric obserrations of a Cometary bright-rimmed cloud in IC1396
    1997年
  • Molecular Line Obserrations of the HH83 Oufflow System
    1996年
  • NMA Observations of HH83
    1994年
  • An Extensive Study of Interstellar Matter in IC 1396 Region using several Molecular Lines and Transitions of CO and Far-Infrared Maps from IRAS
    1991年
  • A Catalog of Bright-rimmed Clouds with IRAS Point Sources : Candidates for Star Formation by Radiation-Driven Implosion
    1991年
  • Star Formation in Bright-Rimmed Globules : Evidence for Radiation-Driven Implosion
    1989年
  • ┣D113┫D1CO, and HCN(J=1-0)Observations of the Orion Molecular Cloud
    1987年
  • CO, ┣D113┫D1CO, and HCN(J=1-0) Observations of L1204(S140)
    1987年

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2021年03月 
    代表者 : 杉谷 光司
     
    本研究はHarvard-Smithsonian Center for Astrophysicsのグループ(代表Ian Stephens氏)と協力して銀河系渦状腕の骨格構造をなすフィラメント分子雲(bones)としてカタログされている天体の磁場構造を調べる計画である。Stephens氏らが飛行天文台SOFIAの遠赤外線偏光観測装置HAWC+を用いて分子雲の密度の高い中心部の磁場構造を調べ、私たちが分子雲周辺部の磁場構造を南アフリカ天文台サザランド観測所のIRSF1.4m望遠鏡と近赤外線偏光観測装置SIRPOLを用いて調べることになっている。昨年度は3天体(Fil2, Fil8, Fil10の半分)の観測できたので、既観測の2天体(Fil5, Fil6)を含めて5-6天体の近赤外線偏光観測が終了している。一方、遠赤外線偏光観測では既観測の2天体(Fil5、Fil6)に加えて今年度はFil4の観測データを新たに得ることができた。
    今年度は、8月に少なくとも3天体(Fil1, Fil4, G24)の観測を南アフリカ天文台サザランド観測所で2週間予定していた。しかしながら、新型コロナウイルスのパンデミックにより8月の観測を断念せざるを得ない状況になった。状況が好転して2-3月に1天体でも観測できることを期待したが、状況は悪くなるばかりであった。このため、前年度に観測した3天体のデータ解析に専念するとともに、近赤外線偏光観測データと比較するミリ波分子輝線データや遠赤外線連続波データの収集・解析も合わせて行った。データ解析の途中経過は新学術領域「星惑星形成」2020大研究会で「渦状腕の骨格構造を構成する分子雲の近赤外線偏光観測」のタイトルで報告を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 中村 文隆; 小川 英夫; 土橋 一仁; 亀野 誠二; 杉谷 光司
     
    本研究の目的は、30-50GHz帯の新しい電波受信機を開発し、野辺山45m電波望遠鏡に搭載することと、それを用いて、この帯域にあるCCS(JN=43-32, 32-21)の2つの輝線とSO (JN=10-01)の輝線のゼーマン分裂を検出することであった。 ゼーマン分裂が検出できれば、分裂幅が磁場強度に比例することから星形成領域の磁場強度を測定することができる。 受信機の開発は、台湾中央研究院と共同で行い、受信機本体は完成し、コロナ禍の影響で、搭載が大幅に遅れたが、2021年11月25日に野辺山45m鏡に設置され、望遠鏡システムへのインテグレーションに成功した。
  • 大質量形成領域の磁場構造の研究
    基盤研究(B)
    研究期間 : 2016年 -2019年 
    代表者 : 杉谷 光司
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 佐藤 修二; 杉谷 光司; 渡邊 誠; 永山 貴宏
     
    当初の可視ー赤外(gri+JHKs)6色同時偏光測光器開発は、以下の3つの装置に分割製作した。①可視3色(g r i-バンド)同時偏光測光器4機を開発製作、その内の2号機は、台湾Lulin天文台1m望遠鏡において様々な科学観測に供されて成果を挙げて成果の取りまとめ中。②i-バンド専用広視野偏光カメラは、手近な望遠鏡にて評価中、③i+JHKs4色に簡略化して、現在開発中である。
  • 赤外線暗黒星雲の磁場構造の研究
    基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年 -2014年 
    代表者 : 杉谷 光司
  • Tタウリ型星の大規模探査による星団形成の研究
    基盤研究(B)
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 杉谷 光司
  • 高密度分子雲コアに付随するTタウリ型星の探査
    基盤研究(C)
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 杉谷光司
  • Tタウリ型星の変光モニター観測による原始惑星系円盤の研究
    特定領域研究
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 杉谷光司
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2005年 
    代表者 : 長田 哲也; 佐藤 修二; 杉谷 光司
     
    銀河中心方向のJHK3バンドの高解像度赤外線サーベイ観測を、0.45秒角ピクセルの高解像度で行なった。観測領域は銀緯方向に±1度(±150pc)銀経方向に±10度(±1.5kpc)をカバーする。観測機器はHAWAIIアレイとよばれる1024x1024素子のHgCdTe赤外線検出器を3個装備した3色同時撮像近赤外線カメラ(SIRIUS)であり、名古屋大学大学院理学研究科が南アフリカ天文台サザーランド観測所に設置した1.4m望遠鏡に搭載した。従来の検出器読み出し方式をさらに改良し、一層の観測効率化を図った。 数多くの赤外線源を検出し、その中からred clump starsと、呼ばれるヘリウム燃焼段階の星を、まず銀河中心の周囲約1度で選び出して標準光源として用い、星間物質による減光を決定した。この方法により、減光の波長依存性を求める際に良く使われてきた色超過の方法とは違って、減光の絶対値を近赤外線のKバンドで初めて精度良く求めることができた。星間塵のJHKバンドでの減光量がRieke-Lebofsky則(ほぼ波長の-1.6乗に比例)からずれていることが明らかになった。従来、近赤外域では減光則はどの方向でも一定という粗い議論がなされてきたが、銀河中心方向では波長のほぼ-2乗に比例して早く減少することを示した。これは、星間塵のサイズや成分の差異を示唆するとともに、観測結果の赤化補王の際にも重要な結果である。 こうして中心部での減光則を求めた後、red clump starsの分布ピークまでの距離を決めることで銀河中心の周辺の構造を決定した。その結果、銀河中心部に存在すると言われていたバー構造は一体のものではなく、中心から数度(直径で1.2kpc)にわたっては視線方向との傾きが緩やかであることを見出した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 小倉 勝男; 杉谷 光司
     
    本研究の目的は、マウナケア天文台の世界一のシーイングの良さと新たに開発されたグリズム分光器WFGS2の広い写野の強みを活かして、至近距離の分子雲において若い星の候補としてのHα輝線星の探査をほぼ極限の暗さ・弱さまで行うことである。その観測対象としては、申請調書の段階ではL1457をあげたが、その直後にこれは従来考えられてきたほど近距離にはないとする結果が相次いで出されたので、交付申請書の段階で探査対象をL1642に変更した。この分子雲は星形成が確実に起こっているものとしてはL1457に次いで2番目の近さとされてきたものである。 観測はハワイ大学2.2m望遠鏡を使用して2005年1月になって行われた。WFGS2の完成の遅れのためである。天候と観測時間の制限により予定していたL1642の天域の約50%しか探査観測ができなかった。残った天域は急きょアルメニアのMagakian博士に依頼して同国の2.6m望遠鏡と同様なグリズム分光器により観測してもらった。どちらの観測においても既知もの以外にはHα輝線星は検出されなかった。したがって残念ながらこの研究課題の主要な目的は達成できなかった。 この他に共同研究として、大質量星形成領域とされる2つの領域(W3 MainとNGC 7538)において深い限界等級の近赤外の測光的研究を行ったが、このような領域でもTタウリ型星と思われる低質量星が非常に多数形成されつつある、という興味深い結果が得られ、2編の論文として発表された。この結果をふまえて大質量星形成領域においてTタウリ型等のHα輝線星を検出する探査観測をインドの2m望遠鏡とグリズム分光器を使用して開始し、成果が得られ始めた。別な共同研究として、星形成時の情報を残しているような若い散開星団(NGC654とNGC663)の光学域の測光学的研究にも参加した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2004年 
    代表者 : 長田 哲也; 佐藤 修二; 平尾 孝憲; 田村 元秀; 田辺 俊彦; 伊藤 洋一; 杉谷 光司
     
    南アフリカ天文台に設置した口径1.4mの光学赤外線望遠鏡に赤外線3色同時撮像カメラSIRIUSを搭載し、南天の観測を行なって、これまでにないデータを得てきた。 南天の星形成領域を数多く観測し、それらとW3やNGC7538等の北天の星形成領域とを比較して質量関数等の性質を論じた。また、おおかみ座の暗黒星雲ではきわめて深い限界等級でサーベイを行ない、中心部では近赤外域で光る星雲を見出した。可視光やJバンド(1.2μm)で暗黒星雲として見える部分がKバンド(2.2μm)では光る星雲として観測され、これが背景の星の光を暗黒星雲中の塵が散乱したものであることを、簡単なモデル計算から導いた。ここで、塵のサイズ分布はやや大きなものまで含む必要があるため、暗黒星雲中での塵の合体や成長に重要な制約を与えるものと考えている。 星形成領域S269の赤外線サーベイ観測を行ない、多数の赤外線源を検出した。 ほ座の巨大分子雲の赤外線サーベイを行ない、極めて星密度の高い、若い(2-3Myr)星団を発見した。メンバー星は少なくとも350個で、0.5pc程度の半径にかたまっている。大質量の星が中心部に多い傾向も確認した。大質量星形成領域のM16・M17や、カメレオン座・へびつかい座の星形成領域のデータも取得した。 銀河面の向こう側に位置するグレートアトラクターに含まれる銀河のサーベイ観測も行なった。電波銀河PKS1343-601の周囲30分角の領域をサーベイし、取得した像から前景の星をし引いて数十個の銀河を検出した。この電波銀河はきわめて明るいものの、まわりには楕円金河が少なく、渦状銀河の数もリッチな銀河団と呼べるほどのものではないことを明らかにした。
  • 最も近い星形成領域におけるTタウリ型星の系統的サーベイ
    研究期間 : 2002年 -2003年
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -2001年 
    代表者 : 佐藤 修二; 田中 培夫; 杉谷 光司; 長田 哲也; 平尾 孝憲
     
    口径1.4mの光学赤外線望遠鏡を完成させ、南アフリカ天文台に設置して試験観測を開始した。まず、昨年度製作した経緯台方式の架台を駆動する制御系を製作した。経緯台は力学的安定性の上で有利ではあるが、赤道儀方式とは違ってインストゥルメント・ローテータが必要であり、方位軸・高度軸・ローテータすべてを計算機制御しなければならない。これらの角速度はゼロから広い範囲まで変化するので、高精度のエンコーダからの情報を使ってリアルタイムのサーボをかけた。 時刻装置としては南アフリカ天文台から供給されるパルスを使うとともに、制御系の中にもGPS受信機を持ち正確な時刻を保持できるようにした。制御計算機はリアルタイム性の高いLinuxをホストとして、これが専用望遠鏡コントローラCPU(MS・DOS)と対話する形式とした。このLinuxホストに対してイーサネットにつながった各種計算機(観測装置の制御計算機など)がリクエストして望遠鏡を制御する。 9月に南アフリカ天文台のサザーランド観測所に望遠鏡を設置し、制御系の試験と改良を行なった。可視光のCCDを用いて望遠鏡解析を行ない、絶対ポインティング精度として3秒角を実現した。11月には赤外線3色同時撮像カメラSIRIUSを搭載し、試験観測を開始した。これまでマゼラン雲のいくつかの領域を試験観測し、望遠鏡の追尾性能・光学性能が仕様を充分に満たしていることを確かめた。現在、鏡のシーイングを改善し、風などの外乱に対しても強くするための改良を行なっている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2000年 
    代表者 : 佐藤 修二; 杉谷 光司; 平尾 孝憲; 長田 哲也; 田辺 俊彦; 田中 培生; 田村 元秀
     
    口径1.4mの光学赤外線望遠鏡を完成させ、南アフリカ天文台に設置して試験観測を開始した。 平成11年度には経緯台方式の架台を製作するとともに、南アフリカ天文台のサザーランド観測所を訪れて望遠鏡を設置するドームについて仕様を策定した。経緯台は全体の重量や力学的安定性の上で有利な反面、赤道儀方式とは違ってインストゥルメント・ローテータが必要であり、方位軸・高度軸・ローテータすべてを計算機制御しなければならない。これらの角速度はゼロから広い範囲まで変化するので、高精度のエンコーダからの情報を使ってリアルタイムのサーボをかけてモータを制御した。 平成12年度には望遠鏡を駆動する制御系を製作し、望遠鏡全体を9月に南アフリカ天文台のサザーランド観測所に搬入して組み立てた。この作業では可視光のCCDを用いて位置が精度良く求められている星を視野に導入してその誤差を記録していくことによって望遠鏡解析を行なった。その結果、望遠鏡の構造に基いた補正をソフトウェア的にかけることによって絶対ポインティング精度として3秒角を実現した。これはこのクラスの望遠鏡として最高水準の値である。 平成12年11月には赤外線3色同時撮像カメラSIRIUSを搭載し、試験観測を開始した。これまでマゼラン雲などの試験観測を行なって、望遠鏡の追尾性能・光学性能が仕様を充分に満たしていることを確かめた。主鏡の温度の移り変わりをモニターした結果、熱的に大きな慣性をもつ主鏡からの対流による像の乱れが起こらないよううまくファンを配置してシーイングを改善する必要があることが明らかになった。この熱環境の改善によっていかにシーイングが良くなるかは今後の観測結果ではっきりとするはずである。また、主鏡カバーの形状を工夫して風に対して強い望遠鏡にするための改良も行なった。
  • YSOに付随するマイクロジェットの系統的サーベイ
    研究期間 : 1999年 -2000年
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1998年 
    代表者 : 長田 行雄; 杉谷 光司; 松原 英雄
     
    銀河系全体にわたる3.3μm輝線バンドを観測する冷却広視野カメラの開発を進めた。口径25cmの主鏡と副鏡からなるリッチクレチェンシステムをアルミニウムの超精密切削により製作し、クライオスタット内におさめて光学性能評価を行なった。これを専用の架台に搭載して、素子数256×256のInSb検出器を使って像を得るのに成功した。この検出器を駆動する回路系は、バイアスなどを調整して、波長3.3μmでのかなり高いバックグラウンドでの観測に対して最適化した。このシステムを使って、銀河面のサーベイを開始する予定である。 また、星形成領域を近赤外線で撮像および分光観測し、この3.3μm輝線バンドのふるまいを詳しく調べ、さらに偏光の情報も得て、個々の星形成領域での3.3μm輝線バンド生成の段階を調べた。これまでに知られていた星形成領域の中から、Mon R2とS140等の撮像と分光観測を行なった。S140のIRS1では3.1μmにある氷の吸収バンドは顕著に検出され偏光も変化していることが明らかになったものの、3.3μm輝線バンドは検出できなかった。一方、IRAS衛星で見つかった天体の中から近赤外線のスペクトルエネルギー分布を使って若い星の候補を選別したサンプルを分光観測したところ、45天体中17天体が3.3μm輝線バンドを示した。このことから、ハービックAe/Be星(典型的な若い中質量天体)よりもさらにやや若い段階では、3.3μm輝線を示す天体がきわめて多いのではないかとの示唆が得られた。S140IRS1のような天体が進化してこの段階に達するものと考えられる。また、氷の吸収を持つ天体と輝線バンドを持つ天体とを、近赤外線での撮像観測から分類することも試みている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 小平 桂一; 比田井 昌英; 馬場 直志; 川辺 良平; 太田 耕司; 大石 雅寿; 小倉 勝男; 杉谷 光司; 片坐 宏一; 土橋 一仁; 斎藤 衛; 柴田 克典; 土居 守; 尾中 敬; 林 左絵子; 出口 修至; 山下 卓也; 佐藤 文男; 大谷 浩; 河野 孝太郎; 井上 允; 佐藤 聡子; 岡村 定矩; 川口 建太郎; 平原 靖大; 伊藤 洋一; 田村 元秀; 立松 健一; 山田 亨; 市川 隆; 菅井 肇; 田辺 俊彦; 家 正則; 田中 培生; 祖父江 義明; 平野 尚美; 磯部 秀三; えの目 信三; 中村 泰久
     
    大石は、米国国立電波天文台において大質量星生成領域におけるCH3NH2の観測を行い、この分子がHII領域近傍に局在していることを見出した。またSEST電波望遠鏡を用いて銀河中心領域のSiOの広域マッピング観測を行い、SiOの雲は数10Kの励起温度で非常に広く分布している事があきらかになった。太田は、米国国立電波天文台のVLAを用いてCO輝線観測を行った。残念ながら天候に全く恵まれず、当初予定していたノイズレベルは達成できなかった。 川辺は、米国国立電波天文台のVLAを用いて原始銀河候補天体のCO輝線及び、連続波の高空間分解能の観測を行った。遠方銀河と思われる銀河を1つ見出した。 馬場は、サン・ペドロ天文台の望遠鏡を使用して、ベテルギュウスなどをスペックル分光により観測した。主鏡のアクティブサポートシステムが有効に働き良質のデータを得た。 比田井は、マウナケア山頂のケック10m望遠鏡に取り付けた高分散分光器により、重力レンズクエーサーなど4個のクエーサーの高分散スペクトルを観測した。 柴田は、アメリカ国立電波天文台の超長基線干渉計VLBAで、メガメーザー天体のVLBI観測を行い、角度分解能0.5-5ミリ秒角で中心核近傍にあるガスの構造を調べた。 尾中はアリゾナ大学の2つの望遠鏡を使用し、中間赤外域で低温度星の分光撮像観測を行った。珪酸塩の特徴的なバンドなどを得ることに成功した。 菅井は、UKIRTのファブリペロ撮像モードを用いて相互作用・合体銀河の近赤外線輝線観測を行った。天気が悪く観測時間3日間のうち実際観測できたのは1日分だった。 林の今回の観測では、原始星からの高速ジェットが作り出す衝撃波領域から発生する水素分子輝線の分布を高い解像度で明らかにすることができた。 山下の今回の観測ではいくつかの遠方にある活動銀河の中間赤外分光を行った。
  • Small-scale Sequential Star Formationの研究
    研究期間 : 1996年 -1996年
  • ブライトリム分子雲に於けるSequential Star Formation
    研究期間 : 1995年 -1995年
  • ブライトリム分子雲に於ける星生成の近赤外撮像観測
    研究期間 : 1994年 -1994年
  • オリオンOBアソシエ-ションに於ける巨大分子雲レムナントの探査的研究
    研究期間 : 1993年 -1994年
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1992年 -1992年 
    代表者 : 杉谷 光司
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1989年 -1991年 
    代表者 : 海部 宣男; 川口 則幸; 石黒 正人; 山下 卓也; 川口 建太郎; 半田 利弘; 中井 直正; 森本 雅樹; 川辺 良平; 山本 智; 小川 英夫; 亀谷 収; 坪井 昌人; 小林 秀行; 平野 尚美; 佐藤 文男; 大石 雅寿; 面高 俊宏; 今井 一雄; 柴田 克典; 杉谷 光司; 小倉 勝男; 高野 秀路; 辻 隆; 岡村 定矩; 平原 靖大; 谷口 義明; 梅本 智文; 井上 允; 平林 久; 出口 修至; 浮田 信治; 田中 培生; 小林 行泰; 林 正彦; 長谷川 哲夫; 林 左絵子; 佐藤 修二; 宮地 竹史; 中野 武宣; 斉藤 修二; 福井 康雄
     
    1.研究の実施状況:宇宙における現象は、異なる波長による観測から物理的プロセスを立体的に把握することで初めてその本質を理解できることが多い。本研究は、国立天文台野辺山宇宙電波観測所のミリ波望遠鏡群と世界第一線の観測装置とを結び、計画的な共同観測で星間物質・星形成・銀河中心核等の解明をめざしてきた。研究目的に沿って、平成1年度より3年度までの3年間に55件・のべ87人を海外での研究活動に派遣した。うち海外の第一線望遠鏡による観測は、ハワイのUKIRT(3.8m赤外線望遠鏡)とJCMT(15mサブミリ波望遠鏡)合わせて9件を筆頭に、アメリカのFCRAO(14mミリ波望遠鏡)、VLA(大型電波干渉計)、キットピ-ク天文台とセロトロロ天文台(チリ)の4m光学望遠鏡、オ-ストラリアのパ-クス天文台(64m電波望遠鏡)、チリのCEST(15mサブミリ波望遠鏡)等、世界の主要望遠鏡のほとんどに及んでいる。各観測所の状況や天候など計画立案上困難な要素はあったが、機に応じた派遣計画変更を行ないつつ、期待に沿った研究を開発することができた。VLBI関連の派遣は合計17件にのぼり、野辺山が中心的役割を果たしての観測やデ-タ解析が特に後半に大幅に進んだ。またこの研究による観測デ-タ処理のための派遣、技術開発や共同研究の推進の検討・打合せなどの派遣は、合計10件であった。 2.観測的成果:観測の成果は60編を越える論文(英文)に納められている。またまとめのワ-クショップ「国際共同研究の報告」で最近の観測成果多数を含む29編の報告が提出され、集録が現在印刷中である。 星の形成領域の研究では、1983年以来の国際共同研究が実り、多数の先進的な成果が納められて、星間物質から惑星系形成の可能性に至る総合的なイメ-ジが世界に先駆けて構築された。VLBIはミリ波での観測をリ-ドするところまで実績を積むことができた。今後の発展が期待される。主な個別的成果としては、(1)ハワイでの赤外線観測による星生成領域の水素分子輝線の蛍光励起の発見とその機構の研究(長谷川、田中ほか)、(2)ハワイでの赤外線スペックル観測によるTタウリ型星の連星成分の分離(舞原、片ほか)、(3)ハワイ線観測による銀河系中心部の暗黒星雲の広域分布の解明(上野ほか)、(4)セロトロロでの赤外線観測による活動銀河核・クエ-サ-からの強い水素分子輝線の検出(川良ほか)、(5)ハワイでのサブミリ波観測による原始星ダスト円盤の構造の分解(山下、海部ほか)、(6)ハワイでのサブミリ波観測による原始星双極分子流の構造と進化(平野、林ほか)、(7)VLAによる新しい水蒸気メ-ザ-源の発見(亀谷ほか)、(8)FCRAOおよびベル研究所ミリ波サ-ベイによる大規模星生成領域の全体構造(梅本、立松、亀谷ほか)、(9)FCRAOおよびCESTによる新しい星間分子の探査と検出(大石、川口、海部ほか)、(10)パ-クス電波望遠鏡による雨天の暗黒星雲の構造と進化(山本、佐藤ほか)、(11)オ-ストラリアのシュミット望遠鏡による多数のHH天体の発見(小倉ほか)(12)活動銀河核・クエ-サ-の0.001秒角を切る高分解能のVLBIマッピング観測(井上、亀野、宮地ほか)、(13)世界初の230GHz VLBI国際ネット観測(川口、井上、森本ほか)等がある。 3.わが国の天文学研究へのインパクト:わが国には本格的な天文学の観測装置が少なかったため、第一線の観測が極めて困難で、それがわが国の天文学の発展の大きな足枷となっていた。野辺山宇宙電波観測所の活動開始により、国内でミリ波での第一線の観測が可能になるとともに、対等な協力という形での海外一流装置による観測に道が開かれた。本計画はこの状況を組織化し、日本では観測が困難な赤外線・サブミリ波を中心に一流観測所に多くの若手研究者を派遣してきた。本研究での海外研究者との共同研究と切磋琢磨、赤外線やサブミリ波での第一線での観測経験が、我国における新しい装置建設や研究の大きな力となりつつある。これは光学観測にも拡大され、また緊密な国際協力なしには不可能なVLBI観測への日本の主体的参加をも推進することができた。こうした面でも本研究がわが国の観測天文学の発展にとって重要な役割を果たし得たと確信している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1988年 -1991年 
    代表者 : 河鰭 公昭; 杉谷 光司; 小川 英夫; 福井 康雄
     
    原始星の進化を統計的に研究するために、4メートル短ミリ波望遠鏡を用いた分子スペクトル(^<12>CO,^<13>CO,C^<18>O;J=1ー0)の観測を行なった。今年度は、受信器の超伝導化とスーパーミニコンピュータの導入によって、飛躍的に観測効率の向上がはかられた。さらに、マイクロプロセッサとPCD型フォトダイオードアレイを用いた新型分光計が予定通り稼動を始めた。新型分光計はデータ取りこみにおけるデッドタイムを極力抑制しており、特に一点あたりの観測時間が30秒以下という高速観測において高い効率を達成している。 分子流天体については、我々のグループによって発見されたものが総数50個をこえており、統計的研究のためのサンプルとしてより一層質が向上した。前年度得られていた「分子流天体における光度超過」の傾向が一層明らかになった。 分子雲コアについては、^<13>CO、C^<18>Oスペクトルによる広域観測がスピードアップしたことによって、データベースが急速に拡張されつつある。特に^<13>COスペクトルは全体で約3万点が既に取得されており、分子雲コアの総数はほぼ倍増した。

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