研究者データベース

髙野 博充 (タカノ ヒロミチ)

  • 医学研究科細胞生理学分野 助教
メールアドレス: takanohimed.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/03/19

研究者情報

学位

  • 博士(医学)(名古屋市立大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • ショック   平滑筋   内皮細胞   血管   

研究分野

  • ライフサイエンス / 生理学

所属学協会

  • 日本生理学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2026年03月 
    代表者 : 高野 博充; 服部 友紀
     
    肺スライス標本作成方法を以下のように確立した。麻酔ご脱血したラットを開胸して気管に挿入したカニューレから37度のゼラチン溶液を注入後、20度以下に冷却した。ゼラチン硬化確認後摘出した肺を冷却クレブス液中でスライスして厚さ500μmの標本を作成した。このスライス標本を36℃のクレブス液で灌流することでゼラチンを洗い流した後、血管直径測定システムを用いて、この断面に見える脈管の直径を測定することができるようになった。次に敗血症モデルラットをラット微静脈からグラム陰性菌リポ多糖類(LPS)を5mg/Kg静注することにより作成し、LPS投与前(control)、翌日(DAY1)、三日後(DAY3)および六日後(DAY6)に肺スライス標本を作製して直径300 - 500μmの肺動脈の血管反応を観察した。全群で1μMのαアゴニストphenylephrine(phe)は持続的な収縮を起こしたが、LPS投与群ではこの収縮は有意に減弱していた。phe収縮中、1μMアセチルコリン(ACh)を投与すると弛緩が生じたが、DAY1では減弱していた。これらの弛緩反応は内皮除去すると観察されなくなった。Controlでは10μMのNO合成酵素阻害剤nitro-L arginine(LNA)存在下によりこのACh弛緩は抑制され、一過性弛緩に転じた。DAY3ではこのLNA非感受性弛緩反応は増大し、intermediate conductance Ca2+ activated K+チャネルブロッカーTRAM-34(1 μM)によりほとんど抑制された。以上の結果から、肺動脈の収縮はLPSにより抑制されること、内皮からのNOによる弛緩反応がLPS暴露翌日には抑制されるが以後回復すること、内皮依存性過分極による弛緩反応がLPS暴露後三日後に増強することが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 高野 博充
     
    モルモット肝静脈の単離標本では、経壁神経刺激(TNS)により、アドレナリン作動性神経性一過性の張力増大反応を起こした。これらの反応はニフェジピンによって抑制されなかったが、cyclopiaxzonic acid (CPA)またはY-27632の存在下では抑制された。TNSはまた、アドレナリン作動性の細胞内Ca2+増大反応を起こした。これらの細胞内Ca2+濃度の変化はCPAの存在下で抑制された。以上の結果からモルモット肝静脈では、α受容体を介して、細胞内貯蔵部位からのCa2+の放出とROKを介する経路を経て収縮を起こしていることが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 高野 博充
     
    モルモットの肝静脈の単離標本を作製し、その張力と膜電位の測定に成功した。経壁神経刺激をすると、一過性の張力増大反応を起こした。この収縮は、Phentolamine 存在下で抑制された。Atropine 存在下では収縮の持続時間が短くなり、Guanethidine 追加投与で見られなくなった。Phenylephrine(Phe)は濃度依存的に収縮を起こし、Isoproterenol は弛緩を起こした。Noradrenaline (1 - 3 μM)は濃度依存的に収縮を起こしたが、10 μM では逆に収縮が抑制された。Acetylcholoine は収縮を起こし、Phe 存在下でもさらに収縮を増大した。静止膜電位は-45 ±5 mV であった。ACh は張力の増大とともに膜を5mV 脱分極させた。Phe も張力の増大とともに膜を 3mV 脱分極させた。以上の結果から、モルモット肝静脈はアドレナリン作動性およびコリン作動性の神経支配の興奮性の神経支配を受けており、α受容体とムスカリン様受容体が興奮性の、β受容体が抑制性の反応を担っていることが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 橋谷 光; 高野 博充; 三井 烈
     
    膀胱粘膜下細静脈の壁細胞はIP3依存性の小胞体Ca2+遊離により自発細胞内Ca2+濃度変動を生じ、L型Ca2+チャネルの自己再生的性質に依存した電気的結合により細胞間同期性を維持している。細静脈の自発収縮は組織代謝産物の能動的ドレナージに関わり、交感神経支配に加えて尿路上皮や排尿筋平滑筋などから放出される生理活性物質により制御される。細静脈壁細胞はNG2 (-)/αSMA (+)、毛細血管ペリサイトはNG2陽性(+)/α-SMA陰性(-)、細動脈平滑筋はNG2 (+)/αSMA (+)であり、細静脈壁細胞は細動脈および毛細血管壁細胞とは異なる発生起源ないし過程から生じることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2010年 
    代表者 : 橋谷 光; 高野 博充
     
    膀胱壁伸展時の粘膜下微小循環の維持に関与していると考えられる粘膜下細静脈の自動性発生の細胞内機構について検討した。 細胞内電位と細静脈径変化の同時記録では、自発活動電位が自動収縮に先行して起こり、いずれの現象もカルシウム(Ca^<2+>)活性化塩素イオンチャネルおよび電位依存性Ca^<2+>チャネル阻害剤により抑制された。細胞内Ca^<2+>イメージングにより輪走・縦走平滑筋細胞において同期した自発Ca^<2+>濃度上昇が認められた。電位依存性Ca^<2+>チャネル阻害剤存在下においても個々の平滑筋細胞においてCa^<2+>Ca^<2+>濃度上昇が認められたが、細胞間の同期性が失われた。平滑筋とは異なる形態を有し、ネットワークを形成する細胞(血管周囲間質細胞)においても同期した自発細胞内Ca^<2+>濃度上昇が発生し、電位依存性Ca^<2+>チャネル阻害剤により同期性は失われたが個々の間質細胞における自発Ca^<2+>濃度上昇は抑制されなかった。以上の結果からは、平滑筋細胞と間質細胞のいずれが自動運動のペースメーカー細胞としての役割を果たしているかは特定できなかったが、小胞体からのCa^<2+>遊離が起点となり、電位依存性Ca^<2+>チャネルによる電気的細胞間連携により自動運動に不可欠な細胞間同期性がもたらされると考えられた。 細静脈の自発収縮は経壁電気刺激により頻度が増加し、その作用はα受容体阻害薬により抑制された。α受容体阻害下では神経刺激により自発収縮の頻度の低下および血管径の拡張を認める場合があり、抑制作用はプβ受容体阻害により拮抗された。外因性アセチルコリンは濃度依存性に自発収縮の頻度を増加させ血管径を減少させた。排尿筋層のみを除去した尿路上皮を含む標本でも自発収縮を認めたが、神経刺激により持続的な収縮が起こり、またカプサイシン投与により自発収縮の抑制が認められた。以上より細静脈の自発収縮は神経および尿路上皮から放出される生理活性物質により制御されることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2009年 
    代表者 : 高野 博充
     
    モルモット回腸粘膜下細動脈で直径と血管の膜電位を同時測定し、エンドトキシンショックによる影響を調べた。静止膜電位に有意差はなかった。塩化バリウム投与により膜の脱分極と収縮を起こした状態でアセチルコリンを投与するとおこる再分極と弛緩はLPS 投与群有意に減弱していた。この再分極と弛緩は二種類のカルシウム依存性カリウムチャネルによるものだがその二種類の働きにコントロール群とエンドトキシンショック群に差は見られなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 芝本 利重; 倉田 康孝; 高野 博充
     
    本研究の目的は循環ショック時にミクロピペットを用いて肝臓の微小血管圧を測定することである。 1)摘出灌流肝臓でミクロピペットと血管閉塞法で測定した微小血管圧の比較:基準状態と血流量変化、ノルエピネフリン投与、アナフィラキシーでは内径30〜50(42±5)μmの細肝静脈の血圧は血管閉塞法で同時に測定されたdouble occlusion pressureがhepatic venous occlusion pressureより近似していることが判明した。 2)アナフィラキシーショック:卵白アルブミンで感作した麻酔下SDラットに抗原の静脈内投与によりアナフィラキシーショックを惹起した。体血圧は118mHgから45mmHgに低下し、門脈圧は11.cmH_2Oから、36.3cmH_2Oに上昇し、肝血管収縮が見られた。内径30〜50(42±5)μmの細肝静脈の血圧は3.1cmH_2Oから1分後に8.8cmH_2Oに達した後、門脈圧上昇のピーク時に抗原投与前値に戻っていた。このとき肝臓表面に装着した超音波クリスタルで測定した肝臓の厚みは、96%にまで減少した。以上よりアナフィラキシーショック時の肝血管収縮は主として類洞あるいは前類洞血管収縮によるもので後類洞血管収縮の関与は小さいことが判明した。 3)エンドトキシンショック:E. coli,エンドトキシン10から30mg/kgを麻酔下ラットの静脈内に投与して低血圧を惹起した。体血圧は30mmHg低下し、門脈圧はおよそ6cmH_2O上昇し、肝血管収縮が見られた。内径35±8μmの細肝静脈の血圧は0.9cmH_2O程度上昇後、エンドトキシン投与前値に戻っていた。肝臓の厚みは97%にまで減少した。エンドトキシンショックでは門脈圧が上昇したが、それには後毛細血管の収縮は非常に弱いことが判明し、前類同血管優位の収縮により肝内血液量の減少が示唆される結果を得た。

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