研究者データベース

河野 恵子 (コウノ ケイコ)

  • 医学研究科細胞生化学分野 講師
Last Updated :2024/03/19

研究者情報

学位

  • 博士(生命科学)(東京大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • 細胞周期チェックポイント   細胞老化   アクチン   細胞創傷治癒   細胞質分裂   

研究分野

  • ライフサイエンス / 細胞生物学
  • ライフサイエンス / 医化学

経歴

  • 2017年12月 - 現在  沖縄科学技術大学院大学膜生物学ユニット准教授
  • 2012年04月 - 2017年12月  名古屋市立大学大学院医学研究科 細胞生化学分野講師
  • 2005年09月 - 2012年03月  Postdoc, Dana-Farber Cancer Institute, Harvard Medical School
  • 2005年04月 - 2005年08月  教務補佐員、東京大学

学歴

  • 2002年04月 - 2005年03月   東京大学   大学院新領域創成科学研究科   先端生命科学専攻 博士(生命科学)
  • 2000年04月 - 2002年03月   東京大学   大学院新領域創成科学研究科   先端生命科学専攻 修士(生命科学)
  • 1996年04月 - 2000年03月   東京大学   理学部   生物学科植物学専攻 学士(理学)

所属学協会

  • American Society of Cell Biology   酵母遺伝学フォーラム   日本分子生物学会   日本癌学会   日本生化学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 細胞工学 Vol31 No10 「細胞膜修復機構におけるダイナミックな極性切り替えとプロテアソームの役割」
    秀潤社 2012年

MISC

  • アクチン・フォルミン・ミオシンと細胞個体機能とのメカニカルなつながり 細胞膜張力制御と染色体分配(Down-regulating cortical tension ensures timely chromosome segregation)
    河野 恵子; 西村 耕太郎; 城村 由和; 中西 真 日本細胞生物学会大会講演要旨集 73回 S8 -2 2021年06月
  • フォルミンおよびミオシンと生命機能とのメカニカルなつながり 細胞膜張力制御と染色体分配(Down-regulating cortical tension ensures timely chromosome segregation)
    河野 恵子; 西村 耕太郎; 城村 由和; 中西 真 日本細胞生物学会大会講演要旨集 72回 S3 -1 2020年06月
  • 河野恵子; 西村耕太郎; 城村由和; 出口確; JIANG Zixian; 内田和彦; 鈴木成実; 嶋田緑; 千葉祥恵; 広田亨; 吉村成弘; 中西真 日本癌学会学術総会抄録集(Web) 78th 2019年
  • 西村耕太郎; 城村由和; 島田緑; 千葉祥恵; 河野恵子; 中西真 日本分子生物学会年会プログラム・要旨集(Web) 39th 2016年

受賞

  • 2013年 第35回内藤コンファレンスポスター賞

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 丸山 剛; 大庭 賢二; 河野 恵子; 藤枝 俊宣
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2020年04月 -2024年03月 
    代表者 : 河野 恵子; 森山 陽介; 枡鏡 優美子; 杉山 伸樹
     
    1. 細胞膜の微小な傷はどのように修復されるか 前年度に見出された、出芽酵母における新規細胞膜修復の分子機構についてさらなる検討を行った結果、クラスリン依存的エンドサイトーシスにより、脂質フリッパーゼが細胞膜の傷に輸送されること、またこの制御が主たる修復タンパク質の一つであるエクソシスト(Exo70)の傷への局在に必須であることを見出し、査読のある国際誌に報告した(Yamazaki and Kono, BBRC, 2021)。 2. 細胞膜損傷はいかにして細胞老化を誘導するか 前年度に行った細胞膜損傷による老化家庭におけるRNA seqの結果をDNA損傷による細胞老化、カルシウム流入を起点とする細胞老化、複製老化と比較した結果、mRNA、非コードRNAとも細胞膜損傷を起点とする細胞老化に特異的なパターンが存在することが解明されたので、国際学会で報告し、現在論文を二報準備している。さらに質量解析も行い、RNA seqの結果と合わせてバイオインフォマティクス解析を行った結果、細胞膜損傷を起点とする老化細胞が、生体内において周辺の細胞の創傷治癒を亢進させうる遺伝子発現パターンを示すことが明らかになったほか、細胞老化のユニバーサルな制御因子の候補が同定された。 3. 細胞膜損傷による細胞老化の個体レベルでの生理的意義は何か 老化マウス個体を用いて細胞膜損傷による細胞老化の生体内における意義を解明するために、2で見出した「細胞膜損傷による老化細胞マーカータンパク質」の抗体を購入し、染色条件の最適化を行った。老化マウスでは多くの組織において自家蛍光が高いが、アンミキシング法を用いることにより蛍光抗体染色した目的のタンパク質が観察可能となることが見出された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    研究期間 : 2019年06月 -2022年03月 
    代表者 : 森山 陽介; 河野 恵子
     
    本申請の研究目的は、細胞膜が損傷し修復されること自体が、膜修復後の細胞周期に影響を与えることを証明した上で、その機序を培養細胞を用いて明らかにすることである。また、この膜損傷と修復に伴う細胞周期の変化の影響は全身に影響が及ぶことから、膜損傷による膜構造の変化と遺伝子の発現変動を指標にマウスの全臓器/器官から特にキーとなる臓器や組織を探索することである。以上を踏まえ全身での膜損傷に由来する細胞周期の変化や意図せぬ停止をコントロールする手法を探索することを本申請を萌芽とする研究の究極的な目標としている。 当該年度の研究実績としては、本研究でみられる細胞周期の変化についてマーカータンパク質の発現と全mRNAの転写パターンの経時的な変化の解析を行い、細胞膜損傷にひきつづく3日間がRNAの転写パターンの大きな変化を伴わないがその後の細胞周期の恒久的な停止を招くことになる重要な時期であることがわかった。さらにその後の転写パターンの網羅的解析からは、多くの遺伝子群がドラスティックに変化し、細胞の増殖能を変化させるとともに細胞老化の表現型を示すようになった。 転写ネットワークの詳細な解析から細胞膜損傷と細胞周期および細胞老化を結びつける重要な最上流転写因子の候補を得ているほか、この初期の3日間において細胞学的な解析から細胞老化を誘導すると推測される2点の現象を見出している。これらの連関を念頭に膜損傷が細胞老化を誘導する機構を時系列を踏まえて明らかにすることは、体内での老化細胞の未知の出現機構を理解し膜損傷に対する応答機構の制御を通じた細胞老化の抑制というフロンティアを開拓すると考えている。
  • 細胞老化の鍵を握る脂質新機能の光操作による解明
    JST:さきがけ
    研究期間 : 2016年10月 -2021年05月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 河野 恵子
     
    この世に最初の細胞が生まれた時、そこには遺伝情報を司る核酸と、それを包み込み環境変化から守る膜が存在した。そうであれば細胞膜の傷を修復する「細胞創傷治癒」の仕組みは、生命誕生の瞬間から必要とされただろう。細胞膜損傷はデュシェンヌ型筋ジストロフィー症を始めとする様々な疾患に関与するが、その分子機構の全貌を俯瞰するには至っていない。申請者は細胞膜損傷はその程度に応じて細胞周期を一時停止するチェックポイント、細胞周期を恒久的に停止する細胞老化、細胞死(アポトーシス)という異なる細胞の運命を導くことを見出している。細胞膜損傷が軽微である場合、出芽酵母において報告されている分子機構と同様に、DNA複製を行うマシナリーの分解が認められ、さらに細胞周期を停止させるタンパク質群が安定化されていた。細胞膜損傷が重篤になると転写プロファイルが変化し細胞周期の不可逆的停止に必要なタンパク質群の発現誘導が認められ、さらに重篤になるとアポトーシス様の死が誘導された。今年度は細胞膜損傷による細胞周期停止機構の詳細を検討した。その結果、細胞膜損傷に応答したチェックポイントは、当初予想していたG1期のみならず、G2/M期やM期途中にも存在することが見出され、p53がその鍵を握る分子であることが明らかになった。さらにがん細胞と正常細胞とで膜損傷による細胞運命決定に違いがあり、がん細胞は細胞老化を回避して増殖を続ける独自の分子機構を持っていることが示唆された。本研究成果は将来的に新たながん治療法の開発につながる可能性がある。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2015年04月 -2017年03月 
    代表者 : 河野 恵子
     
    出芽酵母とヒト培養細胞で、物理的損傷を受けた細胞膜には突起状構造(傷跡)が多数形成されていることが見出され、遺伝子操作により傷跡を取り除いたところ、出芽酵母細胞の寿命は延長された。つまり、細胞膜に残った傷跡が細胞老化の一因であることが明らかになった。細胞老化が促進された細胞では細胞創傷治癒能が低下していた。以上より、細胞膜の損傷とそれによる脂質構成の変化が、出芽酵母とヒト培養細胞に共通の細胞老化の一因であることが示唆された。さらに、これらのこの解析の過程で、出芽酵母とヒト培養細胞において細胞膜損傷を引き金として細胞周期を一時停止させる「細胞膜損傷チェックポイント」が発見された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    研究期間 : 2013年04月 -2015年03月 
    代表者 : 河野 恵子
     
    細胞は増殖の過程で細胞表層に様々な環境ストレスを受け、傷つく。傷の周りにアクチンや微小管、Rho型GTPaseなどが集まり、細胞質分裂とよく似た仕組みで速やかに行われる修復を「細胞創傷治癒(Cellular wound-healing)」と呼ぶ。これに欠損があるとデュシェンヌ型筋ジストロフィー症を発症するが、詳細な分子機構は解明されていない。 今回、出芽酵母の強力な遺伝学を背景に、ポストゲノム時代のツールを駆使して細胞創傷治癒に関与する遺伝子の網羅的同定を行った。その結果22のユビキチン・プロテアソーム関連遺伝子を含むヒットを同定した。更なる解析により、傷ついた細胞が細胞周期を停止する「細胞創傷治癒チェックポイント」を初めて見出した。 スクリーニングヒットのうち極性輸送を制御するESCRTタンパク質はモノユビキチン化によって活性制御を受けることが知られている。今回、ESCRTタンパク質は膜損傷直後の応急処置的な緊急応答に必要であることが明らかになった。また、細胞創傷治癒チェックポイントにおいては、Cdkを阻害するWee1ホモログSwe1のポリユビキチン化とその後のタンパク質分解が抑制されていることが明らかになった。膜修復を完了して通常の増殖に復帰する際に、膜修復に必要な細胞骨格制御タンパク質がポリユビキチン化されプロテアソームにより分解されることも示唆された。 以上より、細胞創傷治癒の過程では多様なユビキチンコードが重要な役割を果たしていることが明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2013年04月 -2015年03月 
    代表者 : 河野 恵子
     
    細胞は増殖の過程で細胞膜に様々な環境ストレスを受け、傷つく。傷の周りにタンパク質が集まり、細胞質分裂とよく似た仕組みで速やかに行われる修復を「細胞創傷治癒」と呼ぶ。このしくみに欠損があるとデュシェンヌ型筋ジストロフィー症を発症するが、詳細な分子機構は解明されていない。本研究では細胞創傷治癒に関与する遺伝子を網羅的に同定し、膜損傷の修復後に細胞膜を構成する脂質の種類が変化して「細胞膜の老化」が起こり、それが細胞老化を誘導する一因となることを見出した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
    研究期間 : 2012年08月 -2014年03月 
    代表者 : 河野 恵子
     
    細胞質分裂の完了に失敗すると細胞は癌化しやすくなる。そこで細胞質分裂の正常な完了の分子メカニズムを解明して癌化の抑制につなげるために、真核細胞のシンプルなモデルであり遺伝学的解析に強い出芽酵母をツールとして用いて、様々な細胞骨格制御タンパク質の挙動を検討したところ、分裂リングの形成に必要なフォーミン(直鎖状アクチン重合因子)が重要な制御を受けていることが明らかになった。 出芽酵母ゲノム中には二つのフォーミンが存在し、両方の遺伝子を破壊すると致死となる。一つ目のフォーミンBnr1は分裂期前期に分裂面に局在し、その後分裂期後期に脱局在する。それと同時に、入れ替わるように二つ目のBni1が分裂面に局在して分裂リングを形成する。Bnr1はMARKキナーゼによりリン酸化されることで分裂面に局在し、その後脱リン酸化されることで脱局在することが明らかになった。一方Bniは分裂期前期に分解を受け、その後急激に増加することが分かった。このように2つのフォーミンが適切なタイミングで交替することが、その後の正常な分裂リングの形成、そして細胞質分裂の完了に必要な分子スイッチとして機能すると考えられる。さらにこのメカニズムが進化的に保存されているかどうかを検討するために、マウス(NIH3T3)やヒト(Hela)の培養細胞を用いて検討したところ、BniのホモログであるmDia2が分裂期前期に分解されていることが分かった。さらにBni1と同様に、分裂期の進行に従いタンパク質量が急激に増加することが明らかになった。これらの結果を受けて、現在はBnr1のホモログが出芽酵母の場合と同様にリン酸化・脱リン酸化による制御を受けているかどうかを検討している。以上より、出芽酵母において見出されたフォーミンの交替という分子スイッチがヒトなど高等真核生物においても進化的に保存されていることが示唆された。

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