Researchers Database

SATO Toyohiro

    Graduate School of Medical Sciences Department of Neurology Assistant Professor
Last Updated :2025/09/30

Researcher Information

Research funding number

  • 30814032

J-Global ID

Research Areas

  • Life sciences / Neuroscience - general

Research Grants & Projects

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    Date (from‐to) : 2023/04 -2026/03 
    Author : 佐藤 豊大
     
    我々はアルツハイマー病(AD)病理の存在下でも認知機能が維持される認知予備能(CR)が着目される中、コリン作動性神経が海馬神経活動を賦活することがCRの一因ではないかという仮説を立てた。 我々は中隔核のアセチルコリン産生を促進する海馬由来コリン作動性神経刺激ペプチド(HCNP)を発見し、その過剰発現はアミロイドオリゴマーによる海馬LTP(Long Term Potentiation)の低下を阻止する可能性を報告した。 本研究では①AD病理存在下におけるHCNPを介したコリン作動性神経賦活による海馬神経機能維持の機序の評価と②HCNPの作用の多角的評価によりCRの分子機序を解明し、AD地用の創薬ターゲットを創出することを目的とした。 2023年度は今まで実施してきたfield法を用いた海馬LTP誘導実験により得られた、HCNP-KOマウスでは加齢とともに内因性のコリン作動性刺激によるLTP誘導効率が低下するという事実をもとに、APP-KIマウスとHCNP-KOマウスの交配による「新規ADモデルマウス」における海馬LTP誘導効率の評価を実施しした。その結果、内因性のコリン作動性刺激の低下によるLTP増強効果の低下が認められた。それらのメカニズムの解析のため生化学的手法(ウェスタンブロッティング)によりシナプス関連タンパクの変化を評価し、神経伝達に関与する一部タンパクの減少が認められた。行動学評価においては以前からの継続により新奇物体探索試験において新規ADモデルマウスにおける記憶障害出現までの期間が短縮されることを発見した。 2024年度に向けては、新規ADモデルマウスの海馬におけるシナプス伝達効率の変化の原因について、さらなる生化学的・薬理学的な解析に加えて、組織学的評価を行っていく予定である。


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