日本学術振興会:科学研究費助成事業
Date (from‐to) : 2019/04 -2023/03
Author : 西垣 瑠里子
飼育したマウスから、非肥満内臓脂肪細胞(L-Ad)および肥満関連内臓脂肪細胞(O-Ad)を樹立した。マウスO-Ad、ヒトO-Adともに、マウスおよびヒトの膵癌細胞の増殖・浸潤能を有意に促進し、血管内皮細胞の血管新生能を亢進することを見出した。
サイトカインアレイを用いた準網羅的解析により、O-Adの培養液中で著明に上昇する分泌タンパクを複数同定した後、siRNAによるスクリーニングを行い、O-Adから分泌され膵癌細胞の悪性化誘導に寄与するタンパク:Xを同定した。次に、膵癌細胞株をマウスの皮下に移植し、腫瘍増殖を検討したところ、非肥満マウスと比較し肥満マウスへの腫瘍移植モデルにおいて、有意な腫瘍増殖をみとめた一方、抗X抗体を注入した肥満マウスでは膵癌の増殖効果が有意に抑制された。以上のことから、肥満により内臓脂肪中のXの分泌が促進され、直接的または血管新生を介し間接的に、膵癌細胞の悪性化誘導に寄与することが示唆された。