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伊藤 佐生智 (イトウ サオトモ)

  • 薬学研究科衛生化学分野 准教授
メールアドレス: s-itohphar.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/09/07

研究者情報

学位

  • 名古屋市立大学/博士(薬学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 細菌毒素   免疫回避   黄色ブドウ球菌   

研究分野

  • ライフサイエンス / 薬系衛生、生物化学

学歴

  •         -   名古屋市立大学

研究活動情報

論文

MISC

産業財産権

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 伊藤 佐生智
     
    黄色ブドウ球菌とアレルギー発症増悪の関係が指摘されている.本研究ではα毒素とStaphylococcal superantigen-like 12(SSL12)という2つの毒素がアレルギー性炎症において役割を果たす,マスト細胞と好塩基球を活性化することを明らかにした.またSSL12のマスト細胞の活性化にかかわる領域の特定も行った.これらの成果は黄色ブドウ球菌の常在とアレルギーの発症増悪の,黄色ブドウ球菌が産生する毒素を介した関係を示すものである.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 伊藤 佐生智
     
    黄色ブドウ球菌毒素Staphylococcal superantigen like(SSL)は宿主の免疫関連因子を標的とし免疫回避に関与すると考えられているが,14種のSSLのうち一部しか機能が明らかにされていない.本研究ではSSL12が単独でマスト細胞の脱顆粒,サイトカイン産生を誘導し,in vivoにおいて血管透過性の亢進を引き起こすことを見出した.またプロトロンビンに結合し,血液凝固を抑制するSSL10のプロトロンビン結合部位,IgGに結合し,補体活性化を阻害するSSL10のIgG結合部位,MMP-9に結合しプロテアーゼ活性を阻害するSSL5の酵素活性阻害に関わる領域を明らかにした.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 伊藤 佐生智
     
    黄色ブドウ球菌の産生するSSLファミリーはSSL1~SSL14の14種からなる分泌毒素である.SSLはヒトや動物の免疫に関与する様々なタンパク質や細胞を標的として,この細菌の免疫回避に関与する.本研究ではSSLファミリーの標的分子阻害作用を創薬に応用することを目指し,SSLの標的分子阻害の作用機序を解析した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 伊藤 佐生智
     
    Staphylococcal superantigen-like (SSL)はスーパー抗原と共通の立体構造を持ちながら,スーパー抗原活性を示さない黄色ブドウ球菌の分泌タンパク質毒素で,14種のSSLが存在し,その一部はSSLは宿主の免疫関連因子に結合しその機能をかく乱することが知られている.本研究において私たちはSSL3がToll -like receptor 2に,SSL8がテネイシンCに,SSL10がホスファチジルセリンおよび血液凝固因子に結合し,これらの生理機能を抑制することを見出した.本研究の成果はSSLの機能のかく乱を目指した黄色ブドウ球菌感染症の治療薬の開発およびSSLの宿主タンパク質かく乱作用を利用した新規医薬品の開発につながると思われる.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 伊藤 佐生智
     
    血液透析の際には,人工物である透析膜と血液成分の接触により活性化される白血球が産生する活性酸素が透析アミロイドーシスや動脈硬化などの長期透析合併症を引き起こすと考えられている.本研究では血液細胞間の相互作用に着目してこのメカニズムを解析した.その結果,透析膜と血小板の接触により血小板表面に接着分子P-セレクチンの発現が誘導され,白血球表面のリガンド分子(PSGL-1)を介して血小板と好中球の複合体が形成され,これにより好中球からの活性酸素産生が誘導されることを明らかにした.また透析膜と血漿の接触により補体が活性化し,これに伴って生じるC5aが好中球表面のPSGL-1の集積を引き起こして血小板と好中球の複合体形成と活性酸素産生を増強することを示した.さらにこの血小板-好中球相互作用を妨害する薬物としてα-トコフェロールとグリチルリチンを見出し,両薬物が血液透析に伴う白血球の活性化を抑制しうることを示した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 辻 勉; 伊藤 佐生智; 奥 輝明; 齋藤 雄太; 水野 博己; 関根 わか菜; 後藤 敏江; 島田 賢太郎; 鴨志田 剛
     
    悪性度の高い肝がんや胃がんに高発現する細胞接着分子α3β1インテグリンのがんの浸潤・転移における役割について解析した. このインテグリンと組織マトリックスに含まれるラミニンの相互作用により細胞運動や浸潤能が高まり, またマトリックス分解酵素の産生が亢進し, これらが相乗的に作用し, がんの浸潤・転移に対し促進的に働くことが推察された. この過程を制御することによりがん転移の予防に資するものと考えられる.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2004年 -2006年 
    代表者 : 伊藤 佐生智
     
    p57は免疫細胞に特異的に発現するアクチン結合タンパク質であり,食作用をはじめとする細胞運動に関与していると考えられている.我々は白血球の貪食の際にp57がF-アクチンとともにファゴソームに集積し,ファゴソームの成熟に先行してファゴソーム膜から解離すること,p57はこの過程において一過性にリン酸化されることを見出している.一方,細胞内寄生菌である結核菌はp57のファゴソームからの解離を抑制してファゴソーム成熟を抑制し,細胞内での生存を可能にしているという報告があり,p57とアクチン細胞骨格系との相互作用の解析は細胞内寄生菌の生存機構の解明とこれを標的とした細胞内寄生菌感染症の新規治療法の開発に寄与すると考えられる.p57はN末端のWDリピート領域とC末端のロイシンジッパーを含むコイルドコイル領域からなる.WDリピート領域中には少なくとも2ヶ所アクチン結合能が存在し,一方でコイルドコイル領域は二量体形成に関与していることを明らかにしている.今年度の研究においてp57のリン酸化状態と細胞骨格系への結合の関係を検討するため,HL60細胞より調整した界面活性剤不溶性の細胞骨格成分へのp57の分布を検討したところ,PMA処理によりp57は細胞骨格から解離し,リン酸化の抑制により細胞骨格への結合が促進された.このことはGFP-p57強制発現細胞においても示された.また細胞骨格に結合しているp57のリン酸化状態を二次元電気泳動により解析した結果,細胞骨格結合性のp57は低リン酸化型であり,可溶性のp57は高リン酸化型であることが示された.我々は以前にp57が二量体形成することによりアクチンの架橋形成を媒介することを見出している.今回の結果よりp57は二量体形成とリン酸化による調節を介してファゴソームの形成と成熟におけるアクチン細胞骨格の再構成の調節を担っている可能性が示された.

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