日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2016年04月 -2022年03月
代表者 : 南川 貴子; 田村 綾子; 日坂 ゆかり; 横井 靖子
本研究は、脳卒中発症直後から在宅生活へシームレスな移行を目指し、看護師が実施でき患者の活動量の増加と参加拡大のための支援方法の開発を行う研究である。脳卒中は他の疾患と比べ介護や療養を必要とする患者が多く、要介護4・5の原因疾患でも第1位は脳血管障害を含む認知症、脳血管障害(脳卒中)である。
患者が脳卒中発症後に自宅に帰れない理由として、急性期からも活動低下による廃用症候群があるといわれている。
今年度はCOVID-19の影響をうけ、予定していたデータ収集・発表などが中止を余儀なくされた。そのため、今年度は、研究を実施可能な範囲に縮小し、基本的なデータが不足していた脳卒中発症直後の患者の関節可動域の変化について注目し、研究を行った。脳卒中患者の麻痺側上肢は、脳の器質的障害は徐々に改善するが、どの程度改善するかは明らかにはなっていなかった。上肢の関節可動域は、患者の活動や参加に影響するために、急性期からの上肢の関節可動域の変化状況を知ることは、今後の患者の活動・参加に関わるたいへん重要なデータである。また、看護ケアの中で支援を進めて行くうえで重要であると考えた。
本研究では今後、患者がリハビリテーションを受けられない不利が起こらないように、発症直後からの通常のセラピストによるリハビリテーションを受けた初発の脳卒中患者の上肢の関節可動域が、どの程度回復するかを観察した。結果については、今後公表していく予定である。