研究者データベース

岩崎 真一 (イワサキ シンイチ)

  • 医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 教授
Last Updated :2024/11/21

研究者情報

学位

  • 医学博士(東京大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • めまい・平衡医学   神経耳科学   耳科学   

研究分野

  • ライフサイエンス / 耳鼻咽喉科学

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2027年03月 
    代表者 : 鵜川 眞也; 岩崎 真一; 柴田 泰宏; 島田 昌一; 熊本 奈都子; 村上 信五; 植田 高史
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 蒲谷 嘉代子; 岩崎 真一; 近藤 真前; 浅井 友詞
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 的場 拓磨; 岩崎 真一; 川北 大介; 今井 優樹
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2021年04月 -2025年03月 
    代表者 : 藤本 千里; 岩崎 真一; 安部 力; 鴨頭 輝; 森田 啓之
     
    片頭痛に関連するめまい症状を有する患者群に対して、近年、前庭性片頭痛という疾患概念が提唱された。しかしながら、主病変と考えられる前庭障害と前庭性片頭痛の病態との関連は明らかになっていなかった。申請者は、卵形嚢眼反射系の機能を反映する前庭誘発外眼筋電位検査において、前庭性片頭痛確実例の方が前庭性片頭痛疑い例よりも、有意に異常所見を呈することを示し、前庭性片頭痛の病態と卵形嚢眼反射系の機能障害との高い関連性を報告した。本研究課題は、前庭性片頭痛の分子メカニズムにおける最大の謎である「前庭障害と片頭痛の病態のリンク」を解明すること、そして、前庭性片頭痛の新規バイオマーカーを発見し新規治療の開発を目指すことを目的とする。 本年度は、卵形嚢感覚上皮培養細胞UB/UE-1を、冷感疼痛刺激物質イシリンで処理し、Cell Counting Kit-8(CCK-8)による生細胞数測定系、および、トリパンブルー染色による死細胞率測定系を確立した。現在、様々なイシリン濃度・処理時間にて、解析を行っているが、CCK-8を用いたassayでは、ある条件にて生細胞数の軽度の低下を示し、トリパンブルー染色では、ある条件にて死細胞率の軽度の増加が確認されている。 UB/UE-1の生細胞数の低下が示されたイシリン処理条件にて、UB/UE-1細胞のRNAを抽出し、サンプルのquality checkを行い、問題ないことを確認した。現在、RNAシークエンス解析を行っている。また、培養液のエクソソームを抽出し、ナノサイト解析を行い、粒子数が十分であることを確認した。現在、エクソソームの網羅的解析を行っている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2021年04月 -2025年03月 
    代表者 : 岩崎 真一; 南方 寿哉; 江崎 伸一; 蒲谷 嘉代子; 藤本 千里
     
    1.突発性難聴、前庭神経炎患者の唾液を用いたウイルス再活性化の解析 突発性難聴、前庭神経炎患者に加えて、急性の顔面神経麻痺であるベル麻痺とハント症候群患者の急性期、慢性期における唾液中のHSV-1, -2,VZV, HHV-6,-7VZV, HHV-6,-7のウイルスDNA量についてのRT-PCR法での解析については、名古屋市立大学医学部の倫理審査委員会の承認を経て、解析をすすめている。現時点までに、約50名の症例の唾液を集め、RT-PCR法で解析を行っている。唾液中にウイルスを認める患者は、慢性期のみならず、急性期でもそれほど多くないことから、ウイルスを有する患者の患者背景についての詳細な検討を行っている段階にある。 2.ウイルス再活性化によるウイルス性内耳炎モデル動物の作製と病態解析 ウイルス性内耳炎動物モデルでは、まずは、弱毒化した単純ヘルペスウイルス(HF-10)をマウスの中耳に投与することで、一側性の内耳炎を引き起こし、その聴覚障害および前庭障害につき、それぞれ聴性脳幹反応(ABR)とロタロッドで客観的な機能評価を行い、いずれも障害が生じていることを確認した。モデル動物の内耳の組織学的解析について、現在進めているところである。ウイルス再活性化による内耳炎モデルについては、HF-10の耳介から感染させ、再活性化を試みているものの、成功に至っておらず、HF-10の投与量を調節している段階にある。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2020年04月 -2024年03月 
    代表者 : 山岨 達也; 岩崎 真一; 木下 淳; 樫尾 明憲; 鴨頭 輝; 近藤 健二; 藤本 千里; 浦田 真次; 松本 有
     
    蝸牛・前庭・半規管の組織を透明化し、三次元的に詳細に観察する技術を構築を試みた。焦点深度の深い顕微鏡の構築はまだ完成しておらず、まずは蝸牛全体では無く、前庭に近い基底回転のみを含めて前庭と半規管を骨胞の透明化により描出する方法を模索し、すべての感覚上皮がコンタミネーションなくきれいに描出できる手法をトライアンドエラーにより確立した。現在ほぼ安定して、前庭の二つの感覚上皮(球形嚢斑、卵形嚢斑)および三つ(前・後・外側)の半規管膨大部を同時に描出することが可能になっている。免疫染色は核染色(DPI)、有毛細胞(ミオシン7a)、細胞骨格(ファロイジン)、神経繊維(NF200)などが可能であり、正常状態における各感覚細胞の細胞カウント、各感覚上皮の三次元的形態、それぞれの感覚上皮の三次元的関係について解析した。細胞カウントについては自動カウントのソフトを導入し、わずかに残るゴミを除去して手動ではない方法でカウントできるようにした。感覚上皮の彎曲や各感覚の三次元的関係については形態の近似値を計算する数式について検討中であり、これが完成すれば投稿予定である。また、障害モデルについてはゲンタシン投与マウスモデルで感覚細胞・シナプス、新鋭の変性および再生過程について経時的に観察を行っている。蝸牛については音響外傷および加齢性難聴での有毛細胞障害後のシナプスの変化、神経変性について、三次元的観察を行い、また血管条の血管形態の変化、マクロファージの分布の変化を検討中である。なお、マウスの音響外傷および老人性難聴にの予備実験として、PQQの予防効果につき、ABRによる機能解析、感覚細胞、シナプス、蝸牛神経、ラセン神経節、血管条を形態学的に調べ、その有効性を確認した。またPQQについては蝸牛有毛細胞株であるHEI-OCIでの酸化ストレス予防効果、ミトコンドリア保護効果などに付き検討し、論文化した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 岩崎 真一; 吉川 弥生; 樫尾 明憲; 藤本 千里
     
    生後3日の幼若マウスより摘出した蝸牛の器官培養を用いて、ゲンタマイシンを様々な濃度で投与することで、有毛細胞障害を引き起こし、免疫染色を用いて、アポトーシスとネクローシスおよびネクロプトーシスの誘導についての解析を行った。 第一段階として、Propidium iodide (PI)の核染色を、myosin7aによる有毛細胞染色と、DAPIによる核染色とともに行い、様々な濃度のゲンタマイシンを投与し、アポトーシスとネクローシスについての全体的な評価を行った。 ゲンタマイシンによる有毛細胞障害は、ゲンタマイシンの濃度および時間依存的に変化し、0.3-1mMの濃度で24時間以上培養を行うことで、統計学的に有意な有毛細胞障害が、外有毛細胞および内有毛細胞ともに認められた。 PIによる核染色では、内有毛細胞では、障害の6時間後にはネクローシスを示唆する核の膨化を認め、24時間後にはアポトーシスを示唆する核の濃縮を認めた。外有毛細胞でも、障害の12時間後では、核の膨化が優位で、24時間後では核の濃縮が主に認められ、内有毛細胞と同様の傾向を認めた。 引き続き、ネクロプトーシスのマーカーである、RIP1, RIP3, MLKLの免疫染色については、染色がうまくいかないため、ポジティブコントロールである、肝臓、および腎臓を用いて、条件について現在検討中である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    研究期間 : 2015年06月 -2020年03月 
    代表者 : 森田 啓之; 梶 博史; 上田 陽一; 岩崎 真一; 村谷 匡史
     
    ①重力変化に応答する遺伝子の役割:微小重力により耳石器で発現が低下したEnpepのKOマウスを作製したが,表現型として平衡機能障害等は見られなかった。 ②前庭系可塑的変化の中枢経路:重力環境変化で発現が変化した前庭神経核GABA受容体,グルタミン酸受容体の機能をphotogenetics,chemogenetics手法を用いて検討した。グルタミン酸受容体刺激では同側に,GABA受容体刺激では対側に体が傾いた。また,両側グルタミン酸受容体刺激では著明な深部体温低下がみられ,重力環境変化により引き起こされる平衡機能障害・深部体温低下に前庭神経核のこれらの受容体が関与していることが示唆された。 ③重力変化が筋・骨連関および代謝調節に及ぼす影響:高脂肪高ショ糖食誘導性の体重増加,脂肪量増加,血糖上昇,耐糖能異常は前庭破壊により有意に改善され,さらにβ阻害薬およびトレッドミル運動負荷によっても有意に改善された。これらより,前庭系は自律神経系と運動系を介して,食餌誘導性の肥満とそれに続く糖代謝異常に影響を及ぼす可能性が示唆された。 ④長期宇宙滞在により引き起こされる耳石前庭機能障害とその対策:長期宇宙滞在前後でcVEMP (球形嚢機能) とoVEMP (卵形嚢機能) 検査を実施し,帰還直後に球形嚢機能の著明な低下が起こり,閉眼起立時の重心動揺が大きくなることが分かった。また,noisy-GVSにより重心動揺の増大が抑制されることから,帰還後の平衡機能障害の対策としてのnoisy-GVSの有効性が示唆された。 ⑤経皮的noisy-GVSによる前庭系可塑性の誘導に基づくバランス障害改善効果の検討:二重盲検ランダム化プラセボ対照クロスオーバー試験(医師主導治験)を計画し,PMDAによる承認,IRB申請,治験計画届の提出を済ませ,平成31年2月より被験者の組み入れを開始した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 岩崎 真一; 江上 直也; 藤本 千里; 松本 有
     
    実験動物の前庭機能を計測することが可能な、短潜時の前庭誘発脳電位(VsEP)記録システムの開発を行った。本研究では、強力な加振機と回転刺激装置を用いることによって、耳石器機能と半規管機能を別々に評価可能な計測システムの構築を試みた。直線加速度刺激では、再現性の高いVsEPを記録することが出来た。VsEPは、聴性脳幹反応(ABR)とは、異なる波形を有した。蝸牛を破壊すると、ABRは消失しものの、VsEPに変化は認められなかった。一方、外科的にマウスの内耳を破壊すると、ABR、VsEPともに消失した。一方、今回、回転刺激では再現性のあるVsEPを記録することは出来なかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2014年04月 -2018年03月 
    代表者 : 鈴木 光也; 岩崎 真一; 上羽 瑠美; 坂本 幸士; 牛尾 宗貴
     
    1)卵巣摘出術群では4週後および8週後ともに、コントロール群に比較して有意なABR閾値上昇が認められた。2) 透過電顕による観察では、卵巣摘出群の血管条毛細血管基底膜の3層構造は認められなかった。血管条毛細血管基底膜のCationic polyethyleneimine(PEI)の数はコントロール群および卵巣摘出群(術後4週、8週)ともに少なく、両者に有意な差は認められなかった。一方、ラセン靭帯の毛細血管基底膜ではともにPEIの整列が確認された。3)コントロール群と卵巣摘出群の間で蝸牛におけるER alphaとER betaの発現に明らかな差はみられなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 山岨 達也; 岩崎 真一; 樫尾 明憲; 柿木 章伸; 藤本 千里; 松本 有
     
    体内の抗酸化物質Mn-SODが半減すると加齢により蝸牛の酸化ストレスが増悪し、音響外傷が増悪した。二酸化ゲルマニウ投与で蝸牛組織変性が生じ、ミトコンドリア機能が低下したが、タウリン等の投与により障害が抑えられた。ゲンタシンによる半規管の有毛細胞障害は支持細胞分裂により部分再生し、TrkB agonist投与により有毛細胞がより再生し機能も回復した。内耳不死化細胞は酸化ストレスでミトコンドリアの変性が生じ、膜電位が低下し、ミトコンドリアのfusion/fission機構や呼吸能が障害された。蝸牛有毛細胞にオートファジ―機構が存在し、機能しない場合には進行性の有毛細胞障害が生じた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2013年04月 -2017年03月 
    代表者 : 岩崎 真一; 吉川 弥生; 樫尾 明憲; 中島 敏明; 藤本 千里
     
    細胞の品質管理において重要な役割を果たすタンパク質分解系が、内耳障害の際に果たす役割について、細胞レベルで明らかにすることを目的として、主たるタンパク質分解系である、ユビキチン・プロテアソーム系とオートファジー・リソソーム系の双方に介して解析を行った。 オートファジー・リソソーム系に関しては、内耳有毛細胞特異的にオートファジーがノックアウトされたマウスを作製したところ、生後早期より内耳機能の低下と有毛細胞の消失を認めた。ユビキチン・プロテアソーム系については、内耳培養細胞において、プロテアソーム阻害剤は、低濃度では細胞保護機能を認め、高濃度では細胞障害作用があることが判明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2011年04月 -2014年03月 
    代表者 : 山岨 達也; 岩崎 真一; 吉川 弥生; 坂本 幸士; 樫尾 明憲; 安井 拓也; 染谷 慎一
     
    数種の遺伝子改変マウスを用いて特に酸化ストレスと老化による蝸牛の変性・老人性難聴の進行について解析した。スーパーオキシドディスムターゼ (SOD) は細胞内に発生したスーパーオキシドアニオン(活性酸素)を分解する酵素である。MnSODのヘテロマウスでは蝸牛内の老化に伴う酸化ストレスは増悪するが、15カ月齢まで血管条、有毛細胞、ラセン神経節細胞の変性や難聴の加速は見られなかった。Glutathione Reductase(GR)は酸化型グルタチオンを還元型にする反応を触媒するが、GRのノックアウトマウスでは蝸牛の発生・発達に影響は無いが、高音域の難聴が増悪することが判明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 岩崎 真一; 柿木 章伸; 牛尾 宗貴; 室伏 利久
     
    前庭誘発眼筋電位検査(ocularvestibularevokedmyogenicpotential:oVEMP)の発生メカニズムを明らかにすることを目的として、モルモットよりoVEMPの記録を試みた。記録電極は、眼窩下面より関電極を挿入し、眼球下面の外眼筋近傍に記録電極を当てて記録を行うことで、刺激後3msecにピークをもつ陰性波の記録が得られた。この反応は、対側耳の破壊により振幅が減少し、さらに同側耳の破壊を行うことによって、反応が消失することから、この反応が内耳由来の反応であることを確認した。下直筋と下斜筋、それぞれの筋より反応を記録たところ、下直筋、下斜筋のいずれでも骨導刺激に反応する成分が得られ、両側の前庭破壊によりこの反応は消失した。このことから、モルモットのoVEMPにおいては、下直筋と下斜筋の両方がその発生に関与していることが明らかとなった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2009年 -2010年 
    代表者 : 山岨 達也; 中島 敏明; 岩崎 真一
     
    高強度トレーニングは、活性酸素の産生を高め、酸化ストレスを亢進することが知られている。低強度加圧筋力トレーニングは、高強度トレーニングに匹敵する筋肥大効果をみとめると報告されており、起立性低血圧の治療に応用した。また加圧トレーニングならびに種々な運動様式の血中酸化ストレス指標に及ぼす影響につき健常人ならびに患者で検討した。各種目において、血中の酸化ストレス指標として活性酸素代謝産物濃度(dROMs test)と抗酸化力指標(BAP test)を測定した。加圧下での低負荷エルゴメーター運動及び筋力トレーニングは、非加圧時に比し、有意なdROMs、BAP上昇を認めた。さらに、健常人では、BAPは、乳酸、WBC、ノルアドレナリン(NOR)と有意な相関をみとめたが、dROMsとは相関は見られなかった。一方、起立性低血圧群では、dROMsは、乳酸、WBC、NORと有意な相関をみとめ、BAPも乳酸、WBCと相関を認めた。このように、加圧トレーニングでは、酸化ストレス・抗酸化力の亢進が見られた。健常人では、運動強度、血流制限に依存して抗酸化力が活性化し、酸化ストレスの上昇を抑制するが、疾患群では、運動強度、血流制限によって依存して酸化ストレスが亢進すると思われ、加圧トレーニングを応用する際には、負荷強度、血流制限の程度などを十分考慮する必要があると思われた。我々は、重篤な起立性低血圧患者においてマシンが使用できない場合は、elastic bandを用いた加圧トレーニング、加圧ウォークなどの負荷の軽い加圧トレーニングも実施している。そこで、高齢者の加圧ウォークの下肢筋力、筋肥大ならびにQOL改善効果についても検討した。加圧ウォークは、高齢者の下肢筋力を改善するとともに、静脈コンプライアンスを改善した。今後、起立性低血圧患者において、加圧トレーニングの効果とともに、安全で効果的なトレーニングメニューの作成につき、酸化ストレス、炎症の面からも研究を継続する予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 伊藤 健; 岩崎 真一; 千原 康裕; 佐原 資謹; 佐原 資謹
     
    ラット前庭神経節細胞の細胞体にその末梢受容器(耳石器・半規管膨大部)を付着した標本を作成し、細胞生理学的実験を行う手法を確立した。培養方法としては、Leibovitz's L-15を使用した短時間(< 5hr)培養が最適であることが分かった。 生理学的実験 : 末梢前庭器-前庭神経細胞体を一体とする標本において、神経のパッチクランプ記録を行うことが可能となった。脱分極刺激(電流注入)による神経発火パターンを記録したところ、主にphasic typeの発火であり、今のところ単離・培養したものと大きな違いが無い結果となっている。同様の標本において前庭神経節細胞をパッチクランプして性質を調べた上でピペット内に予め入れておいたビオチンにより逆向性染色を行う実験は、パッチクランプの成功率が不十分で、また実験中に細胞が死んだりパッチが外れてしまうトラブルが多いことから未だ信頼に足る結果が得られていない。 免疫組織学的・分子生物学的実験 : 末梢前庭器-前庭神経細胞体を一体とする標本において、神経細胞の性質等を検索した後に細胞質を電極内に吸引し、Single Cell RT-PCRを行う実験は成功率が低く、その原因は単離細胞と異なり内容の吸引が難しいことであると分かった。未だ信頼性の高いデータとはなっていない。前庭神経節の興奮性の調節に関与すると分かったイオンチャネルやリガンド受容体の免疫染色については、試薬を購入して実験を開始したばかりの段階である。本研究のここまでの成果を踏まえて、今後も研究を継続する予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 岩崎 真一; 伊藤 健; 佐原 資謹; 藤城 芳徳; 竹内 直信
     
    本研究で、幼若ラットから摘出した前庭神経節細胞を用いて少なくとも4日間までの初代培養を行う手法を確立した。 培養した前庭神経節細胞に対して、パッチクランプ法を用いてその発火特性につき検討を行い、その発火パターンは3種類に大別できることが判明した。すなわち、細胞に注入する電流の量を増やしても1〜数発の活動電位しか発生しないタイプ(phasic type)と、注入する電流の量を増やすとそれに伴って活動電位の数が増加ずるタイプ(tonic type)、さらにこれら2つのタイプの中間の発火パターンを示すタイプ(intermediate type)に分類された。生後5-7日目のラットでは、phasic typeが約60%、intermediatetypeが20%、tonic typeが約20%であった。 パッチクランプ法の電流固定モードにて、これらの細胞のK+チャネルの特性について検討した。Phasic typeの細胞のK+電流は約-30mVから活性かするのに対し、tonic typeの細胞では約-50mVからK+電流が活性かすることが判明した。このことほ、これら2つのタイプの前庭神経節細胞でほ、低電位活性化型のK+チャネルが異なっていることを示す。さらに、このチャネルの特性について検討したところ、低電位活性化型のK+チャネルは、Kv1チャネルの阻害薬であるα-dendrotoxinによって特異的に抑制されることが判明した。 電流固定モードで、α-dendrotoxinを細胞外投与すると、phasic typeの細胞が、tonic typeと同様の発火特性を示すことを確認した。これらの実験から、前庭神経節細胞の発火特性には,Kv1チャネルの有無が重要な役割を果たしていることが判明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2003年 -2006年 
    代表者 : 加我 君孝; 山岨 達也; 伊藤 健; 岩崎 真一; 狩野 章太郎; 中尾 政之; 近藤 健二; 石本 晋一
     
    聴空間は空間といっても眼には見えない音の空間のことで、目をつぶってもわかる音の世界のことである。左上下前後の方向感覚や音源定位、音の移動(音の接近や遠ざかる)を知覚し、その無数の音の中から必要とするものを認知する。認知の対象は純音や雑音、言葉や音楽であったりする。 この4年間の研究期間に、両耳聴についてその情報処理の機序の解明を行った。気導と音導に分けて方向感の時間差と音圧差、および時間差音圧差のトレードの処理機構を明らかにした、世界で初めて超磁歪型音導素子を用いた高音質の音導では時間差・音圧差のトレードがすぐれていることを明らかにした。 両耳聴の認知は、Binaural Beatや音色を刺激としてMEGを用いて聴皮質で情報処理されていることを明らかにした。両耳聴の発達性可塑性について、難聴児について人工内耳と補聴器の併用による聴覚の発達を研究した。その研究は無興室においてスピーカー法で聴空間の拡大を調べることで広い聴空間と狭い聴空間の存在が明らかとなった。 この4年間の研究により、聴空間の認知処理機構について解明できた部分と新たに解明が必要な部分もはっきりしてきた。両耳聴すなわち耳はなぜ二つあるかは、聴覚研究でも極めて重要な研究テーマである。米国では2006年、両耳聴研究にNIHより特別に多くの研究資金が配分されたという。我々はこの4年間の研究資金によって研究環境が整備されたので、引き続き本研究テーマの研究を継続する予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2003年 -2005年 
    代表者 : 伊藤 健; 岩埼 真一; 松井 稔
     
    本年度は、早々に2つの困難に見舞われた。一つはマウス飼育上のトラブルにて(研究分担者松井)、半年にわたってマウスの供給が途絶えたことである。2005年11月より再びマウスは安定的に供給され、実験を再開した。もう一つはこの間に米国の同様のノックアウトマウス(本研究のものとは独立に作成)を使用する研究室から、聴覚系の異常がほとんど認められない旨の報告がなされたことである(Maison SF, et al.,2005)。 しかし、本年度は2つの進歩があった。一つは昨年度からの懸案であったOAEソフトウェアを改良し、DPOAEがヒトおよび動物において記録できるようになったことである。二つ目は上記を踏まえ、研究の方向性を聴覚系から前庭系へとシフトし、前庭神経節を単離・パッチクランプして活動電位を記録可能となったこと、またDNAアレイを用いて前庭神経節にムスカリン受容体の発現を確認したことである。 今後の展望: 1)ノックアウトマウスとワイルドタイプマウスを用い、音響受傷性(強大音曝露後の聴力障害のレベルの違い)・薬剤易傷性(内耳障害を惹起する薬剤を投与してみて、聴覚障害発生のレベルの違い)の調査を継続している。米国のグループの研究ではムスカリン受容体欠損マウスとワイルドタイプの間に違いは無いという結果であったが、我々の使用するマウスはこれとは独立に作成されたものであるので、必ずしも同じ結果になるとは限らないからである。 2)前庭神経節細胞におけるムスカリン受容体の存在も確認されたので、まずアセチルコリンによる前庭神経節細胞の興奮性の修飾を調べた上で、ノックアウトマウス・ワイルドタイプマウスにおける神経発火パターンの相違、またイオンチャネル(特にNa・Kチャンネル)の関与の相違を調べる予定である。これにより、ムスカリン受容体が発生の過程においてどのような影響を与えるかを明らかにする。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 岩崎 真一
     
    昨年度の研究で、モルモットの単離ダイテルス細胞の膜電流は主にカリウム電流で厚生されており、その大部分は電位依存性カリウムチャンネルのブロッカーであるテトラエチルアンモニウム(TEA)によりブロックされることを明らかにした。 本年度はペアになったダイテルス細胞を使用し、膜容量の測定を行うことで、ギャップジャンクションの薬理学的特性を調べた。ペアになったダイテルス細胞の膜容量はギャップジャンクションのブロッカーである、カルベノキソロンの投与により、約半分に減少した。このことは、ダイテルス細胞間の結合が主にベノキソロン感受性のギャップジャンクションによって結合していることを意味する。別のギャップジャンクションブロッカーであるオクタノールの投与によっても同様の結果が得られた。しかしながら、1回の実験において、ペアになったダイテルス細胞は非常に少数であり、データを効率よく得るのは容易ではなかった。また、ギャップジャンクションに影響を与えることが知られているアミノ配糖体や一酸化窒素の阻害薬の効果も試してはみたが、はっきりとした薬剤の効果をみるには至らなかった。 複数のダイテルス細胞のうち、隣接する2つのダイテルス細胞に対して、それぞれの細胞よりホールセルを記録し、そのコンダクタンスを調べる実験も試みたが、1つの細胞ではホールセル記録を行えるものの、2つの細胞で同時にホールセル記録を行うのは非常に確率が低く、その特性を検討するには至らなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2001年 -2004年 
    代表者 : 高井 禎成; 室伏 利久; 岩崎 真一; 牛尾 宗貴; 朝蔭 孝宏; 竹内 直信; 物部 寛子; 高井 禎成; 松崎 真樹
     
    短持続電気刺激を頭蓋外からあたえたときの前庭神経の反応について、モルモットにおける電気生理学的研究とヒトにおける誘発筋電位による臨床神経生理学的研究を行った。モルモットにおいては、中耳腔と前頭部間に電気刺激を与えた。今回の研究で、頭蓋外からの短持続電気刺激は、前庭神経を刺激し得ることが明らかになった.すなわち、モルモットにおいては、頭蓋外からの短持続電気刺激に対して、短い潜時で応じる前庭神経ニューロンの存在することが認められた。また、ヒトにおいて、乳突部-前頭部間を電気刺激し、胸鎖乳突筋における誘発筋電位を記録すると、潜時10-20msecで2相性の反応が記録された(p33g-n23g)。健常成人における反応閾値は2.5mAであった。最適の刺激頻度は5Hzと考えられた。さらに、前庭機能障害症例における検討からは、臨床検査としても応用可能なことが明らかとなった。すなわち、末梢前庭障害のうち神経障害(聴神経腫瘍など)では、電気刺激に対し無反応であるが、受容器障害(メニエール病など)では、電気刺激に対して反応のあることが明らかになった。短持続頭蓋外電気刺激法と従来から用いられている音響刺激法を併用して、末梢前庭障害を神経障害と受容器障害に分類することが可能となった。この方法を前庭神経炎症例に応用したところ、臨床的な前庭神経炎のうち、70%は、神経障害であるが、30%は、受容器障害であることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2001年 -2003年 
    代表者 : 菅澤 正; 伊藤 健; 岩崎 真一; 坂本 幸士
     
    有毛細胞の電気生理学液研究にpatch clampの手法が導入され成果を上げている。しかし単離操作を必要とするため、細胞に変性が加わり、得られたデータの生理的意義に疑念が生じる。本研究では細胞変性の指標を明らかにするとともに、double patchの手法を用いて内有毛細胞の正常生理環境の復元を試みた。細胞変性の指標として、形態的に基底部の空胞変性の有無が挙げられた。空胞変性を認めない細胞では、きわめて良好な生理反応を示し、この反応は長時間持続した。またカルシウム依存性のKチャンネルの確認も容易であった。もう一つの指標は静止膜電位である。静止膜電位が60mv以下の細胞では、反応が良好であった。この両者を指標として、内有毛細胞傷害の予防を試みた。空胞変性は、機械刺激、低酸素などにより放出されるグルタミン酸のNMDA受容体刺激によるカルシウムの細胞内流入によると考えられている。しかし、NMDA受容体拮抗薬の処理前の投与、外リンパ潅流の試み、あるいは単離処理負荷の軽減を試みたが、障害の軽減につながらなかった。正常環境復元の試みとして、double patchを試みた。しかし内有毛細胞上面のクチクラ層は堅くその物理的性質からseal形成は極めて困難であり、電気的にリークが大きく生理的環境復元は不可能であった。ピペットの先に膜親和性のあるオイル塗布など条件を変えたが、同様の結果であった。 内有毛細胞を生理的環境において実験するためには、単離ではなくコルチ器の潅流など他の方法論が必要となる。
  • 聴覚・前庭系の細胞生理学、めまい・平衡の臨床研究

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