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田上 英明 (タガミ ヒデアキ)

  • 理学研究科生命情報系 准教授
メールアドレス: dannsc.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2025/04/29

研究者情報

学位

  • 博士(理学)(名古屋大学)

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 70273216

J-Global ID

研究キーワード

  • タンパク質複合体   ヒストン   エピジェネティクス   クロマチン制御   

研究分野

  • ライフサイエンス / 分子生物学

経歴

  • 2020年04月 - 現在  名古屋市立大学大学院理学研究科准教授
  • 2006年04月 - 2019年03月  名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科准教授
  • 2011年10月 - 2015年03月  科学技術振興機構「エピジェネティクスの制御と生命機能」領域さきがけ研究者
  • 1995年04月 - 2006年03月  名古屋大学大学院理学研究科助手
  • 2000年06月 - 2003年03月  ハーバード大学ダナ・ファーバー癌研究所日本学術振興会海外特別研究員

学歴

  • 1992年04月 - 1995年03月   名古屋大学   大学院理学研究科   分子生物学専攻
  • 1988年04月 - 1992年03月   名古屋大学   理学部   分子生物学科

所属学協会

  • 日本エピジェネティクス研究会   日本生化学会   日本分子生物学会   日本遺伝学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 田上 英明
     
    クロマチン構造は、様々な細胞機能と関連してダイナミックに変化しながらもエピジェネティクス情報とともに安定に維持される。このクロマチン動的制御の破綻は、ゲノム不安定化を誘引し、がんなどの多くの疾患との関連性も示唆されている。本研究「ヒストンH3-H4の解離制御と生理機能」では、申請者が見いだした新規H3結合因子Mlo2が安定なヒストンH3-H4を解離させる活性を持つことに焦点を当て、クロマチン動的制御と細胞機能との連携システムの解明を目指すものである。H3結合活性を持つユニークなMlo2 C末端領域に焦点を当てH3結合・H4解離活性を明らかにすることを計画している。また、ヒストンH3, H4についても点変異を導入して、Mlo2との結合部位や、H3-H4結合解離の分子機構を明らかにしたい。 令和3年度において、分裂酵母Mlo2 C末端領域について、NMRにより示唆された二量体形成に重要と考えられる部位にアラニン置換変異を導入した。それら点変異体の過剰発現時の表現型および二量体形成、ヒストンH3との結合活性について解析を行った。その結果、それらの変異はMlo2過剰発現時の増殖阻害を抑圧することが明らかとなり、細胞内での機能が示唆された。in vitro解析では、Mlo2 C末端領域の二量体形成に関与するいくつかの部位がH3結合に重要であることを明らかにし、それらの関連性が示唆される。 さらに、H3のMlo2結合部位についても点変異解析を行い、H4との相互作用部位であるY99がMlo2結合にも重要であることが示された。H3-H4二量体(四量体)とH3-Mlo2結合との関連性について、さらに解析を進める予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 田上 英明
     
    我々はヒト培養細胞において世界で初めてクロマチン形成装置をヒストン複合体として精製することに成功した(Cell,2004)。16年度においては、クロマチン形成の分子基盤と、その戦略のバリエーションについて解析する目的で、出芽酵母および分裂酵母の系からヒストン複合体を精製し、以下の解析を行った。 1)出芽酵母H3/H4複合体は、核輸送に関わるKap121や翻訳後修飾に関わるHat1/Hat2、ヒストンシャペロンAsf1を保持するが、ヒトの場合と異なりCAF-1やHirといった挿入因子が存在しないことが明らかとなった。この事実は、1種類のH3しか持たない酵母においては、Asf1がヒストンドナーとしてフリーのヒストンH3/H4と複合体を形成し、CAF1/Hirなどの挿入因子に受け渡すことが示唆される。 2)H3/H4複合体と比較して、フリーのH2A/H2B複合体は非常に多く、ヒストン解離因子FACT(Spt16-Pob3)と結合していることから、遺伝子発現の多い酵母においてH2A/H2Bは非常にダイナミックに振る舞うことが示唆された。他のヒストンシャペロン因子等との相互作用を含め、クロマチン形成の全体像についてさらに解析する必要性がある。 3)分裂酵母のH3/H4複合体は、ヒトや出芽酵母と大きく異なることが明らかとなった。これは分裂酵母ではG2期が長いことと関連がある可能性が高い。実際にG2/M進行制御に関わる因子なども含まれるため、ヒストン複合体解析から細胞周期制御などについて新たなメスが入ることが期待される。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 田上 英明
     
    空間的相互作用に関する情報が蓄積している大腸菌の転写装置(RNAP)とその代表的な転写制御因子CRPをモデル系として、転写開始反応とCRPによる転写活性化機構について解析を行った。これまでにCRPの作用点が転写開始複合体形成の促進までに限定されることを証明した。即ち転写開始複合体形成が転写制御のキーポイントなのである。 本研究では転写開始複合体形成に焦点を当て解析を進めたところ、malTプロモーターにおいてはCRP非存在下で転写開始点付近のDNA2本鎖は開裂するものの伸長反応に移行できない新規の不活型転写複合体が形成されることを見出した。malTプロモーターは-35領域から9bp離れた位置にA/Tに富む配列をもつ。このA/Tに富む配列の転写開始複合体形成への影響を解析した結果、この領域がUPエレメントとして機能すること及びそのコアプロモーターとの相対位置によって転写複合体の性質に影響することが明かとなった。UPエレメントの位置による転写開始複合体の性質の変化は他の数種のコアプロモーターにおいても観察され、この結論の一般性が示唆される。 次にmalTプロモーターのCRP転写活性化に対するUPエレメントの影響について検討した結果、UPエレメントはCRP作用に必要であった。即ち、UPエレメントによってRNAPのDNA結合活性が促進され、CRPがpost-recruitment段階においてRNAPと相互作用することで不活型から活性型転写複合体への変換を促進することが示唆される。本研究において得られたCRP,RNAP,DNA各々の相互作用の関係についての新たな知見がより一般的な転写調節機構の理解に繋がることが期待される。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 田上 英明
     
    大腸菌の転写因子であるCRPはその結合部位の転写開始点からの相対位置によって、転写活性化の分子機構が異なることが示唆されてきた。私は転写開始複合体の形成に着目して、その構造機能とCRPの作用機構について解析を行い、以下の結果を得た。 1.CRP結合部位の位置の異なる典型的なCRP依存プロモーターであるmalT,galの系において、転写開始複合体からCRPをヘパリを用いて選択的に解離させることに成功した。また、CRP-RNAポリメラーゼ相互作用の強度と結合部位の距離との相関関係が示唆された。 2.いずれのプロモーターにおいてもCRP除去により、転写開始複合体の構造に大きな変化は見られず、CRPの転写開始複合体の構造、及び安定性への寄与を否定した。さらにこの結果生じた転写複合体が転写活性を十分保持していることから、CRPの作用はプロモーターにおけるその結合部位の位置にかかわらず転写開始複合体の形成までであることが結論された。 3.以上の解析中にCRPの転写開始複合体形成以降への寄与が示唆されていたmalTプロモーターにおいてCRP非存在下でRNAポリメラーゼは転写活性をもたないnonproductiveな転写複合体を形成することを見いだした。 現在、性質の異なる転写複合体について分子生物学的解析を進めており、RNAポリメラーゼの機能とプロモーター活性について新しい知見が得られることが期待される。またCRPによる活性化型転写複合体の形成機構について解析を進めている。
  • ヒストン複合体から迫るクロマチン形成と維持の分子機構
    名古屋大学→名古屋市立大学:
    代表者 : 田上 英明; 大学院システム自然科学研究科
  • クロマチン形成複合体と細胞核の機能構造解析
    名古屋大学→名古屋市立大学:
    代表者 : 田上 英明; 大学院システム自然科学研究科
  • ヒストンシャペロン複合体から迫るクロマチン構造形成の分子基盤
    名古屋大学→名古屋市立大学:
    代表者 : 田上 英明; 大学院システム自然科学研究科
  • ヒストンメタボリズムとDECODE制御の分子基盤
    名古屋大学→名古屋市立大学:
    代表者 : 田上 英明; システム自然科学研究科
  • クロマチン制御機能ネットワークの理解に向けた複合体解析
    名古屋市立大学:
    代表者 : 田上 英明; TAGAMI, Hideaki; システム自然科学研究
  • 動的クロマチン構造制御の機能複合体解析
    名古屋市立大学:
    代表者 : 田上 英明; システム自然科学研究科
  • 新規ヒストンパートナーMlo2によるヒストン分子間相互作用ダイナミクス制御
    名古屋市立大学:
    代表者 : 田上 英明
  • クロマチン構造形成と共役するヒストンバランス制御機構
    名古屋市立大学:
    代表者 : 田上 英明

社会貢献活動

  • 中部経済連合会 NEXT30産学フォーラム コアメンバー
    期間 : 2012年04月 - 2013年03月
    主催者・発行元 : 地域団体・NPO
     名古屋栄ビルディング 7月11日にフォーラム講師として講演するとともに、ほぼ毎月準備会、フォーラムに参加した。

その他のリンク

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