研究者データベース

木村 幸太郎 (キムラ コウタロウ)

  • 理学研究科生命情報系 教授
メールアドレス: kokimuransc.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/03/19

研究者情報

学位

  • 博士(農学)(東京大学)

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 20370116

J-Global ID

研究分野

  • ライフサイエンス / 神経科学一般

経歴

  • 2023年10月 - 現在  JST-CREST 「細胞操作」 研究代表者
  • 2021年04月 - 現在  東京大学教養学部・大学院総合文化研究科非常勤講師
  • 2018年04月 - 現在  名古屋市立大学大学院理学研究科 生命情報系教授
  • 2018年04月 - 2024年03月  大阪大学大学院理学研究科招へい教授
  • 2018年05月 - 2022年03月  理化学研究所革新知能統合研究センター データ駆動型生物医科学チーム客員研究員
  • 2017年04月 - 2018年03月  理化学研究所革新知能統合研究センター データ駆動型生物医科学チーム客員研究員
  • 2013年04月 - 2018年03月  大阪大学大学院理学研究科准教授
  • 2009年01月 - 2013年03月  大阪大学大学院理学研究科特任准教授(テニュアトラック)
  • 2006年10月 - 2010年03月  科学技術振興機構さきがけ「生命システム」研究員(兼務)
  • 2004年04月 - 2008年12月  総合研究大学院大学遺伝学専攻助教(兼任)
  • 2003年03月 - 2008年12月  国立遺伝学研究所構造遺伝学研究センター助教
  • 1998年05月 - 2003年02月  科学技術振興事業団戦略的基礎研究 (CREST)博士研究員
  • 1997年01月 - 1998年04月  日本学術振興会海外特別研究員
  • 1996年02月 - 1998年04月  ハーバード大学医学部遺伝学科マサチューセッツ総合病院分子生物学科博士研究員
  • 1995年04月 - 1996年12月  日本学術振興会(東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻)特別研究員

学歴

  • 1992年04月 - 1995年03月   東京大学   大学院農学生命科学研究科博士課程応用生命化学専攻
  • 1990年04月 - 1992年03月   東京大学   大学院農学系研究科修士課程農芸化学専攻
  • 1986年04月 - 1990年03月   東京大学   農学部
  • 1980年04月 - 1986年03月   筑波大学附属駒場中高等学校

所属学協会

  • ニューロエソロジー談話会   日本分子生物学会   日本神経科学学会   

研究活動情報

論文

講演・口頭発表等

  • 一遺伝子一項説:匂い受容細胞の経験依存的活動変化の数理モデルと遺伝子との対応  [招待講演]
    木村幸太郎
    第75回日本細胞生物学会、シンポジウム:環境を感じる細胞 2023年06月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 記憶・意思決定・感情の原理解明を目指した線虫の全脳活動イメージング  [招待講演]
    木村幸太郎
    第72回 脳の医学・生物学研究会 2023年04月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • C. エレガンスの神経活動のカルシウムイメージング〜森研での挑戦から  [招待講演]
    木村幸太郎
    名古屋大学大学院理学研究科 分子神経生物学シンポジウム 2023年03月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • Whole-brain imaging to understand learning, decision-making, and emotion in worms  [招待講演]
    Kotaro Kimura
    Program in Neuroscience Seminar, UMass Chan Medical School. University of Massachusetts. Wocester, MA, USA 2023年03月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • 脳神経細胞ネットワークの人工再構築に向けて  [招待講演]
    木村幸太郎
    第5回ExCELLSシンポジウム・ミニセッション 2022年12月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • キトサン精製から、ロボット・人工知能技術を用いた線虫全脳活動理解へ  [招待講演]
    木村幸太郎
    第10回虫の夕べ(オンラインセミナー) 2022年10月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • 線虫×ロボット顕微鏡×人工知能」で解明する脳の基本的動作原理  [招待講演]
    木村幸太郎
    順天堂大学大学院医学研究科 DBSB Seminar 2022年04月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • 進化を越えて保存されたドーパミンの役割とは何か?〜線虫の遺伝学および機械学習による汎動物学的行動分析から見えてくるもの〜  [招待講演]
    木村幸太郎
    大阪大学蛋白質研究所セミナー「多様なドーパミン神経伝達から脳を探る」 2021年12月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • “Machine learning × worm’s brain and behavior” and beyond  [招待講演]
    木村幸太郎; Wen Chentao
    京都大学大学院理学研究科 MACS教育プログラム データ駆動生物学ワークショップ 2021年03月 口頭発表(招待・特別)
  • C. エレガンスの情報処理〜分子レベルから全脳神経活動へ  [招待講演]
    木村幸太郎; Wen Chentao
    北海道大学脳科学研究教育センターシンポジウム「感覚と運動の神経基盤の進化 〜非哺乳類脳から学ぶ計算原理〜」 2020年11月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名) Zoom
  • シンプルな神経系における「演算」と「因果律」  [招待講演]
    木村 幸太郎
    応用物理学会秋季学術講演会 2019年09月 口頭発表(招待・特別)
  • Data-driven predictive models for information processing in the (small) brain.  [招待講演]
    Chentao Wen; Kotaro Kimura
    Neuro2019(第42回日本神経科学大会 第62回日本神経化学会大会)公募シンポジウム「データ駆動型/モデル駆動型神経科学研究の幕開け」 2019年07月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • 微分・積分フィルタによる線虫の意思決定  [招待講演]
    木村 幸太郎
    RIMS共同研究「自己組織化による適応フィルタの創発性について」(京都大学数理解析研究所) 2019年05月 口頭発表(招待・特別)
  • 線虫の脳における数学的計算と"因果律"」  [招待講演]
    木村 幸太郎
    統合量子素子研究室セミナー(高知工科大学) 2019年04月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • (線虫の)脳活動を理解するための微分積分とcausality  [招待講演]
    木村 幸太郎
    「数学の創成」研究会(北海道大学理学部) 2019年02月 口頭発表(招待・特別)
  • Robotic Microscope System for Studying the basie principles of brain function  [招待講演]
    木村 幸太郎
    Micro-Nano Bio platform and Its Applications, 2018 International Symposium on Mcro-Nano Mechatronics and Human Science 2018年12月 口頭発表(招待・特別) 名古屋大学
  • Neural mechanism of animal navigation  [招待講演]
    木村 幸太郎
    Understanding Human and Animal Behavior, Distributed, Ambient and Pervasive Interactions, 20th International conference on Human-Computer Interaction. 2018年07月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • The multiplex regulation of neural circuits for odor learning in worms  [招待講演]
    木村 幸太郎
    RIKEN CBS Forum, 2018年04月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等 理化学研究所 脳神経科学研究センター
  • Calcium dynamics regulating the timing of decision-making in C. elegans  [招待講演]
    木村 幸太郎
    Columbia University, Informal seminar 2017年09月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • Calcium dynamics regulating the timing of decision-making in C. elegans  [招待講演]
    木村 幸太郎
    Princeton University, Informal seminar 2017年09月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • Calcium dynamics regulating the timing of decision-making in C. elegans  [通常講演]
    木村 幸太郎
    The Optical Revolution in Physiology: From Membrane to Brain, Society of General Physiologists 71st Annual Symposium. 2017年09月 口頭発表(一般)
  • Reading the mind of a worm—with a robot microscope and machine learning analysis  [招待講演]
    木村 幸太郎
    Harvard University, Informal seminar 2017年09月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • Differential equations for decision-making in worm’s navigation  [招待講演]
    木村 幸太郎
    IEEE ICMA 2017 Conference, Tutorial Workshops on Systems Science on Bio-navigation 2017年08月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • Measuring the mind of a worm: In actio optophysiological analyses of neural activity in the nematode C. elegans  [招待講演]
    木村 幸太郎
    Lecture, Neuroscience Program in Academia Sinica (Taipei, Taiwan) 2016年09月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • A neuronal algorithm for navigation along a repulsive odor gradient in the nematode C. elegans.  [招待講演]
    木村 幸太郎
    Seminar, Center for Functional Connectomics, Korea Institute of Science and Technology (Seoul, Korea) 2013年06月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • Repulsive odor learning regulated by dopamine signaling in worms  [招待講演]
    木村 幸太郎
    Comprehensive Brain Science Network. Symposium — Reward and aversive information processing and monoamine signalings (Kobe, Japan) 2011年08月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名) Kobe, Japan
  • Enhancement of odor avoidance in the nematode C. elegans  [招待講演]
    木村 幸太郎
    MRC Laboratory of Molecular Biology, Informal seminar 2011年04月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等

MISC

産業財産権

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 超高速光 call & response による脳とのセッション
    科学技術振興機構 (JST):戦略的創造研究推進事業 (CREST)
    研究期間 : 2023年10月 -2029年03月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
    研究期間 : 2021年09月 -2026年03月 
    代表者 : 前川卓也、木村幸太郎、竹内孝
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
    研究期間 : 2022年10月 -2025年03月 
    代表者 : 木村 幸太郎; 武石 明佳; 大友 康平; 堤 元佐
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2021年04月 -2025年03月 
    代表者 : 木村 幸太郎; 加藤 昇平; 佐久間 拓人; 疋田 貴俊
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(S)
    研究期間 : 2020年08月 -2025年03月 
    代表者 : 澤本 和延; 齋藤 伸治; 木村 幸太郎; 財津 桂
     
    生後脳におけるニューロン新生と細胞移動・成熟の過程を、先端分析技術を駆使して大規模・高解像度に研究し、その特徴を明らかにするとともに、脳障害の病態を解明することを目的として、以下の研究を実施した。 (1)生後のニューロン新生と細胞移動を支える組織構築の三次元微細形態解析:幹細胞によるニューロンの産生とニューロン移動の微小環境の構造学的基盤を解明することを目的として、連続ブロック表面走査型電子顕微鏡(SBF-SEM) による観察を実施した。深層学習などの技術を応用することにより、マウス脳組織のSBF-SEM画像をより効率よく、正確に解析する方法を開発した。 (2)ニューロン新生・移動を制御する分子のスクリーニング:新生仔期における遺伝子発現の変化を捉えるため、新生仔マウス脳室下帯の細胞集団の単一細胞網羅的遺伝子発現解析(scRNAseq)を実施した。得られた遺伝子発現情報を解析し、細胞種の分類作業を行った。また、探針エレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析(PESIMS/MS)を用いて得られた情報を解析し、早産で変化する代謝産物の特定を行った。 (3)新生児期のニューロン新生機構と早産による影響:昨年度に引き続き、正期産・早産マウスの脳室下帯細胞の微細形態および細胞間の接着関係を解析した。また、脳室下帯のscRNAseq解析とメタボローム解析の結果を紐づける方法を検討した。 (4)新生児期のニューロン新生・移動を調節する分子機構と操作技術の開発:メタボローム解析から見いだされた早産によって変化する代謝経路を薬理学的な方法で操作する実験を検討した。
  • 超高速三次元イメージングによる脳機能基本原理の解明
    中谷医工計測技術振興財団:開発研究助成
    研究期間 : 2024年04月 -2025年03月
  • 脳神経細胞ネットワークの理解と人工再構築に向けて
    自然科学研究機構生命創成探究センター (ExCELLS):ExCELLS課題研究(シーズ発掘)
    研究期間 : 2022年06月 -2023年03月 
    代表者 : 木村幸太郎, 青木一洋, 根本知己, 本田直樹
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    研究期間 : 2021年07月 -2023年03月 
    代表者 : 木村 幸太郎、中川敦子
     
    神経科学において近年注目されつつある高次脳機能は「感情」である。研究代表者木村は、線虫C. エレガンスにおいて「感情」を反映すると考えられる刺激応答行動を見出した。本研究では、(1) この刺激応答行動を順遺伝学的手法で解析することにより「感情」に関わる遺伝子を網羅的に同定すること、また (2) 先端的な全脳神経活動イメージングによって、C. エレガンスの全脳神経活動が「感情」によってどのように変化するかを明らかにすることを目指している。
    当該年度は、主に以下を行った。 (A) 「感情」に関わる遺伝子の順遺伝学的解析による同定(木村):C. エレガンス研究の長所である順遺伝学的解析によって、「感情」を反映すると考えられる刺激応答に異常を示す変異株を単離する。順遺伝学的スクリーニングから5つの候補変異株を単離していたが、当該年度は表現型再現性の確認/戻し交配/相補性テストなどを行った後に、全ゲノムシークエンスを行った。今後、表現型回復実験を順次行う予定である。 (B) C. エレガンスの刺激応答と「感情」との関連の検証(木村および中川): ヒト心理学の専門家である中川と、野生株および変異株の刺激応答行動がどの範囲で「感情」の基礎科学的基準を満たすかを議論した。 (C) 全脳活動イメージングによるC. エレガンスの「感情」と神経活動の解明(木村):「感情」は脳活動のさまざまな面に影響する。脳がわずか200個弱の神経細胞によって構成されるC. エレガンスを用いれば、「感情」によって脳全体の活動がどのように変化するかを計測することができる。当該年度は、木村らが最近独自に確立した高速三次元顕微鏡を用いた全脳神経細胞活動のカルシウムイメージングのハードウェアの最適化およびイメージングのための形質転換株の検討を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    研究期間 : 2021年04月 -2022年03月 
    代表者 : 橋本 浩一; 木村 幸太郎; 前川 卓也; 小川 宏人
     
    本領域では「ヒトや動物の移動行動を計測し、分析し、モデルとして理解し、検証する」という新たな学問分野を創設することを目指した。積極的な異分野融合研究の成果として、最先端の小型多次元センサデバイスであるログボット(ロギングロボット)のハードウェア開発、および計測された多次元移動情報からのデータ駆動型分析プラットフォーム群を開発した。さらに本領域で得られた様々な動物種のデータに適用することによる、動物のこれまでに知られていなかった生態の解明や、生物ナビゲーションの数理モデル化などに成功した。 成果取りまとめの2021年度に19報の論文が採択された。主な論文は以下に紹介する。(1) ドメイン敵対的学習を用いて異種横断行動解析を行う手法を提案した。(2) 視覚/聴覚VRシステムを用いた音源定位行動における視覚入力の影響を調査した。(3) 逃避行動をモデルとした移動運動の方向制御について,その刺激依存性と下行性神経制御機構に関する研究を行った。(4) 動運動の方向制御に対する触角機械感覚入力の影響に関する研究を行った。(5) 公募研究の岩谷班が開発した無限遠平面装置を用いて,運動状態依存的な気流逃避行動の変化を解析した。 また主なアウトリーチ活動として、以下の項目を実施した。(1) Nature Indexにて木村Gと前川Gを中心とする7つの計画班・公募班の共同研究)に関する取材記事 "The challenge of leading interdisciplinary research projects"が紹介。(2) NHK-BS ヒューマニエンスにて木村Gと橋本Gの共同研究が紹介。(3) 公益財団法人テルモ生命科学振興財団 生命科学DOKIDOKI研究室での木村Gの紹介。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年06月 -2022年03月 
    代表者 : 橋本 浩一; 木村 幸太郎; 妻木 勇一; 竹内 一郎; 前川 卓也; 玉木 徹; 依田 憲; 飛龍 志津子; 高橋 晋; 小川 宏人
     
    生物ナビゲーションのシステム科学(国際活動支援班)では、ナビゲーション分析手法に関する国際コンペティション、若手研究者の海外渡航、研究者招聘を実施し、本領域の国際的な研究活動を促進した。具体的には、動物や人の軌跡データセットを公開し、そこから正しい行動を類推するアルゴリズムを競う国際コンペティションを開催した。それらの優勝者を本領域主催の国際シンポジウムや領域会議に招聘し、若手研究者や学生が交流できる場を提供した。その交流を契機として新たな国際連携研究ネットワークを構築した。また、いくつかの国際会議において、本領域の研究内容を海外研究者と共に議論するチュートリアル・ワークショップを開催した。
  • 神経科学・光工学・データ科学の融合による線虫の全脳機能的神経回路の同定
    自然科学研究機構:分野融合型共同研究事業
    研究期間 : 2020年04月 -2022年03月 
    代表者 : 木村幸太郎; 根本知己; 大友康平; 竹内一郎
  • 人工知能とデータ科学に基づく神経活動と動物行動の関連解析
    理化学研究所革新知能統合研究センター:共同研究
    研究期間 : 2017年04月 -2022年03月 
    代表者 : 竹内一郎; 木村幸太郎
  • 線虫の全脳イメージングによる探索型ナビゲーション神経基盤の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    研究期間 : 2016年06月 -2021年03月 
    代表者 : 木村 幸太郎; 石原 健
     
    探索型ナビゲーションは、環境からの乏しい情報を元に目的地にたどり着くための手段であり、これには効率的な情報の抽出や蓄積、判断、行動の制御など、様々な脳活動が必要である。線虫C. エレガンスは、化学物質(匂いや味)に対して探索型ナビゲーションを行う事、わずか302個の神経細胞から構成される全回路構造が解明されている事、神経機能に必要な遺伝子はヒトなどと高い共通性を持つ事などから、探索型ナビゲーションを制御する神経細胞活動を明らかにするためのモデルとして優れている。本研究では、探索型ナビゲーションに関わる神経活動の全貌を解明するために、「課題1:刺激-行動対応解明のための半自動分析方法の確立」「課題2:全脳神経活動の同時イメージング」「課題3:刺激と行動を結ぶ脳機能のモデル化とシステム同定」「課題4:フィードバック介入実験によるモデルの検証」を目指している。H29年度は、課題1~3を中心に行った。
    課題1 刺激-行動の対応解明のための半自動分析方法の確立:A02前川班との共同研究として、線虫の行動状態を半自動的に分析する手法を確立した。 課題2 全脳神経活動の同時イメージング: 人工知能技術の1つである深層学習を用いて、三次元時系列イメージ中の神経細胞を効率的に追跡するソフトウェアを開発した。 課題3 刺激と行動を結ぶ脳機能のモデル化とシステム同定:A02竹内班との共同研究として、刺激-脳状態-行動の時系列ベクトルデータを効率的に処理する手法を確立した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    研究期間 : 2016年06月 -2021年03月 
    代表者 : 橋本 浩一; 木村 幸太郎; 妻木 勇一; 竹内 一郎; 前川 卓也; 玉木 徹; 依田 憲; 高橋 晋; 飛龍 志津子; 小川 宏人
     
    領域運営協議:計画研究代表者による領域運営会議を開催し、領域全体としての計画や実施方法などに関して議論した。 技術的支援:A01制御工学:橋本G、前川G、依田Gの共同研究を支援し、イベント駆動型防水ログボットによるデータ収集を行った。A02データ科学:竹内 G、前川Gと依田G、飛龍G、高橋G、小川G、木村Gの共同研究を支援し、海鳥、線虫、コオロギなどの動物のナビゲーション解析が可能な機械学習プログラムを開発し、これらの成果は論文として発表済み、あるいは投稿中である。 融合的若手研究者育成支援:領域の共通技術に関して統計解析相談会,イベント駆動型ログボット講習会,深層学習による軌跡分析ツール講習会,無線マイコン講習会、若手横断合宿を実施した。 各分野の学会への組織的な展開:本領域の融合研究のための体制を領域外の関連分野研究者にも広げるため、下記の企画を実施した。領域主催国際シンポジウム(International Symposium on Systems Science of Bio-Navigation 2018@同志社大)、国際会議(HCII2018招待セッション@米国、BiRD2019@京都国際会館)および国内学会(日本動物学会公募シンポジウム「システム科学的アプローチで迫る動物ナビゲーション」(北海道胆振東部地震により大会中止)、日本生態学会シンポジウム「生物移動に対する新たな挑戦」2019年3月19日@神戸)における企画セッションの運営、各学会論文誌・学会誌における連載・特集号(3件:日本ロボット学会誌、生物の科学遺伝、Advanced Robotics)。 広報活動:領域からの研究成果および上項目での分野融合的な取り組みの成果を、領域ウェブ、フェイスブック、ツイッターで発表した。また、サイエンスカフェ、テレビ報道などのアウトリーチ活動を行った。
  • 「移動」を中心とした理学とデータ科学と基礎医学の融合研究
    名古屋市立大学:特別研究奨励費(国の競争的資金獲得活性化事業)
    研究期間 : 2019年04月 -2021年03月 
    代表者 : 木村幸太郎; 澤本和延; 中川秀彦
  • 人工知能を用いた生体神経回路ダイナミクスの理解
    公益財団法人豊秋奨学会:研究費助成
    研究期間 : 2018年10月 -2020年09月 
    代表者 : 木村幸太郎; 竹内一郎
  • 線虫の全脳イメージングによる探索型ナビゲーション神経基盤の解明
    文科省:新学術領域研究
    研究期間 : 2016年 -2020年 
    代表者 : 木村 幸太郎
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2013年05月 -2017年03月 
    代表者 : 橋本 浩一; 木村 幸太郎; 東谷 篤志; 鏡 慎吾; 荒井 翔悟
     
    本研究では、とくに感覚応答行動系を中心にして脳機能を解明するために複数のニューロン活動を同時刺激し、状態に応じた外部刺激を与え、行動を計測するシステムを開発した。 とくに、統合プラットフォームとして、動く観察対象を高速に自動追跡して特定の神経細胞をプロジェクションマッピングによって刺激するロボット顕微鏡「オーサカベン」を世界で初めて開発し、行動中の線虫の複数のドーパミン細胞の性質がそれぞれ異なることを解明した。さらに線虫の匂い応答行動に関して、情報を時間積分して「意思決定」をおこなうという、ヒトなどに共通する脳機能を持つ可能性を明らかにした。
  • 光刺激ビジュアルサーボ顕微鏡の開発
    文科省:基盤研究(A)(分担)
    研究期間 : 2013年 -2016年 
    代表者 : 木村 幸太郎
  • 線虫C.elegansの匂い応答行動を制御する神経ネットワークの統合的機能解析
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    研究期間 : 2011年04月 -2013年03月 
    代表者 : 木村 幸太郎
     
    脳・神経系の複雑なネットワークの機能はその構造と密接に結びついているが、実際にその 機能と構造の関連を詳しく明らかにした例は限られている。本研究では、全ニューロン間の接 続様式が明らかになっているモデル動物・線虫 C. elegans を対象として、特定のニューロンの活動が神経細胞のネットワークを介してどのように行動を制御するのかを統合的に解析した。具体的には、「C. elegans の匂い忌避行動とその増強」(Kimura et al., J. Neurosci. in press) を制御する神経回路の活動を解析した。まず、独自に開発した線虫行動計測装置により、C. elegansが匂い物質2-ノナノンを忌避する際に、非常に高確率で匂い勾配を下る事を明らかにした。この結果 は、従来からの biased random walk モデルや風見鶏機構では説明困難であり、C. elegans の 2-ノナノンへの応答行動は新たな原理によって制御されている可能性が高いと考えられた。さらに、非拘束下で行動するC. elegansをリアルタイムで追跡しながら任意の匂い刺激を行い、この時の神経細胞活動をカルシウムイメージングと光遺伝学によって解析する統合型顕微鏡システムを、橋本浩一教授(東北大学)との共同研究で開発した。この統合型顕微鏡システムを用いた研究により、匂い上昇と匂い減少に応答する感覚神経細胞をそれぞれ同定し、行動を制御する感覚神経活動に関して新たなモデルを提唱した。この統合型顕微鏡システムはショウジョウバエやゼブラフィッシュなど小型モデル動物の化学応答行動にも応用可能であり、動物の行動を制御する脳機能の高精度の解明に大きな役割を果たすと考えられる。
  • 線虫C. elegansの匂い応答行動を制御する神経ネットワークの統合的機能解析
    文科省:新学術領域研究
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 木村 幸太郎
  • 追跡型新規カルシウムイメージングシステムによるシンプルな神経回路活動の動作原理の解明
    三菱財団:自然科学助成
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 木村 幸太郎
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 木村 幸太郎
     
    モデル動物・線虫C. elegansは、忌避匂い物質2-ノナノンを嗅ぐとこの匂いを学習して、行動パターンを変える事で遠くまで逃げるようになる。本研究では、C. elegansのこの匂い学習が、左右1対の介在ニューロンRICに対するドーパミンの作用によって制御される事などを明らかにした。本研究の成果は、いまだ不明な点が多い「哺乳類の脳におけるドーパミンの作用メカニズム」の解明に貢献できると考えられる。
  • 線虫C. elegans行動制御・解析システムの開発
    文科省:新学術領域研究
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 木村 幸太郎
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
    研究期間 : 2009年 -2010年 
    代表者 : 木村 幸太郎
     
    複雑なネットワーク構造を持つ脳・神経系の活動は、主として個体の行動に反映される。本研究では、光刺激を用いて線虫C.elegansの複数個体の神経細胞の活動(膜電位変化)を同時に制御し、その行動への影響を詳細に記録・解析できるシステムを構築することを目標とした。 channelrhodopsin(ChR)やhalorhodpsin(HR)などを用いて細胞の膜電位を光依存的に制御するoptogeneticsは、脳・神経系の動作原理を明らかにするための必須のツールになりつつある。しかし、ChRやHRによる膜電位制御には比較的強力な光照射が必要であると考えられており、線虫C.elegansを用いた場合では顕微鏡上という限られた実験系でしか使用できなかった。 本研究では、光刺激用に強力な環状LED照明を作成し、このLED照明と同期を取りながら画像取得するシステムを開発した。これによりC.elegans行動の一般的なアッセイ条件(9cmプレートを使用)でのoptogeneticsによる神経活動制御が可能となり、かつ大量の個体の迅速な行動測定が可能になった。この新たな照明系を申請者がこれまでに開発したC.elegans行動解析システムと組合わせて「行動制御・解析システム」とした。 H21年度にはこの行動制御・解析システムを確立できたので、H22年度はその評価を行った。まず、ChRを体壁筋で発現させた場合、光刺激によるChRの活性化で、線虫の行動が大きく阻害された。次に、特定の感覚ニューロンでChRを発現させて光刺激を行った場合、カルシウムイメージングおよび定量的行動解析から期待された通りの行動変化を引き起こすことができた。本研究によって、C.elegans・ショウジョウバエ幼虫・ゼブラフィッシュといった小型動物の神経機能を光遺伝学的手法によって解析するための簡便なシステムが確立できたと考えている。
  • 科学技術振興機構:さきがけ「生命システムの動作原理と基盤技術」
    研究期間 : 2006年 -2010年 
    代表者 : 木村 幸太郎
     
    近年になって、私たちの脳に対する様々な知識は飛躍的に蓄積されつつあります。しかし、脳という1つの情報処理装置が、時々刻々と変化する入力(刺激)に対して適切に出力を行うためのルールには不明な点がたくさん残されています。本研究では、線虫C.elegansという神経細胞がたった302個しかない動物の「脳」の情報処理の過程を調べる事によって、脳における情報処理の基本ルールを理解しようとしています。
  • 定量的匂い刺激による神経細胞活動のin vivoイメージング系の開発
    島津科学技術振興財団:島津科学技術研究開発助成金
    研究期間 : 2010年 
    代表者 : 木村 幸太郎
  • 線虫C. elegansをモデルとした感覚応答行動に対する制御メカニズムの研究
    武田科学振興財団:生命科学研究奨励
    研究期間 : 2009年 
    代表者 : 木村 幸太郎
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 木村 幸太郎
     
    神経機能が経験により変化する事、すなわち神経機能の可塑性は高次神経機能の基盤である。本研究では、神経機能可塑性の新たな基本原理を明らかにするために、線虫C.elegansの匂い忌避行動の増強を制御する遺伝子の解析を行った。C.elegansの匂い忌避行動の増強とは、C.elegansに嫌いな匂いを事前に経験させると、非連合学習としてその匂いに対する忌避行動が増強されるという現象である。本研究により、この匂い忌避行動増強にはドーパミンシグナル伝達が必要である事、特にドーパミン受容体としてD2受容体相同遺伝子が必要である事を明らかにした。ドーパミンは哺乳類の中枢神経系においてさまざまな高次神経機能に関与しているが、その分子レベルの作用メカニズムには不明な点が多い。本研究成果に基づいてC.elegansでさらなる解析を行う事によって、ドーパミンシグナル伝達の分子レベルでの新たな理解を得ることができると考えられる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2004年 -2007年 
    代表者 : 桂 勲; 木村 幸太郎
     
    本研究では、線虫C.elegansを材料とし、遺伝学・分子生物学の方法を用いて、学習行動等における餌・飢餓・忌避物質の役割を、遺伝子・細胞・神経回路のレベルで、5つの観点から研究し、以下の結果を得た。(1)匂い物質ブタノンと餌による学習における餌の信号の役割:餌とブタノンの同時体験によりブタノンへの化学走性が促進される現象(ブタノン促進)について、3株の変異体を解析した。その結果、ブタノンの嗅覚神経細胞の1つAWC-ONの感覚繊毛におけるBardet-Biedl症候群遺伝子ホモログの働きが重要だった。また、嗅覚受容体と共役するGαであるODR-3の特定のアミノ酸残基が必要であり、Gαと相互作用するタンパク質の関与が示唆された。(2)腸からの飢餓信号による感覚や成長の制御機構:腸で働き成長速度や耐性幼虫形成を制御するクラス1flr遺伝子群の遺伝子内機能解析を行った。これと拮抗するクラス2flr遺伝子群は、大腸菌に対する抵抗性も制御する。その1つflr-2遺伝子はDNA/Gremlin/Cerberus familyの分泌蛋白質をコードし、神経細胞で発現して腸機能を制御する。FLR-2と結合するZK20.1は脱糞周期を制御する。(3)耐性幼虫形成制御変異体を用いた環境悪化信号の解析:二重変異にすると構成的に耐性幼虫を形成する変異の組合せ、第三の変異によるその抑圧、変異存在下での耐性幼虫制御分子DAF-7の発現に関する多量のデータを整理した。(4)忌避物質による学習や行動の変化とその機構:忌避物質ノナノンの匂いを嗅がせると、ノナノンの忌避行動が促進する。この現象は、条件付け時の餌の存在に依存せず、ドーパミンが関与する。(5)統合回路や並列回路の遺伝学の理論:エピスタシスからカスケードを導き出す理論を並列経路まで拡張したところ、不可解だった現象を説明できた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 萌芽研究
    研究期間 : 2005年 -2005年 
    代表者 : 桂 勲; 木村 幸太郎
     
    1.レリーサーとなる感覚刺激がなくても行動プログラムを発現する変異体の探索:蛍光ラテックスビーズを用いて、摂食(咽頭のポンピング運動)や脱糞を測定するアッセイ法を開発した。これを用いて、摂食行動や脱糞行動の餌による制御に関する変異体を分離する条件を検討した。2.餌の効果が見られない変異体の解析:餌とブタノンの対提示による走化性促進が見られないolrn-1(ut305)変異体の原因遺伝子のクローニングを行ったところ、感覚繊毛構造が異常なbbs-8遺伝子であることがわかった。他のbbs遺伝子(bbs-1とbbs-7/osm-12)の変異体もこの行動が異常だったが、bbs以外の感覚繊毛異常変異体は、この行動が正常だった。変異体の表現型と細胞特異的発現実験から、この行動における餌の信号受容または餌の信号とブタノンの信号の統合に、bbs遺伝子の感覚繊毛での機能が必要らしいことがわかった。3.忌避刺激が行動に与える効果:揮発性の忌避物質を長時間与えると忌避行動が促進される現象を研究している。この行動可塑性に関するさまざまな既知変異の効果を調べ、必要な遺伝子を同定した。4.行動の詳細な解析、特に前進、方向転換、後退の頻度の解析の必要性に気づいたため、動画像解析装置を購入した。これを用いて、行動の記録と解析を行う条件を設定した。今後、これを用いて解析を行うことにより、今までは単に走化性指数等の違いで判定されていた異常の原因を、さらに詳しく突き止めることができると思われる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 萌芽研究
    研究期間 : 2004年 -2004年 
    代表者 : 桂 勲; 木村 幸太郎; 石原 健
     
    線虫C.elegansを材料として、変異体の分離と解析により行動の中心的制御を行う遺伝子を探索する目的で、以下の研究を行った。 (i)レリーサーとなる感覚刺激がなくても行動プログラムを発現する変異体の探索法:野生型は、餌の存在下でのみ摂食行動や脱糞行動を行う。餌の非存在下で蛍光ラテックスビーズの腸内への取込みや腸からの排出を測定するアッセイ法を開発した。これにより、餌による摂食行動や脱糞行動の制御に関する変異体を分離できるようになった。 (ii)餌の効果が見られない変異体の解析:ブタノンへの走化性行動は行うが餌とブタノンの対提示による学習行動が異常なo1rn-1(ut305)変異体を解析した。細胞特異的プロモーターによるo1rn-1野生型cDNAの強制発現では、ブタノンを受容するAWC感覚神経を含む少数の神経細胞で発現させた場合のみ、表現型が野生型を示した。AWC感覚神経細胞は左右一対の片方でのみstr-2遺伝子を発現することが知られているが、o1rn-1(ut305)変異体ではどちらのAWCもstr-2遺伝子を発現せず、この異常が学習異常の原因らしいことを見つけた。 (iii)忌避刺激が行動に与える効果:揮発性の忌避物質や高浸透圧などの忌避刺激を長時間与えた時に、それぞれの忌避行動がどのように変わるかを網羅的に調べ、これらの効果が異常な変異体を同定する基盤を確立した。 (iv)感覚統合を調節するHEN-1蛋白質の信号を伝える遺伝子群:HEN-1の受容体の候補であるチロシンキナーゼ型受容体の遺伝子scd-2について、プロモーターを挿げ替えた実験により、神経での発現が野生型表現型に十分なこと、発生の過程でなく完成した神経系で機能することを明らかにした。 これらの研究は発展する可能性があるので、新たな研究費により継続させたい。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2000年 -2003年 
    代表者 : 桂 勲; 木村 幸太郎; 石原 健
     
    本研究は、線虫C.elegansの行動や感覚情報処理に働く遺伝子を同定し、遺伝子・細胞・神経回路・行動の関係を解析し、行動の遺伝的基盤を解明するために行われた。(a)二重変異により耐性幼虫形成制御が異常になる変異を用いて、以下の結果を得た。転写因子Tbx2ホモログがAWC嗅覚神経で嗅覚順応に働く。機能不明だったXXXL/R細胞でチロシン脱リン酸化酵素ホモログSDF-9がおそらくステロイドホルモン代謝を調節して耐性幼虫形成を制御する。多剤耐性タンパク質MRP-1が腸・咽頭・神経系で耐性幼虫形成を制御し、この働きはヒトMRP1で代替できる。(b)脱糞行動・成長・感覚が異常なクラス1flr変異と、その成長と感覚の異常を抑圧するクラス2flr変異を研究した。クラス1変異体がセロトニンで死ぬことを使って、これを抑圧する新たなクラス2遺伝子2つを発見した。クラス2変異体は寿命が短い。(c)匂い物質への走化性と銅イオンの忌避という2つの行動の選択が異常なhen-1変異体は、温度と飢餓の学習にも異常を示す。hen-1遺伝子は、成虫の2対の神経細胞で細胞非自律的に働く。また、hen-1の欠失変異は成長や発生に異常はなく、ミスセンス変異と同様の行動異常を示す。(d)餌と匂い物質ブタノンによる条件付けでブタノンへの走化性効率が上がる。この学習が異常な変異体の1つut305は、ベンズアルデヒドやイソアミルアルコールへの順応が異常で、その原因遺伝子は新規の膜タンパク質をコードし、多くの咽頭神経細胞とAIA介在神経細胞で発現する。(e)継続的な忌避刺激による行動の変化を調べた。これらの実験結果から、C.elegansの雌雄同体では餌と飢餓が多様な経路で多様な行動や感覚情報処理を調節することがわかり、これらを手懸りにして行動の中心的制御機構を研究する道が開けた。

担当経験のある科目

  • 高次生命機能特論I / 生命環境科学特別講義I, II(集中講義)東京大学大学院総合文化研究科
  • 分子細胞神経科学名古屋市立大学システム自然科学研究科
  • 「大学生になる:レポートの書き方」(一般教養)名古屋市立大学
  • バイオサイエンス入門(一般教養)名古屋市立大学
  • 細胞生物学名古屋市立大学, 大阪大学
  • 生物学基礎/生物科学コアA名古屋市立大学, 大阪大学
  • 自然科学実験-生物学名古屋市立大学, 大阪大学
  • 生物学演習A, B, C大阪大学理学部
  • システム生物学(特別講義)早稲田大学先進理工学部
  • 細胞調節生化学(特別講義)東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 生物科学特論 The logic of genetic analysis大阪大学大学院理学研究科
  • 細胞生物学A(英語講義)大阪大学理学部

社会貢献活動

  • 出張講義
    期間 : 2019年10月30日
    役割 : 講師
    主催者・発行元 : 愛知県立瑞陵高校
  • 出張講義
    期間 : 2019年10月21日
    役割 : 講師
    主催者・発行元 : 愛知県立岡崎北高等学校
  • 出張講義
    期間 : 2018年11月14日
    役割 : 講師
    主催者・発行元 : 多治見西高等学校
  • 模擬講義
    期間 : 2017年11月16日
    役割 : 講師
    主催者・発行元 : 兵庫県立宝塚北高等学校
  • 体感プログラム講義
    期間 : 2016年11月26日
    役割 : 講師
    種別 : 研究指導
    主催者・発行元 : 大阪大学SEEDSプログラム(高大連携)
  • 体感プログラム講義
    期間 : 2015年12月26日
    役割 : 講師
    種別 : 研究指導
    主催者・発行元 : 大阪大学SEEDSプログラム(高大連携)
  • 模擬講義
    期間 : 2013年10月25日
    役割 : 講師
    種別 : 施設一般公開
    主催者・発行元 : 兵庫県立星陵高等学校
  • 模擬講義
    期間 : 2013年09月02日
    役割 : 講師
    種別 : 施設一般公開
    主催者・発行元 : 奈良県立畝傍高校
  • 模擬講義
    期間 : 2012年11月22日
    役割 : 講師
    種別 : 施設一般公開
    主催者・発行元 : 大阪府立池田高等学校
  • 模擬講義
    期間 : 2010年08月09日
    役割 : 講師
    種別 : 施設一般公開
    主催者・発行元 : 大阪大学理学部
    イベント・番組・新聞雑誌名 : オープンキャンパス
  • 出張講義
    期間 : 2010年07月10日
    役割 : 講師
    種別 : 出前授業
    主催者・発行元 : 関西大倉高校

その他

  • 2020年01月 - 9999年  Associate Editor, Neuroscience Research
  • 2022年07月 - 2022年07月  Scientific committee member, C. elegans Topic Meeting: Neuronal Development, Synaptic Function & Behavior (Vienna, Austria)
  • 2019年07月 - 2019年07月  共同オーガナイザー、公募シンポジウム「データ駆動型/モデル駆動型神経科学研究の幕開け」、Neuro2019(第42回日本神経科学大会 第62回日本神経化学会大会)
  • 2018年12月 - 2018年12月  Reviewer, Career Development Award, Human Frontier Science Program
  • 2017年08月 - 2017年08月  Organizer, Tutorial Workshops on Systems Science of Bio-navigation, IEEE ICMA 2017 Conference
  • 2016年07月 - 2016年07月  一般口頭発表座長 第39回日本神経科学大会(横浜)
  • 2016年07月 - 2016年07月  Co-organizer, C. elegans Topic Meeting: Neuronal Development, Synaptic Function & Behavior (Nagoya, Japan)
  • 2016年04月 - 2016年04月  Remote referee, European Research Council
  • 2015年12月 - 2015年12月  Online reviewer, Wellcome Trust, Biomedical Research Fellowship Programme for India
  • 2015年06月 - 2015年06月  Tenure Review, National University of Singapore
  • 2015年06月 - 2015年06月  Research project review, European Cooperation in the field of Scientific and Technical Research - COST
  • 2014年09月 - 2014年09月  一般口頭発表座長 第37回日本神経科学大会(横浜)
  • 2014年07月 - 2014年07月  Local organizer, C. elegans Topic Meeting: Development, Cell Biology and Gene Expression Meeting in association with The 6th Asia-Pacific C. elegans meeting(Nara, Japan)
  • 2014年07月 - 2014年07月  Organizing committee member, C. elegans Topic Meeting: Neuronal Development, Synaptic Function & Behavior (Madison, WI, USA)
  • 2012年09月 - 2012年09月  一般口頭発表座長 第35回日本神経科学大会(名古屋)
  • 2012年06月 - 2012年06月  Co-session chair, 5th East Asia C. elegans Meeting(Taipei, Taiwan)
  • 2011年12月 - 2011年12月  一般口頭発表座長 第34回日本分子生物学会(神戸)
  • 2011年09月 - 2011年09月  一般口頭発表座長 第34回日本神経科学大会(横浜)
  • 2011年06月 - 2011年06月  Co-session chair, The 18th International C. elegans Meeting(Los Angeles, USA)
  • 2007年06月 - 2007年06月  Research proposal review, National Science Foundation (USA)
  • 2006年12月 - 2006年12月  シンポジウム座長 日本分子生物学会2006フォーラム(名古屋)
  • Manuscript review: Science, eLife, Curr Biol, PLOS Genetics, Genetics, J Neurosci, J. Neurosci Res, BMC Neurosci, eNeuro, Neurosci Lett, Neurosci Res, Genes to Cells, Zool Sci

その他のリンク

researchmap



Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.