最近、増加している頚動脈狭窄の手術適応、 CEA と CAS の使い分け、無症候例の症候化機構解明を目的に研究を計画した。まず石灰化との関係では CEA は全例で対応可能だが、 CAS は全周性石灰化例には困難であることを示した。また症候例でプラーク内血管新生が多いことを HIF1-αと VEGF の免疫染色で示した。また無症候例の症候化率を全例登録前向き調査で検討し、内科的治療のみでは 2.4%/年程度であることを示した。
頸動脈狭窄症患者のMDCT画像を再構成しアガツトンスコア(AS)を算出した。標本のmRNAを抽出し、Gene tip expression array解析を行いAS100を基準として1:1の比較解析を行ったところ、炎症関連遺伝子等について共通して2倍以上の変動がみられた。特に石灰化の強い頸動脈プラークではNFAT,ADAMTS,Angptl4の発現が有意に多くAngptl7の発現が抑制傾向にあった。