Translational Andrology and Urology 12 5 790 - 801 2023年05月
単回使用ごとに生じる軟性尿管鏡の損傷に関与する因子の検討 単一施設前向き研究(Examination of factors associated with damage to flexible ureteroscopes after each use: a single-center prospective study)
膀胱癌の術前化学療法の際に骨格筋量を維持することは予後に寄与する(Maintenance of skeletal muscle in receiving neoadjuvant chemotherapy improves the prognosis for patients with muscle invasive bladder cancer)
Shuzo Hamamoto; Rei Unno; Kazumi Taguchi; Taku Naiki; Ryosuke Ando; Atsushi Okada; Takaaki Inoue; Shinsuke Okada; Mostafa AbdelRazek; Kenjiro Kohri; Takahiro Yasui; On behalf of the SMART Study Group
Yang Zhao; Jingwen Wang; Tsutomu Tanaka; Akihiro Hosono; Ryosuke Ando; Soeripto; F. X. Ediati Triningsih; Tegu Triono; Suwignyo Sumoharjo; E. Y. Wenny Astuti; Stephanus Gunawan; Shinkan Tokudome
ASIAN PACIFIC JOURNAL OF CANCER PREVENTION 13 4 1247 - 1251 2012年 [査読有り]
S Tokudome; M Kojima; S Suzuki; H Ichikawa; Y Ichikawa; M Miyata; K Maeda; M Marumoto; H Agawa; K Arakawa; T Tanaka; R Ando; N Hattori; C Goto; Y Tokudome; N Imaeda; K Kuriki; H Okuyama; MA Moore
K. Taguchi; S. Hamamoto; T. Sugino; R. Unno; Y. Fujii; R. Ando; A. Okada; H. Kamiya; K. Kohri; T. Yasui INTERNATIONAL JOURNAL OF UROLOGY 24 147 -147 2017年08月
膀胱癌に対する糖鎖連結フラーレンを併用した長波長紫外線による光線力学療法の開発(A novel photodynamic therapy with glycoconjugated fullerene and ultraviolet A-1 irradiation against bladder cancer cells)
[1] 培養Mφを用いたM1/M2マクロファージ結晶貪食解析法の確立
① 培養Mφを用いたM1/M2誘導による貪食解析:昨年度は貪食能の定量化の確立を行い、IFN-γ・IL-4投与によるf-COM結晶貪食率の差異を確認できなかった。この理由として、培養MφのM1/M2への分化を期待した研究方針であったと認識し、本研究はこの段階で中止として全般的に化合物ライブラリー研究へと移行した。
② 既存薬ライブラリーによる貪食能の亢進薬の選出:昨年度2600種類の既存薬ライブラリーFDA-approved Drug Library (384-well)-L1300の導入を決定し、抽出した約800種類の薬剤に関し貪食解析を開始した。IncuCyteハイスループット生細胞解析システムで、細胞面積とCOM面積を測定し、総COM残量 (crystal remaining amount; CRA)を算出した。すべての薬剤について、3-5回同じ条件で実験を行い、CRAを測定した。現在、COM結晶の貪食を有意に変化させる薬剤について抽出中である。
尿路結石形成の過程において腎尿細管細胞内のミトコンドリア傷害が重要な因子である。ミトコンドリア傷害はcyclophilin D (CypD)が活性化されることによって起こる。そこでCypDの活性化を抑制するcyclosporine A (CsA)をモデル動物に投与し尿路結石形成に関する評価を行った。
本研究では結石モデルラットを用いた。CsAを投与されることによりCypDの活性化が抑制され、その結果、細胞死と尿路結石形成が抑制されることが示された。本研究は実験動物におけるものであるが、実験結果からCypDの活性化を抑制する薬剤は将来的に人の尿路結石を予防できる可能性があることが示された。
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)は、薬物治療に耐性を示すことが多い。私たちはこれまで独自のCRPCモデルを用いて、酸化ストレス(ROS)制御機構がCRPCの増殖に強く関わることを証明してきた。そして今回、天然食品由来のフラボノイドであるルテオリンの抗酸化作用に着目し、新規治療法の樹立に向けた解析を行った。その結果ルテオリンはin vitro, in vivoどちらにおいても、CRPCの増殖抑制効果を認め、そのメカニズムはROSを介したアポトーシスの制御を柱とした分子ネットワークの変化であることが解明された。ルテオリンは有望な治療薬となる可能性があり、今回の解析に基づいた治療法の樹立が期待できる。
ヒストン脱メチル化酵素Lysine Specific Demethylase 1(LSD1)は精巣腫瘍における治療標的として注目されている。本学で創製した新規LSD1阻害剤であるNCL1およびNCD38の精巣悪性腫瘍への治療効果について検討した。
WST-8アッセイでは、LSD1阻害剤は濃度依存的に生存細胞数を抑制し、アポトーシスを誘導した。マウスモデルにおける検討では、コントロール群に比較し、LSD1阻害剤投与群では腫瘍体積の増加が抑制されていた。血清AFPは、LSD1阻害剤投与群において低かった。上記より、NCL1およびNCD38は精巣腫瘍において、新規治療薬となる可能性が示された。
尿路結石は、先進国で急増している生活習慣病のひとつである。私たちは、「インスリン抵抗性に着目した尿路結石予防法の開発」をめざし、一地域に密着したコホート研究を実施した。そのベースライン研究の結果から、尿路結石既往のある女性では血清インスリン、インスリン抵抗性の指標であるHomeostasis model assessment of insulin resistance (HOMA-IR)が、コントロールと比較して有意に高値であった。本研究結果からインスリン抵抗性と尿路結石既往の関連には、性差があることが示唆された。