前田 伸治 (マエダ シンジ)
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私は膠原病内科医として診療に従事する一方、自己免疫疾患の病態解明と新規治療標的の探索を目的として、基礎免疫学と臨床免疫学を橋渡しするトランスレーショナル研究を継続してきた。京都大学再生医科学研究所・坂口志文教授のもとで、制御性T細胞(Treg)およびT細胞受容体シグナル異常と自己免疫発症機序に関する研究に従事し、その成果として、T細胞受容体シグナルの減弱が胸腺でのT細胞選択異常と末梢Treg機能低下を介して自己免疫病を多段階的に誘発することを示した Journal of Experimental Medicine 掲載論文に共同第一著者として参画した。
その後は、膠原病・自己免疫疾患患者の末梢血・免疫細胞解析を基盤として、関節リウマチや全身性エリテマトーデスにおけるT細胞サブセットの高次元解析、治療反応性バイオマーカー探索、血清反応陽性・陰性関節リウマチの免疫学的層別化などに取り組んできた。PLOS ONE、Lupus Science & Medicine、Frontiers in Immunology などに第一著者論文を発表し、基礎免疫学で培った視点を患者検体研究へ展開している。さらに、近年は文献マイニングやデータ駆動型解析も取り入れ、膠原病関連肺病変を含む複雑病態の俯瞰的理解と仮説創出にも研究の幅を広げている。以上のように、自己免疫・膠原病領域において、基礎免疫学、患者検体解析、データ解析を横断する研究を推進している。
2006年4月~2009年6月 京都大学再生医科学研究所生体機能調節学分野 (坂口研)特別研究生
☞ 制御性T細胞の世界的権威(2025年ノーベル医学生理学賞授賞)である坂口志文教授(現 大阪大学) 御指導のもと、①「自己免疫疾患発症メカニズムの解明」、②「制御性T細胞のT細胞受容体レパトア解析」の研究を行った。
2023年 2月、大阪大学 坂口志文教授の指導のもと行ってきた、T細胞シグナルと自己免疫病の発症メカニズムの研究が完成し(Tanaka A#, Maeda S#, #Co-first author,共同第一著者,et.al. J Exp Med. 2023 Feb 6;220(2))、T細胞受容体シグナルの減弱が、胸腺でのT細胞選択異常と末梢Treg機能の低下を引き起こし、マルチステップで自己免疫病を誘発することを分子レベルで明らかにした。