日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2019年04月 -2022年03月
代表者 : 水野 将行
内側中隔核から海馬に投射するコリン作動性神経は学習・記憶に重要である。海馬由来コリン作動性神経刺激ペプチドHCNPは培養中隔核でアセチルコリンACh産生を促進する。最近、海馬神経活動を促進するθ活動がHCNPノックアウトマウスKOで低下していることを示し、HCNPが海馬でθ振動を発生させ、CA1上昇層でACh放出を促進すると考えられた。
本研究で、KO中隔核ChAT陽性細胞数は著変ないが、KO海馬ACh濃度(マイクロダイアリシス法)・VAchT低下を示した。KOではシナプス小胞へのACh取込が低下していると考えられた。
以上から、HCNPは中隔核-海馬のACh調節に重要な役割を担う可能性を示した。