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能勢 正仁 (ノセ マサヒト)

  • データサイエンス学部 教授
Last Updated :2024/06/11

研究者情報

学位

  • 博士(理学)(1998年03月 京都大学)

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科研費研究者番号

  • 90333559

J-Global ID

研究キーワード

  • 超高層物理学   地球電磁気学   Space Physics   Geomagnetism   

研究分野

  • 自然科学一般 / 宇宙惑星科学

経歴

  • 2023年08月 - 2023年08月  名古屋市立大学データサイエンス学部教授
  • 2018年08月 - 2023年08月  名古屋大学宇宙地球環境研究所准教授
  • 2007年04月 - 2018年07月  京都大学理学研究科附属地磁気世界資料解析センター助教
  • 2001年04月 - 2007年03月  京都大学理学研究科附属地磁気世界資料解析センター助手
  • 1998年07月 - 2001年03月  ジョンズホプキンス大学応用物理研究所研究員
  • 1998年04月 - 1998年06月  京都大学大学院理学研究科・研修員Graduate School of Science
  • 1996年04月 - 1998年03月  日本学術振興会特別研究員

学歴

  • 1995年04月 - 1998年03月   京都大学   理学研究科   地球惑星科学専攻
  • 1993年04月 - 1995年03月   京都大学   理学研究科   地球物理学専攻
  • 1989年04月 - 1993年03月   京都大学   理学部

所属学協会

  • アメリカ地球物理学連合(American Geophysicul Union)   地球電磁気・地球惑星圏学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年10月 -2028年03月 
    代表者 : 能勢 正仁; 桂華 邦裕; 山本 和弘
     
    宇宙開発の基盤として人類が月を利用する未来がすぐそこにまで来ており、月面への中継基地となる月周回有人拠点(Gateway)の建設準備が米国を中心に進められている。安心・安全に月周辺の宇宙空間を利用していくためには、そこで生起する電磁気現象を大きく左右する背景プラズマイオン組成を詳しく調べておくことが非常に重要である。この研究では、2026年から建設が始まるGatewayの船外に搭載予定のHERMES観測装置で得られるイオンフラックスデータを解析し、「太陽風起源、月起源、地球起源の多種多様なイオンは、月周辺のプラズマ環境にそれぞれどの程度寄与しているのか?」という問いに答えることを目的とする。 今年度は、将来的にHERMESのデータを利用する際の事前準備として、まず、かぐや衛星に搭載されたIMA観測器が計測したデータを解析した。かぐや衛星が地球磁気圏尾部のローブ領域に滞在している期間に注目し、IMA観測器が地球から流れているイオンを観測できる時間帯(衛星の太陽天頂角が90度近い値の時間帯)のデータを用いた。 2008年6月19日のそのような時期に注目して解析したところ、普段に較べて非常に多くのO+が観測されており、そのO+は月面から直接の方向よりは、地球方向から来ている量のほうが多いことが分かった。このイベントは、Dst指数が-10~-20 nT程度の地磁気擾乱としてはそれほど大きくない時期に起こっていることから、地球からは常に継続してO+が流れ出しており、それが38万km離れた月まで到達しうることを示している。こうしたイベントは、その他にも磁気圏尾部の別の場所でも数例見つけることができたため、O+イオンは地球から流出した後、磁気圏尾部の広大な領域に広がっていると考えられる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 渡邉 智彦; 前山 伸也; 能勢 正仁
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2026年03月 
    代表者 : 塩川 和夫; 西谷 望; 大山 伸一郎; 横山 竜宏; 大塚 雄一; 藤本 晶子; 野澤 悟徳; 吉川 顕正; 能勢 正仁
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 能勢 正仁; 松岡 彩子; 熊本 篤志; 淺村 和史; 山本 和弘
     
    地球周辺の宇宙空間(ジオスペース)におけるプラズマのイオン組成は、そこで生起する数多くの電磁気現象の性質を支配するパラメターであるため、その変化原因や変化領域を明らかにすることが極めて重要である。そこで、この研究では、「低エネルギーO+イオンが、どのように電離層からジオスペースへ輸送され、どのように分布しているのか」について明らかにすることを目的とする。 具体的には、「①低エネルギーO+イオンが電離層から磁力線に沿って輸送され、磁気赤道付近でピッチ角散乱を受けてジオスペースに滞留する、という経路の可否」、「②ジオスペースに輸送されたO+イオンは、従来考えられてきたようなトーラス形状のO+イオン高密度領域を形成するのか、それとも主に東向きにドリフトして三日月形の高密度領域を形成するのか」の2点を複数人工衛星データの解析と計算機シミュレーションによって検証する。 2021年度は、特に①に注目し、あらせ衛星、Van Allen Probe A, B衛星の合計3機の粒子データを解析し、電離層からジオスペースへ流れ出してくるO+イオンの同時観測例について詳細な解析を行った。その結果、ジオスペースで観測される低エネルギーO+イオンは、磁場双極子化の数分後に現れること、数keVから約10 eVにわたってエネルギー分散を示すこと、磁気擾乱時・磁気静穏時のどちらにも現れること、磁力線と平行方向または反平行方向に動いていること、低エネルギーH+が付随することもあるが、その量はO+のほうが3-10倍も多いこと、などが明らかになった。このような低エネルギーO+イオンがピッチ角散乱を受ける効果について計算機シミュレーションを行い、ジオスペースの朝側領域で3-9時間程度滞留することも示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2024年03月 
    代表者 : 尾花 由紀; 坂口 歌織; 細川 敬祐; 能勢 正仁
     
    ニュージーランドのミドルマーチ観測点では2011年よりフラックスゲート磁力計が稼働して地磁気三成分の1秒値観測が行われている。ここに新しく誘導磁力計と高感度全天カメラを設置し、ULF波、VLF波、オーロラ発光の同時観測体制を確立した。 このプロジェクトでは、放射線帯効果粒子による孤立オーロラの発光と、粒子降下を引き起こすイオンサイクロトロン(EMIC)波動を同時観測することで、地球にごく近い深内部磁気圏においてEMIC波動に起因する放射線帯消失が生じていることを立証し、さらに、地磁気嵐に伴うプラズマ圏の収縮と放射線帯消失の因果関係を解明することを目指している。 これまでのところ、波動とオーロラ発光の同時出現イベントは確認されていないが、Pc 1型地磁気脈動と電離層アルフベン共振器(Ionospheric Alfven Resonator, IAR)が観測された。2020年10月6日に観測されたPc 1はIPDP(Interval of Pulsations of Diminishing Period)タイプのPc 1であり、約3-4時間の周期的な間隔で4つのPc 1イベントが観察された。これらのイベントは、北半球にあるカナダとアイスランドの4つの観測点でも同時に観測されていた。またこれと継続するようにしてIARが発生していた。この日のIARのパワースペクトル密度は10月4日と5日のIARのそれよりも強く、Pc1からIARへの波動エネルギーの移行を示しているように見える。これらの結果は、これまでの研究で提案されているように、IARが雷放電からではなくPc1脈動からも励起エネルギーが供給される可能性を示しており興味深い。 これらの研究成果は地球電磁気・地球惑星圏学会講演会で発表されたほか、現在学術誌で発表するための論文を執筆中である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 梶田 将司; 家森 俊彦; 原 正一郎; 永益 英敏; 松井 啓之; 宮野 公樹; 渥美 紀寿; 小野 英理; 青木 学聡; 能勢 正仁; 元木 環; 古川 雅子
     
    本研究では,アカデミックデータ・イノベーション成熟度モデルを多様な分野の研究者が集う京都大学を実証フィールドとしてグローバルスタンダードを取り入れながら開発し,RDM を通じてイノベーションの可能性に満ちた土壌を我が国の学術研究現場に育むことを目的としている.その実現のため,学際融合教育研究推進センターアカデミックデータ・イノベーションユニット(通称「葛ユニット」)を研究環境として位置づけ,月例の葛ユニット幹事会での定期的な議論を踏まえながら,年2回の京都大学RDMワークショップを学内外に公開して開催した(2020年9月19日,2021年3月30日,2021年9月24日). 研究の実施に際しては,葛ユニット長である研究代表者の統括の下,葛ユニットの主要な幹事・構成員を研究分担者として以下の5つのグループに分けて研究を行った: G1 基本RDMスキル開発,G2 特定分野RDMスキル開発,G3 学際イノベーションRDMスキル開発,G4 ワークショップ(WS)実施,G5 インターローカリティ開発.G1・G2では,eポートフォリオに関する専門家の支援を得ながら地球科学分野を基軸にルーブリックを開発した.また,G3・G4・G5 については,国立情報学研究所の学認RDMや California Digital Library における研究データリポジトリ公開サービス Dryad の利活用の実状を共有するとともに,多様な学問分野における研究データや学際融合研究を意識したパネル討論や Open Group エンタープライズアーキテクチャ開発方法論である TOGAF を活用した RDMアーキテクチャの基本設計に向けた議論を計3回のワークショップを通じて行った. さらに,これらの成果を国際発信するため,SciDataCon 2021 でのセッション企画を行った.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年06月 -2021年03月 
    代表者 : 能勢 正仁; 松本 晴久; 小山 幸伸; 北村 健太郎; 松岡 彩子
     
    微小な地磁気変動を計測するために一般的に用いられている「フラックスゲート磁力計」は一台数百万円と高価である。そこで、「磁気インピーダンス素子」を用いたマイクロ磁気センサーを使って、廉価な地磁気計測システムを独自に開発した。既製品のセンサーを地磁気計測に適したものとなるような改良を加え、センサー治具、AD変換器、Raspberry Piを使ったデータロガーなどを自作し、約40万円で観測システムのプロトタイプを完成させた。そのシステムを用いて、フィールドテスト計測を行い、Sq変動や地磁気脈動、磁気嵐など、自然の地磁気変動現象が問題なく観測できることを確認した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2021年03月 
    代表者 : 家森 俊彦; 齊藤 昭則; 能勢 正仁
     
    低高度磁場観測衛星でほぼ常時観測される振幅数nT以下の微小な磁場の揺らぎ(磁気リップル)の成因と、当研究で新たに見いだした低緯度昼間側電離圏F層に頻繁に出現する電子密度の波状構造(振幅数%以下、波長100km-300km程度)の成因、およびそれらの間の関連を、ESAが2013年に打ち上げた3機のSwarm衛星により得られた磁場および電子密度データと、タイ・ピマーイでの微気圧変動、GPS-TECおよび降雨量等の地上観測データを用いて調べた。個別のイベント解析および、JAXS/GSMaPを用いた全球的な降雨分布との比較からは、降雨との関連を強く示唆する結果を得たが、明確な結論には至らなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2021年03月 
    代表者 : 塩川 和夫; 西谷 望; 関 華奈子; 大山 伸一郎; 大塚 雄一; 田中 良昌; 尾崎 光紀; 能勢 正仁; 片岡 龍峰; 三好 由純
     
    ・本事業で各観測点に設置されたVLFアンテナ、誘導磁力計、高感度全天カメラ、リオメータ、EMCCDカメラや、平成28年12月に打ち上げられたあらせ衛星、本事業で開発されているモデリングなどを通じ、令和元年度には38件の査読付き論文を国際学術誌に出版した。代表的な成果は以下が挙げられる。 ・ロシアのZhigansk観測点や米国のRBSP衛星における観測、モデル計算を組み合わせて、電磁イオンサイクロトロン波動(EMIC波動)が数百keVという従来考えられているよりも低いエネルギー範囲の放射線帯電子の消失に貢献していることを明らかにした。また、アラスカのGakona観測点のEMCCDカメラで高速撮像された脈動オーロラと、あらせ衛星で観測された磁気圏ELF/VLF波動(コーラス波動)の明滅の1対1対応を見出し、秒以下の時間スケールのオーロラの脈動が、コーラス波動の微細構造によって作られていることを世界で初めて明らかにした。さらにフィンランドのKannuslehto観測点とあらせ衛星で同時観測された磁気圏ELF/VLF波動を詳細に解析し、磁気圏赤道面における地球磁場の曲率が、ここで生成される波動の特性を大きく左右していることを明らかにした。これらの電磁波動の衛星ー地上観測の成果は、人類の宇宙利用の脅威となる放射線帯粒子の生成・消失の機構の解明につながる重要な成果である。 ・ノルウェーのトロムソ観測点で得られた熱圏風のデータ解析から、オーロラサブストーム開始前後の熱圏風の変動や地磁気静穏時の熱圏風の動態を明らかにした。また、北欧と南極昭和基地の大型レーダーとあらせ衛星の同時観測により、高エネルギー粒子の降込みに伴う中間圏レーダーエコーの発生を見出した。これらの観測は、宇宙空間からの高エネルギープラズマ粒子の流入に対する地球大気の応答を明らかにする上で重要な成果である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 能勢 正仁; 笠原 慧; 寺本 万里子; 桂華 邦裕; 横田 勝一郎; 尾花 由紀
     
    日本が2016年12月にうちあげた「あらせ衛星」の観測データの解析および計算機シミュレーションにより、酸素イオントーラスおよびイオンと長周期地磁気脈動のドリフトバウンス共鳴現象に関する研究を行った。酸素イオントーラスに関しては、その形状が軸対象ではなく朝側に偏った三日月形であることが、世界で初めて明らかにされた。ドリフトバウンス共鳴がリングカレントのエネルギー増加に少なからぬ影響を及ぼしていることやそれにはイオン種依存性があること、イオンフラックスの空間勾配が共鳴の重要なパラメターになり得ること、などの新しい発見が得られた。以上の研究成果を含め、査読付き国際学術誌に25編の論文を出版した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 家森 俊彦; 能勢 正仁; 富澤 一郎; 竹田 雅彦; 佐納 康治; 井口 正人; 小山 幸伸; 品川 裕之
     
    低高度精密磁場観測衛星が、中低緯度電離圏でほぼ常時観測する微細な磁場変動(magnetic ripplesと命名)は、これまでその存在すら認識されていなかった微細な沿磁力線電流の空間構造であることを世界で初めて明らかにした。また、それらの振幅の季節・地方時・緯度依存性や変動の時間スケールなどを求めた。地理的依存性や地震・火山噴火時に地上で観測される磁場、微気圧およびGPS-TEC変動も考慮することにより、それらが、下層大気の擾乱を起源とし、電離圏まで伝搬した重力音波が、電離層でのダイナモ作用を介して電離層に電流を流し、それが磁力線に沿って発散し沿磁力線電流になっていることを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 能勢 正仁; 桂華 邦裕; 宮下 幸長; 野村 麗子; 中野 慎也; 尾花 由紀; 小路 真史
     
    気象衛星ひまわりやGPS衛星が飛翔する地球周辺の宇宙空間(内部磁気圏)は、荷電粒子からなるプラズマで満たされている。内部磁気圏のプラズマは、平時は水素イオンが主成分であるが、磁気嵐が起こると酸素イオンの含有量が急激に増加する。この研究では、内部磁気圏を観測している科学衛星のデータを解析し、その原因の究明を行った。その結果、「電離層から内部磁気圏へ酸素イオンが直接流出しており、それが磁場双極子化に伴う微小磁場擾乱によりその場で選択的に加速される」ためであることが明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年 -2015年 
    代表者 : 能勢 正仁
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 能勢 正仁
     
    磁気圏擾乱の指標であるDst指数には、リングカレントなどの磁気圏電流と地球内部に誘起された電流の寄与が混在している。これまで、地球内部誘起電流の寄与は約25%で一定と考えられてきたが、今回の研究により、その割合は20%から55%の間で変化し、Dst指数の時間変化率と高い相関を持つことが明らかになった。また、リングカレントの発達に関しては、過去に報告されてきたような「プラズマシートからの高エネルギー粒子の流入」よりも、「その場に既に存在していた低エネルギー粒子が短周期の磁場擾乱によって受けるローカルな非断熱的加速」がより重要な役割を果たしていることが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 町田 忍; 森岡 昭; 家田 章正; 能勢 正仁; 三好 由純; 宮下 幸長; 堀 智昭; 高田 拓
     
    サブストームは地球磁気圏・電離圏で発生する大規模なエネルギー解放現象であるが、そのトリガー機構と駆動機構の解明を目指して、衛星および地上同時観測で得られた最新データを用いて研究を実施した。その結果、われわれがかねてより提案しているサブストームのトリガー・駆動機構モデルの正当性を確認することができた。また、サブストームに関連したオーロラ電波放射(AKR)について幾つかの重要な知見を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 家森 俊彦; 荻野 竜樹; 石井 守; 村田 健史; 林田 佐智子; 藤 浩明; 齊藤 昭則; 能勢 正仁; 竹田 雅彦; 佐藤 夏雄; 川崎 一朗; 桜井 隆; 上野 悟; 牧野 雅彦; 歌田 久司; 金尾 政紀
     
    大小様々な組織が提供する地球惑星科学関係のデータベースを、メタデータのデータベースを核として、サイバースペースで結合し、異分野横断・学際研究推進の母体となる『地球惑星科学仮想データセンター』創出の実現可能性を実証的に研究した。実施にあたっては、大学間連携プロジェクト『超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究』(IUGONET)と密接に協力し、使用するメタ情報フォーマットを検討、SPASE data modelが最適であると判断した。IUGONETと協力してシステムを開発し、微気圧観測データと地磁気データを具体例として、メタデータの入力およびデータベースの構築を実施した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 能勢 正仁
     
    これまでは、静止衛星軌道より内側のリングカレント領域(高度20000-30000km付近)の磁場構造はそれほど大きく変化しないと考えられることが多く、双極子磁場による近似が行われてきた。しかしながら、MDS-1衛星の磁場観測により、このような領域でもサブストームに伴う磁場双極子化や高周波の磁場擾乱が現れたり、磁場構造が強く引き伸ばされた形状になったりするように、内部磁気圏の磁場構造は想像以上に変動していることが明らかになった。こうした磁場変動は、特に酸素イオンを選択的に加速し、リングカレントのイオン組成変化に重要な役割を果たしていることが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 家森 俊彦; 宇津木 充; 竹田 雅彦; 齊藤 昭則; 能勢 正仁; 田中 良和; 品川 裕之
     
    当研究は、地震や火山噴火、台風など地球表面付近の現象が、それより上層の海洋、大気の運動を通して、電離圏や磁気圏に電磁気学的現象を発生させるメカニズムの理論的考察と、観測および数値シミュレーションによる検証を全体構想とする。本年度は、下記の成果が得られた。 1. 平成18年夏から観測を開始した微気圧観測データと、近接地点の地磁気観測データを統計的に解析することにより、理論的に予想されてきた3つの周波数帯に、気圧、磁場ともスペクトル密度ピークが存在することを、データを増やすことにより、統計的により確実にすることができた。また、微気圧振動のピークは秋に明瞭に見られるという前年度示唆された結果をより確実なものにした。 2. 平成20年度は微気圧観測システムをペルーのアンコン観測所に設置した。このデータは、磁場観測データと共に昨年末から京都大学に転送されており、解析を進めつつある。 3. 2004年12月のスマトラ地震時に、中国南部で観測された約20秒余りの周期の地磁気脈動が、その場所での磁力線共鳴周期とほぼ一致すること、また、それ以外の場所では見られないことを、それぞれ、理論的計算およびデータ解析から確認した。このことは、この約20秒余りの周期の地磁気脈動が、スマトラ地震によって引き起こされた磁力線共鳴現象であることを強く示唆し、下層大気の大規模擾乱に起因する宇宙空間電磁気現象の一つであることを示す。 4. 研究協力者と共に、数値シミュレーションで確認するための計算コードの3次元化に着手した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 田口 聡; 細川 敬祐; 能勢 正仁; 鈴木 臣; 村田 洋三
     
    地球の周辺の宇宙空間には電気を帯びた微粒子が存在しており, 様々な場所でそれぞれ固有の速さで動いている. 本研究では, その微粒子の一部が姿を変えた中性の粒子の運動を検出する撮像のデータを主に用いて, 電気を帯びた微粒子であるイオンの太陽風から磁気圏への直接的な流入, 地球磁気圏の外壁であるマグネトポーズの運動, 電離圏から磁気圏へと上昇するイオンの流れに関して, これまでに知られていない性質を見出した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 家森 俊彦; 大志万 直人; 佐納 康治; 田中 良和; 能勢 正仁; 竹田 雅彦
     
    地磁気は超高層物理学および地球内部電磁気学的研究にとって最も基礎的で重要な物理量であり、汎世界的に分布する観測所で長期間安定した測定をする必要がある。当研究では、地磁気ディジタルデータの巨大な空白地帯となっているシルクロード沿いおよびその延長線上の地域に存在する約12ヶ所の地磁気観測所のうち3ヶ所に、高精度ディジタル磁力計を設置し、中緯度のユーラシア大陸を横断する長大な磁力計ネットワークを構築することを計画し実施した。そして、上記ネットワークで取得されたデータとOersted精密磁場観測衛星等のデータを用いて、地磁気脈動の東西伝搬、オーロラ帯に流れ込む沿磁力線電流の刻々の時間変化の推定、電離層ダイナモ電流の逐日および経度依存変動やその原因となる下部電離層の中性風の推定、磁気圏サブストーム開始の指標となるPi2型地磁気脈動のリアルタイム検出等、このネットワークの特徴を生かした超高層物理学的研究を推進した。また、トルコ、中央アジアなど、地殻活動の活発なシルクロード沿いの地球内部電磁気学的諸観測にとって基準となる高精度・高時間分解能地磁気データを提供することも、目的の一つとした。Pi2型地磁気脈動のリアルタイム検出結果は京都大学大学院理学研究科地磁気世界資料解析センターのホームページから公開した。(URL:http://swdcli40.kugi.kyoto-u.ac.jp/pi2/)また、トルコおよびインドからの観測データ(毎分値および毎秒値)は、電話回線およびインターネットを経由して、準リアルタイムで京都に送られている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 能勢 正仁
     
    2005年7月から9月にかけて、イギリス(ランカスター大学)、ドイツ(フルステンフェルドブルク観測所)・アメリカ(ジョンズホプキンス大学応用物理研究所)・メキシコ(テオロユーカン観測所)、日本(柿岡地磁気観測所、峰山観測所)の合計6観測所を順次訪問し、ウェーブレット解析を使ってPi2地磁気脈動を自動検出するソフトウェアをインストールした。Pi2地磁気脈動が検出されると、その波形や検出時刻などの結果は、電子メールで申請者の所属する京都大学へ送られ、WWWで公開されるようになっている。各観測所では、地磁気データをリアルタイムで収集しているので、検出結果もほぼリアルタイムでWWWから見られるようになっている。WWWアドレスは、http://swdcli40.kugi.kyoto-u.ac.jpである。また、このようなデータ収集で得られた経験を基にして、サブストームの発生を中低緯度の地磁気観測から推定するための新しい地磁気指数を考案し、その算出を行い始めた。この新しい指数をAE指数や静止軌道衛星の粒子フラックスと比較し、それぞれの間に比較的よい相関があることが分かった。その他に、柿岡地磁気観測所とHermanus地磁気観測所のデータを用いて、Pi2地磁気脈動の経度方向の構造を統計的に調べた結果、その経度方向の波数はほぼ0に近い値となり、全球的に同位相で振動が起こっていることが明らかになった。 以上の研究内容・活動を国内外の学会で5回(国内3回・国外2回)にわたって報告を行った。研究成果は、Nose et al.,Earth Planet.Space,58,775-783,2006とNose et al.,Proceedings of the Eighth International Conference on Substorms(ICS-8),209-214,2006の2つの学術論文として発表した。加えて、関連した研究として主著論文1編、共著論文2編を発表した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 家森 俊彦; 能勢 正仁; 竹田 雅彦; MCCREADIE Heather; 亀井 豊永; 中野 慎也
     
    (1)古いマグネトグラム記録をディジタル画像ファイル化する作業およびその画像を処理してデータベース化する手順の効率化を進めた。 (2)データベース化した処理済みの画像ファイルをwebから公開した。(http://swdcft49.kugi.kyoto-u.ac.jp/film/index-j.html) (3)磁気圏境界面での速度シアーによるケルビンヘルムホルツ型不安定性が主要な発生メカニズムであるため、太陽風速度と関係があるPc5型地磁気脈動の性質を用いて、太陽風観測データのない1960年以前の地磁気観測データから太陽風速度を推定することを目的の一つにした。そのために、まず、太陽風速度とPc5型地磁気脈動の振幅の関係を調べた。その結果、600km/s以上の高速太陽風の場合も、太陽風速度と脈動の振幅の間の正相関の関係は、600km/s以下の場合の延長上にあることがわかった。また、Pc5型地磁気脈動の発生には、太陽風密度の変動が影響していることを示唆する結果が得られた。 (4)2次元画像処理手法を用いて連続なグラフ部分のみを取り出す試みを行った。 (5)2005年11月に英国エディンバラで開催されたディジタルデータ保存に関する国際会議PV2005に家森が出席し、当研究の成果の一部を発表した。 (6)ディジタル画像化されたデータを用いて、1960年のチリ大地震の時の世界各地の地磁気変化を調べた。その結果、震源から遠く離れたヨーロッパやアフリカでも地震波による磁力計の振動の影響が出ていること、また、イースター島では、津波の通過したと考えられる時刻に、津波による海洋ダイナモ電流が原因と考えられる地磁気変化が観測されていたことがわかった。この結果は、2006年5月の日本地球惑星科学連合2006年大会で発表を予定している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 亀井 豊永; 家森 俊彦; 能勢 正仁; 竹田 雅彦; HEATHER McCreadie
     
    平成17年度は非常に残念ながら研究代表者の病状悪化のため年度の延期を打診したが、だめだった。このため、1つの試作機を完成するのではなく、いろいろな部分性能評価を重視することとした。平成16年度で作成した、非磁性セオドライトの回転部分は磁場測定は1分1回転で予定通り1/30秒毎のAD測定に耐える、また、星座からの角度確定では、広角で角度1度以内から10分程度でに決められるがその磁場測定とのタイミングあわせは非常に難しい。望遠鏡を使用した侠角1分精度で星座を探すためには非常に高速のCPUが必要となり回転が安定しないと仮定した地上装置とノートPCではやはり無理がある。そのため、2つの予定外の方法を試すことにした。1つは値下がりした民生用ハイビジョンカメラと非常に高速のCPUと2GB高速大メモリーを備えたデスクトップPCを試した、しかしこれは非圧縮DVカメラ(3色約15MHz固定)と違い画像が25MHzMPEG圧縮のため画像が非常に荒く、しかも時間遅れが不安定で0,3-0.7秒遅れでPCに送り込まれるためHDV信号や圧縮デジタル機能を使用するのはこの角度測定用途にむかず、単純にHDVのアナログD3信号を直接ベースバンド(3色約150MHz)で映像取り込みして処理する必要がある。もう1つの方法は、余り早く回転させるとどのような狭角測定法でも無理がでるので、回転軸方向に侠角は星座判定をする方法にすることである。このためには望遠鏡方向に邪魔がないようにセオドライトの幾何学的配置を見直しセオドライトの支柱が望遠鏡とカメラを避けるように設計を工失する。なお、十分テストは出来ていないが、回転上の複数の星が明らかになった状態で複数の視野に連続に入ってくる明るい星や昼間の太陽タイミングを狙う場合にはやはり圧縮HDV信号は無理でD3信号を基準にHDVのベースバンドの信号を使用して角度の秒単位での角度測定は実用になると考える。このほかの、セオドライトの180度自動回転や気象条件や耐久性を試すテストは更に後ほど行うことになる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 家森 俊彦; 能勢 正仁; 荒木 徹
     
    (1)エールステッド衛星による最新の観測データを、ネットワークを用いてデンマーク気象研究所から転送しワークステーション上にデータベース化した。(2)磁場観測データを解析するためのソフトウェアを作成した。ソフトウェアは、過去の研究過程で作成されたプログラムを改良・移植するほか、新たに内部磁気圏電流モデルとそれによる地上磁場変化を計算するソフトウェアを作成した。(3)これまでに蓄積された人工衛星磁場観測データのうち、DE-1衛星磁場観測データを解析し、磁場・電流構造を定量的に解析した。(4)地上磁場データから沿磁力線電流を推定した。(5)家森と荒木、能勢がH13年8月にハノイで開催されたIAGA-IASPEI合同科学大会に参加し、これまでの研究結果を発表した。 (6)中低緯度におけるエールステッド衛星磁場観測データから、極域電離層に出入りする"net field-aligned current"の地方時分布を求めた。その結果、正午前に流入し、真夜中前から流出していることが確認された。(7)DE-1衛星磁場観測データ解析からも、昼間側から流入し、夜側から流出する"net field-aligned current"の存在を確認することができた。(8)電離層レベルでの電流構造と物理を今後更に詳細に調べるために、SuperDARN極域HFレーダーデータの整備を行った。(9)平成14年9月にデンマークで開催された第4回エールステッド科学会議に家森が出席し、上記成果を発表した。平成15年4月のEGS-AGU-EUG合同会議にも家森が出席し発表した。
  • 地球磁気圏のイオン組成に関する研究
  • 地磁気脈動に関する研究
  • Study on Ion Composition in the Magnetosphere
  • Study on Geomagnetic Pulsations

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