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三井 烈 (ミツイ レツ)

  • 医学研究科細胞生理学分野 講師
メールアドレス: mitsuimed.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/04/10

研究者情報

学位

  • 博士(環境科学)(静岡県立大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 自律神経系   血管平滑筋   平滑筋   

研究分野

  • ライフサイエンス / 生理学

経歴

  • 2016年 - 現在  名古屋市立大学大学院医学研究科
  • 2011年 - 2016年  名古屋市立大学大学院医学研究科
  • 2008年 - 2011年  早稲田大学大学院人間科学研究科
  • 2006年 - 2008年  日本大学松戸歯学部
  • 2005年 - 2006年  静岡県立大学, 生活健康科学研究科

学歴

  •         - 2005年   静岡県立大学   生活健康科学研究科   博士後期課程
  •         - 2002年   早稲田大学   大学院人間科学研究科   修士課程
  •         - 2000年   早稲田大学   人間科学部

所属学協会

  • 日本平滑筋学会   日本生理学会   日本解剖学会   

研究活動情報

論文

書籍

受賞

  • 2018年08月 日本平滑筋学会 日本平滑筋学会第4回白鳥常男賞
     
    受賞者: 三井 烈

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 橋谷 光; 西川 信之; 中森 裕之; 三井 烈
     
    蓄尿期における、膀胱収縮に起因する求心性神経活動を記録する実験系を開始した。麻酔下ラットで、片側の骨盤神経を近位端で切断して求心性神経活動を記録し、遠心性神経の関与を調べるため、対側骨盤神経を維持ないし切断した。対側切断例においては、膀胱平滑筋の自発活動に由来する一過性膀胱内圧上昇(TPRs)に対応して求心性神経活動の上昇を認め、いずれもL型カルシウムチャネル阻害薬(ニフェジピン)静注により抑制された。対側維持例では、特に蓄尿相後半で大きなTPRsと対応する求心性神経活動を認め、アトロピン静注により大きなTPRsのみ抑制されて、対側切断例と同様の内圧および神経活動が残存した。膀胱平滑筋の進展により放出される内因性弛緩物質である副甲状腺ホルモン関連蛋白 (PTHrP)の静注により、対側神経の維持/切断に関わらず、TPRsと対応する求心性活動が抑制された。蛍光免疫染色では、PTHrP受容体は膀胱平滑筋と血管平滑筋には発現しているが、神経線維には発現していなかった。PTHrPは、蓄尿期に低レベルの遠心性副交感神経作用がある状態でも膀胱平滑筋の収縮を抑制し、収縮に起因する求心性神経活動を抑制することが示された。 尿道の平滑筋・粘膜層および横紋筋層の血流を担う細動脈における神経性収縮制御を、ラットおよびマウスを用いて検討した。尿道細動脈の神経性収縮は交感神経により生じたが、ノルアドレナリン(アルファ受容体)ではなくATP(P2X受容体)が主要な役割を担っていた。神経性収縮は神経性一酸化窒素(NO)合成阻害により増強した。アルファ受容体刺激により収縮を生じた状態では神経性の弛緩を認め、神経性NO合成阻では抑制されなかったが非選択的NO産生阻害により強く抑制され、CGRP受容体阻害では弛緩の後半相が抑制された。神経性弛緩には血管内皮細胞におけるNO産生が重要な役割を担っていることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 福田 裕康; 橋谷 光; 中森 裕之; 三井 烈
     
    骨粗鬆症の指標である骨密度の変化を検討するため、若年期で骨粗鬆症を発症するモデルとして性成熟していない3週齢と老年期で骨粗鬆症を発症するモデルとして性成熟した6カ月齢で卵巣摘出したモルモットを用いた。結果、6カ月以上で性成熟したモルモットで卵巣摘出術を行った場合、その後6カ月以上で脛骨で有意な骨密度の低下を観察することができた。卵巣摘出したモルモット脛骨の骨密度の変化は、骨全体を測定して骨塩量・骨密度を測定したのち長軸方向に全長20分割して検討したところ骨幹端部で骨密度の低下を観察した。また、マイクロCTによる骨構造の解析からも骨粗鬆症を確認できた。しかしながら、これらの結果から研究に用いるモルモットは一年以上の飼育が必要であることがわかり、そのため十分な数を確保することができなかった。 一方、骨粗鬆症における骨代謝異常の背景には、骨組織における代謝と血流の不均衡が存在することが示唆されることから、骨組織の血流を担う栄養動脈の収縮制御機構を検討した。雌モルモット脛骨栄養動脈の神経性収縮は、交感神経および5-HT作動性血管収縮神経によって調節されていることを報告した。さらにいずれの神経においても伝達物質として5-HTが機能しうることが示唆されたため、外因性のセロトニンとの関係について明らかにした。低濃度の外因性5-HT投与は神経性収縮を増大させたが、グアニチジン存在下では神経性収縮の増大を認めず減弱させた。このことは外因性のセロトニンが交感神経に取り込まれ収縮を増大させ、5-HT作動性血管収縮神経には負のフィードバックがおこり神経性収縮を減弱させたことを示唆し、5-HTによる血管収縮制御が雌における骨代謝に重要な役割を果たしていることを示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2023年03月 
    代表者 : 三井 烈
     
    過敏性腸症候群(IBS)は、ストレスにより増悪することが知られている。IBS患者では物理的・心理的ストレス負荷時の直腸粘膜血流の減少反応が、健常者と比べて長引くという直腸血管制御異常も示されている。本課題では、はじめに直腸粘膜下細動脈や直腸毛細血管の制御機構について検討する。これらの知見をもとにして、IBS様の病態を呈するとされるストレスモデルラットにおける、直腸血管制御の変容について検討する予定である。 本年度は、ラット直腸粘膜下細動脈の一酸化窒素(NO)含有神経(以下NO神経と記す)による制御を明らかにした。直腸粘膜下層標本に経壁神経刺激(EFS)を負荷すると、細動脈で交感神経性収縮が生じるが、細動脈に投射するNO神経がこの交感神経性収縮を抑制していることが、薬理学的および免疫組織化学的検討により明らかとなった。NO神経は過度の細動脈収縮を抑え、直腸粘膜血流を維持するのに重要なはたらきをしていると考えられた。 直腸毛細血管に関しては、周皮細胞(ぺリサイト)の細胞内カルシウムイメージングが可能であるNG2-GCaMPマウスを用いた。直腸粘膜の毛細血管ペリサイトでは、周期的で自発的な細胞内Ca2+上昇がみられた。このペリサイトの機能維持にプロスタグランジンの内因性放出が寄与していることも、徐々に明らかとなってきており、今後重点的に検討する。また、毛細血管ペリサイトの自発Ca2+上昇が、直前の細動脈へ伝わる様子も観察された。このことから、直腸毛細血管ペリサイトはペースメーカーとして機能し、毛細血管前細動脈の周期的な自発収縮を惹起することで粘膜虚血を防ぐはたらきを持つと推察された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2021年03月 
    代表者 : 橋谷 光; 西川 信之; 三井 烈
     
    膀胱粘膜の主要な収縮要素である粘膜筋板の収縮特性を排尿筋と比較した。粘膜筋板は群発型活動電位に依存した強力な自発収縮を発生する一方、アセチルコリン作動性神経への収縮応答は微弱であり、その役割は排尿時ではなく蓄尿時にあることが示唆された。抑制性神経支配を欠く排尿筋とは異なり、粘膜筋板はNO神経による抑制性支配を受けていた。膀胱粘膜はアンジオテンシン(ATII)に対して排尿筋をはるかに凌ぐ感受性を示し、血中濃度のATIIにも応答することから、膀胱におけるアATIIの収縮作用の主要標的と考えられた。粘膜筋板の収縮性は、過活動膀胱に対する新たな治療標的となる可能性が示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 三井 烈
     
    直腸細動脈mural cells(血管平滑筋や周皮細胞)は周期的かつ同期的な自発細胞内Ca2+上昇を示した。小胞体からの自発Ca2+放出に続くCa2+活性化Cl-チャネルを介したCl-流出(=脱分極)は、ギャップ結合でつながる近隣のmural cellsを脱分極させて電気的に同期させると考えられた。続くT型およびL型電位依存性Ca2+チャネルからのCa2+流入により細胞間で同期した自発Ca2+上昇が生じた。T型とL型Ca2+チャネルは、それぞれ自発Ca2+上昇の頻度と持続時間も増加させた。自発Ca2+上昇に基づく細動脈自発収縮は、直腸壁が糞塊で伸展される際の虚血リスクを低下させると推察された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 三井 烈
     
    胃細静脈のmural cells(血管平滑筋や周皮細胞)はギャップ結合を介して同期的かつ周期的な細胞内Ca2+上昇を示し、周期的な細静脈自発収縮を誘発した。自発収縮は、小胞体からの自発的Ca2+放出と、L型Ca2+チャネルからのCa2+流入に依存していた。内皮由来NO(一酸化窒素)による収縮抑制作用と、cGMP分解酵素PDE5のNO-cGMP系抑制作用とが拮抗して自発収縮が保たれていた。食物による胃伸展で胃壁の血液循環は滞りがちだが、細静脈自動ポンプ機能がこれを緩和すると考えられた。一方、細静脈の持続的交感神経性収縮は、運動時や出血時に血液を胃腸から心臓や脳へ再配分する機構であると推察された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 橋谷 光; 西川 信之; 三井 烈
     
    排尿筋および粘膜筋板の自発収縮制御における膀胱の内在性弛緩機構の役割を調べた。伸展により排尿筋から放出されるPTHrPは粘膜筋板よりも排尿筋で強い抑制を示した。カルシウム透過性伸展活性化TRPV4チャネルは排尿筋および粘膜筋板に発現し、TRPV4からのカルシウム流入はBKチャネルを選択的に活性化して自己制御システムとして機能していることが示唆された。SKチャネル開口薬は排尿筋、粘膜筋板で活動電位の後過分極を延長したことから、SKチャネルはPDGFRα陽性細胞のみならず平滑筋にも発現していると考えられた。これら内在性弛緩機構のアップレギュレーションは低活動膀胱を来しうると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 橋谷 光; 高野 博充; 三井 烈
     
    膀胱粘膜下細静脈の壁細胞はIP3依存性の小胞体Ca2+遊離により自発細胞内Ca2+濃度変動を生じ、L型Ca2+チャネルの自己再生的性質に依存した電気的結合により細胞間同期性を維持している。細静脈の自発収縮は組織代謝産物の能動的ドレナージに関わり、交感神経支配に加えて尿路上皮や排尿筋平滑筋などから放出される生理活性物質により制御される。細静脈壁細胞はNG2 (-)/αSMA (+)、毛細血管ペリサイトはNG2陽性(+)/α-SMA陰性(-)、細動脈平滑筋はNG2 (+)/αSMA (+)であり、細静脈壁細胞は細動脈および毛細血管壁細胞とは異なる発生起源ないし過程から生じることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 橋谷 光; 鈴木 光; 窪田 泰江; 郡 健二郎; 三井 烈; 小室 輝昌
     
    間質細胞ミトコンドリアは Ca^<2+> バッファー機構として機能し、小胞体との Ca^<2+> シャトルを介して細胞内 Ca^<2+> ウエーブ形成に関与していたが、主要な ATP 産生源としては機能していない。ペリサイトは細胞内 Ca^<2+> オシレーター依存性に自発脱分極を発生し、電位依存性 Ca^<2+> チャネルを介して細胞間で同期することにより、膀胱粘膜下細静脈の自動性を駆動して組織代謝制御に重要な役割を果たすことが示唆された。

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