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野崎 実穂 (ノザキ ミホ)

  • 医学研究科視覚科学分野 教授
Last Updated :2024/04/26

研究者情報

学位

  • 博士(医学)(名古屋市立大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • laser photocoagulation   diabetic macular edema (DME)   レーザー網膜光凝固   糖尿病黄斑浮腫   糖尿病網膜症   血管内皮増殖因子   加齢黄斑変性   血管新生   diabetic retinopathy   VEGF   age-related macular degeneration   angiogenesis   

研究分野

  • ライフサイエンス / 眼科学

学歴

  •         - 1993年   名古屋市立大学   医学部   医学科
  •         - 1993年   名古屋市立大学   Faculty of Medicine

所属学協会

  • 日本糖尿病眼学会   日本眼科学会   眼循環学会   日本緑内障学会   網膜硝子体学会   眼炎症学会   

研究活動情報

論文

MISC

受賞

  • 2019年10月 名古屋市立大学 高インパクト論文賞
     
    受賞者: 高瀬 範明;野崎;実穂
  • 2007年 名古屋市立大学医学部同窓会 瑞友会賞(学術部門)
     
    受賞者: 野崎 実穂

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 安川 力; 野崎 実穂; 平原 修一郎; 小椋 俊太郎; 平野 佳男; 加藤 亜紀
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 野崎 実穂; 高瀬 範明; 小椋 祐一郎
     
    名古屋市立大学病院で汎網膜光凝固を施行して1年以上経過した糖尿病網膜症のうち、経時的に網膜光凝固斑の眼底自発蛍光が撮影可能であった13例19眼(従来凝固7眼、ショートパルス凝固12眼)を対象として自発蛍光の定量化を行なった。網膜光凝固は黄色波長を用い、スポットサイズ200μm、灰白色の凝固斑が得られる出力で行った。眼底自発蛍光はOptos 200TxあるいはOptos Californiaを用いて凝固後1か月、3か月、6か月、12か月に撮影し、画像解析ソフト (Image J)を用いて、網膜血管アーケード近傍の凝固斑の自発蛍光の明度(mean grey value)とアーケード血管(静脈)の明度との比を算出した。 従来凝固による網膜光凝固1か月、3か月、6か月、12か月後の凝固斑の眼底自発蛍光の明度はそれぞれ1.52±0.16、1.29±0.08、1.18±0.75、0.95±0.13、ショートパルス凝固では1.88±0.14、1.49±0.13、1.26±0.11、1.20±0.11と、両群とも凝固斑の自発蛍光は経時的に低下し、凝固後1か月、6か月、12か月で従来凝固がショートパルス凝固と比較して有意に凝固斑に明度は低く(p < 0.01)、低蛍光化を認めた。 追加凝固が必要となった眼数は従来凝固とショートパルス凝固で有意な差はみられなかったが、ショートパルス凝固を用いた網膜光凝固は、従来凝固と比べ凝固斑の低蛍光化が緩徐で、光凝固後のatrophic creepが生じにくい反面、汎網膜光凝固の虚血改善効果が緩徐となる可能性が示唆され、眼底自発蛍光を用いた評価法は有用と考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 小椋 祐一郎; 野崎 実穂; 安川 力; 植村 明嘉; 平野 佳男; 吉田 宗徳
     
    平成31年/令和1年度は、CX3CR1-CreERT2:R26R-EYFPレポーターマウスに抗PDGFRβ抗体を投与してペリサイト消失網膜症モデルを作成し、さらに眼内および腹腔内にタモキシフェンを投与することよって、活性化ミクログリアと単球由来マクロファージの網膜内局在を解析した。その結果、急性炎症期ではミクログリアおよび単球の双方に由来するマクロファージが網膜に浸潤するが、網膜下線維化の進行とともに単球由来マクロファージが減少し、活性化ミクログリアが残存することが明らかとなった。これらの結果から、ペリサイト消失網膜では、主に活性化ミクログリアが線維化を誘導すると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2017年04月 -2019年03月 
    代表者 : 長谷川 典生; 野崎 実穂
     
    短時間照射閾値下レーザーであるエンドポイントマネジメント(EPM)の奏功機序をマウスを用いて検討した。網膜色素上皮(RPE)において、EPM後にHSP70が有意に上昇していたが、従来凝固群では上昇していなかった。EPM3日目にはRPEのZO-1、RPE65が正常化していたが、従来凝固では7日目でも障害されていた。 難治びまん性糖尿病黄斑浮腫症例(n=14)に対して、EPMを行ったところ、網膜厚の有意な減少を認めた。有意な視力改善が得られたのはOCT分類で漿液性網膜剥離型2眼のみであった。EPMはRPEのHSP70発現を亢進させ浮腫を軽減させると考えられ、漿液性網膜剥離タイプに有用と示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 野崎 実穂; 安川 力; 平原 修一郎; 小椋 祐一郎
     
    ケモカイン受容体の一つであるCCR3に着目してマウス酸素誘導網膜症(OIR)モデルを用いた。OIRマウス網膜でCCR3およびそのリガンドであるeotaxinが有意に増加しており、CCR3抗体の硝子体内投与により病的な血管新生が有意に抑制された。病的血管新生に関与するVEGF164 mRNAはCCR3抗体投与により有意に減少していたが、生理的血管新生に関与するVEGF120 mRNAは変化なかった。 また、手術時に摘出した増殖糖尿病網膜症症例の増殖膜には、CCR3およびeotaxinが血管内皮細胞に発現していた。以上のことからCCR3は病的網膜血管新生の治療ターゲットになると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 小椋 祐一郎; 野崎 実穂; 安川 力; 植村 明嘉; 平野 佳男; 吉田 宗徳
     
    糖尿病網膜症では毛細血管壁におけるペリサイトの消失が、バリア破綻を含む多様な血管病態の契機になると考えられている。しかし高血糖モデルマウスでは、糖尿病網膜症の病理変化を再現することができない。本研究では、新生仔マウスの腹腔内に抗PDGFRβ抗体を単回投与して網膜血管発生過程におけるペリサイト集積を一時的に阻害することにより、成体に至るまで糖尿病網膜症と同様の血管異常を再現するモデルマウスを開発した。さらに、ペリサイトを消失した網膜血管壁では、内皮細胞とマクロファージがVEGF-A、PlGF、angiopoietin-2を介して負の連鎖を形成することが明らかとなった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 平野 佳男; 野崎 実穂; 安川 力; 小椋 祐一郎
     
    加齢黄斑変性は失明原因の上位の疾患で、近年増加傾向にある。その滲出型である脈絡膜新生血管(CNV)に対しては、血管内皮細胞増殖因子阻害薬の硝子体内注射が一定の効果をあげている。しかしながら、無効例、複数回の注射が必要であるなど、課題は多い。今回、マウスで実験的にCNVを作成し、CNVの病態解明を行った。CNVの形成には炎症とアポトーシスが関与しており、それらの制御が必要である可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 安川 力; 野崎 実穂; 小椋 祐一郎
     
    血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬硝子体内注射が、滲出型加齢黄斑変性、近視性脈絡膜新生血管、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対して認可され、視力予後は改善したが、しばしば繰り返し治療が必要であり、薬物を徐放できるドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発が望まれる。ゼラチンゲルに増殖因子やサイトカインなどを結合させ徐放させることにより増殖硝子体網膜症モデルを作製した。また、組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)のフィブリン溶解作用がVEGF阻害薬にない効果を発揮できることを基礎実験、臨床実験から実証中である。また、新規DDSの開発研究を行っており、特許申請準備中である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 吉田 宗徳; 小椋 祐一郎; 野崎 実穂
     
    ショートパルスレーザ―は、従来の網膜光凝固よりも短照射時間凝固が可能で、疼痛が少ない点などが利点とされているが、効果が弱いという報告もある。そこで、我々はマウスを用いてショートパルスレーザ―の網膜への影響について、そのmolecular mechanismに着目して検討した。マウス網膜において、ショートパルス凝固では、網膜内層の障害が少ないことに加え、網膜内での瘢痕形成の割合も70%にとどまっているため、vascular endothelial growth factor (VEGF)の抑制作用が弱く、臨床で使用する場合には、照射数を増やす必要があると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2012年 
    代表者 : 小椋 祐一郎; 安川 力; 野崎 実穂; 松原 明久; 吉田 宗徳
     
    RNA 干渉は、新しい治療方法として注目を集めているが、一方で非特異的な作用や免疫応答の問題も報告されている。バイオマテリアルであるアテロコラーゲンは、siRNA と複合体化させて血中に投与しても、ほとんど免疫応答が観察されず、siRNA 導入の担体としての有効性が期待されている。今回我々は、マウス実験的レーザー脈絡膜新生血管(CNV)モデルを用いて、siRNA 導入へのアテロコラーゲンの有用性を確認し、アテロコラーゲンにより、Toll-like receptor (TLR3)の非特異的反応に関与せずに、有効に siRNA が細胞内に導入され、CNV 抑制されることを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 安川 力; 小椋 祐一郎; 野崎 実穂
     
    加齢黄斑変性は成人失明の主要原因である。加齢現象を理解することは病態解明や疾患予防につながるものである。最初の加齢変化は網膜色素上皮細胞内へのリポフスチンと呼ばれる難溶性顆粒の蓄積であるが、本研究では、リポフスチン模擬微粒子を家兎の網膜下に移植することにより、リポフスチン蓄積モデルを作製したところ、ヒトの加齢眼でも認める異常眼底自発蛍光を観察できた。本モデルは加齢黄斑変性の病態を再現しており加齢黄斑変性の病態解明に有用であると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 野崎 実穂; 小椋 祐一郎; 安川 力
     
    オステオポンチン(OPN)は細胞外マトリックスの一種で、炎症、癌転移などの疾患に関与している。今回我々は、マウスを用いて、実験的レーザー脈絡膜新生血管(CNV)におけるOPNの関与について検討した。抗OPN抗体硝子体内投与により、CNVは有意に抑制され、血管内皮増殖因子(VEGF)も有意に抑制された。手術で摘出したヒトCNV組織マウスCNVにおいてOPNはマクロファージと共発現していた。これらの結果から、OPNはCNVの発症に関与しており、OPNを標的としたAMD治療の可能性が考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 野崎 実穂; 小椋 祐一郎; 櫻井 英二; 安川 力
     
    なぜ加齢黄斑変性は黄斑部にのみ脈絡膜新生血管が発生するのか?なぜ黄斑部(中心窩)は無血管なのか?血管新生内皮増殖因子(VEGF-A)を血管新生促進あるいは抑制に働かせるスイッチの働きを持つSPARC に着目し、マウスレーザー誘導実験的脈絡膜新生血管モデルを用いて検討した。レーザー照射後、SPARCの投与により、血管新生は有意に促進され、黄斑部における血管新生促進作用にSPARCが関与しており、今後加齢黄斑変性の治療ターゲットになりうると考えられた
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2004年 
    代表者 : 野崎 実穂
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 野崎 実穂
     
    平成14年度の研究により、自然発症糖尿病モデル動物であるOLETFラット網膜血管内皮において接着分子が増加していることが明らかとなった。平成15年度は、インスリン依存性糖尿病(IDDM)のモデルとして、アロキサンによる実験的糖尿病ラットを用いて、網膜における接着分子について検討した。生後8週齢のSDラットにアロキサン30mg/kgを静脈注射で投与し、糖尿病ラットを作製した。生後72週に、4%パラホルムアルデヒドおよび0.1MPBS混合液で灌流固定を施行した後、眼球を摘出し、パラフィン包埋し厚さ4μmの連続切片を作製した。コントロールとして、同週齢のSDラットを用い、同様にパラフィン包埋、連続切片を作製した。 抗P-セレクチン抗体(ARP2-4)およびIntercellular adhesion molecules-1(ICAM-1)抗体(IA29)を用いて、_SABC(Streptoavidin Biotin Complex)法により免疫染色を行い、光学顕微鏡で観察した。アロキサンによる実験的糖尿病ラット網膜の血管内皮で、P-セレクチン、ICAM-1とも強く染色されたが、コントロールラット網膜の血管内皮ではICAM-1はわずかに、P-セレクチンはほとんど染色性を認めなかった。以上のことから、自然発症糖尿病ラット網膜と同様に、実験的糖尿病ラット網膜においてもP-セレクチン、ICAM-1が増加しており、糖尿病網膜症発症と接着分子P-selectin、ICAM-1の関連性が強く示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 野崎 実穂
     
    白色家兎を用い、角膜に深さ約200μmの切創を作製し、創作製直後、3時間、6時間、12時間、3日、7日、4週、2か月および3か月後に屠殺し、直ちに眼球を取り出し、4%パラホルムアルデヒト・0.1%グルタールアルデヒド・リン酸塩緩衝液で固定し、パラフィンに包埋して厚さ3μmの連続切片を作製した。水和後の切片に一般染色法としてヘマトキシリン・エオジン染色、硫酸基含有酸性複合糖質検出法として増感高鉄ジアミン(S-HID)染色を行った。また、S-HID染色に先立ってchondroitinase B(ChaseB)消化法、Chase B-testicular hyaluronidase二重消化法、またはChase ABC、Chase ABC-keratanase二重消化法を併用して、光学顕微鏡で観察した。角膜創傷治癒過程で、角膜実質創周囲の主要なグリコサミノグリカン分子種は、創作製7日後ではコンドロイチン硫酸A/Cであった。そして、創作製後2週後にはデルマタン硫酸が出現し、創作製1か月後からケラタン硫酸がみられた。角膜創傷治癒の再構築過程の角膜実質における主要なグリコサミノグリカン分子種は、経時的に低分子量のものへと変化した。この結果は、昨年の角膜発生過程のグリコサミノグリカンの動態と同様であった。この、グリコミノグリカンの動態により、角膜実質のコラーゲン線維がより緻密に配列し、角膜は透明性を獲得すると考えられた。 また、臨床的に前眼部形成異常のひとつで角膜混濁をきたすPeters奇形について、合併する緑内障との観点から検討した。Peters奇形を合併していた緑内障症例では、術後の眼圧下降により角膜のびまん性混濁だけでなく角膜中央部の混濁も軽減したことから、眼圧を下降させることにより、高眼圧が原因の角膜実質浮腫が消失するだけでなく、欠損していない部の健全な内皮細胞が機能できるようになり再構築機転が働くため、Peters奇形による角膜中央部の混濁も軽減するものと考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1998年 
    代表者 : 小椋 祐一郎; 野崎 実穂; 水野 晋一
     
    網膜において虚血再灌流後には血管内皮には様々な接着分子が発現し、白血球の集積に関与していると考えられている。これまで網膜虚血再灌流後に網膜血管内皮に発現している接着分子の検討は生化学的、または組織学的な方法に限定されていた。そこで、今回我々は網膜血管内皮に発現している接着分子intracellular adhesion molecule-1(ICAM-1)、P-selectinの発現を生体内で観察し、定量する方法を試みた。方法としては抗ICAM-1抗体、抗P-selectin抗体をFLUOTAGを用いてFITCで標識した。 1mgの抗体を緩衝液内でFITCと室温下に2時間かけ結合させた。Sephadex G-25Mカラムにより結合しなかったFITCを除去し、FITC標識された抗体を分離した。有色Long-Evansラットに対し、全身麻酔下に視神経結紮術により60分の網膜虚血を作成した後、再灌流させた。様々な再灌流時間の後、再び、全身麻酔下に尾静脈にカテーテルを留置し、標識した抗体を2mg/kg投与した。ラットの眼底は走査型レーザー検眼鏡(SLO)を用いてargon laserを励起光として観察し、動画としてS-VHSビデオテープに録画した。SLOによって得られた画像はコンピューターに取り込み、画像解析ソフトを用いて種々の解析を行った。 励起光のargon laserの強度、filterゲインを様々に変化させたが、今回の研究ではSLOによりFITC標識された抗ICAM-1抗体、抗P-selectin抗体の蛍光を充分なコントラストでとらえることはできなかった。励起光のargon laserの強度を更に強くし、抗体分子に対する、FITC分子の結合比率を更に大きくすることにより、ICAM-1、P-selectinの発現を生体内で観察することが可能になる可能性があると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1998年 
    代表者 : 尾関 年則; 白井 正一郎; 野崎 実穂; 水野 晋一; 宇野 真; 尾関 年則
     
    妊娠マウスにレチノイン酸を投与して、ヒトの代表的眼先天異常である第一次硝子体過形成遺残、ぶどう膜コロボーマ、Axenfeld-Rieger症候群、peters奇形の動物モデルを作成することに成功した。さらに、これらの眼先天異常は、神経堤細胞の遊走異常によって成立する疾患であることを実験奇形学的に明らかにした。また、それらの成立臨界期が、マウスの胎生7日〜胎生11日であることを解明し、これはヒトで胎生2.5週〜胎生7週に相当することを提唱して、眼先天異常の予防に繋がる結果を得た。 また、神経堤細胞がその重要な構成要素である眼瞼の発生について、マウス胎仔眼瞼におけるヒアルロン酸の経時的検討から、胎生期の一時的な閉瞼にヒアルロン酸が重要であることを解明した。さらに、小眼球マウスの眼瞼と正常マウスの眼瞼の発生過程のグリコサミノグリカン分子種を比較し、小眼球マウスの眼瞼では、グリコサミノグリカンレベルでの発生の遅れがあることを明らかにした。 臨床的には、多数例のAxenfeld-Rieger症候群、peters奇形、ぶどう膜コロボーマを検討し、これらの疾患では神経堤細胞由来の全身異常を検索することが重要であることを明らかにするとともに、これらの疾患が神経堤細胞の発生異常であることを臨床的に証明した。 今後、マウスを用いて眼正常発生ならびに眼先天異常の成立過程を、神経堤細胞とプログラムされた細胞死(アポトーシス)、各種成長因子の面から解明し、ヒト眼先天異常の予防につながる研究を行う予定である。
  • siRNAによる非特異的血管新生抑制
  • 網膜中心窩はなぜ無血管なのか
  • 加齢黄斑変性の病態解明
  • 糖尿病ラット網膜における接着分子
  • 小眼球症マウスにおける眼瞼発生過程の組織学的・組織化学的研究
  • 眼先天異常の組織学的・組織化学的研究
  • Enhanced expression of adhesion molecules of the retinal vascular endothelium in diabetic rats
  • Histological and histochemical studies in the developing eyelid of experimental microphthalmic mice.
  • Histological and histochemical studies on the developmental process of ocular malformations

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