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長谷川 忠男 (ハセガワ タダオ)

  • 医学研究科細菌学分野 教授
メールアドレス: tadaohmed.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/04/26

研究者情報

学位

  • 名古屋大学/博士(医学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 病原細菌   

研究分野

  • ライフサイエンス / 細菌学

経歴

  • 2005- 名古屋市立大学大学院医学研究科細菌学分野 教授
  • 2000-2005 名古屋大学大学院医学系研究科 分子病原細菌学 助教授
  • 1995-2000 国立療養所中部病院長寿医療研究センター老化機構研究部 室長

学歴

  • 1987年04月 - 1991年03月   名古屋大学   大学院医学系研究科   内科学第一
  • 1979年04月 - 1985年03月   名古屋大学   医学部   医学科

所属学協会

  • 日本臨床微生物学会   日本感染症学会   日本細菌学会   

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 脇本 寛子; 矢野 久子; 長谷川 忠男; 佐藤 剛
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 長谷川 忠男; 立野 一郎
     
    A群レンサ球菌は、古くから咽頭炎などの原因菌として知られていたが、1990年前後より再興感染症としての劇症型感染症の起因菌(人喰いバクテリア)となることが報告された。病原性発揮には毒素蛋白質の質的、量的変化が重要な役割を果たしているが、発現制御については未知の部分が多い。今回の研究ではゲノム情報から数多く推定される機能未知の転写調節を司ると考えられる因子の機能を明らかにすることにより、未知の発現制御の解明に取り組んでいる。 1.転写調節遺伝子ノックアウト株の樹立ー劇症型感染症患者由来株である10-85のゲノム情報から転写因子と推定されているもの、仮想蛋白質とされているものでより詳細な検討で転写調節に関与することが考えられる遺伝子をすべてpick upした。それらの遺伝子の網羅的なノックアウト株の樹立を試み、約40種類のノックアウト株を樹立した。 2.蛋白質分解酵素活性の解析ー樹立したノックアウト株について産生する培養上清中のSpeB蛋白質分解酵素をSDS-PAGEにより解析した。またスキムミルク含有BHI培地で培養することにより蛋白質分解酵素活性を検討した。これらの解析により6遺伝子がSpeBの発現の減弱に関与した。そのうち4種はスキムミルク培地においても活性が減弱したが、2種は変化が認められなかった。 3.DNA分解酵素活性の解析ーDNA培地を用いてDNA分解酵素活性を検討した。2種のノックアウト株において活性の減弱を認めた。これらはそれぞれCtsR familyとGntR familyに属すストレス応答転写調節因子であった。またこれらの2種は先に述べたSpeB発現の減少にも関与し、種々の毒素蛋白質発現に関与する重要な発現調節因子であることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2023年03月 
    代表者 : 脇本 寛子; 矢野 久子; 長谷川 忠男; 佐藤 剛
     
    本研究は,新生児GBS感染症予防のために,新生児GBS感染症の発症要因を明らかにすることおよび新生児敗血症髄膜炎発症GBS株と非発症GBS株の微生物学的な異同を明らかにすること(第一研究),GBS保菌妊産褥婦への予防対策とケアを明らかにすること(第二研究)を目的としている. 今年度は,第一研究を優先して実施した.第一研究は,多施設における早発型GBS感染症および遅発型GBS感染症の発症状況と発症頻度を明らかにすることを継続して実施した.細菌学的解析は,血清型,薬剤感受性,MLST型,CovR/S変異を解析した.今年度は,新生児GBS感染症5症例(早発型0例,遅発型5例:確定例5例,疑い例0例)の情報収集を行い,研究対象者から検出されたGBS菌株7株を収集した.薬剤感受性は,penicillin系抗菌薬に耐性を示した株はなく,AZM,EM,CLDM,LVFXの薬剤に耐性を示した菌株もなかった.血清型はIa型3株,III型3株,IV型1株であった.現在までに得られた49株において,型別は抗血清法に追加してPCR法による型別を行い,型別を確定した.今年度の特筆すべき成果として,発症例は全て遅発型の確定例であったことである.全妊婦にスクリーニングを実施し,分娩時にGBS保菌妊婦にpenicillin系抗菌薬を予防投与することは,早発型GBS感染症予防に有用であるが,遅発型の予防には至っていない.遅発型GBS感染症の発症要因を詳細に検討しているところである.また,今年度,一昨年度と複数の施設でIV型のGBSが検出され,発症状況と細菌学的解析を併せて解析しているところである.第二研究は,新生児GBS感染症予防のためのGBS保菌妊産褥婦へのケアについて明らかにし,今後の方策について方向性を決定し,準備を進めた.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2023年03月 
    代表者 : 井坂 雅徳; 長谷川 忠男; 前山 順一; 立野 一郎; 青山 峰芳; 矢木 宏和
     
    A群連鎖球菌は、咽頭炎や猩紅熱を引き起こす原因菌である。劇症型への機序について様々な研究報告が出ているが、一向に完全解明に至っていない。そこで、劇症型が発症するにはA群連鎖球菌がヒトへ感染後、変化するための何らかの情報を受け取らなければならないと考えた。ここで外界情報を受け取る二成分制御因子の研究が進んでいる、Streptococcus mutansに着目した。A群連鎖球菌と同属のこの細菌は、乳酸、酪酸を産生し、歯にバイオフィルムを形成して虫歯を増悪させる。この細菌の二成分制御因子は酸感受とバイオフィルム形成に関与する。同様の仕組みがA群連鎖球菌に存在するかを調べると、A群連鎖球菌の二成分制御因子の一つであるspy1588遺伝子欠損株は、バイオフィルム産生低下、酸抵抗性の低下を示した。我々は、酸を感受する二成分制御因子と、それに関連する遺伝子群に変異が劇症型に生じていると考え、研究を現在進めている。 昨年度にSPY1588部分ペプチド発現用のpETベクターの作製と、コンピテントセル大腸菌の様々な組み合わせ、および精製法の改良を行った。最終結果として、pET32aベクターにSPY1588のインサートを組み込み、Rosetta Gami2(DE3)にそのベクターを導入した株が、目的産物をIPTGの誘導により強力に発現することが出来た。そしてこの後の目的産物の精製に困難を極めていたが、IPTG誘導後の大腸菌を超音波破砕と界面活性剤を使い分けて遠心分離処理を施すと、目的タンパク質の可溶化が可能になることが明らかとなった。この精製法の確立で、目的タンパク質の精製度が良くなり、タンパク質結晶化に実施するに値する目的産物を得ることが可能となった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2020年03月 
    代表者 : 立野 一郎; 長谷川 忠男; 井坂 雅徳
     
    A群レンサ球菌新型株(特徴として、SalR-SalK遺伝子を含む領域を欠損している)には病原性の高い株と病原性の低い株の2種類が存在する。この病原性の違いが、fabT遺伝子の変異に依存していることを突き止め、解析結果を論文として発表した(2016)。但し、この論文内で実施したゲノム解析は不完全な状態(一本の環状DNAとしてつながっていない)であった。そこで、論文で使用した新型株である10-85を再度Pac-Bioを用いてシークエンスし、一本の環状DNAとしてつなげることに成功した(Accession No.AP019548)。この結果は、論文として発表済み(2019)。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 磯部 健一; 長谷川 忠男; 稲城 玲子; 大橋 憲太郎; 西尾 尚美; 藤本 豊士
     
    生活習慣病が日本でも増加している。私たちは長年GADD34分子に着目して研究を行ってきた。GADD34遺伝子欠損マウスは老化に伴い、2型糖尿病、脂肪肝から肝硬変、肝癌を高率に発症する。そのメカニズムの解明から脂肪肝の発症や抑制に食事内容が重要であることがわかった。。マウスにエネルギー源として砂糖, グルコース、果糖のみを投与すると、2週間で脂肪肝を発症する。また、脂肪エネルギーが60%でコリンを欠損する食事でも2週間という短さで脂肪肝を発症する。これらのマウスに糖質が極端に低く。糖質をほとんど持たず、脂質60%である鶏卵のみ長期投与しても脂肪肝にならないばかりか、強力な脂肪肝抑制効果があった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2019年03月 
    代表者 : 脇本 寛子; 矢野 久子; 長谷川 忠男; 佐藤 剛; 鈴木 悟; 脇本 幸夫
     
    2007年から2016年までに5施設で早発型GBS感染症14例遅発型17例が発症し,院内出生は各々4例,発症率は各々0.10(出生千対)であった.発症時期をⅠ期(2007-2008年)とⅡ期(2009-2016年)に分け早発型の発症率を比較するとⅡ期(0.03)はⅠ期(0.42)より有意に減少し産婦人科診療ガイドラインの成果と考えられた.GBS菌株18株の薬剤感受性はpenicillin系抗菌薬に感受性を示したがMIC(最小発育阻止濃度)は僅かの上昇を認め今後の動向に注意を要する.GBS保菌妊産褥婦が心配に思っている内容は抗菌薬予防投与や児に関することで資料を用いた説明が必要と考えられた.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2019年03月 
    代表者 : 井坂 雅徳; 長谷川 忠男; 前山 順一; 立野 一郎
     
    A群連鎖球菌は劇症型という重篤な症状を引き起こすが、その機序は不明である。外界からの刺激を受け取り菌体内部へ情報を伝達する二成分制御系の仕組みを解析することで、劇症型発症機構が明らかになると考え、二成分制御因子のセンサータンパク質の酸感受性機構とバイオフィルム産生機序を解析した。その結果、SPY1622が酸感受後に繊毛を発現し、バイオフィルム産生をしていたことを見出した。また、新規にSPY1588も酸感受性に関与することが明らかになった。
  • ファージ由来DNAに注目したA群レンサ球菌のマクロライド耐性機構と病原性の解明
    日本学術振興会:基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 長谷川 忠男
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2017年03月 
    代表者 : 磯部 健一; 祖父江 元; 大橋 憲太郎; 伊藤 佐知子; 西尾 尚美; 長谷川 忠男
     
    本研究は老化に伴って発生する疾患の発生過程に関与する生体応答を細胞内ERストレス応答と免疫応答から解析し、疾患の防御から不可逆性変化の過程を解析しiPS細胞等自己由来細胞による治療をめざした。その結果、タバコに含まれるアクロレインによって発症するCOPDはERストレス応答が関与することを分子レベルで明らかにした。ERストレスで上昇するGADD34欠損マウスは老化に伴って肥満から糖尿病、脂肪肝、肝硬変を発症することを見出した。この発症にはマクロファージが関与するが、GADD34はインスリンシグナル伝達系に関与することを明らかにした。iPS細胞を様々な組織に分化させ、治療実験の基礎をつくった。
  • A群レンサ球菌における二成分制御系センサー蛋白質のネットワークの解明に関する研究
    日本学術振興会:基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 長谷川 忠男; 立野一郎; 井坂雅徳
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 南 正明; 長谷川 忠男
     
    抗菌剤治療の困難なメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)重症感染症に対する漢方薬・排膿散及湯の治療効果を検討した。排膿散及湯を添加したLB液体培地でMRSAを培養すると、無添加LB液体培地と比較して、二次元電気泳動での解析では、菌体外毒素の量が減少していた。MRSA皮下感染マウスに排膿散及湯を投与した場合、無投与マウスと比較して、有意な生存率の上昇、皮膚潰瘍径の減少を認めた。排膿散及湯投与マウスから採取した腹腔内マクロファージの、MRSAに対する貪食能は、無投与マウスと比較して、有意に上昇していた。排膿散及湯はMRSA重症感染症の新規治療薬として強く示唆された。
  • A群レンサ球菌における糖輸送系蛋白質発現制御因子と病原性に関する研究
    日本学術振興会:基盤研究(C)
    研究期間 : 2009年04月 -2012年03月 
    代表者 : 長谷川 忠男
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 立野 一郎; 長谷川 忠男; 井坂 雅徳
     
    A群連鎖球菌は近年(1900年以降)劇症型感染症の起因菌となる例が報告されるようになった。これは、本菌が新たな外来病原因子を獲得したためである可能性が指摘されている。本菌によって菌体外に分泌されるNAD-glycohydrolase(NADase or Nga)はその候補の一つである。そこで本研究では、当初の計画通り実験を行い、(1)マウスモデルを用いてnga遺伝子欠損株が劇症型感染症に関する病原性が低下する、(2)酵素活性に重要なアミノ酸残基(330番目)の同定、(3)本酵素活性を阻害するタンパク質を使用することによる本菌病原性の抑制、などの研究成果を得た。
  • A群レンサ球菌毒素蛋白質発現機構の網羅的解明とその制御に関する研究
    日本学術振興会:基盤研究(C)
    研究期間 : 2004年04月 -2006年03月 
    代表者 : 長谷川 忠男
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2004年 
    代表者 : 太田 美智男; 長谷川 忠男; 鳥居 啓三
     
    グラム陽性球菌である黄色ブドウ球菌、A群レンサ球菌の病原因子発現を中心に研究を行った。これらの菌の病原因子の大部分は各種の菌体外分泌毒素ならびに酵素である。2次元電気泳動ならびにLC/MS/MSなどを用いて分泌蛋白の網羅的プロテオーム解析を行い、まず基本的な2次元マップを作成した。さらに発現調節に関与すると予想される遺伝子をゲノムデータベースから見いだし、ノックアウト株を作成した。それらを用いて各種環境条件下での分泌蛋白の産生に与える影響を調べた。また多数の黄色ブドウ球菌野生株について、23種の毒素遺伝子ならびに各種分泌酵素の分子疫学解析を行った。同時に主要な株について分泌蛋白のプロテオーム解析を行い、産生量の違いを見いだした。 特にTSST-1の産生が新生児毒素ショック発疹症株において高かった。TSST-1の産生はグルコース存在によって抑制され、カタボライト・リプレッションの関与が見いだされた。agr調節遺伝子領域には違いが見られなかった。 A群レンサ球菌Sic蛋白について調節遺伝子mgaをノックアウトすると、産生量が大幅に低下したので、Sicはmgaによって調節されることを見いだした。他の数種の分泌蛋白もmgaによって調節されていた。 黄色ブドウ球菌ならびにA群レンサ球菌の菌体外分泌蛋白の発現には、それぞれの細菌が持つ分泌構が関わっている。黄色ブドウ球菌のゲノムに大腸菌TAT分泌機構と類似の遺伝子が見いだされたので、tat類似遺伝子をノックアウトしたところ、菌株によって数種類の毒素遺伝子の産生量が変化した。したがってTATは黄色ブドウ球菌の毒素蛋白産生量に関与していた。tat類似遺伝子はS.intermediusには存在するが他の病原性の低いブドウ球菌属には存在しなかった。 A群レンサ球菌Secシステムはほとんどの菌体外分泌蛋白に関与していると考えられる。ゲノム配列から4種のシグナルペプチダーゼ(SP)様遺伝子を見いだし、それぞれのノックアウト株を作成した。その結果それぞれのSPは働き、関与する分泌蛋白が異なることを見いだした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2002年 
    代表者 : 太田 美智男; 飯沼 由嗣; 鳥居 啓三; 長谷川 忠男; 山篠 貴史
     
    黄色ブドウ球菌(MRSA)、A群レンサ球菌感染症など細菌感染症について、個々の菌株による病原性ならびに耐性などが異なるために、それぞれの株を区別する必要がある。それによって院内感染対策や病原因子の解析に役立てるだけではなく、特定の病原性株が蔓延していることも検出できる。従来の疫学的手法としてDNA型等が用いられていたが、菌体外分泌蛋白の解析は直接病原因子の解析に結びつく利点がある。今回の研究によって我々は菌体外蛋白の2次元電気泳動(2-DE)によるパターンが十分な多様性を示し、疫学的に用いることができることを見いだした.さらに培養条件ならびに蛋白抽出、電気泳動条件を検討し、極めて再現性の良い結果が得られることを確認した。具体的な結果としては、(1)最適条件として、培養はLBあるいはBHI液体培地で振とう培養後早期定常期菌液から菌体外蛋白をTCAを用いて抽出し、速やかに2次元電気泳動を行う.(2)MRSAならびにA群レンサ球菌の菌体外分泌蛋白の2-D解析を行い、菌株によるパターンの多様性を確認した。(3)MRSAならびにA群レンサ球菌の主要な菌体外蛋白の2-DEスポットのN末アミノ酸配列解析を行い、それぞれ約100個ならびに20個の蛋白をゲノムデータベースから同定した。(4)MRSAにおいて各コアグラーゼ型に特徴的なスポットパターンが見いだされた。同一のコアグラーゼ型の株間では特にスーパー抗原の分泌に差異が見られた。(5)A群レンサ球菌では各M抗原型とスポットパターンに相関が見られた。(6)MRSAの新生児毒素ショック症候群様発疹症株ならびに熱傷様皮膚剥離症候群の株はそれぞれ特有の毒素分泌パターンを示した。(7)さらに多くの株の菌体外分泌蛋白の2-DEスポットパターンについてデータを蓄積した。今後はこのデータベースを基にして本方法の普及に務める。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2000年 
    代表者 : 太田 美智男; 山篠 貴史; 長谷川 忠男; 堀井 俊伸
     
    劇症型A群レンサ球菌感染症(TSLS)は死亡率約40%でしかも慢性腎不全などの後遺症を残す。日本で毎年50例程度発症しているが病原因子が不明であるために予防や治療を十分に行うことができない。我々は動物肺モデルを用いてTSLS患者由来株の培養上清からARDSを引き起こす蛋白を見いだし精製した。N末端アミノ酸解析によってこの蛋白はDnase活性ならびにスーパー抗原活性を有するSpeFであることが明らかとなった。TSLS発症株はすべてこの蛋白を産生しているが、咽頭分離株では産生しない株も見られた。さらに、他の病原因子産生の状況を明らかにするために、TSLS由来株について全菌体外分泌蛋白を抽出し2次元電気泳動によって詳細に解析した。それぞれのM型に属する菌株は似た2次元パターンを示し、M型の異なる菌は互いに異なるパターンを示した。2次元電気泳動で分離した主要な各スポットのN末端アミノ酸配列を決定し、SpeB,SpeFなど多くの蛋白を同定した。また多くの未発表の病原性と関連すると考えられる分泌蛋白を同定した。現在そのなかの4種の蛋白について遺伝子クローニング、蛋白の発現系を確立した。その結果これらは未報告のDnaseであることが明らかとなった。SpeFはM1,M3のTSLS株において比較的強いスポットを示し、しかも等電点の異なる複数のスポットとして検出された。この複数スポットについて現在解析中である。

担当経験のある科目

  • 細菌学名古屋市立大学、名古屋大学

社会貢献活動

  • 論文査読
    期間 : 2006年10月 - 現在
    役割 : その他
    主催者・発行元 : その他
     ― 学術雑誌投稿論文の査読
  • 愛知県衛生研究所運営委員会委員
    期間 : 2006年08月 - 現在
    役割 : 助言・指導
    種別 : その他
    主催者・発行元 : 行政
     愛知県衛生研究所 愛知県衛生研究所運営委員会への出席
  • 名古屋市衛生研究所調査研究協議会委員
    期間 : 2006年08月 - 2018年08月
    役割 : 助言・指導
    主催者・発行元 : 行政
     名古屋市衛生研究所 調査研究事項の審議
  • 名古屋市立大学 医・薬・看連携研究事業にて講演会を実施
    期間 : 2011年08月 - 2013年03月
    役割 : 企画
    主催者・発行元 : 名古屋市立大学
     名古屋市立大学 介護施設従事者を対象に講演会等の実施

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