令和4年度国際誌に投稿した「Staff Support for Family Relationship and Life Story Work for Children at Residential Care Facilities for Children with Disabilities in Japan(日本の障害児入所施設における家族関係及びライフストーリーワークの支援)」が国際誌に採択された。また今年度は、「ライフストーリーワーク」を含む入所施設支援のアウトカムともいえる退所後の子ども達の様相から支援課題を見出すことを目的に、障害児入所施設に勤務する職員を対象としたインタビューデータを分析した。その結果、入所中の身体障害に対する治療やケアに加え、幼少期の有害体験の影響に対する専門的な治療やケアの重要性と、退所後も子どもたちが信頼できる身近な支援者から継続的に支援を受けられるように現行の支援システムを見直す必要性が示唆された。これらの結果は学会発表、学術誌に投稿した。
また今年度は、全国の障害児入所施設を対象とした「ライフストーリーワーク」の実態を明らかにするための質問紙を実施した。質問紙は、全国の児童養護施設を対象に調査を行った先行研究の調査内容を活用し、障害児入所施設での実践に該当する内容に調整して作成した。
調査の対象は、当初予定していた医療型障害児入所施設、福祉型障害児入所施設に加え、重症心身障害児が入所する指定発達支援医療機関である国立病院機構、児童心理治療施設を含めた510施設の職員とした。510施設の施設長に対して研究協力依頼を文書で送付し、94施設から研究協力に同意が得られた。94施設の職員1,319人に質問紙を送付し、646人から回答を得た。現在データ分析を行っているところである。分析結果は速やかに、学会発表及び学術誌への投稿を行う。