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鈴木 善幸 (スズキ ヨシユキ)

  • 理学研究科生命情報系 教授
メールアドレス: yossuzuknsc.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2025/04/29

研究者情報

学位

  • 博士(医学)(秋田大学)
  • 博士(理学)(総合研究大学院大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 病気   ウイルス   分子進化   

研究分野

  • ライフサイエンス / ウイルス学

経歴

  • 2010年10月 - 現在  名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科教授
  • 2002年03月 - 2010年09月  国立遺伝学研究所生命情報・DDBJ研究センター助教
  • 1999年04月 - 2002年02月  日本学術振興会特別研究員(PD)
  • ペンシルバニア州立大学客員研究員
  • 総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻助教(併任)
  • ペンシルバニア州立大学研究員

学歴

  • 1995年04月 - 1999年03月   秋田大学大学院医学研究科
  • 1989年04月 - 1995年03月   秋田大学医学部医学科

所属学協会

  • 分子生物進化学会   日本分子生物学会   日本進化学会   日本ウイルス学会   日本遺伝学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 突然変異主導進化論
    根井 正利; 鈴木 善幸; 野澤 昌文 (担当:共訳範囲:)丸善出版 2019年04月
  • 生命情報学キーノート
    池尾 一穂; 鈴木 善幸; 五條堀 孝 (担当:共訳範囲:)シュプリンガー・フェアラーク東京 2003年12月

MISC

受賞

  • 2006年 日本遺伝学会奨励賞
  • 2006年 日本進化学会研究奨励賞

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2023年03月 
    代表者 : 鈴木 善幸
     
    本研究は、分子進化学的・生命情報学的手法をもちいて、高分節型RNAウイルスであるオルソミクソウイルス科、レオウイルス科に属するウイルスの各ゲノム分節に存在するパッケージング・シグナルを同定することを目的としている。2021年度には、オルソミクソウイルス科、レオウイルス科においてパッケージング・シグナルの検出に適したウイルス種対を新たに選定することを目的とした。その条件は、遺伝子再集合体を産生せず、近縁で、すべてのゲノム分節の塩基配列情報が利用可能なことである。レオウイルス科で、上記の条件を満たすウイルス種対として、哺乳類ロタウイルスとトリロタウイルスが考えられた。哺乳類ロタウイルスもトリロタウイルスも、ゲノムは11本の二本鎖RNAからなる。ゲノム分節は長い方から1番~11番と番号がふられており、それぞれ、構造タンパク質VP1-VP4、VP6、VP7、非構造タンパク質NSP1-NSP4、NSP5/6をコードしている。国際塩基配列データベースに登録されている塩基配列データを調査することにより、11本のゲノム分節のすべてについて全長にわたって塩基配列が決定されているウイルス株は、哺乳類ロタウイルスでは241株、トリロタウイルスでは12株あることが分かった。これらの塩基配列を抽出し、11本のゲノム分節のそれぞれについて、合計253本の塩基配列をMAFFTにより多重整列し、MEGAをもちいて系統樹を作成した。ゲノム分節間で作成された系統樹の樹形を比較したところ、すべてのゲノム分節において、哺乳類ロタウイルスとトリロタウイルスはきれいに独立したクラスターを形成することが分かった。また、哺乳類ロタウイルスのクラスター内、トリロタウイルスのクラスター内では、ゲノム分節間で樹形が異なっている場合があることから、遺伝子再集合の痕跡が種内では検出されるが種間では検出されないことが検証された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 鈴木 善幸
     
    本研究課題においては、蛋白質の進化の過程で断続的に働いた自然選択を検出できる方法のアルゴリズム開発、ならびに実際の配列解析への応用としてH3N2亜型ヒトインフルエンザウイルスのヘマグルチニン蛋白質におけるN-結合型糖鎖付加部位数の変化に働いた自然選択の検出を行った。その結果、H3N2亜型ヒトインフルエンザウイルスはヘマグルチニン蛋白質にN-結合型糖鎖を付加することにより免疫から逃避し続けていることが示唆された。本研究課題で開発された方法は生物の進化機構の解明に広く応用することができ、またインフルエンザウイルスについて得られた結果は治療法や予防法を考える上で重要な知見と考えられる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年04月 -2014年03月 
    代表者 : 溝上 雅史; 杉山 真也; 村田 一素; 鈴木 善幸; 伊藤 清顕
     
    IL28B遺伝子の転写蛋白インターフェロンλ3 (IFN-λ3)の測定法を新規開発し、患者末梢血単核球をex vivo刺激で得られた上清や血清のIFN-λ3が良好なPeg-IFN/RBV併用療法効果予測が可能で本法の臨床的有用性を証明した。また、BDCA3陽性樹状細胞はC型肝炎ウイルスを認識し、toll-like receptor 3を介してIFN-λ3を産生することを示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 鈴木 善幸
     
    蛋白質をコードする塩基配列の解析において、同義置換速度と非同義置換速度を比較することによってアミノ酸配列レベルに働く自然選択圧を検出する新しい方法として系統樹ウインドウ解析法を考案し、さらにCpGジヌクレオチドにおける高突然変異率も考慮できるようにした。また、自然選択圧の検出においてはアミノ酸配列の多重整列をコドンに変換することは推奨されないことを提唱した。インフルエンザウイルスについては熱帯地域においてつねに抗原性を変化させて宿主の免疫から逃避し続けていることを明らかにし、新しい遺伝子再集合検出法を開発した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2009年 
    代表者 : 五條堀 孝; 池尾 一穂; 鈴木 善幸; 遠藤 俊徳; 峯田 克彦; 小倉 淳; 菅原 秀明
     
    脳・神経系に関与する疾患の疾患情報モデルの構築をおこなうプラットフォームとしての3次元脳データベースを、ヒト、マウス、およびホヤについて構築した。マウスについては、米国におけるポール・アレン脳研究所の3次元マウス脳データベースのミラーサイトの開設に成功し、ヒトとの比較研究を行った。とくに、アルツハイマー症について、関連するタンパク質のネットワークを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 鈴木 善幸
     
    ワクチンの有効性の高い狂犬病ウイルスの外被糖蛋白質遺伝子を解析し、中和抗原領域に正の自然選択が働いておらず、おもに負の自然選択が働いていることを明らかにしてきており、このことがワクチンの有効性が高い理由と考えられる。 蛋白質の特定のアミノ酸座位において、アミノ酸の性質を変える置換(非保存的置換)と、アミノ酸の性質を変えない置換(保存的置換)に働いている自然選択圧を区別して検出できる方法として、多くの相同な配列について系統樹を作成し、特定のコドン座位において、系統樹全体で起こった非保存的置換数と保存的置換数を推定し、それらの速度を同義置換速度と比較する方法を開発してきている。コンピューター・シミュレーションにより、この方法では非保存的置換と保存的置換に働いている自然選択圧を独立に検出できること、解析に用いられる系統樹の樹形は相当間違えていても信頼性の高い結果が得られること、さらに、コドン配列の解析においては終止コドン座位を考慮するべきであることなどが明らかになってきた。また、この方法を用いてヒト白血球抗原遺伝子を解析したところ、非保存的置換にも保存的置換にも正の自然選択が働いていること、あるコドン座位において非保存的置換速度が保存的置換速度よりも大きい場合には、必ずしも非保存的置換に正の自然選択が働いているとは限らず、保存的置換に負の自然選択が働いている場合があることなどが明らかになってきた。 ダニ媒介性脳炎ウイルスの塩基配列を国際塩基配列データベースより抽出し、系統解析を行うことによって、このウイルスは日本とロシアの間で最低3回伝播が起こったことが明らかになった。また、伝播の年代は約数百年前と推定され、渡り鳥がウイルスを伝播した可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2005年 
    代表者 : 池尾 一穂; 鈴木 善幸
     
    本研究ではHuman Full-length cDNA Annotation Invitational (H-invitational) databaseとHuman Anatomic Gene Expression Library (H-ANGEL)というヒト全長cDNA統合データベース並びその遺伝子発現データより神経系特異的遺伝子を定義し、255個の神経系特異的遺伝子を同定した。現在利用可能な13種の真核生物の完全ゲノム情報と系統関係を用いてこれら255個の神経系特異的遺伝子の進化的出現時期を推定した結果、255個のうち35個(14%)の神経系特異的遺伝子がヒトと酵母が分岐する以前に出現していたことを見出した。これらは神経系を持たない祖先種において、ヒト神経系特異的遺伝子の祖先型が既に14%も存在し、神経系の進化とともに機能や発現パターンを変化させて神経系特異的遺伝子になったことを示唆する。残り86%の神経系特異的遺伝子は、ヒトと酵母の分岐後、神経系の形成や複雑化とともに出現しており、新しい遺伝子の出現により神経系が進化してきたことが示唆された。特に脊索動物から脊椎動物への進化的段階においては61個の遺伝子が出現しており、実に本研究で調べた全体の24%にあたる神経系特異的遺伝子がこの時期に出現していたことになる。H-invitational databaseの約2万遺伝子のうち同時期に出現したのは全体の10%であり、この24%という割合は有意に高いことを見出した。このことは、この高い割合がこの時期に起きたと考えられているゲノムの四倍化のせいではなく、脊索動物から脊椎動物へと進化するこの時期に、特に多くの神経系特異的遺伝子の出現が必要だったことを示唆するものである。またこの61遺伝子のうち20%がタンパク結合に関わる機能を持っていた。これは、新しい遺伝子の出現により新しい分子間の相互作用が形成され、神経系が進化してきた可能性を示唆する。また、ヒトでのみ存在する神経系特異的遺伝子は39個あったが、その内機能のわかっているものは12個しかなかった。

委員歴

  • 2017年01月 - 現在   日本遺伝学会   評議員

担当経験のある科目

  • 進化遺伝システム学名古屋市立大学
  • 進化学名古屋市立大学
  • 生命情報学名古屋市立大学
  • 統計学名古屋市立大学

社会貢献活動

  • ウイルスの不思議-ウイルスの不思議-
    期間 : 2019年12月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 岩倉市生涯学習講座
  • ウイルスの不思議-ウイルスの進化メカニズム-
    期間 : 2019年11月
    役割 : 講師
    種別 : 講演会
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 岩倉市生涯学習講座
  • ウイルスの不思議-ウイルスの正体-
    期間 : 2019年10月
    役割 : 講師
    種別 : 講演会
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 岩倉市生涯学習講座
  • ウイルスのふしぎ
    期間 : 2018年12月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 第138回サイエンスカフェイン名古屋
  • 進化は予測できるか?
    期間 : 2018年09月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 中日文化センター開催講座「階層で分けて見る生命の不思議-ウイルスから生態まで-」
  • ウイルスのふしぎ
    期間 : 2018年05月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 中日文化センター開催講座「階層で分けて見る生命の不思議-ウイルスから生態まで-」
  • ウイルスのふしぎ
    期間 : 2017年09月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 名古屋市立大学×名古屋市科学館サイエンスパートナーシップ締結記念イベント「ようこそ生命科学の世界へ」
  • ウイルスと宿主の進化的関係
    期間 : 2016年11月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 名古屋市立大学×名古屋市科学館サイエンスパートナーシップ締結記念イベント「魅力あふれる生命科学の世界」
  • DNA、遺伝、進化に親しむ
    期間 : 2014年07月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 第26回愛知サマーセミナー
  • ウイルス研究の最近の話題
    期間 : 2014年06月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 中日文化センター開催講座「身近にある危険を科学する~知る、そして備える~」
  • ウイルス研究の最近の話題. ウイルスを知る~インフルエンザウイルスから内在性ウイルスまで~
    期間 : 2013年10月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 名古屋市立大学平成25年度市民公開講座
  • インフルエンザウイルス研究の最近の話題
    期間 : 2013年03月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 第74回サイエンスカフェイン名古屋
  • 生き物としてのウイルス~インフルエンザから口蹄疫まで~
    期間 : 2011年08月
    役割 : 講師
    イベント・番組・新聞雑誌名 : 第57回サイエンスカフェイン名古屋

その他

  • 2001年 - 2001年  ADAPTSITE 
    software

その他のリンク

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