研究者データベース

山城 貴弘 (ヤマシロ タカヒロ)

  • 薬学研究科薬物動態制御学分野 講師
Last Updated :2025/05/16

研究者情報

学位

  • 博士(薬科学)

J-Global ID

研究キーワード

  • トランスポーター   薬物動態   

研究分野

  • ライフサイエンス / 医療薬学

経歴

  • 2024年10月 - 現在  名古屋市立大学大学院薬学研究科講師
  • 2018年04月 - 2024年09月  名古屋市立大学大学院薬学研究科助教
  • 2022年11月 - 2023年10月  カリフォルニア大学アーバイン校医学部Visiting Scholar

学歴

  • 2015年04月 - 2018年03月   名古屋市立大学   大学院薬学研究科   博士後期課程
  • 2013年04月 - 2015年03月   名古屋市立大学   大学院薬学研究科   博士前期課程
  • 2009年04月 - 2013年03月   名古屋市立大学   薬学部   生命薬科学科

所属学協会

  • 日本薬学会   日本薬剤学会   日本薬物動態学会   

研究活動情報

論文

MISC

受賞

  • 2023年03月 日本薬学会 長井記念若手薬学研究者賞
     
    受賞者: 山城貴弘
  • 2017年12月 APSTJ Global Education Seminar 2017-3rd, Global Education Seminar Presentation Award 2017
     
    受賞者: 山城貴弘
  • 2017年09月 21st North American ISSX Meeting, Best Presentation Award Third Place
     
    受賞者: 山城貴弘

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 湯浅 博昭; 保嶋 智也; 山城 貴弘
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 山城 貴弘; 湯浅博昭; 保嶋智也
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 山城 貴弘
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 湯浅 博昭; 保嶋 智也; 山城 貴弘
     
    細胞膜で働く新規ポリアミントランスポーターとして見出されたpolyamine transporter 1 (PAMT1)の分子機能解析において、一過性発現系COS-7細胞でのヒトPAMT1によるspermidine輸送に対する生体内因性ポリアミン類(spermine、putrescine、agmatine、cadaverine)の特異的阻害効果がみられ、それらがPAMT1の基質となっている可能性が示唆された。一方、カチオン性生理活性物質群(histamine、thiamine等)、カチオン性薬物群(cimetidine、diphenhydramine等)は阻害効果を示さず、PAMT1に対する親和性はないとみられた。以上の結果は、PAMT1がポリアミン類に対する特異性の高いトランスポーターであり、その細胞内取込の制御において生理的に重要な役割を有している可能性を示唆するものである。 また、LNCaP細胞(前立腺モデル細胞)において、ポリアミン取込誘導効果が知られているアンドロゲン類(testosterone、dihydrotestosterone)の影響を検討した結果、何れについても、PAMT1のmRNA発現及びspermidine取込を上昇させる傾向が認められた。引き続いての検証を要するが、PAMT1のポリアミントランスポーターとしての生理的役割を示唆する知見である。 他のポリアミントランスポーター等の探索にも平行して取組んだ。ポリアミントランスポーターを見出すことはできなかったが、腎尿細管上皮細胞で働くアニオントランスポーターとして知られるorganic anion transporter 10(OAT10)が核酸代謝等に関わる生理活性物質であるorotateに対する輸送活性を持つことが新たに見出され、その再吸収に関与している可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 保嶋 智也; 湯浅 博昭; 山城 貴弘
     
    生体における尿酸結晶の可溶化機構がリソソームに存在するとの観点から申請者らが同定した新規トランスポーターlysosomal urate efflux transporter 1(LUET1)の詳細な機能解析を行った。解析には、前年度に確立した細胞膜局在型LUET1(LUET1-LLAA)を利用した簡易評価系を採用した。 まず、LUET1を介した尿酸輸送は顕著な飽和性を示し、Michaelis-Menten式にあてはめ計算を行ったところ親和性を示すKmは0.98 mMと算出された。この値は、尿酸の溶解度に近いことから、リソソーム内に取り込まれた尿酸結晶を効率的に可溶化させるには、有利な機能的性質であると考えられる。また、既知の尿酸トランスポーターやアニオントランスポーターの典型的な阻害剤(benzbromarone、probenecid、DIDS、PAHなど)は、LUET1の尿酸輸送に対して臨床上問題となるような強い阻害効果は認められなかった。 さらに、LUET1の一塩基多型は、難病を含めた様々な疾患を誘発することが報告されている。そこで、現在までに疾患の発症と関連していると報告されている19個の一塩基多型を導入したLUET1を作製し、尿酸の輸送活性を検討した。その結果、すべての一塩基多型で有意な尿酸輸送活性の低下が見られ、そのうちの17個については、ほぼ尿酸輸送活性を消失していた。LUET1の一塩基多型に起因した疾患の発症と血中尿酸レベルの因果関係については現在までに不明であることから、そのメカニズムの解明は、今後の重要な検討課題である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究
    研究期間 : 2021年04月 -2023年03月 
    代表者 : 山城 貴弘
     
    本研究は、チアミン(ビタミンB1)トランスポーターとして知られるSLC19A3について、新たに見出されたピリドキシン(ビタミンB6)輸送機能の動物種差(ヒトSLC19A3は輸送機能を有し、マウスSlc19a3は輸送機能を持たない)に着目し、基質依存的な輸送機能の分子機構の解明を目指すと共に、SLC19A3の遺伝子変異に起因する疾患とピリドキシンとの関連性を探るものである。 トランスポーターの基質認識において重要な役割を果たす膜貫通領域(TMD)に焦点を当て、ヒトSLC19A3とマウスSlc19a3の部分アミノ酸配列を組み合わせたキメラ体を作製し、HEK293細胞に一過性に発現させてピリドキシン輸送機能を評価した。その結果、ヒトSLC19A3の3,4,6番目のTMDが、ピリドキシン輸送機能に関わることが明らかとなった。この結果は、3,4,6番目のTMD内のヒトSLC19A3特異的アミノ酸残基が、ピリドキシン輸送機能に関与し、そのアミノ酸残基の差異が動物種差の要因となっていることを示唆するものである。 SLC19A3の遺伝子変異は重度の脳神経変性疾患であるBTBGD(biotin-thiamine-responsive basal ganglia disease)やLeigh脳症の原因となることが報告されている。そこで、報告されているSLC19A3の遺伝子変異体を作製し、HEK293細胞に一過性に発現系させてピリドキシン輸送機能を評価した。その結果、13種の変異体において野生型に比べてピリドキシンの輸送活性の低下がみられた。この結果は、BTBGDやLeigh脳症の病態にピリドキシンが関与している可能性を示唆するものである。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究
    研究期間 : 2019年04月 -2021年03月 
    代表者 : 山城 貴弘
     
    ピリドキシン(ビタミンB6)は水溶性ビタミンの一つであり、その欠乏は様々な疾患につながる。その供給は食物からの摂取に依存しているため、腸管からの十分な吸収の確保ないし吸収不足に起因する欠乏症の回避等の観点から、その吸収機構を把握することは重要である。しかし、ピリドキシンの効率的な腸管吸収のために働くトランスポーターの存在が推定されながらも、その分子実体は未だに不明であり、吸収機構の把握には至っていない。申請者は、この問題への取り組みに着手し、ピリドキシン輸送活性を有するトランスポーター(pyridoxine transporter, PDXT)を見出すことに成功した。 PDXT安定発現系MDCKII細胞での検討により、PDXTを介したピリドキシン輸送はNa+非要求性及びpH感受性(酸性pHでの輸送活性の増大)を示すことが明らかとなった。また、ピリドキシンと共にビタミンB6に属するピリドキサール及びピリドキサミンについて、PDXTのピリドキシン輸送に対する阻害効果を検討したところ、競合阻害の様式を示した。したがって、ピリドキサール及びピリドキサミンに関してもPDXTの基質となる可能性が示唆された。Caco-2細胞(ヒト小腸上皮細胞モデル)においても安定発現系と同様の輸送解析を行ったところ、同等の輸送特性が確認された。さらに、PDXT特異的RNAiによる遺伝子発現抑制の影響を検討したところ、PDXTの発現抑制によりピリドキシン取込は有意に低下した。これらのことから、PDXTはピリドキシンの腸管吸収に関与している可能性が示唆された。 一方で、ラット小腸組織を用いた検討では、PDXT関与による輸送の特徴を確認するには至らず、ヒトとラットでの種差が示唆された。この点に関しては、引き続き検討を行っているところである。

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