研究者データベース

浅井 清文 (アサイ キヨフミ)

  • 理事長・副理事長等 副理事長・学長
Last Updated :2024/04/24

研究者情報

学位

  • 医学博士(名古屋市立大学)

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J-Global ID

研究分野

  • ライフサイエンス / 胎児医学、小児成育学
  • ライフサイエンス / 神経科学一般

経歴

  • 1998年 - 2001年  名古屋市立大学医学部
  • 1998年 - 2001年  Nagoya
  • 2001年  - 名古屋市立大学医学部
  • 2001年  - Nagoya
  • 1989年 - 1998年  名古屋市立大学医学部
  • 1989年 - 1998年  Nagoya

学歴

  •         - 1989年   名古屋市立大学   医学研究科   小児科学
  •         - 1989年   名古屋市立大学   Graduate School, Division of Medicine
  •         - 1984年   名古屋市立大学   医学部   医学科
  •         - 1984年   名古屋市立大学   Faculty of Medicine

所属学協会

  • 日本神経科学学会   The International Society for Developmental Neuroscience   The Society for Study of Inborn Errors of Matebolism   日本先天代謝異常学会   日本小児科学会   日本神経化学会   日本癌学会   日本生化学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • Alterations in the expression of the AQP family in cultured rat astrocytes during hypoxia and reoxygenation
    Brain Res Mol Brain Res 2001年
  • Expression of glia maturation factor during retinal development in the rat
    Brain Res Mol Brain Res 2001年
  • Recurrent subthreshold electrical activities of rat neocortical neurons progress during long-term culture
    Neurosci Lett 2001年
  • Isolation and characterization of a new immortal rat astrocyte with a high expression of NGF mRNA
    Neurosci Res 2001年
  • Acid stimulates E-cadherin surface expression on gastric epithelial cells to stabilize barrier functions via influx of calcium
    Eur J Gastroenterol Hepatol 2001年
  • Interleukin-1beta induces the expression of lipocortin 1 mRNA in cultured rat cortical astrocytes
    Neurosci Res 2001年
  • Biosynthetic response of cultured articular chondrocytes to mechanical vibration
    Res Exp Med(Berl) 2001年
  • Effects of mechanical vibration on DNA and proteoglycan synthesis in cultured artcular chondrocytes.
    Mod Pheumatol 2001年
  • Alpha-fetoprotein producing gastric cancer lacks transcription factor ATBF1
    Oncogene 2001年
  • A metabotropic glutamate receptor antagonist, alpha-methyl-4-carboxyphenylglycine, attenuates immediate early gene mRNA expression following traumatic injury in cultured rat cortical glial cells
    Neurosci Lett 2001年
  • Cyclic ADP-ribose as a potential second messenger for neuronal Ca(2+)signaling
    J Neurochem 2001年
  • Regulation of rat hippocampal neural cadherin in the kainic acid induced seizures
    Neurosci Lett 2001年
  • Human neuroblastomas with unfavorable biologies express high levels of brain-derived neurotrophic factor mRNA and a variety of its variants
    Cancer Lett 2001年
  • Regulation of aquaporin-4 expression in astrocytes
    Brain Res Mol Brain Res 2001年
  • Calcium oxalate crystal attachment to cultured rat kidney epithelial cell
    nrk-52e, Urol Int 2001年
  • Differential regulation of aquaporin expression in astrocytes
    Brain Res Mol Brain Res 2001年
  • Synovial inflammation and hyperplasia induced by gliostatin/platelet-derived endothelial cell growth factor in rabbit knees
    Rheumatol Int 2000年
  • Cloning of a rat glia maturation factor-gamma(rGMFG)cDNA and expression of its mRNA and protein in rat organs
    J Biochem(Tokyo) 2000年
  • AT motif binding factor 1-A(ATBF1-A)negatively regulates transcription of the aminopeptidase N gene in the crypt-villus axis of small intestine
    Biochem Biophys Res Commun 2000年
  • p27Kip1 expression by contact inhibition as a prognostic index of human glioma
    J Neurochem 2000年
  • Abnormal glycosylation of IgG as a clinical parameter in patients with rheumatoid arthritis : Its constitutional analysis by HPLC
    J Clin Biocehm Nutr 1998年
  • Gliostatin/platelet-derived endothelial cell growth factor as a clinical marker of rheumatoid arthritis and its regulation in fibroblast-like synoviocytes
    Br J Rheumatol 1997年
  • Glucocorticoid induced the expression of mRNA and the secretion of lipocortin 1 in rat astrocytoma cells
    Brain Res 1997年
  • Evidence for participation of gliostatin/platelet-derived endothelial cell growth factor in gastric ulcer healing
    Life Sci 1997年
  • Specific detection of kappa light chain in uric acid stones
    Life Sci 1997年
  • Tissue distribution of human gliostatin/platelet-derived endothelial cell growth factor(PD-ECGF)and its drug-induced expression
    Biochim Biophys Acta 1996年
  • Astrocytic contributions to blood-brain barrier(BBB)formation by endothelial cells : a possible use of aortic endothelial cell for in vitro BBB model, Neurochem Int
    Neurochem Int 1996年
  • Heat shock-mediated cell cycle arrest is accompanied by induction of p21 CKI
    Biochem Biophys Res Commun 1996年
  • Aberrant production of gliostatin/platelet-derived endothelial cell growth factor in rheumatoid synovium
    Arthritis Rheum 1994年
  • Growth-promoting action of adenosine-containing dinucleotide on neuroblastoma cells : detection of adenosine-cytidine dinucleotide (ApCp) in neurofibroma (NF1) extracts.
    J Neurochem 1993年

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 永谷 祐子; 浅井 清文; 川口 洋平; 野崎 正浩
     
    本研究の目的は、既存の治療薬に対して不応性のRA患者へグリオスタチンを標的とした新たな治療薬を開発することである。これまでの臨床研究にてTNF阻害 薬、IL-6阻害剤、Janus kinase (JAK) 阻害剤治療中患者の血清中グリオスタチン濃度の推移を観察すると、これら既存の治療薬 に対して寛解導入できた症例で は血清中グリオスタチン濃度が、低下したが、不応性の患者では血清中グリオスタチン濃度は高濃度で推移することがわかっている。またRAにおいては血清のグ リオスタチンは滑膜にて産生される。RA関節液中のグリオスタチン濃度は変形性膝関節症患者の数十倍から数百倍におよびこのグリオスタチンを制御するには抗体療法ではなくシグナル伝達阻害が効率的であると考え、グリオスタチンを標的とした治療法の開発を試みる。 申請者らはグリオスタチンプロモーターを組み込んだvectorを作製し、 線維芽細胞様滑膜細胞 (FLSs) に導入しグリオスタチン プロモーター活性を測定した。 グリオスタチンプロモーターにはSp1結合部位が7か所あり、Sp1阻害剤であるmithramycin (MIT) にてプロモーター活性が抑制されることを確認した。またグリオスタチンプロモーターにはSTAT1の結合部位であるISRE、 GASがあり、同部位を標的にした活性抑制可能な因子の探索を試みた。グリオスタチンはinterferon gamma刺激にても誘導されたことからISRE、 GASは治療標的となりうることが示唆された。今回はさらにグリオスタチンの発現がSTATのリン酸化がどのように関連しているのかを明らかにする。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2023年03月 
    代表者 : 岡本 秀貴; 川口 洋平; 永谷 祐子; 浅井 清文
     
    4週令Wistarラットの手指および足趾から爪母を採取して37℃,10分のcollagenase処理を行った。その爪母を37℃、CO2:10%で処理して爪母間様細胞を単離培養することに成功した。3継代目の爪母間様細胞をmitomycin C処理してfeeder layerとした。そこに4週令Wistarラットの手指および足趾から採取した爪母を蒔いて培養した。こうして爪母上皮細胞を単離培養することに成功した。爪母上皮細胞を抗ハードケラチン抗体(Keratin 17/19 (D4G2) XP Rabbit mAb)を用いて免疫染色を行ったところ抗ハードケラチン抗体陽性で爪母上皮細胞であることが証明された。 これらの細胞を用いてgroup 1は3系代目の爪母間様細胞をコラーゲンゲルに混ぜて培養して、そのコラーゲンゲルの上面に爪母上皮細胞を蒔いた群。group 2はコラーゲンゲル内と上面に爪母間様細胞のみを蒔いた群、group 3はコラーゲンゲルのみの群とした。group 4はポリカプロラクトン(PCL)で作製されたスキャフォードに爪母間様細胞を蒔いた群、group 5はPCLで作製されたスキャフォードに爪母上皮細胞を蒔いた群、group 6はPCLのみの群とした。これらを5日間培養した後でWistarラット背部皮下に移植した。3週間後に移植組織を摘出して抗ハードケラチン抗体(Keratin 17/19 (D4G2) XP Rabbit mAb)を用いて免疫染色を行った。 group 1、2ではケラチンを産生し抗ハードケラチン抗体陽性であった。しかし、産生されたハードケラチンは層構造を成すものの、各層間には間隙があって剥がれそうな構造を呈していた。group 4、5では何らかの産生物はあったが抗ハードケラチン抗体陰性であった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 藤田 義人; 浅井 清文
     
    アクアポリン(AQP)Knockdownとover-expression細胞株の確立と並行してブピバカインのT型カルシウムチャネル阻害による神経細胞死誘導の実験を行なった。また低酸素プレコンディショニングの条件確立を試みた。 低酸素負荷後に細胞が増える傾向を低酸素化がより厳密であるチャンバーを購入して再度検討した。現在の条件(1%低酸素負荷)では細胞数は増加を確認した。この状態が低酸素によるプレコンディショニングの状態が原因なのか検討中したが、おそらく低酸素に加え低血糖の状態を付加して虚血モデルでも確認できており、プレコンディショニングモデルを確立できたと考えている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2021年03月 
    代表者 : 浅井 清文; 藤田 政隆; 加藤 晋
     
    Aquaporin-4 (AQP4) の細胞内局在をリアルタイムで観察するために、蛍光タンパクとの融合タンパクを遺伝子導入により発現させた。pHluorinとmKateの両者を含む発現ベクターをC6細胞及びACT57細胞に遺伝子導入し、両者の蛍光が観察された。pHluorinのpH感受性と原形質膜上の発現を確認するため、培養液のpHを7.4からpH6.0に変化させたところ、pHluorinの蛍光が消退し、これにより原形質膜上に遺伝子導入したAQP4が発現している可能性が示唆され、構築したベクターが機能し、今後の研究に活用できるものと考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 永谷 祐子; 浅井 清文; 野崎 正浩
     
    関節リウマチ(RA)治療は寛解をめざす時代になった。しかし炎症が鎮静化されたにも関わらず局所の滑膜炎の持続がみられる患者が存在する。申請者らは、RAの発症にグリオスタチンが密接に関与していることを報告している。 変形性膝関節症(OA)、RAの局所治療法のひとつに高分子ヒアルロン酸 (HMW-HA)の関節内注射が広く行なわれているが、滑膜細胞への作用機序はいまだ明らかでない。本研究では培養滑膜細胞を用いて、 HMW-HAがグリオスタチンあるいは血管内皮細胞増殖因子などの血管新生因子を制御する機序を明らかにし、滑膜炎や関節破壊を防止する効果的かつ安全なHMW-HAによる局所治療方法の意義を見出した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 小林 正明; 浅井 清文; 永谷 祐子
     
    我々は、関節リウマチの病態形成にグリオスタチンが密接に関与していることを初めて見いだした。グリオスタチンのシグナルカスケード制御を関節リウマチ治療へ応用することを最終目標としている。 本研究ではグリオスタチンのシグナルカスケード制御因子の探索を行った。グリオスタチンプロモーター領域には7つのSp1結合領域があり、Sp1を阻害することによりグリオスタチンの発現は阻害された。そこでSp1転写因子阻害剤であるmithramycin を用いて、その波及効果を検討したところ、軟骨破壊を誘導するマトリックスメタロプロテアーゼ-1, 3, 9, 13が抑制された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 青山 峰芳; 山田 恭聖; 浅井 清文
     
    脳室周囲白質軟化症(PVL)は、早産児に特有で比較的軽度の虚血から脳室周囲白質の傷害を引き起こし、脳性麻痺の主な原因となる重篤な疾患である。申請者は造血作用ホルモンであるエリスロポエチン(EPO)の脳保護作用について研究を継続し、本研究ではEPOによるミクログリアの活性化調節作用に注目し解析した。細胞レベルの解析により、EPO投与によりミクログリア活性化が抑制されることを確認した。生体内での活性化ミクログリアに対するEPOによる効果も細胞レベルの解析と同様だった。以上の結果をまとめて、論文として報告した。引き続き、EPOによる脳保護効果についての詳細なメカニズムの解析を継続していく。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 祖父江 和哉; 杉浦 健之; 浅井 清文; 石井 文康; 山本 直樹
     
    近年、アルツハイマー型認知症(AD)などの認知症患者は増加している。ADに対する麻酔は、術後に認知機能悪化の可能性がある。ADの病理像は、アミロイドβ(Aβ)の凝集による老人斑と神経原線維変化(微小管凝集、Tau異常リン酸化)である。 本研究では、培養神経細胞とマウス脳において、プロポフォール、バルビタール、ミダゾラムはAβ集積への影響が少なく、一方でケタミン、ハロペリドールは促進する可能性がわかった。また、予防として、σ1受容体作動薬であるSKF10047やエピガロカテキンはAβ分解を促進することがわかった。本研究により、ADに対する安全な麻酔法や予防法の開発の手がかりとなる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 藤田 義人; 浅井 清文
     
    目的となるAQP Knockdown のshRNAiを発現するレンチウイルスの作成を完了した。アストロサイトのAQP4発現量を、RT-PCRで確認した。以前のKnockdownの発現率に比較して強くKnockdownしていることが確認できた。hAPQ4-M23に関しては、permanent cell line を完成させた。再酸素化を行う際の至適酸素濃度の決定のため、高濃度の酸素の影響を調べた。50%と80%の条件での培養で細胞傷害を確認した。アストロサイトだけでなく、神経細胞であるSH-SY5Yの培養系でも同様の傷害を確認した。今後さらに脳低温療法の効果の向上に寄与する方策を検討したい。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 垣田 博樹; 浅井 清文; 青山 峰芳
     
    新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)に対して現在まで報告されている有効な治療法としては、低体温療法のみである。本研究ではHIEに対する低体温療法によるグリア機能制御による脳内の微小環境改善 を視野に入れた検討を行った。培養アストロサイト、ミクログリアにおいて低酸素負荷を行い、これらの細胞を低温状態(32-34℃)にすることにより、iNOS、炎症性サイトカインの発現が抑制されることを明らかにした。さらに神経保護作用を有するEryhtropoieitnは低温状態により、高発現が持続することを明らかにした。本研究により、現在もなお予後不良疾患であるHIEの病因および治療法の開発に貢献できるものと考える。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2018年03月 
    代表者 : 今泉 祐治; 山村 寿男; 鈴木 良明; 樋口 恒彦; 浅井 清文; 広野 修一
     
    非興奮性細胞(軟骨細胞や血管内皮細胞など)において、Ca2+活性化K+(KCa)チャネルやストア作動性Ca2+(SOC)チャネルなどが正帰還Ca2+制御機構の中心的分子として機能し、各種刺激応答や病態形成に関与することを明らかにした。軟骨細胞では大コンダクタンスCa2+活性化K+チャネルチャネルやCa2+遊離活性化Ca2+チャネル(Orai1、Orai2)、ClC-3、ClC-7の発現変動がOA病態の形成に関与しうることを明らかにした。脳血管内皮細胞では低酸素刺激により、Kir2.1発現上昇→正帰還機構の亢進→細胞増殖の促進、という反応が起こり血液脳関門の崩壊機構の一端を担うことが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 永谷 祐子; 川口 洋平; 小栗 雄介; 立松 尚衞; 大塚 隆信; 浅井 清文
     
    関節リウマチ(RA)の治療はこの10年で劇的に進歩し強力かつ積極的な治療介入により、寛解をめざすことが可能になってきた。しかしいずれの薬物治療にも反応しない薬剤耐性難治性患者が存在する。我々は、RAの病態形成にグリオスタチンが密接に関与していることを初めて見いだした。本研究ではこのグリオスタチンが治療標的たりうることを明らかにした。RA由来滑膜細胞を用いて分子生物学的手法によりグリオスタチンによる関節破壊機序とその抑制機構を解析した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2017年03月 
    代表者 : 飯塚 成志; 早野 順一郎; 明石 惠子; 浅井 清文; 酒々井 眞澄; 村上 里奈; 鈴木 匡; 木村 和哲
     
    東日本大震災被災地と非被災地で処方薬の認識度調査を行い、いずれの地域でも慢性疾患で処方されている薬剤名の認知度が2割以下と低いことがわかった。お薬手帳の平素からの所持率は被災地で極めて高かったが、被災後の病院・薬局での患者指導・教育が奏功しているためと考えられた。 被災地での調査は医療系学部学生とともに実施したが、学生への防災・減災教育効果は1つの大きな成果であった。 一方、平素から異なる組織間の医療従事者同士の顔の見える連携が災害対策と考え、多職種・多医療機関の医療従事者の参加する二次救命講習会(ICLS)の効果を調べた。こうしたICLSは、減災にも寄与することが期待できる結果であった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 青山 峰芳; 浅井 清文
     
    エリスロポエチン(EPO)は主に腎臓で産生される造血作用ホルモンである。近年、EPO受容体(EPOR)が中枢神経で発現し、EPORを介したシグナルが神経保護効果を有することが報告された。申請者は、EPOによるミクログリア活性化調節機構に注目して解析を行った。その結果、EPOは神経保護効果のみならず、ミクログリアの炎症性サイトカインの産生、貪食能、形態変化をはじめとする細胞活性化調節作用も有することをあきらかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 杉浦 健之; 祖父江 和哉; 浅井 清文
     
    末梢性神経障害性(疼)痛の診断及び治療効果判定に用いることができる検査として、神経障害性(疼)痛における特異的なバイオマーカーを新たに探索することを本研究の目的とする。痛み動物モデルを用いた行動実験で痛覚過敏様行動を確認した。バイオマーカーを測定する検体に、神経、髄液、血液を採取したところ、髄液は計測サンプルとしては適切な状態ではなかった。試料の調整が技術的に困難であったため、質量分析をすべきタンパクの同定はできていない。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 有馬 一; 浅井 清文; 祖父江 和哉
     
    人工呼吸器関連肺障害予防のための高二酸化炭素血症による肺保護作用の機序を解明するために、マウスを使った人工呼吸器関連肺障害モデルを作成した。 この人工呼吸関連肺障害モデルで高二酸化炭素血症による肺保護作用が確認できた。 各種サイトカインを測定したところ、高二酸化炭素血症による肺保護作用に対して、インターロイキン6(IL-6)が重要な役割を担っていると考えられた。IL-6の細胞内シグナルのうち、JAK-STAT経路が何らかの関連を示唆する結果が得られた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 祖父江 和哉; 杉浦 健之; 浅井 清文
     
    アルツハイマー型認知症(AD)患者に対する麻酔薬の使用は、病理を悪化させる可能性がある。本研究の目的は、ADの病理に対する麻酔薬の影響を明らかにし、安全な麻酔法を確立することである。ADの発症機序として、GM1ガングリオシドがアミロイドβ(Aβ)の重合を促進することがわかっている。プロポフォール、チオペンタール、ミダゾラムは、GM1の発現を抑制することが明らかとなり、安全に使用できる可能性が高い。ケタミンは、Aβを分解する酵素であるネプリライシンの活性を低下させ、Aβ蓄積を促進する可能性がある。以上の結果は、AD患者に対する安全な麻酔法の確立に有用である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 藤田 義人; 祖父江 和哉; 浅井 清文
     
    RNAiはinvitrogen社製を利用しshRNAを発現するベクターを作成した。293FTセルラインでshRNAiを発現するレンチウイルスの作成を完了した。AQP4発現量を、RT-PCRで確認した。以前のKnockdownの発現率に比較して、強くKnockdownしていることが確認できた。 AQP4のoverexpression細胞株の確立のため、hAQP4-M23およびhAQP4-M1を発現するラット星状膠細胞C6の作成し、蛋白発現を確認した。また、hAPQ4-M23は、permanent cell line を完成させた。overexpressionできることを確認した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 大塚 隆信; 永谷 祐子; 浅井 清文
     
    関節水腫は種々の病態により発症をみる。関節水腫発生機序の分子機構はいまだ解明されていない。本研究では水チャネルのアクアポリン(APQ)を介しての関節水腫発症の分子機構を解明し、効果的治療法の開発をめざした。関節リウマチ(RA)と変形性関節症(OA)の人工関節置換術の際に得た滑膜組織についてAPQの発現を検討した。滑膜組織ではAPQ-1, 3, 9のmRNAの発現を認めた。APQ-9についてはRAにおいて高発現の傾向にあった。線維芽細胞様滑膜細胞をTNF-αにて刺激するとAQP-9が誘導され、炎症による水腫発症にAQP-9の関与が示唆された。ヒアルロン酸によるAQP-9発現の変動はなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年11月 -2014年03月 
    代表者 : 今泉 祐治; 大矢 進; 山村 寿男; 樋口 恒彦; 浅井 清文; 広野 修一
     
    非興奮性細胞(血管内皮、リンパ球、軟骨、気道上皮等)において、Ca2+活性化K+(KCa)チャネルやストア作動性Ca2+(SOC)チャネルが正帰還Ca2+制御機構の中心分子として機能し、各種刺激応答や病態形成に関与することを明らかにした。脳血管内皮細胞や軟骨細胞において、CRACチャネルがSOCチャネルの分子実体であり、細胞増殖を制御することが判明した。炎症疾患モデル動物由来リンパ球においては、中コンダクタンスKCaチャネルの発現変化と病態の関連を明らかにした。また、気道繊毛細胞では、ATP感受性K+チャネルが正帰還機構に関与し、繊毛運動を増強させて気道クリアランスを亢進させることが判明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 永谷 祐子; 大塚 隆信; 浅井 清文
     
    我々は、関節リウマチ(RA)の発症に、グリオスタチンが密接に関与していることを初めて見いだした。これまでの基礎研究成果に基づき、グリオスタチン遺伝子の発現から関節炎惹起活性の発現に至る諸相を阻害することにより、RA病勢を緩和する方法を確立することを最終目標としている。本研究ではRA滑膜炎増悪の一翼を担っているグリオスタチン発現制御分子機構の解明を目標とした。滑膜培養細胞では、TNFによってグリオスタチンが誘導される。グリオスタチンのプロモーター領域にはSp1結合部位が7か所あり、このSp1結合部位を阻害することで、TNFによるグリオスタチンの発現を制御することが可能であった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 浅井 清文; 青山 峰芳; 垣田 博樹
     
    インフルエンザ脳症をはじめとするウイルス性脳症の病態を理解し、特にジクロフェナックナトリウムにより増悪メカニズムを解明するために本研究を企画した。培養アストロサイトおよびミクログリアを、IL-1β、TNF-α、IFN-γにて刺激すると、アストロサイトでは、iNOS、AQP4が発現上昇し、NOの産生も高まった。ミクログリアでも、iNOSが誘導され、NOの産生が高まると共に、貪食作用も高まった。サイトカインによるこれらの誘導は、DCF存在下で強くなることから、これらの誘導が、脳症増悪メカニズムの一端を担っている可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 徐 民恵; 浅井 清文; 祖父江 和哉; 有馬 一; 平手 博之
     
    脳浮腫の病態のひとつであるアストロサイトの膨張は、低酸素-再酸素化(虚血-再灌流)によって生じる AQP4発現増強に関連する。また、動物モデルにおいても脳虚血により発症する脳浮腫に、AQP4の関与が示唆された。アストロサイトにおける AQP4 の発現増強の機序として、転写因子 NF-kB と p38 MAPK の関与を確認した。さらに、NF-kB の阻害薬(SN-50)あるいは p38 MAPK の阻害薬(SB203580)によりアストロサイトに投与して、低酸素-再酸素化(虚血-再灌流)を起こしたところ、AQP4 の急速な発現上昇が抑制される傾向を得た。今後のさらなる検討が必要であるが、本研究により脳浮腫の調節ができる可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 平手 博之; 杉浦 健之; 浅井 清文; 祖父江 和哉
     
    重症感染症にしばしば伴う意識障害をはじめとした中枢神経障害の発生機序解明と有効治療の足がかりを得る目的で、マウスの感染症モデルを使用し研究を行った。中枢神経障害時に伴う事のある脳浮腫に目を付け、感染症時に脳の水分の恒常性に重要な役割を果たしていると考えられる水チャネル aquaporin4と中枢神経障害の関連性を検討したが、有効な手がかりはまだ得られていない
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 青山 峰芳; 浅井 清文
     
    ヒト iPS 細胞から神経幹細胞を作成し、小児の神経系腫瘍である神経芽腫に関連した癌遺伝子N-myc を発現させることで、神経幹細胞が腫瘍化するか検討した。ヒトおよびマウス神経幹細胞から神経発生過程に一致した様々な段階の神経幹細胞の作成を試みた。さらに、N-myc 遺伝子を神経幹細胞へ遺伝子導入し、細胞増殖の変化を観察した。この成果は、正常細胞が腫瘍化するモデルを細胞レベルで再現することとなり、腫瘍発生メカニズムを解明する知見となると考える。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 久保田 英嗣; 片岡 洋望; 浅井 清文; 青山 峰芳; 鈴木 周吾
     
    近年,がん治療は著しく進歩したが,胃癌においては未だ十分な成果は得られておらず,新たな治療の開発が喫緊の課題である.この問題を克服するためには,新たな胃癌の治療標的分子を明らかにすることが重要であると考えられる.これまでに我々は新規Ras遺伝子,ERas(ES cell-expressed Ras)が胃癌に発現し,胃癌の浸潤・転移に関与していることを,ERasが胃癌の予後診断バイオマーカーとして有用である可能性を示してきた.本研究ではさらに研究を発展させ,ERasの転移促進のメカニズム,ERasを標的とした治療の可能性を示した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 祖父江 和哉; 浅井 清文; 杉浦 健之
     
    麻酔・集中治療領域において、脳障害にともなう脳浮腫はしばしば遭遇する重要な病態である。しかし、その発生機序は十分には解明されていなかった。いくつかの報告や申請者の研究により、水チャネルであるアクアポリン4(AQP4)が脳浮腫に深く関与している可能性が示唆されていた。一方、AQP4に次いで発現量が多いAQP9の機能は十分には解明されておらず、脳浮腫への関与も不明であった。本研究により、脳のアストロサイト(Ast)においては、p38 MAPKとNF-κBによりAQP9の発現が調節されていた。詳細な検討により、AQP9は損傷初期には発現が低下し、その後高発現へと転じることが分かった。以上より、脳浮腫発生時にはAQP4に加えてAQP9も大きな役割を果たすことを見出した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 藤田 義人; 浅井 清文; 祖父江 和哉
     
    AQP4のoverexpressionの実験のための、hAQP4-M23およびhAQP4-M1を発現するC6を得ることができた。これらの発現の増加を、蛍光抗体で蛍光顕微鏡で確認し、ウエスタンブロッティングでも発現増加を確認した。うえまた、hAPQ4-M23に関しては、permanent cell lineを完成させた。hAQP4-M1を発現するC6について、permanent cell lineをほほ完成できている。AQP4のKnockdownはvectorを完成させたものの、transfection効率が十分よい条件を得るにはいたっていない。その解決策として、レンチウイルスを用いる方法を現在模索中である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 浅井 清文; 青山 峰芳
     
    申請者らは、血液脳関門を形成する脳毛細血管内皮細胞およびアストロサイトを安定して供給するために、これら細胞の初代培養細胞に遺伝子導入し、長期培養可能な細胞株を得ることを試みた。マウスの脳から脳毛細血管内皮細胞を初代培養し、SV40T抗原cDNAを含むベクターを遺伝子導入し、3個のクローンを得た。一方、ラット胎児(E18)の大脳皮質から初代培養し、同じ手法にて10個のクローンを得た。これらの13個のクローンは、全てテトラサイクリンにて遺伝子発現がコントロール出来るTet-onシステムのベクターを用いたが、テトラサイクリンを除去した場合にSV40T抗原の発現低下が観察されなかったため、これらのクローンに、再度、Tet repressorを発現するベクターを遺伝子導入した。再び細胞株を選択し、ウエスタンブロットで確認したところ、テトラサイクリンを除去した場合にSV40T抗原の発現が消失するクローンを得ることが出来た。SV40T抗原のON/OFFにより、細胞株の性質(脳毛細血管内皮細胞やアストロサイト特異的タンパクの発現など)が、どのように変化するか、RT-PCRおよびウエスタンブロットにて確認を行なった。アストロサイトにおいて、GFAPの発現量を比較したところ、T抗原の消失に伴い、発現上昇傾向が観察された。現在、これらの細胞株を用い、共培養系を用いた細胞の形質の変化の検討を行っており、血管内皮細胞株におけるタイトジャンクション構成蛋白の発現の変化を観察している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 今泉 祐治; 大矢 進; 山村 寿男; 浅井 清文; 樋口 恒彦
     
    軟骨細胞、血管内皮細胞、Tリンパ球などの非興奮性細胞においてCa^<2+>活性化K^<+>チャネル(BK, IK, SK)の機能発現が刺激応答における持続性細胞内Ca^<2+>濃度上昇に大きく貢献していることを明らかにした。その機序として細胞内Ca^<2+>濃度上昇により活性化された同チャネルが、過分極を誘発することにより、非選択性陽イオンチャネルの電気的駆動力を増加させ、容量依存性Ca^<2+>流入を増加させるという正帰還Ca^<2+>制御機構への寄与が重要であることを証明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2009年 
    代表者 : 久保田 英嗣; 片岡 洋望; 浅井 清文
     
    われわれが独自に作製したヒトERas抗体を用いた免疫組織染色を胃癌142症例に行い,ERas発現を臨床病理学的に検討した.ERas発現と組織型の間には有意な相関は認めなかったが,リンパ節転移(p<0.05)および肝転移(p<0.001)と有意な正の相関を認めた.分子生物学的検討からは,ERas発現により胃癌細胞の転移・浸潤能が増強することが示された.またERas発現による胃癌細胞の形態変化,FibronectinやVimentinなどの間葉系マーカーの発現増強,E-cadherinなどの上皮マーカーの発現抑制などから,ERasは腫瘍転移の重要なメカニズムの一つとされている上皮間葉移行を誘導することが示唆された.以上の結果から胃癌においてERasは,上皮間葉移行を誘導することにより転移能を獲得していると考えられた.なおsiRNAを用いた検討では,ERasのkockdownにより間葉上皮移行が誘導される結果が得られた. ヌードマウス(BALB/c Slc-nulnu)を用いた腫瘍皮下移植モデルの検討では,ERas高発現胃癌細胞株で腫瘍形成能および増殖能が有意に増強されていた.また免疫不全マウス(Nod-skid mouse)を用いた転移モデルの検討から,ERas高発現胃癌細胞株では有意に転移能が増強されており,臨床病理学的検討および分子生物学的検討の結果を支持するものであった. 以上の結果から,胃癌においてERasは,浸潤・転移を誘導する重要な因子の一つであり,胃癌の予後診断マーカー,胃癌治療の標的因子となりうると考えられた.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 青山 峰芳; 浅井 清文
     
    神経芽細胞腫由来腫瘍幹細胞および神経幹細胞の細胞特性を解析し、神経芽細胞腫由来腫瘍幹細胞と神経幹細胞との類似点と相違点を明らかにすることで、神経芽細胞腫の悪性化メカニズムを解明することを目的とした。正常の神経幹細胞の単離については、胎生期のマウス全脳および成体マウス側脳室外側からneurosphere法によって神経幹細胞を単離した。一方、マウス神経芽細胞腫由来腫瘍幹細胞の単離については、腫瘍幹細胞の表面マーカーによる単離およびneurosphere法に類似した方法である機能的な単離を試みたが、単離できなかった。株化した神経芽細胞腫株の中にはヒト神経芽細胞腫摘出腫瘍内に見られる腫瘍幹細胞がほとんど存在しない可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 大塚 隆信; 永谷 祐子; 浅井 清文
     
    整形外科疾患では種々の病態により関節水腫の発症をみる.日常臨床においては, 関節穿刺, 副腎皮質ホルモンの関節内投与, ヒアルロン酸の関節内投与, 関節鏡視下滑膜切除術などの対症療法がとられることが多く, しばしば再発する.関節水腫をきたす個々の疾患たとえば関節リウマチ(RA), 変形性関節症(OA)などの疾患解明は著しい進展しているものの, 関節水腫そのもの発生機序の分子機構の解明にはあまり進展はない.そこで本研究では水チャネルのアクアポリン(APQ)を介しての関節水腫発症の分子機構を解明し, 効果的治療法の開発をめざした RA、OA にて人工関節置換術を施行した際に得られた滑膜組織についてAPQ の発現を検討した. 滑膜組織のmRNA を抽出し、real time PCRで解析したところAPQ-1, 3, 9 の発現を認めた。APQ-1,3ついてはRA, OAでは発現の差は認めなかったが、APQ-9についてはRA において高発現の傾向にあった。OA 滑膜では、術前水腫ありの滑膜では、水腫なしの滑膜よりAPQ-9 の発現が高かった。滑膜組織を抗 APQ-1,3,9抗体にて免疫組織染色したところ、滑膜表層細胞、血管内皮細胞にAPQ-1,3,9が発現していることがわかった 滑膜から培養した線維芽細胞様滑膜培養細胞を炎症性サイトカインであるTumornecrosis factor (TNF)-αにて刺激するとAQP-9 が誘導され、炎症による水腫発症にAQP-9 が関与していることが示唆された
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 藤田 義人; 浅井 清文; 祖父江 和哉
     
    今後の研究の基礎となるアクアポリン(AQP)Knockdown細胞株の確立を重点に行った。Knockdownが確認されているconstructに加えオリジナルのものを作成した。vectorには、invitrogen社製のBlock-IT Pol II miR RNAi expression vector、pcDNA 6.2-GW/miRを使用した。そのプラスミドを大腸菌にtransformationして、大量培養し、Quiagen社のキットを用いて、目的となるconstructを含むプラスミドを大量に、無菌的に精製した。RNAiの効果を確認するが効果が弱く、原因の追求のためGFPをvectorに挿入した。そのGFPつきのvectorの挿入で、視覚的におおざっぱにいって20%ぐらいのtranfection効率があることを確認した。ただRNAi効果をえる効率は、まだ10%程度にとどまった。transfection効率をあげるためレンチウイルスを使用したvectorの作製を進めると同時に、現在作成してあるGFPつきvectorを用い。実際の低温における脳浮腫効果の解明を始めている。また、同時に疾患の重傷度の指標として注目している乳酸値について、乳酸負荷でのアストロサイトにおける水チャンネルの発現の変化についても解析し、論文発表した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 祖父江 和哉; 浅井 清文; 杉浦 健之
     
    水チャネルであるアクアポリン(AQP)は、赤血球において水を特異的に通過させるチャネルである。脳にはAQP4が豊富に発現しており、AQP4が脳浮腫に深く関与している可能性が示唆されている。本研究により、アストロサイトにおいてRIL(reversion-inducedLIM)がAQP4と結合し、AQP4の細胞内分布や機能を調節している可能性がある。新規脳浮腫治療法への応用が期待できる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 永谷 祐子; 大塚 隆信; 浅井 清文
     
    我々は,関節リウマチ(RA)の発症に,グリオスタチン(GLS)(血小板由来血管内皮増殖因子と同一でthymidine phosphorylase活性をもつ)が密接に関与していることを初めて見いだした.thymidkine hosphorylaseはin vivo,in vitroにおいて血管新生作用を有している.我々の研究グループでは,これまでの基礎研究成果に基づき,(1)RAにおける関節破壊へのGLSの関与を解明すること.(2)GLS遺伝子の発現から関節炎惹起活性の発現に至る諸相を阻害することにより,RA病勢を緩和する方法を確立することを最終目標としている.本研究ではRA滑膜炎増悪の一翼を担っている血管新生におけるGLS分子構の解明を目標とした. そこで本研究では,RA人工膝関節置換術ゐさいに患者の承諾を得て採取した滑膜を培養し,3から9代継代し形態学的に均一な線維芽細胞様滑膜培養細胞(FLSs)を用いて,GLS刺激による血管新生などの遺伝子の発現プロファイルをDNA microarrayを用いて検討した。GLS刺激濃度は、RA患者の関節液中GLS濃度の平均値である300ng/mlとした。この濃度でFLSsを刺激すると、DNAmicroarrayでは血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の発現が誘導され、また血管新生抑制に働くhrombosporin-2が抑制された。これをreal timePCRで追試し、さらに蛋白レベルで発現状況をELISA法にて確かめた。またRA滑膜組織を抗GLS抗体と、抗VEGF抗体を用いて免疫組織染色をしたところ、ともに滑膜表層細胞に強く発現していた。GLSとVEGFは協同作用にて、滑膜炎を増強していることが、示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 浅井 清文; 三浦 裕; 青山 峰芳
     
    申請者らは,アストロサイトが様々な脳内部位において異なる機能を有することを想定し,その相違を分子レベルで証明することを目的に解析を行ってきた。昨年までに,凍結ラット脳切片を迅速免疫組織染色法によって抗GFAP抗体にて染色し,laser microdissection(LMD)法を用いて各脳内部位からGFAP陽性細胞のみを採取し,遺伝子発現の違いをDNA microarray(Agilent社製)を用いて比較した。その中で大脳皮質と線条体において有意に発現の違いを認めた遺伝子,12個を見いだした。そこで,今年度は詳細な観察を行うため,大脳皮質で発現が高かった水の輸送に関与するアクアポリン4(AQP4)の発現について注目し解析を行った。空間的,時間的多様性を調べるために年齢別,部位別に凍結ラット脳切片を用いた免疫組織染色を行った。また,年齢別,部位別のアストロサイト培養細胞を用いた免疫細胞染色を行い,細胞培養系においても脳内部位特異性が保持されるか検討した。その結果,少なくとも大脳皮質と線条体においてアストロサイトにおけるAQP4の染色性が異なることがわかり,それは部位特異的に均一な細胞集団であるというより,部位特異的にヘテロな細胞集団の構成が異なることが考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 竹内 昭憲; 伊藤 弘晃; 祖父江 和哉; 浅井 清文; 竹内 昭憲
     
    頭部外傷や脳血管障害による、血液脳関門の破綻や神経細胞障害に対する有効な治療法はいまだ確立されていない。本研究は、内皮細胞前駆細胞(endothelial progenitor cell: EPC)を使用し、破綻した脳血管の再生を試みようとするものである。さらに、内皮細胞として定着した前駆細胞に神経栄養因子遺伝子を導入しておくことにより、損傷した神経細胞への遺伝子治療を目指したい。これらの研究により、損傷により破綻した血管(血液脳関門)と神経細胞障害を同時に治療できる可能性がある。EPCのマーカーであるCD34を指標として、抗CD34抗体を吸着させたマグネットビーズを使用し、抗原抗体反応を利用して単離を行った。同方法により、マウスの血液からEPCを分離したところ、CD34陽性であることを確認した。単離の精度は向上し、比較的純度の高い細胞を得られるようになった。さらに、単離したEPCを脳内環境におくことで、脳毛細血管内皮細胞へ分化するかどうかを調査した。アストロサイト培養上清を収集し、その上清をEPC培養液中に添加し、Flk-1/KDRやTie-2/Tek、GLUT-1などの脳毛細血管内皮細胞のマーカーが発現の確認を試みた。しかしながら、十分な分化を認めなかったため、アストロサイトの培養上清の濃縮を行った。濃縮された上清をEPC培養液中に添加したが、やはり十分な分化が得られなかったため、現在更なる濃縮を試みている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 浅井 清文; 三浦 裕
     
    申請者らは、グリア細胞成長因子(GMFB及びGMFG)の神経系分化における働きを詳細に明らかにするため、神経発生・分化過程や脳損傷後におけるGMF発現変化の詳細な検討を行い、これを基盤にGMFを介した細胞内シグナルの解析、GMFの発現調節機構に焦点をあて研究を進めている。昨年度から本年度は、マウスのGMFGのgenomic DNAの解析を進めた。また、細胞内シグナルの解析のためのモデルを検討するため、凍結によって作成した脳損傷モデルラットを用いて、損傷後の脳組織におけるGMFBの発現変化を検討した。 [1]GMFG genomic DNAの解析:マウスGMFGのgenomic DNAをクローニングし、塩基配列を決定した。その結果、マウスのGMFGは、ヒトと同様7つのexonより構成されることが判明した。Promoter部位はTATA lessで、housekeeping gene様のGC rich promoterであった。現在、転写開始点の同定と、ルシフェラーゼアッセイを用いたエンハンサー領域の解析を行っている。 [2]ラット脳凍結損傷モデルにおけるGMFBの発現変化:Wistar系ラットの大脳皮質に凍結損傷を作成し、損傷後のGMFBの発現変化を検討した。その結果、GMFBは、損傷周囲の反応性アストロサイトに強く発現していた。mRNAおよびタンパク発現は、損傷後上昇し、14日をピークに以降減少した。これらの結果から、脳損傷後の修復過程においてGMFBが何らかの役割を担っていることが考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 片岡 洋望; 城 卓志; 浅井 清文; 大原 弘隆
     
    ES細胞特異的新規ras,ERasは,ES細胞のみに発現し,他のHRas,KRasと異なり変異なしで常に活性化状態にあり,ES細胞の増殖や奇形腫発生に重要であることが報告された.我々はERasの胃癌での発現を発見し,胃癌細胞におけるERasの機能につき検討した.方法:1.9種類の胃癌細胞株と外科的切除胃癌組織から蛋白を抽出し,ウエスタンでERasの発現量を検討した.2.胃癌細胞株のERas強制発現株を樹立し,細胞増殖,PI3K/Akt,MAPK等への影響を検討した.3.ERas強制発現による抗癌剤耐性能について4種類の抗癌剤を用い検討した.Akt下流のmTORの標的分子標的治療薬で抗癌剤との併用が注目されているRapamycinの効果につき検討した.4.マウスの胃粘膜から胃上皮細胞株を樹立し,さらにERas強制発現株を樹立した.マイクロアレイ,ウエスタンによりERas標的遺伝子の検索を行った.結果:1.ほとんどの胃癌細胞株でERas蛋白の発現を認めた.胃癌組織では約75%にERas蛋白の発現を認めたが,正常胃粘膜には発現はなかった.2.ERasはPI3k/Akt系を活性化したがMAPK系は活性化しなかった.3.ERas強制発現によりCPT-11に対する耐性能が有意に増強し,またCPT-11とRapamycinの併用効果がみられた.4.ERas発現で細胞間接着能が低下し,E-cadherinの抑制が認められた.またヒト胃癌組織においても免疫染色でERasの発現が認められ,特に他臓器転移した胃癌に高発現の傾向を認めた.上記の成果は以下の学術集会で発表し,現在英文雑誌投稿準備中である. (1).第17回消化器癌発生学会.ワークショップ.2006年9月.(2).第65回日本癌学会学術総会.2006年9月.(3).DDW-Japan 2006(日本消化器病学会総会)シンポジウム.2006年10.(4).Research Forum.DDW.2007.5.21.Washington.D.C.,USA.(予定).
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 山田 和雄; 片野 広之; 相原 徳孝; 間瀬 光人; 浅井 清文
     
    本研究では、まずオリゴデンドロサイトに特異的なセリンプロテアーゼと考えられているmyelencephalon-specific protease(MSP)の虚血モデルと外傷モデルでの発現をmRNAと蛋白レベルで検討した。その結果、虚血周囲白質で虚血後3-7日をピークに、MSPがオリゴデンドロサイト様細胞に特異的に発現することを明らかにした。この場合白質での発現が白質への直接的な虚血によるものか、皮質虚血からの浮腫水の波及によるものかが問題となる。そこで白質損傷は全く起こらず、浮腫水のみが白質に波及する凍結脳損傷モデルを作成し、同様の検討を行った。その結果やはり損傷後5日目をピークとして、損傷部位と繊維連絡のある白質でのMSP mRNAと蛋白の発現がみられた。またMSP蛋白とオリゴデンドロサイトのマーカーであるCNPaseとの2重染色を行ったところ、MSP陽性細胞が確かにオリゴデンドロサイトであることを明らかにした。これらの結果から、MSPは白質に波及した浮腫水によってオリゴデンドロサイトに何らかの刺激がもたらされ、発現したものと判断された。またMSPの蛋白形成と分解の過程を推察するため、ウエスタンブロットを行ったところ、MSPには19kDaの低分子だけでなく、37,40,50kDaの高分子分画が存在すること、また37kDaの高分子分画は凍結損傷後6時間と5-7日目に2つの産生のピークがあることを明らかにした。これらは損傷初期の神経連絡を介したオリゴデンドロサイトへの刺激と、損傷後しばらくしてからの浮腫水の波及によるオリゴデンドロサイトへの刺激の2つの種類があることを示唆した。これらと類似の結果はくも膜下出血モデル、脳出血モデルでも得られた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 永谷 祐子; 大塚 隆信; 浅井 清文
     
    我々は,関節リウマチ(RA)の発症に,グリオスタチン(GLS)(血小板由来血管内皮増殖因子と同一でthymidine phosphorylase活性をもつ)が密接に関与していることを初めて見いだした.thymidine phospholylaseはin vivo, in vitroにおいて血管新生作用を有している.我々の研究グループでは,これまでの基礎研究成果に基づき,(1)RAにおける関節破壊へのGLSの関与を解明すること.(2)GLS遺伝子の発現から関節炎惹起活性の発現に至る諸相を阻害することにより,RA病勢を緩和する方法を確立することを最終目標としている.本研究ではRA滑膜炎増悪の一翼を担っている血管新生におけるGLS分子機構の解明を副票とした. RA人工膝関節置換術のさいに患者の承諾を得て採取した滑膜を培養し,3から9代継代し形態学的に均一な線維芽細胞様滑膜培養細胞(FLSs)を用いて,GLS刺激による血管新生などの遺伝子の発現プロファイルを検討した。RA患者の関節液中GLS濃度は平均300ng/mlである。この濃度でFLSsを刺激すると、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の発現が誘導された。またRA滑膜組織を抗GLS抗体と、抗VEGF抗体を用いて免疫組織染色をしたところ、ともに滑膜表層細胞に強く発現していた。GISとVEGFは協同作用にて、滑膜炎を増強していることが、示唆された.正常ウサギ膝関節にGLSを強制発現させ,関節炎発症機序,および骨軟骨の破壊機序を分析することを目的として、予備実験を行った。現在ウィルスベクターを使わないより安全なgene transfection法を模索しており、その一つとして,超音波を用いたmicrobubble gene transfectionの導入効率を検討した。実用的な条件設定が得られず、さらなる研究が必要である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 片野 広之; 間瀬 光人; 梅村 淳; 相原 徳孝; 山田 和雄; 浅井 清文
     
    MSP (myelencephalic-specific protease)はラット、ヒトの脳、脊髄白質に多く含まれ、特にオリゴデンドロサイト、マイクログリア、ニューロンに多く認められ、トリプシン様の活性を持つことから基底膜や他の細胞外マトリックス構成分を変成させoligodendrocyteの増殖、突起の伸展分化やミエリンの水解・代謝あるいは神経成長やシナプス可塑性などのremodelingに関与している可能性がある。昨年度までに、われわれは、小泉塞栓子法によるラット中大脳動脈閉塞虚血モデルを作製し、MSP mRNAの発現をin situ hybridization法によって確認した。MSPは梗塞周囲のペナンブラに相当する部位のオリゴデンドロサイトや脳梁、白質線維にそって特異的に発現し、損傷3時間後から発現がみられ、24時間から3日をピークに減衰した。MSP (mBSP)蛋白抗体を作製し蛍光二重染色を行うとmRNAと同じ細胞に発現しており、蛋白発現のピークは7日目にみられた(Mol Brain Res 126:129-136,2004)。また、ラット凍結脳損傷モデルでは、MSP mRNAは脳挫傷直下のオリゴデンドログリア,損傷部周囲の脳梁、白質線維に沿って損傷後7目をピークに発現していた。MSP蛋白蛍光二重染色にてmRNA発現細胞と一致して蛋白発現が同じく7日をピークにみられ、オリゴデンドロサイトのマーカーであるCNPase発現細胞とも一致が確認された。Western Blottingでは、19kD(3時間ピーク)と37,40,50kD(6時間と5日にピーク)の比重の異なるfragmentの発現がみられ、前駆型や修飾型などの存在が考察された(J Neurotrauma; 22:501-510,2005)。これらの結果から、MSPが脳虚血後の脱髄、オリゴデンドロサイトあるいはaxonの損傷修復(ミエリンの再髄鞘化や神経突起の成長)に関与する可能性が示され、細胞外にも発現がみられたことからMSPはミエリン関連蛋白や細胞外マトリックス蛋白のturnoverに関連していることが示唆された。白質線維の損傷に際しての発現をさらに分析するために、Marmarouらのラットびまん性脳損傷モデルを改良したモデルですでに我々は鍍銀染色とAPP染色で軸索損傷を組織学的に証明している(Restr Neurol Neurosci 16:9,2000)が、約20%の致死率であったことから、より再現性の高いfluid percussion injuryを用いたびまん性脳損傷を用いて、Dragonfly社のfluid percussion injury装置を実験室に設置することとした。本装置を用いてKitaらの方法(Int J Legal Med 113:221-228,2000)をもとに、ウィスターラット頭頂部に骨窓を開けてcentral fluid percussion(最大陽圧100mg、最大陰圧160mg)を加えることにより、くも膜下出血、脳梁や脳幹点状出血、脳室内出血を認め、電顕的に軸策損傷が観察されるびまん性脳損傷の作成が可能である。残念ながら、本研究の期間内には結果を出せなかったが、このラットを用いてMSPのmRNAおよび蛋白について発現を確認し、引き続き、MSPのliposomeを用いた脳室内遺伝子導入を進めた後、siRNAによる抑制による影響について検討する予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 浅井 清文; 三浦 裕
     
    本研究課題では、アストロサイトの部位特異性を担う機能分子(アストロサイトの膜表面のレセプター、トランスポーター、チャネル、細胞接着因子類、あるいはアストロサイト産生性の神経栄養因子)の同定を行い、その発現量の差異が神経機能の調節にどのように関わっているか解明することを目的に研究を進めている。これまでに細胞培養法を用いて異なる脳内部位より培養したアストロサイト間で発現量に差異のある遺伝子を見いだしていたが、さらにvivoに近い系を用いるため、昨年度より迅速免疫組織染色法とlaser microdissection (LMD)法を用いて凍結切片から脳内部位別にアストロサイトを採取し、遺伝子発現をDNA microarrayにて比較することを開始した。8週齢の雄Wistar ratより脳全体を取り出し、ブレインマトリックスでスライスした後OCTコンパウンドで包埋し、6μmの凍結切片を作製した。一次抗体に抗GFAPを用い、ニチレイ、シンプルステインキットにて染色した。染色後、LMDにて大脳皮質と線条体から1000個ずつアストロサイトの細胞体部分を切除し、RNAを抽出、DNA microarrayにて比較を試みた。この方法で、これまでに、大脳皮質と線条体間で、数十の遺伝子に2倍以上の発現の違いが見いだされ、現在、in situ hybridization等による確認を行っている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2005年 
    代表者 : 勝屋 弘忠; 祖父江 和哉; 浅井 清文
     
    脳浮腫は頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍など様々な病態に随伴して発症し、しばしば致命的となる。その病態は、アストロサイト(星状細胞:Ast)の膨化(水の移動による)とそれに伴う二次的神経細胞死と考えられている。また、これまでの報告や申請者の研究により、水チャネルであるアクアポリン(AQP)が脳浮腫に関与している可能性は示唆されているが、その発生機構は十分に解明されていない。本研究では、正常AstにおけるAQPの機能調節機構に関して、AQP結合蛋白質に注目し、結合蛋白の同定を行った。さらには、病的状態(脳浮腫)におけるAQPの発現変化と結合蛋白との関係を詳細に検討することにより、AQP発現の調節を主眼においた脳浮腫発生機構の解明を目指した。Antibody array法によるスクリーニングの結果、AQP4に結合する分子候補を2種類同定した。候補のひとつであるRILはNPAモチーフを有しており、AQP4のNPA結合モチーフと結合することが示唆された。In vitro binding assay、pull down assay、免疫沈降法、免疫化学染色により、in vitroにおいてもin vivoにおいてもAQP4とRILとの結合が確認された。現在、RILのノックアウトマウスの作成を試みている。作成できれば、RILを破壊したことによるAQP4機能の変化を検討でき、脳浮腫の発生に果たすAQP4の機能の解析が可能となる。RILは脳にのみ発現していることを確認しており、RILを調節することによりAQP4の機能をコントロールすることで脳浮腫の治療を行うことができる可能性がある。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 大塚 隆信; 永谷 祐子; 浅井 清文
     
    整形外科疾患では種々の病態により関節水腫の発症をみる.いわゆる"水がたまる"といった症状であるが,疼痛を伴わない場合でも,関節可動域の制限など苦痛を伴う症例がある.日常臨床においては,関節穿刺,副腎皮質ホルモンの関節内投与などの対症療法がとられることが多く,しばしば再発する.関節水腫をきたす個々の疾患たとえば関節リウマチ,変形性関節症などの疾患解明は著しい進展をしているものの,関節水腫そのものの発生機序の分子機構の解明にはあまり進展はない.本研究では変形性膝関節症(OA)患者,関節リウマチ(RA)患者の滑膜組織,外傷後の関節水腫患者の滑膜組織の免疫組織染色を比較検討することと,in vivoの実験系にて,滑膜組織から得られた滑膜培養細胞を用いて,アクアポリン発現の誘導因子,抑制因子を明らかにすることを目的としている. 本年度は,昨年度に続き関節水腫をきたす各疾患の滑膜組織の免疫組織化学染色を行った.すなわちRA, OA患者の人工膝関節置換術,膝関節鏡視下手術のさいに患者の承諾を得て採取した滑膜組織を抗アクアポリン-1,7,8,9抗体を用いて,免疫組織化学染色した.水腫の著明な症例では,滑膜表層細胞にアクアポリン-1の高発現を認めた.この発現は水腫を引き起こすために発現しているのか,あるいは改善するために発現しているのかは明らかでないため、この分子機構を解明する必要がある。現在さらに滑膜培養細胞を用いて,RT-PCR法によりアクアポリン-1 mRNA発現を判定量的に測定し,さらにアクアポリンの誘導因子,抑制因子を明らかにする予定である.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 浅井 清文; 三浦 裕; 青山 峰芳
     
    本研究では、ヒトおよびマウスのGMFGのgenomic DNAの解析を進めた。また、GMFB、GMFGに対する特異的抗体を用いて酵素抗体法による高感度測定法(EIA)を確立した。また、凍結によって作成した脳損傷モデルラットを用いて、損傷後の脳組織におけるGMFBの発現変化を検討した。 [1]GMFG genomic DNAの解析:ヒト及びマウスGMFGのgenomic DNAをクローニングし、塩基配列を決定した。その結果、ヒトおよびマウスともGMFGは7つのexonより構成されることが判明した。Promoter部位はTATA lessで、housekeeping gene様のGC rich promoterであり、転写開始点が数カ所あることが判明した。また、エンハンサー領域の解析を行った(Kawai et al. BBA,1625,246-252,2003)。 [2]Enzyme Immunoaasay(EIA)系によるGMFsの定量:EIA系を用いて、ラットおよびヒトの各種臓器中のGMFB、GMFGの濃度を測定した。GMFBは、中枢神経でもっとも発現が高く、それ以外に、脾臓、胸腺、肺、腸管にも分布していた。一方、GMFGは、胸腺での発現が圧倒的に高く、ついで、脾臓に発現が高かった。また、ラットおよびヒト血清中濃度を測定したところ、GMFBは年齢、性別による変化は無かったが、GMFGは、年齢とともに低下傾向であった(Inagaki et al. BBA 1670,208-216,2004)。 [3]ラット脳凍結損傷モデルにおけるGMFBの発現変化:Wistar系ラットの大脳皮質に凍結損傷を作成し、損傷後のGMFBの発現変化を検討した。その結果、GMFBは、損傷周囲の反応性アストロサイトに強く発現していた。mRNAおよびタンパク発現は、損傷後上昇し、14日をピークに以降減少した。これらの結果から、脳損傷後の修復過程においてGMFBが何らかの役割を担っていることが考えられた(Hotta et al. Mol.Brain Res.,133,71-77,2005)。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 永谷 祐子; 浅井 清文; 大塚 隆信
     
    グリオスタチンは、神経栄養因子活性や血管新生活性をもつことが知られている.申請者らは,関節リウマチ(RA)の滑液の細胞生物学性質を調べる過程で,RA滑液中にこのグリオスタチンが大量に存在することを見いだし(Clin. Chim. Acta 218,1-4,1993),さらにグリオスタチンのRA病態マーカーとしての有用性を確認した(Br. J. Rheumatol 36,315-321,1997).グリオスタチン組換体を雌日本白色ウサギの膝関節腔内に注入したところ,滑膜炎の発症を認め,その病理組織増はRAに類似していた(Rheumatol Int 2000;20:13-19).RA患者より採取した滑膜培養細胞をグリオスタチンにて刺激したところ,関節破壊に影響を及ぼすmatrix metalloproteinase(MMPs)-1,3の発現が認められた(Rheumatol 38:1195-1202,1999).臨床応用としてRA患者の滑膜切除術前後の血清グリオスタチン濃度を測定したところ,その濃度が滑膜切除術の有用性の判定材料になりうることを示し,さらに抗リウマチ薬responderの血清グリオスタチン濃度はnon-responderに比べて有意に低いことを示した(Clin Rheumatol 2001;20:331-336). そこで平成14年度にはRA滑膜培養細胞をIL-1β刺激し,グリオスタチン発現を指標にして,抗リウマチ薬(金製剤,メトトレキセート,サラゾピリン)と副腎皮質ステロイド薬の作用機序の1つを明らかにすることを試みた.ステロイドと金製剤によりグリオスタチンmRNAの発現が抑制された.平成15年度には蛋白質レベルでも同様にグリオスタチンの抑制を観察した.また免疫組織化学染色にてグリオスタチンは関節リウマチ患者軟骨細胞でも発現し,関節破壊に関与しているようである.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2003年 
    代表者 : 竹内 昭憲; 浅井 清文; 祖父江 和哉
     
    本研究は、水チャネルであるアクアポリン(AQP)の生理機能を解明し、さらに脳浮腫の発症に果たすAQPの機能の解析を目的とした。まず、中枢神経におけるAQPの発現を詳細に検討した結果、脳には多種類のAQPが発現していることが分かった。なかでも、脳浮腫に関与するアストロサイト(Ast)には、AQP3、AQP4、AQP5、AQP8、AQP9と多種類が発現しており、水の移動だけでなく多機能を有している可能性が示唆された。次に、生理的状態におけるAQPの発現調節機構を調べたところ、PKA、PKC、p38MAPKなどの細胞内情報伝達系により複雑に調節されていることが分かってきた。また、AQP蛋白発現後の膜への移送や移動に係わる分子をいくつか見出したが、これについては今後の検討を要する。さらには、低酸素によりAstにおけるAQPの発現が増強することがわかり、脳浮腫の発症や進行に何らかの機能を果たしていることが分かった。このことは、脳が損傷を受けた際に、AQPの機能を調節することにより、脳浮腫が軽減できる可能性があると考えられた。生理的な状態におけるAQP調節機構をさらに詳しく解明できれば、AQP機能の調節は可能になると考える。 本研究により、生理的あるいは病的状態におけるAQPの機能がある程度解明できた。この成果は、AQPをターゲットとした新しい脳浮腫治療薬の開発への手掛かりとなる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 伊藤 彰師; 浅井 清文
     
    本研究は、麻酔薬によって中枢神経系で誘導、あるいは抑制される分子を、DNAマイクロアレイを用いて効率よくスクリーニングしようとするものである。平成13年度は、比較的培養が容易なアストロサイトを静脈麻酔薬であるプロポフォールで刺激した際に誘導あるいは抑制される分子の検索を行った。培養アストロサイト単独とプロポフォールで刺激したアストロサイトからmRNAを単離し、DNAマイクロアレイを施行した。その結果、プロポフォールによりmRNA発現が増加する分子が41種類、減少する分子が44種類検出された。 平成14年は、増加する分子群のうちHeat shock protein(HSP)に注目して詳細な検討を行った。HSPは、ストレス反応性タンパク質や抗アポトーシス作用を持つ分子群の転写を上昇する細胞内電子伝達系関連分子であり、プロポフォールの細胞保護作用の機序を説明できる可能性がある。主なHSPについてPCRによるアストロサイト内のmRNA発現定量法を確立し、プロポフォールによるHSP mRNA発現の増加、タンパク質発現の増加を調査中した。HSP84はプロポフォールにより、発現が増加する可能性があり、今後も検討を続けていきたい。 また、発現が減少する分子は多彩であるが、興味深いのは細胞骨格に関わる分子群が他種類検出されており、プロポフォールがアストロサイトの分化あるいは形態変化をモジュレイトしている可能性がある。なかでも、シンデカンは反応性アストロサイトにおいて高発現しており、脳損傷後の修復過程におけるグリオーシスに関与している。プロポフォールはシンデカンの発現を低下させることが分かり、今後脳損傷後のグリオーシス予防に使用できる可能性がある。 以上のように、プロポフォールの細胞保護作用の機序解明やプロポフォールの新しい作用の発見につながる研究の発端となった。本研究は新たな研究への萌芽的な機能を十分に果たしたと考える。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 山田 和雄; 島田 昌一; 相原 徳孝; 間瀬 光人; 浅井 清文; 真砂 敦夫; 加藤 康二郎
     
    ラット脳虚血モデルでのアクアポリン4型遺伝子と蛋白は虚血の3-7日目をピークとして発現がみられた。また局在の検討ではアストロサイトにその局在があり、急性期には血管周囲足での発現が消失し、細胞体での発現が増強し、アクアポリン蛋白のターンオーバーが起こっていることが示された。さらに浮腫の強い部分で遺伝子、蛋白とも発現が強く、浮腫の発生とともに吸収にも関与することが示された。同様な所見は凍結脳損傷モデルでも示され、細胞外浮腫の消長に応じて、アクアポリン4型がダイナミックに変化していることが明らかになった。一方、培養グリア細胞に低酸素負荷を加えると、1,4,5,8型など各種のアクアポリンが発現することを明らかにし、その制御機構を明らかにした。オスモライト・トランスポータであるミオイノシトール・トランスポータの発現は、ラットくも膜下出血ではくも膜下腔に接する脳組織の神経細胞にみられ、脳組織の浸透圧変化に対応していることが示された。また、くも膜下出血急性期におこる全脳虚血のため、海馬にも発現がみられ、虚血性の浸透圧変化にも反応することが示された。ミオイノシトール・トランスポータの発現が有益な反応か否かは完全に解明することはできなかったが、慢性期にはその反応が消失することから、一過性の反応と考えられた。ラット線条体出血後には黒質の変性が起こることを明らかにしているが、この際、黒質神経細胞にもミオイノシトール・トランスポータの発現が起こることを明らかにした。しかしその生理学的意義については不明であり、解析を進めている。また、神経幹細胞をラット線条体出血後に移植すると、黒質の変性が修飾され、ミオイノシトール・トランスポータ発現が変化することを解析している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2002年 
    代表者 : 浅井 清文; 三浦 裕
     
    1,ラットとヒトのGlia Maturation Factor-beta (GMFB)および-gamma (GMFG)リコンビナント蛋白の発現と特異的抗体の作製。ラットとヒトのGMFB、GMFG cDNAより、リコンビナントタンパクを作成した。これらを各々ウサギに免疫しポリクローナル抗体を得た。 2,ノーザンブロット、ウエスタンブロットによる臓器発現の検討。ラット臓器におけるGMFB、GMFGの発現を検討するためにノーザンブロットおよびウエスタンブロットを行った。GMFBは、脳に特に多く、他の臓器にも一様に発現していた。一方、GMFGは、胸腺、脾臓、睾丸に多く発現していた。 3,Enzyme Immunoassay (EIA)系の確立。ラットGMFB、GMFGに対する特異的抗体を用いてサンドイッチ法によるEIA系を作成した。本法では、ラットGMFB、GMFG間での交差反応はほとんど検出されなかった。ヒトの血清中、ラット臓器中のGMFB、GMFGの濃度が測定できる感度を有することを確認した。本EIAにより、ラット各種臓器中のGMFB、GMFGの濃度を測定したところ、GMFBは、中枢神経でもっとも発現が高く、それ以外に、脾臓、胸腺、肺、腸管にも分布していた。一方、GMFGは、胸腺での発現が圧倒的に高く、ついで、脾臓に発現が高かった。免疫組織染色を行ったところ、GMFBは、神経および上皮系の細胞に分布していたが、GMFGはリンパ球やマクロファージといった血球系に発現していた。 4,GMFG genomic DNAの解析。ヒト及びマウスGMFGのgenomic DNAをクローニングし、塩基配列を決定した。その結果、ヒトおよびマウスともGMFGは7つのexonより構成されることが判明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -2001年 
    代表者 : 浅井 清文; 加藤 泰治; 三浦 裕; 浅井 清文
     
    本研究班において、アストロサイトの部位特異性をになう機能分子(アストロサイトの膜表面のレセプター、トランスポーター、チャネル、ポンプ、細胞接着因子類、神経栄養因子など)の同定を行うことを目的に研究を進めた。 1)アストロサイトが産生する神経栄養因子の部位特異性の検索。アストロサイトが産生する神経栄養因子の遺伝子発現量が部位により異なるかどうかを検討した。方法としては、胎生18日のラット胎児より、部位別(大脳皮質、海馬、嗅脳、小脳、脊髄)にアストロサイトを初代培養し、RNAを抽出し、northern blotにて解析した。その結果、GMFBは、どの部位でもほぼ同じ発現量があり、部位による差はなかった。GMFGは、小脳、脊髄で多く発現しており、海馬で少ない傾向が観察された。また、LC1は、海馬、大脳皮質、小脳で多く、嗅脳、脊髄で発現が少なかった。 2)Atras Arrayによるアストロサイト部位特異性の解析。胎生18〜19日ラット胎児より、大脳皮質、海馬、小脳を分取し、アストロサイトの初代培養を行なった。これら細胞よりRNAを抽出し、Clontech社のAtlas 1.2 Rat Arraysによる解析を行った。その結果、大脳皮質アストロサイトと海馬アストロサイトを比較した場合、11種類の遺伝子の発現に発現量の差が認められ、そのうち、7種類が皮質に多く、4種類が海馬に多く発現していた。大脳皮質アストロサイトと小脳アストロサイトを比較した場合、9種類の遺伝子に発現量の差が認められ、そのうち5種類が大脳皮質に多く、4種類が小脳に多く発現していた。次に、上記の解析で発現に差が見られた遺伝子のうち、Id-2、HSP27、LC1についてRT-PCR法を用いて確認した。PCR productを半定量的に検討した結果、Atras Arrayの結果とほぼ一致した結果が得られた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2000年 
    代表者 : 浅井 清文; 加藤 泰治; 三浦 裕; 浅井 清文
     
    本研究においては、多大な経費と労力を要する動物実験の代替となるBBBモデル系の実用化を図る、すなわち、新規の中枢神経薬の探索範囲を拡大しさらに現在使用されている薬剤の効果評価にも利用できる簡便な「スクリーニング系」を確立することに目的に研究を進めた。脳毛細血管内皮細胞は、初代培養が難しく、大量に入手することは困難を極める。そこで、脳毛細血管内皮細胞を安定かつ大量に供給するために、ウシ脳毛細血管内皮細胞にSV40large T抗原遺伝子を導入し不死化したtBBEC117細胞株を樹立した。この不死化脳毛細血管内皮細胞をダブルチャンバー培養器の内側チャンバーに培養し、外側チャンバーにアストロサイトを離して共培養することにより、不死化脳毛細血管細胞株でもBBB特異的機能発現(密着帯、mdr、Glut-1、透過性の低下など)があることを確認した[Sobue,K.et al.Neurosci.Res.35:155-164,1999]。このことはアストロサイトが何らかの液性因子を分泌し脳毛細血管細胞にBBB特異的形質の発現を誘導している可能性を示している。このように、アストロサイトからの液性因子によりBBB特異的形質が誘導されことより、BBBモデルにおいて再現性良く実験を進めるために、アストロサイトの安定供給を計る必要も出てきた。そこで、申請者らは、ラット大脳皮質から初代培養したアストロサイトにSV40large T抗原遺伝子を導入し不死化した細胞株を樹立した。ACT-57と名付けた細胞株は、アストロサイトのマーカータンパクであるGFAP(グリア線維性酸性蛋白)を発現しており、さらにNGF(神経成長因子)を高発現していることが判明した[Morikawa,M.et al.Neurosci.Res.39:205-212,2001]。今後、これら、不死化毛細血管内皮細胞及び不死化アストロサイトを使用し研究を進める予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -2000年 
    代表者 : 松井 宣夫; 浅井 清文; 永谷 祐子; 大塚 隆信
     
    グリオスタチンは、神経栄養因子活性や血管新生活性をもつことが知られている.申請者は,慢性関節リウマチ(RA)の滑液の細胞生物学性質を調べる過程で,RA滑液中にこのグリオスタチンが大量に存在することを見いだし(Clin.Chim.Acta218,1-4,1993),さらにグリオスタチンのRA病態マーカーとしての有用性を確認した(Br.J.Rheumatol36,315-321,1997). 平成10年度,平成11年度には,グリオスタチンの滑膜炎発症作用をin vivoにて検討するために必要な大量のグリオスタチンを精製した.得られたグリオスタチン組換体を雌日本白色ウサギの膝関節腔内に注入したところ,滑膜炎の発症を認めた.その病理組織増はRAに類似していた.さらに滑膜培養細胞をグリオスタチンにて刺激し,関節破壊に影響を及ぼすmatrix metalloproteinases(MMPs)の発現が認められるか否かを検討した.RT-PCR法,Northern blot法,ELISA法により,グリオスタチンにてMMP-1,MMP-3の産生が亢進することを証明した. 平成12年度は,GLS分子の起炎活性フラグメントの同定のために,GLSおよびGLSのpoint mutationを作製し,実験的関節炎をひきおこす活性を同定しようと試みた.GLSはthymidine phosphprylase活性を有している.我々の精製したミュータント蛋白はこの酵素活性がないにも関わらずGLS wild typeと同様にRA様の実験的滑膜炎を発症させ得た.現在実験的関節炎をひきおこす活性を担う活性フラグメントをdeletion mutantsの手法を用いて作製にとりかかっている.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 浅井 清文; 加藤 泰治
     
    1、ヒトGMFB、GMFGの特異的抗体の作製。大腸菌で発現させたヒトリコンビナントGMFB、GMFGを、ウサギに免疫しポリクロナール抗体を得た。さらに、GMFB、GMFGは相同性が高いため、通常のポリクローナル抗体では互いに交差反応を示した。そこでGMFB、GMFGを固定化したアフィニティーカラムを利用し特異的に反応する抗体だけを精製した。ウエスタンブロットで検討したところ、ヒトGMFB、GMFGに対しては、特異的に反応したが、ラットについては、反応しなかった。 2、ラットGMFB、GMFGのcDNAのクローニング。ラットGMFB cDNAについては、すでに報告されている塩基配列をもとにRT-PCR法を用いてタンパク質をコードしている部分のみクローニングした。ラットGMFG cDNAについては、ヒトGMFG cDNAをプローブとして、ラットBrain cDNA Libraryをスクリーニング、クローニングした。ラットGMFG cDNAは、ヒトと同様142アミノ酸をコードしており、アミノ酸レベルで91.5%の相同性があった。 3、ラットGMFB,GMFGリコンビナント蛋白の発現。ラットGMFB、GMFG cDNAを発現ベクターpAED4に組み込み、大腸菌BL21(DE3)に導入した。発現したタンパク質は、カラムクロマトグラフィーにて精製した。 4、ラットGMFB、GMFGの特異的抗体の作製。大腸菌で発現させたラットリコンビナントGMFB,GMFGを、ウサギに免疫しポクローナル抗体を得た。ヒトの時と同様にして交差反応を示す抗体成分をアフィニティーカラムを利用し除去し、特異的に反応する抗体だけを精製した。ウエスタンブロットで検討したところ、ラットGMFB、GMFGに対して特異的に反応した。 5、ユーザンブロット、ウェスタンブロットによる検討。ラット臓器におけるGMFB、GMFGの発現を検討するためにノーザンブロットおよびウェスタンブロットを行った。ノーザンブロットは、市販のMultiple Choice Tissue Northern Blotを購入し検討した。GMFBは、脳に特に多く、他の臓器にも一様に発現していた。一方、GMFGは、胸腺、脾臓、睾丸に多く発現していた。ウェスタンブロットには、妊娠ラットより、大脳皮質、脾臓、胸腺を採取し、蛋白を抽出し使用した。GMFGは、胸腺、脾臓に発現しており、ノーザンブロットの結果とほぼ一致した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 浅井 清文
     
    研究方法 1、グリア細胞成長因子(GMF)の酵素抗体法による定量法の確立 リコンビナント蛋白に対するポリクローナル抗体を使用し、抗体固相化ビーズとβ-galactosidaseでラベルした抗体を使用したサンドイッチEIA法を確立を試みた。 2、ヒト・グリア細胞成長因子(GMF) cDNAのクローニング ラットGMF cDNAをプローブとして、ヒト胎児脳cDNAライブラリーをスクリーニングし、ヒトGMF cDNAのクローニングを行った。 3、グリア細胞成長因子のアストロサイトへの遺伝子導入 アストロサイトへ発現ベクターを使用しcDNAを導入し、GMFをover expressionしたグリア細胞株を樹立を試みた。 研究結果 1、定法に従いサンドイッチEIA法を確立を試みたところ、GMFリコンビナント蛋白に対しては測定できることが判明したが、測定感度が十分でなく実験に使用するまでには至らなかった。今後、さらに抗体価の高い抗血清を作成し、測定感度を良くする方針である。 2、スクリーニングの結果、4131bpのcDNAをクローニングした。(DDBJ Accession No. AB001106)。 3、発現ベクターpKCRにラットGMF cDNAをクローニングした。このベクターをリポフェクション法によりラット初代培養アストロサイトに導入しGMFをover expressionしたグリア細胞株を樹立をした。Over expressionの状態は、ノーザンブロットおよびウエスタンブロットにより、mRNAおよび蛋白質レベルの両方にて確認した。今後、この細胞株を用いてGMFの機能解析を行う予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 鈴木 修; ADRIENNE Gor; IVAN Diamond; 浅井 清文; 石井 晃; 妹尾 洋; GORDON Adrie; DIAMOND Ivan; 西川 正信
     
    アルコール依存症の動物モデルでの研究は広く行われているが、今回、我々はモデルとして培養神経細胞を用いた。エタノール(EtOH)は種々のレセプターなどに作用し、複数のシグナル伝達経路に影響を及ぼすが、培養細胞の場合、各経路への影響や関与する分子の解析が容易となる。またレセプターcDNAを細胞に導入することで、薬物依存の形成に関与していると思われるレセプターと、EtOHとの相互作用の解析も可能となる。 まず、我々はレセプター発現用のウイルスプロモーターのEtOHによる影響を検討した。3種類のウイルスプロモーターを用い、レセプターのリガンドとの結合やCATアッセイでEtOHの慢性投与の影響を評価した。一時的にCATを発現させた場合、慢性EtOH刺激はどのプロモーターでもCAT活性を上昇させたが、cDNAが安定に発現するクローンでは、慢性EtOH刺激によるプロモーター活性の変化は、クローン間で著しい差があった。このことは、EtOHによるプロモーター活性の変化が、付近のシスエレメントによって影響を受けることを示す。 次に、上記の実験で選択されたクローンを用いて、慢性EtOH刺激によるA_1及びA_2レセプターのcAMP産生に対する影響を検討した。その結果、A_1レセプターは、A_2レセプターと違い、慢性EtOH投与による脱感作を受けないことが明らかとなった。 次いで、EtOHのシグナル伝達系に対する関与をさらに明らかにするために、プロテインキナーゼの細胞内局在の変化を検討した。慢性EtOH投与は、細胞質内に局在するAキナーゼを核内に移動させた。核内に移動したAキナーゼは、CREBなどの種々の転写因子を活性化すると考えられ、このことが、細胞へのEtOHの多彩な影響を説明する現象の一つと考えられる。また、Cキナーゼのあるアイソザイムは、核周囲に存在していたが、EtOH刺激により細胞質へ移動した。他の乱用薬物のレセプターを刺激した時も、Cキナーゼは同じ挙動を示したことから、この現象は、複数の乱用薬物に共通する重要な現象と考えられ、今後Cキナーゼの細胞内局在の変化を中心に研究を進める予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1995年 -1995年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    「ニューロン・ニューロン間のシグナル伝達を支えるのはグリアである」といっても過言ではない。有髄神経のミエリン鞘(オリゴデンドロサイト、シュワン細胞)やアストロサイト上のニューロトランスミッター受容体刺激に伴う、アストロサイト間のギャップジャンクションを介したCa^<2+>の伝播など、アストロサイトの役割を無視してシグナル伝達の研究は成立しない。われわれは、これまでニューロン性細胞の増殖・分化機構を追求するなかで、ニューロンとアストロサイトの共存培養系でニューロンは著明な分化(神経突起伸長とシナプス形成)をとげることを見いだし、これらの作用はアストロサイトが産生するタンパク質性因子であることを確認した[Brain Res.622(1933)299-302,659(1994)169-178]。 昨年度の本重点研究の成果として、(1)細胞内カルシウムシグナリング法を用いたシナプス形成モデル系において、大脳皮質、海馬、中隔野、線条体より調製したニューロンとアストロサイトを同系、異系の組み合わせで共培養しそれぞれのシナプス形成能を測定したところ、脳の同じ部位から調製したアストロサイトとニューロンの共培養系でのシナプス形成が一番良くシナプス形成することを見いだした。さらに(2)アストロサイト細胞内のCa^<2+>の動きを修飾する薬剤(IP_3レセプター拮抗薬やアストロサイトのギャップジャンクションの阻止薬)を用いて、短期と長期薬剤刺激によるシナプス形成の変化を検討した結果、シナプス形成にあずかるニューロンの細胞内Ca^<2+>の同期にはIP_3レセプターを介した細胞内Ca^<2+>の変動と、フィーダーアストロサイト間のギャップジャンクションを介したCa^<2+>の伝播が重要であることを確認した。またこの薬剤の長期投与によりシナプス形成能も阻害されることがわかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1995年 -1995年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    「アストロサイト由来神経栄養因子によるニューロン・グリア相関」をメインテーマとして研究する過程で、ニューロンおよびグリア発生に密接に関連すると思われるタンパク質性因子を同定した。なかでもグリア成長因子(GMF)、グリア増殖制御因子(グリオスタチン)の2種の因子は、いづれもアストロサイトが産生する神経栄養因子で、GMFとグリオスタチンについては分泌シグナルを持たない細胞質タンパクであることを証明した。さらに昨年度、グリアが神経芽腫細胞の増殖を特異的に抑制するタンパク性の神経芽細胞増殖抑制因子(NGIF)を産生していることを見い出した。この因子はアストロサイトが産生する弱塩基性タンパク質で、、分子量60Kのホモダイマー構造(120K)をとる。さらにこのNGIFはラット大脳皮質ニューロンに対し、生存維持および突起進展作用といったいわゆる神経栄養因子活性をもつことがわかった。この知見は、神経芽腫細胞増殖抑制因子(h-NGIF)が特異性の高いサイトカインであり、脳発生や神経機能修復過程で作用すると考えられる新しい神経栄養因子であることを示している。 将来的な臨床応用を考慮して、これまでのラットからヒトに切り替え、ヒト星状膠腫細胞(NAC1)が産生するヒトNGIFを用いて実験を遂行中である。いまのところ、定法のカラムワークとともにサブトラクション法も用いてNGIFの化学構造の決定を急いでいる。得られた遺伝子構造をもとに組換え体ヒトNGIFを大量する。この新規のサイトカインを用い神経芽腫の治療をめざす。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1994年 -1995年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    グリオスタチンの分泌機構と遺伝子発現機構の解明(加藤、浅井) グリオスタチンの分泌機構:A431をはじめ数種の腫瘍細胞を用いて、LDHを生細胞の指標として生理的な分泌機構が存在するか否かを検討し、培養系では細胞傷害によりグリオスタチン細胞外に放出される結果であった。この結果は、脳損傷ににともないCNTF、FGF、GMFなどの神経栄養因子とともにアストロサイトから放出され、神経機構修復に機能していることがわかった。 グリオスタチン遺伝子発現調節機構:A-キナーゼを介してグリオスタチンmRNAが著明に生合成誘導され、さらにC-キナーゼも一部関与することがわかった。しかしグリオスタチンDNA配列の上流(1.5Kbp)には反応性エレメントは今のところ見つかっていない。さらに興味あることに、グリオスタチン発現はサイトカインであるTNF-αやIL-6によっても著明な誘導がみられることもわかった。 シナプス形式モデルでのグリオスタチン活性(浅井、加藤) 予想どおり、皮質ニューロンと皮質アストロサイトの共培養系においては、グリオスタチン存在下で形態的には著明なシナプス形成促進が認められた。 膜レセプターの同定とシグナル伝達機構(加藤) リガント標識法およびレセプター標識法を用いて現在も検討中である。 グリオスタチンに関した一連の実験を進める過程で、グリオスタチンの発現が慢性関節リウマチの直接的な原因となることが、副次的にわかった。この点については現在本学整形外科学教室の全面的な協力のもとに、精神的な研究を進めている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1994年 -1994年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    脳神経系での「液性因子によるニューロン・グリア相関」の研究を進める中、当該研究者らはラットグリアがマウス神経芽腫細胞の増殖を特異的に抑制するタンパク性因子(神経芽腫細胞増殖抑制因子:r-NGIF)を多量に産生していることを見い出した。今年度はヒト神経芽腫細胞増殖抑制因子(h-NGIF)の精製を試みた。当該研究者らの研究室で樹立したアストロサイトーマ(NAC-1)の無血清条件培養液を大量に調製し、エコノQ、エコノCM、スーパーロース120カラムを用い、ヒト神経芽腫細胞(TGW)の細胞増殖抑制活性を基準にして精製を試みた。活性は第3のカラムステップで消失し、条件培養液からの精製は困難と判断し、平行して検討してきた分子生物学的手法に切り替えることとした。つまり増殖相に発現が多く静止相に少ないh-NGIF発現量の差を利用した、ディファレンシアルハイブリダイゼーション法あるいはディファレンシアルディスプレイ法を用いてh-NGIFcDNAをクローニングすることにした。現在、増殖相と静止相のNAC-1細胞からそれぞれのcDNAライブラリーを作成することができ、増殖相特異的に発現するcDNAクローンを選択中である。えられたクローンをすべて塩基配列決定するとともに、プラスミドcDNAを直接発現ベクターに組みかえて、大腸菌あるいはCOS細胞にトランスフェクトし、発現されるタンパクの細胞増殖抑制活性を基にh-NGIFcDNAをクローニングする方法も試してみる。現在の生物活性測定法(TGWの細胞増殖抑制活性)はタンパクの直接発現法でも十分クローニングできる感度を持ち合わせている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    「血液・脳関門(BBB)の選択的物質透過性を担う構造体は何か、血管内皮細胞なのか、アストロサイトなのか」についての研究は乏しい。当該研究者らは、これまでアストロサイトの増殖・分化機構の研究を進めるなかで、アストロサイトは隣接する細胞の性質を直接接触あるいは液性因子を介して変化させることを見いだした。BBB構造に於いても、アストロサイトとの接触が生体内にひろく存在する内皮細胞の物質透過性に特異性を付与するものと考えられる。そこで本研究はアストロサイトと内皮細胞を二重層に培養したBBBモデルを調整し、その選択的透過性の機構を明らかにすることを目的に研究を進めた。 1、アストロサイト、内皮細胞の調整:アストロサイトはラット大脳よりタイプ1アストロサイトを、申請者(加藤)の開発した方法に従い、初代培養(1週間)から2次培養(5日間)したものを用いた。血管内皮細胞はウシの大動脈および大脳皮質より、コラゲナーゼ処理後、ナイロンメッシュに通して内皮細胞を単離培養した。とりわけウシ大脳皮質の内皮細胞は、収率は良くないが実験に供することができた。 2、BBBモデルの設計:交付申請者の方法にしたがって調整した二重層培養系をセットした。電顕的には二重層培養した内皮細胞に特異的にBBB固有のタイトジャンクションが観察された。 3、物質透過性実験:二重層培養系での物質透過性を動力学的解析は、複雑になるため二重培養系チャンパーを用いて内皮細胞をアストロサイトを分離した培養系を用いて透過性を検討した。とりあえずL-Glucoseを用いた結果では、大脳皮質由来内皮細胞に特異的透過性が認められた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    神経難病脳や神経変性疾患脳の神経細胞死は、何らかの神経栄養・発育因子の低下によるものかもしれない。当該研究者らはこれまで液性因子によるニューロン・グリア相関の研究を進めるなかで、ヒトグリア性細胞が神経芽細胞の増殖と分化を促進する新しい神経発育因子(グリオスタチン)を産生していることを見い出した。この因子は分子量50kの酸性タンパク質で、正常神経芽細胞の著しい突起伸展作用ばかりでなく、グリア増殖を抑制する作用を保持している。そこで今回の研究では、(1)グリオスタチンの分泌機構と遺伝子発現調節機構、(2)グリオスタチン反応性ニューロンおよびグリアのスクリーニング、などを行なった。 1、グリオスタチンの分泌機構:グリオスタチンに対するモノクローナル抗体を用いて、別に調製したエンザイムイムノアッセイ系〕で各種ヒト培養細胞のグリオスタチン分泌能をみると、数種の細胞がグリオスタチンを大量に細胞外に分泌していることが分かった。この分泌性グリオスタチンと神経線維腫由来のグリオスタチンの塩基配列には、これまでのところ大きな差異は認められていない。ジブチルcAMPやフォルボールエステル(TPA)によりグリオスタチンmRNAが誘導されることがわかり、現在分泌起点での変化を検討中である。 2、グリオスタチン遺伝子の発現調節機構の解明:グリオスタチンはタイプ1アストロサイトで産生されることが証明された。さらに現在、発育過程あるいは虚血ラット脳でのグリオスタチンmRNAの発現をモニターするために、ラットグリオスタチン(全長)cDNAをクローニング中である。 2.グリオスタチンに反応する正常神経芽細胞の分類:胎児ラット大脳皮質神経細胞のほか、現在、海馬、中隔野あるいは線状体より神経芽細胞を培養しグリオスタチン反応性を確かめている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1992年 -1992年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    内皮細胞とアストロサイトを共培養した脳血液関門(BBB)モデル系を作成し、この系を使用して、BBB形成におけるアストロサイトやその他の因子の影響、及び各種物質、薬剤のBBB透過性を検討した。内皮細胞にはウシ大動脈内皮細胞、アストロサイトには胎生ラット脳のものを使用し、二重細胞培養の内側メンブレンの片面にアストロサイト、対面に内皮細胞を培養した。この内側メンブランを縦にセットして透過実験を行ッた。今回は透過物質にドーパミンを使用し、BBBのバリア機能の発現について検討した。すなわち、血管内腔側に相当するルミナールチャンバーに高濃度のドーパミンを入れ、時間を追って血管外側に相当するダブルニナールチャンバーに透過してくるドーパミンの濃度を電気化学検出器をディテクターとするHPLCによって測定した。 内皮細胞単独の場合と、アストロサイトと共培養した場合とで、内皮細胞のバリア機能に差が生じうるかどうかについて検討したところ、10%FCSを含んだ培地条件ではほとんど差が認められなかったが、1%FCS下では透過性に差が見られた(この時共培養系の透過実験の際にはアストロサイトをはがして、内皮細胞のみとして実験している)。またアストロサイトとの共培養時には電顕にて内皮細胞間にタイトジャンクションの形成が認められた。この結果より、大動脈内皮細胞に対しても、アストロサイトが内皮細胞のタイトジャンクション形成促進や物質透過性の減少に働く可能性が示唆された。今後はまずこれらの再現性を綿密にチェックし、また、脳毛細血管の内皮細胞も使用して同様の実験を行い、大動脈内皮細胞との比較を試みる予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1992年 -1992年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    近年の分子生物学的手法の発達により、神経系の発生・分化調節、生存維持、という各段階においてグリア細胞から分泌される神経栄養因子によってニューロンの分化調節や生存維持が図られていることが次第に明らかにされてきている。また、脳損傷後の修復過程でも、反応性アストロサイトから分泌される神経栄養因子が重要な役割を果たしていることが明かにされている。このような状況のなかで、グリア細胞の増殖・分化がどのように調節されているかを明らかにすることが、ひいては、神経系の発生・分化調節、生存維持、脳損傷後の修復過程を理解することにつながることと考えられる。 我々が、神経線維腫より精製したグリア細胞増殖抑制活性を持つ蛋白性因子グリオスタチンは、アミノ酸配列の検索の結果、血小板由来内皮細胞増殖因子(PD-ECGF)とほぼ同じと考えられた。また、我々は、胎盤よりPD-ECGFを精製し、神経線維腫より精製したグリオスタチンと、グリア細胞増殖抑制活性、血管内皮細胞増殖促進活性を比較したところ、グリオスタチン、PD-ECGFともほぼ同じ活性を示し、さらに我々の作製したモノクローナル抗体でどちらの活性とも阻害された。以上の結果より、グリオスタチンはPD-ECGFとほぼ同一因子と考えられた。さらに、本年度の研究により、グリオスタチンが新しい神経栄養因子であることを見いだした。このグリオスタチンの多彩な中枢神経系での役割を考えると非常に興味深い。つまり、脳発達過程でグリオスタチンは、グリア、ニューロン、血管内皮細胞にそれぞれ異なった作用を発揮しながらニューロン機能を支えている。また、脳損傷後の組織修復過程において、グリオスタチンは損傷後の反応性グリオーシスの制御に関与している可能性もあると思われる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1991年 -1991年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文; 杉山 成司; 小林 正紀; 木戸内 清; 和田 義郎
     
    1、当初の計画したBBBモデルの設定方法1に従い、アストロサイトおよびウシ大動脈内皮細胞は、それぞれ単独に培養細胞を調製できた。しかし方法2のBBBモデルの設定段階で、内皮細胞は問題なく内側チャンバ-の膜面で単相に培養できたが、アストロサイトは培養が難しいことがわかり、ゼラチン、フィブロネクチン、コラ-ゲン、および他の細胞外マトリックスを用いて膜面接着性を検討した結果、タイプ1コラ-ゲンがアストロサイトの膜面接着に一番適していることが分かった。 2、方法3の物質透過性実験にあたり、2つのBBBモデルを作成することにした。すなわち、(a)当初の計画どおり内側チャンバ-のバイオポア膜をはさんで2種の細胞を上下に培養するサンドイッチモデルと、(b)膜面の片側(内側)にアストロサイトと内皮細胞をマクラ状に培養したモザイクモデルを調製することができた。 また、実際のダブルチャンバ-を用いた自動潅流実験系の予備実験結果より、内外二つのチャンバ-を水平に設置した開放系より、内側チャンバ-を垂直に置いて左右別の閉鎖チャンバ-をそれぞれ同期に自動潅流するシステムが、定量的解析を行うには一番適していることが分かった。次年度はこの系を用いて、各種薬剤の選択的透過性実験を行う予定である。 3、アストロサイト由来のグリア細胞増殖抑制因子(グリオスタチン)が、アストロサイトの増殖抑制作用だけではなく、ニュ-ロンに対して生存維持と神経突起伸展作用を示し、さらに血管内皮細胞の増殖を修飾することを見いだした。現在、この因子の化学構造を解析中である。次年度は、この因子を含めて、アストロサイトが産生する各種の因子で内皮細胞をプライムし物質の選択的特異性発現に与える効果を検討する計画である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1991年 -1991年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    当該研究者らは、これまでアストロサイトの増殖・分化機構の研究を進めるなかで、アストロサイトは隣接する細胞の性質を直接触あるいは液性因子を介して変化させることを見いだした。BBB構造に於いても、アストロサイトとの接触が内皮細胞の物質透過性に特異性を付与するものと考えられる。そこで本研究はアストロサイトと内皮細胞を二重層に培養したBBBモデルを調整し、さらに、このモデルを利用し、BBBの構造と機能を総合的に研究する。 1、アストロサイトおよびウシ大動脈内皮細胞は、それぞれ単独に培養細胞を調整できた。しかし方法2のBBBモデルの設定階段で、内皮細胞は問題なく内側チャンバ-の膜面で単相に培養できたが、アストロサイトは培養が難しいため、細胞外マトリックスを用いて膜面接着性を検討した結、タイプ1コラ-ゲンがアストロサイトの膜面接着に一番適していることが分かった。 2、方法3の物質透過性実験にあたり、2つのBBBモデルを作成することにした。すなわち、(a)当初の計画どおり内側チャンバ-のバイオポア膜をはさんで2訊の細胞を上下に培養するサンドイッチモデルと、(b)膜面の片側(内側)にアストロサイトと内皮細胞をマクラ状に培養したモザイクモデルを調製することができた。 また、実際のダブルチャンバ-を用いた自動潅流実験系の予備実験結果より、内外二つのチャンバ-を水平に設置した開放系より、内側チャンバ-を垂直に置いて左右別の閉鎖チャンバ-をそれぞれ同期に自動潅流するシステムが、定量的解析を行うには一番適していることが分かった。次年度はこの系を用いて、各種薬剤の選択的透過性実験を行う予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1991年 -1991年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    神経難病や神経変性疾患の神経細胞死は、何らかの神経発育因子(NTF)の低下あるいは過剰産生によるものかもしれない。とくにニュ-ロンを保護するアストロサイトや軸索を取り巻くシュワン細胞からニュ-ロンに作用する多くのNTFが産生されていることが分かってきた。研究者は、シュワン細胞起源のヒト神経線維種がニュ-ロン性細胞(ヒト神経芽腫細胞、ラット皮質ニュ-ロン)の増殖あるいは、分化を促進する2種類の新しいNTFを産生していることを見いだした。その一つは神経芽腫細胞の増殖促進活性をもつNBGFで、化学的にはウリジンあるいはアデノシン誘導体であった(論文投稿中)。他の一つはグリアの増殖抑制作用とNTF活性を併せ持つグリア細胞増殖抑制因子(GGIF:グリオスタチン)であることを証明した。とりわけ本年度は、グリオスタチンを中心に研究を進め、以下の結果を得た。神経線維腫から5種類のカラム(ブル-トヨパ-ル、DEAEセファセル、ブチルト-ヨ-パ-ル、ハイドロキシルアパタイト、MonoQカラム)を用いて精製したグリオスタチンは、SDSーPAGE上では、分子量の50kの単一バンドとして泳動された。グリオスタチンはグリアによって産生され、グリア自身に作用するいわゆるオ-トクリン形成で作用するユニ-クな因子である。さらに、大脳皮質ニュ-ロンの生存維持や神経突起伸展作用を併せもつことは、脳神経の発育過程や神経機能修復過程で重要な機能を果たしていることを予想させるだけでなく、グリオスタチンの将来的な臨床応用(脳腫瘍、神経疾患の治療)を考える上で、重要な知見である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1991年 -1991年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    研究者は、von Recklinghausen氏病患者より得られた神経線維腫(neurofibroma)中に、脳腫瘍(アスロトサイト-マ、グリオブラスト-マ、オリゴデンドログリオ-マなど)の増殖を抑制するタンパク質性因子(グリア細胞増殖抑制因子:GGIF)が存在することを見いだした。今年度は、この因子を5種類のカラムクロマトグラフィ-を用いて完全精製した。さらにこの因子にニュ-ロンの再生機能を促進する新しい神経栄養因子(Neurotrophic factor:NTF)活性があることを見いだした。この因子はグリア細胞の増殖をサイトスタチックに抑制することから、われわれはこの因子をグリオスタチンと命名した。 神経線維腫から5種類(ブル-トヨパ-ル、DEAEセファセル、ブチルト-ヨ-パ-ル、ハイドロキシルアパタイト、MonoQカラム)のカラムを用いて精製したグリオスタチンは、SDSーPAGE上では、分子量50Kの単一バンドとして泳動された。ス-パ-デックス200によるゲル濾過法による推定分子量は100Kであったことより、グリオスタチンは通常ホモダイマ-構造をしているものと考えられる。グリオスタチンの生物作用は、動物種差を問わず、グリオ-マの増殖を特異的に抑制する。このグリオスタチンは、神経系ではグリアによって産生され、グリア自身に作用するいわゆるオ-トクリン形式で作用するユニ-クなサイトカインである。さらに、大脳皮質ニュ-ロンの生存維持や神経突起伸展作用を併せもつことは、グリオスタチンの将来的な臨床応用を考える上で、重要な知見である。つまり、脳腫瘍に対する治療薬(サイトカイン)として、あるいは脳外科手術後や脳損傷後の後遺症の原因となる反応性グリオ-シスを予防する薬剤としてグリオスタチンを用いることが、同時に損傷を受けた周囲ニュ-ロンの機能修復にも役立つことにつながることを意味している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1990年 -1991年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    研究者は、神経線維腫中に存在する神経芽腫細胞増殖因子(NBGF)は、ウリジンあるいはアデノシン誘導体であることを証明した(論文投稿中)。本年度はこの因子とは別に、グリアの増殖を抑制するタンパク質性因子(グリア細胞増殖抑制因子:GGIF)が存在することを新たに見いだし、この因子を5種類のカラムクロマトグラフィ-を用いて完全精製した。さらに、この因子にニュ-ロンの再生機能を促進する新しい神経栄養因子(NTF)活性があることを見いだした。この因子はグリア細胞の増殖をサイトスタチックに抑制することから、われわれはこの因子をグリオスタチンと命名した。 1、研究材料と方法:グリア細胞増殖抑制活性は、培養ラットアストロサイト-マ細胞(C6)に、試料を添加し18時間に取り込まれる ^3Hチミジン量をDNA合成として測定した。精製法は、神経線維腫抽出液からブル-トヨパ-ル、DEAEセファセル、ブチルト-ヨ-パ-ル、ハイドロキシルアパタイト、MonoQカラムを用いた。NTF活性は、培養ラット大脳皮質ニュ-ロンの生存率と神経突起伸展を指標にNTF活性を測定した。 2、研究結果と考察:神経線維腫から5種類のカラムを用いて精製したグリオスタチンは、SDSーPAGE上では、分子量50kの単一バンドとして泳動された。グリオスタチングリアによって産生され、グリア自身に作用するいわゆるオ-トクリン形式で作用するユニ-クな因子である。さらに、大脳皮質ニュ-ロンの生存維持や神経突起伸展作用を併せもつことは、グリオスタチンの将来的な臨床応用(脳腫瘍、神経疾患の治療)を考える上で、重要な知見である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1990年 -1990年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    アルツハイマ-病ばかりでなく各種の神経変性疾患者脳の神経細胞死は、何らかの神経栄養・発育因子(NTF)の低下あるいは過剰産生によるものかもしれない。とくに神経細胞を保護するアストロサイトや軸索を取り巻くシュワン細胞から神経細胞に作用する多くの液性因子(NGF、BDNTF,CNTF)が産生されることが知られている。研究者はこれまで液性因子によるニュ-ロン・グリア相関の研究を進めるなかで、ヒトグリア性細胞が神経芽細胞の増殖と分化を促進する新しい神経発育因子(NGPE)を産生していることを見いだした。 NGPFはフォンレックリングハウゼン氏病患者より得られた神経線維腫組織中に存在し、ヒト神経芽腫細胞(GOTO,TGW,NAGAI)に対し強いDNA合成を促進する活性を持つ。この因子は神経線維腫の抽出液より、熱(100℃、10分間)および酸(pH2.3)処理後、ゲル濾過(BioーGel Pー10、pH2.3)、逆相分取用カラム(LOPーODS)、陰イオン交換カラム(MonoーQ)、逆相系カラム(ODS)にかけ精製した。NGPFは熱・酸安定性の分子量4、400のペプチトで神経芽腫細胞に対し細胞増殖促進効果を示し、数nMでGOTO細胞のDNA合成を効約4倍に増強する。また正常ラット大脳神経細胞の神経突起伸長を促すが、ラット褐色細胞腫(PC12)には無効であった。化学構造的には、アミノ末端はブロックされているだけでなくペプチド鎖に直接他の化合物が結合している。現在、FABーMASやNMRを用いてNGPFの全構造を解析中である。mRNAを直接カエルの卵に刺入して、NGPFcDNAをクロ-ニングする操作を行ったが、ニ次クロ-ニングの段階で活性は同定出来なくなり、最初に得られたmRNAの自然分解のためと結論された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1990年 -1990年 
    代表者 : 加藤 泰治; 浅井 清文
     
    グリア細胞成長因子(GMF)の発現細胞の検索は、これまでおもにラット由来のグリア性細胞(アストロサイトやその腫瘍性細胞)を中心に行われてきた。今年度になり、ヒトの脳腫瘍から5種類のアストロサイト-マおよびグリオブラスト-マを樹立することができた。これらの細胞はいずれも強いGMF産生能を有することが分かった。現在、これらの細胞の増殖能とGMF発現量との関係を、GMFcDNAプロ-ブを用いたmRNAレベル量の変化をもとに検討している。 昨年8月、われわれがウシ由来GMFのcDNAクロ-ニングに成功した時点で、アイオア大学のLimらはGMFの一次構造を発表した。この成果は、われわれの研究が遅れをとったという反省もあるが、反面、長年に渡って研究してきたこのGMFが、既知の成長因子とは全く異なる物質で、グリアのオ-トクリン増殖機構を担っている成長因子であるというわれわれの仮説を証明してくれたことに多大なよろこびを感じている。今後は、われわれが得たプロ-ブを用いてヒトグリオ-マの増殖に関わるGMFの発現調節機構を正常のアストロサイトのそれと比較してゆきたい。また最近、GMFの研究を進める過程で、GMFの細胞増殖促進作用を特異的に阻害するタンパク質性因子(GGIF)をグリア性細胞が産生していることを見いだした。この因子は腫瘍性グリア(アストロサイト-マ、グリオブラスト-マ)の細胞増殖を著明に抑制する新しいサイトカインであることも分かった。この相反する作用をもつGMFとGGIFは、ともにグリアで産生され、さらにグリア自身に作用するオ-トクリンタイプの調節機能を持つ因子である。今後はグリアの腫瘍性増殖発現と、この2つの因子のmRNAおよびタンパク質レベルでの発現との関係を上述した細胞を用いて検討する予定である。
  • 血液脳関門の機能とその形成機構の解明
  • アストロサイトによる 神経機能調節機構の解明
  • アストロサイトの機能解析
  • ニューロン・グリア相関
  • Neuron-Glia Interaction

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