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豊玉 彰子 (トヨタマ アキコ)

  • 薬学研究科コロイド・高分子物性学分野 准教授
メールアドレス: toyotamaphar.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2025/04/29

研究者情報

学位

  • 名古屋市立大学大学院/博士(薬学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 結晶成長   センサー   コロイド結晶   コロイド   微粒子   

研究分野

  • ナノテク・材料 / 複合材料、界面

学歴

  •         -   名古屋市立大学大学院   薬学研究科
  •         -   名古屋工業大学

所属学協会

  • 日本結晶成長学会   日本化学会   高分子学会   

研究活動情報

論文

書籍

MISC

産業財産権

  • 特許7261415:ダイヤモンド格子構造を有するコロイド結晶及びその製造方法  
    山中淳平, 豊玉彰子, 奥薗透, 藤田みのり, 青山柚里奈, 南まどか
  • 特許7253169:SPR測定用基板及びその製造方法  
    山中淳平, 平嶋尚英, 豊玉彰子, 奥薗透, 青山柚里奈, 内田文生, 瀧口義浩
  • 特許6754963:コロイド共晶、コロイド共晶固化体、及びそれらの製造方法  
    豊玉彰子, 山中淳平, 奥薗透, 宇田聡, 野澤純
  • 特許5663752 (2014/12/19):コロイド結晶の製造方法及びコロイド結晶  
    公立大学法人名古屋市立大学
  • 特許5622327 (2014/10/03):アクリル樹脂組成物およびその製造方法、並びにそれを用いて形成した建築用材、身飾品および光学材料  
  • 特許5322298:樹脂組成物およびその製造方法、並びにそれを用いて形成した建築用材および身飾品  
  • 特許5256565:コロイド結晶ゲル、コロイド結晶ゲルを製造する方法、および、素子  

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 山中 淳平; 奥薗 透; 豊玉 彰子
     
    サブミクロンからミクロンサイズの構造周期を持つ、ダイヤモンド型の結晶格子は、可視および赤外光を閉じ込める「完全フォトニック結晶」として働くことが知られ、実用化が待望されている。本研究では、最近開発した「2次元の負荷電コロイド結晶」を第1層とし、その上に正・負の荷電コロイド粒子を交互積層する新規手法を用い、数層以上の繰り返し単位を持つ、シート状ダイヤモンド格子を構築する。本研究では粒子間の相互作用と摩擦力を最適化することで、光学特性評価が可能な、一辺がmm以上の断面を持つ格子を作製するための方法論を確立する。 令和3年度は、粒子間静電相互作用と摩擦力の調節による2層目構造の大面積化を検討した。表面修飾が容易なシリカ粒子(市販)を一層目として用いた。また、カチオン性のシランカップリング剤を用い、正電荷を導入したシリカ粒子を2層目粒子に用いた。顕微鏡観察により1、2層目を識別するため、2層目粒子には赤色蛍光色素を導入した。各層の粒子サイズは500nmおよび1μmの2種類とした。 まず、基板の表面電荷数を最適化し、1層目粒子(負に荷電)のコロイド結晶を、mm オーダーの領域に渡って吸着させることに成功した。次に、2層目粒子の吸着位置に対する添加塩濃度依存性を検討し、2層目粒子の規則性(ボンド配向パラメーター)が完全に規則的な場合の90%に達する積層構造を得た。現状ではおよそ100μm四方に渡って規則的に2層目が吸着した構造が得られている。 このほか、界面活性剤や高分子を添加して粒子表面を修飾し、粒子間の摩擦力を調整する手法を検討しているが、複数の粒子を橋渡しして凝集を生じる場合があり、濃度条件などを改善する必要がある。 また、当初は2年目以降に計画していたが、平面波展開法によるバンド構造の計算を開始した。単層ダイヤモンドのフォトニックバンドの周波数域と粒径、屈折率の関係について、予備的な結果を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 奥薗 透; 豊玉 彰子; 山中 淳平
     
    コロイド粒子の自己泳動現象は、粒子自身が作り出した場によって泳動される現象で、近年盛んに研究されているアクティブ粒子の自己推進メカニズムのひとつとして注目されている。本研究では、荷電コロイド粒子の拡散泳動現象に注目する。拡散泳動の標準的な理論では、強電解質溶液中の荷電コロイド粒子が想定され、溶液中の正イオンと負イオンの拡散係数が異なる場合には、イオン濃度勾配に従って電場が形成され、その電場によって粒子は泳動する。本研究では、弱電解質溶液中の荷電コロイド粒子の泳動を説明する新たなメカニズムを提案した。 弱塩基溶液中のコロイド粒子が、その表面で解離反応を伴いながら運動する場合のダイナミクスを記述するモデルを構築した。粒子表面での解離反応は実験的に支持されているラングミュア型の反応式を用いた。このモデルに基づき、特に一様な弱塩基濃度勾配がある系について解析を行い、表面電荷分布の対称性の破れによって、粒子に働く電気的な力が生じ、それによって濃度勾配の方向に粒子が泳動することを示した。また、粒子の泳動速度は、粒子と溶液の誘電率比およびデバイ遮蔽長に依存し、これらのパラメーターによっては向きが反転する可能性を指摘した。これらの知見は、この系の実際的な応用を考える上で重要である。 上記の系のダイナミクスに関する数値シミュレーションを効率的に行うため、粒子を固定された滑らかなプロファイルをもつ場として表現したシミュレーションモデルを用いた。誘電率比は1とし、様々な塩濃度(遮蔽長)、塩基濃度勾配等のパラメーターに対し、定常状態での泳動速度を計算し、理論値と比較した結果、定性的に一致する結果を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 豊玉 彰子; 奥薗 透; 山中 淳平
     
    コロイド系は、一粒子のダイナミクスが光学顕微鏡によりその場観察でき、また粒子間相互作用の調節も容易であるため、タンパク質や低分子系など、原子・分子系(以下、原子系と略)全般の優れたモデル系として研究されている。 粒径が数100nmのコロイド粒子/水分散系に高分子や第二成分の微粒子を添加したときに生じる枯渇引力による結晶化は、光学顕微鏡によって観察できる。当研究室ではこれまでに、高分子電解質を添加したコロイド系について、共晶構造や多面体結晶の生成など、原子系に類似した現象を多数見出している。 本研究では、これらの様々な現象を原子系の結晶成長理論を用いて解析し、原子系との類似点・相違点を明確にすることで、枯渇引力コロイド系のモデルとしての妥当性を検証する。近年、枯渇引力による構造形成が生物細胞内でも見出されており、本研究の知見は広く自然界で観察される現象の理解に有用と期待される。 今年度は、比重マッチングを行った沈降の影響を受けない試料を作成して実験を行った。中性子散乱実験(オーストラリア原子力科学技術機構ANSTO)、共焦点レーザー走査型顕微鏡や光学顕微鏡観察により、種々の過飽和度における結晶の体積および面積とその時間発展を計測することで、コロイド系における非古典的結晶成長の存在を明らかにした。また、結晶成長過程の動画を解析することで、拡散で接近してきた粒子粒同士が、枯渇引力により会合することを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 山中 淳平; 奥薗 透; 豊玉 彰子
     
    研究実施計画に従い、下記(1)ー(3)項を検討した。 (1)粒子表面の高分子修飾による摩擦力の制御:29年度に引き続き、粒径500nmのシリカ粒子を用い、ポリアクリルアミド/ポリアクリル酸共重合を表面に導入した。より高電荷の粒子として、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを導入した粒子も作製した。また、正電荷粒子について、昨年度はシランカップリング剤を用いて、表面に正荷電のアミノ基を導入したが、電荷数が経時的に減少したため、30年度はシランカップリング剤を用いて、カチオン性の高分子電解質を導入して用いた。 (2)対称性に優れた正四面体型会合体の作成と分級:29年度は正負粒子の4面体型のクラスターが生成する条件を検討したが、結合角度の対称性については、十分検討できなかった。30年度は、共焦点顕微鏡による3次元観察から結合角を評価し、ボンド配向パラメーターを用いた評価を行った。現在、ブラウン動力学を用いた計算機シミュレーションと比較している。また、得られたクラスターの電場による分級を検討し、会合数分布を狭くすることができた。なお、本年度も、オーストラリア中性子科学技術機構(ANSTO)との共同研究として、中性子散乱実験によるクラスターの構造解析を実施した。 (3) クラスラーの会合によるダイヤモンド構造の作成: ダイヤモンド格子の作成実験を開始した。これまでに2核会合体の生成を確認した。 なお、申請時に、本研究は国際宇宙ステーションにおける微小重力実験へ展開する予定であることを記載した。31年10月に米国スペースX社のドラゴンロケットにより打ち上げられ、国際宇宙ステーションにおいて実験を実施する予定である。
  • コロイド結晶の構造制御と新規波長選択光学材料の創製
    JST:戦略的創造研究推進事業(さきがけ)
    研究期間 : 2014年10月 -2018年03月 
    代表者 : 豊玉彰子
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 豊玉 彰子
     
    結晶の格子欠陥は、融点や電気伝導など結晶の材料特性に大きな影響を与えるため、欠陥の制御は重要な基本技術である。結晶欠陥は不純物の混入によっても生じる。これまでに様々な排除機構のモデルが提案されているが、直接観察による実証は行われていない。一方、荷電コロイド粒子が水媒体中で静電反発力により形成する「コロイド結晶」は、一粒子がその場・実時間観察可能であるため、結晶のモデル系となる。本研究では、不純物粒子を添加したコロイド系の結晶/融液界面を光学顕微鏡観察し、不純物排除の素過程における粒子の運動を検討した。また、これまで結晶構造は壁付近の観察を実施していたが、壁の形状の影響についても検討した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 山中 淳平; 奥薗 透; 豊玉 彰子
     
    本研究では、正負電荷を持つコロイド粒子が静電力で結合し、正4面体型などに配列したクラスターを構築した。本クラスターは異方的結合性を持ち、かつ量産が可能であり、その自己集合により、新規構造の構築が期待できる。3年間の検討により、正負電荷2成分系で、孤立した正四面体状のクラスター形成条件(各成分の粒子濃度、濃度比、粒径比)を明らかにした。会合数に及ぼす電荷の影響については、計算機シミュレーションによっても検討した。また、イオン性界面活性剤の吸着を利用することで、粒子の電荷数を連続的に変化でき、会合数の調整が行えることを明らかにした。クラスター同士の集合による高次構造の作成を継続検討中である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月 
    代表者 : 豊玉 彰子
     
    結晶内における不純物拡散の解明には、不純物が作る格子欠陥近傍の1原子/分子のミクロな拡散過程の理解が必要であるが、その直接観察は困難であり、これまで結晶のマクロ特性から拡散機構が推定されてきた。一方、荷電したコロイド微粒子が形成する「コロイド結晶」は、一粒子のその場・実時間観察が可能なモデル系である。本研究では、不純物粒子添加によりコロイド結晶に格子欠陥を作り、その近傍の粒子の拡散過程を光学顕微鏡観察した。これにより、不純物粒子の拡散素過程の一例である空孔機構等の一粒子観察に成功した。粒子の軌跡解析により格子内における不純物の拡散の場合と移動距離が一致した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 豊玉 彰子
     
    本研究は、倒立顕微鏡法による荷電コロイド結晶の結晶核生成および結晶成長過程の一粒子観察を課題とした。直径500nm程度以上の粒径を有するポリスチレン粒子を観察し、その動きをハイスピードカメラで記録した。得られた顕微鏡像は、結晶化度を視覚化し、結晶化過程における粒子の動きや、結晶構造における格子振動の解析を行った。さらに、結晶格子内への不純物粒子の取り込みや排除の過程についても一粒子観察することに成功した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 山中 淳平; 米勢 政勝; 豊玉 彰子; 篠原 真里子; 永野 亮太; 鈴木 美紗記; 菅生 行紘
     
    光学材料への応用を目指した高品質コロイド結晶の構築が、過去10年間にわたって世界的な注目を集めてきた。本研究は、代表研究者らが最近見出した「温度変化による荷電コロイドの結晶化」技術にもとづき、金属・半導体材料の単結晶化/高純度化に用いられる熱アニール法および帯域融解(ゾーンメルト)法をコロイド結晶に適用した。微細な結晶の集合体から大型単結晶を作製し、また種々の結晶格子欠陥を除去する原理を確立した。得られた大型・高品質の結晶を高分子ゲルで固定し、自立した材料を作製できた。

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