研究者データベース

鬼頭 宏彰 (キトウ ヒロアキ)

  • 医学研究科薬理学分野 講師
Last Updated :2024/03/19

研究者情報

学位

  • 博士(薬学)(2014年04月 名古屋市立大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 骨芽細胞   イオンチャネル   

研究分野

  • ライフサイエンス / 薬理学

経歴

  • 2023年04月 - 現在  名古屋市立大学大学院医学研究科 薬理学分野講師
  • 2018年01月 - 2023年03月  名古屋市立大学大学院医学研究科 薬理学分野助教
  • 2014年10月 - 2017年12月  京都薬科大学病態薬科学系 薬理学分野助教
  • 2014年04月 - 2014年09月  日本学術振興会 特別研究員(PD)
  • 2013年04月 - 2014年03月  日本学術振興会 特別研究員(DC2)

学歴

  • 2011年04月 - 2014年04月   名古屋市立大学   大学院薬学研究科   博士後期課程
  • 2009年04月 - 2011年03月   名古屋市立大学   大学院薬学研究科   博士前期課程
  • 2005年04月 - 2009年03月   名古屋市立大学   薬学部   製薬学科

所属学協会

  • 日本癌学会   日本薬学会   日本生理学会   日本薬理学会   

研究活動情報

論文

MISC

受賞

  • 2020年08月 American Physiological Society APSselect August 2020
     
    受賞者: Hiroaki Kito
  • 2013年03月 生体機能と創薬シンポジウム2013 優秀発表賞
     
    受賞者: 鬼頭宏彰

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 鬼頭 宏彰
     
    K+チャネルは、細胞内Ca2+シグナルを直接または間接的に制御することにより、様々な細胞種において増殖・分化及び細胞死に重要な役割を果たす。骨組織は骨形成と骨吸収による骨リモデリングによりその恒常性を保っており、その破綻が多くの骨代謝性疾患の原因となっている。骨代謝性疾患の治療薬の開発戦略の中で、骨形成を担う骨芽細胞機能の制御機構の解明が注目をされているが、前骨芽細胞に機能発現するK+チャネルが骨芽細胞を介した骨組織恒常性機構において、どのような生理的役割を果たしているのかは明らかにされていない。そこで本研究の目的は、①骨芽細胞分化におけるK+チャネルの役割を解明し、②骨形成の分子機構におけるK+チャネルの生理的意義を解明することで、骨代謝疾患治療を指向したイオンチャネル創薬戦略を考案することである。これまでの検討において、骨芽細胞分化に対するイオンチャネルの役割を検討したところ、骨芽細胞への分化成熟過程において内向き整流性KチャネルKir2.1の発現が亢進し、骨芽細胞分化の制御に関連することが示された。今年度の検討において、マウス胎児より単離した中足骨を用いた軟骨内骨化モデルを用いてKir2.1の骨組織における役割を検討した。その結果、培養細胞実験と同様にKir2.1阻害により中足骨の石灰化が有意に抑制されたことから、組織レベルにおいても骨芽細胞の成熟にKir2.1活性が大きく寄与することが示された。 以上の結果より、Kir2.1は骨芽細胞増殖及び細胞分化の制御において重要な役割を果たすことから、骨形成制御を目的としたイオンチャネル創薬の標的分子としての可能性を検討していきたい。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2024年03月 
    代表者 : 大矢 進; 鬼頭 宏彰
     
    本研究の目的は、三次元(3D)スフェロイド培養システムを用いてin vitroで再現した腫瘍微小環境でのがん幹細胞能および抗がん剤耐性能の獲得におけるカルシウム活性化カリウムチャネル(KCaチャネル)の病態生理学的意義を解明し、KCaチャネル作用薬の悪性がん治療薬としての潜在性を示すことである。本年度の研究計実施計画では、ヒト前立腺がん細胞における①抗アンドロゲン剤耐性獲得のメカニズムを解明するとともに、②KCa1.1阻害薬による抗アンドロゲン剤耐性克服効果を検討した。本研究では、アンドロゲン依存性ヒト前立腺がん細胞LNCaPを用いて以下のことを明らかにした。(1) スフェロイド培養によりLNCaPのKCa1.1活性が亢進しており、ユビキチンE3リガーゼFBXW7の発現抑制によるKCa1.1のタンパク分解の抑制が関与することを明らかにした。(2) LNCaPスフェロイド培養モデルにおいて、KCa1.1阻害薬の前投与によりdoxorubicin耐性が克服された。また、doxorubicin耐性獲得とKCa1.1阻害によるその克服には、ABCトランスポーターMRP5が関与することが示唆された。(3) LNCaPスフェロイド培養モデルにおいて、抗アンドロゲン剤耐性獲得にユビキチンE3リガーゼMDM2を介したアンドロゲン受容体ARタンパク分解促進が関与しており、KCa1.1阻害薬の処置によりMDM2発現が抑制されることにより、抗アンドロゲン剤耐性が克服された。さらに、「乳がん患者の腫瘍サンプルを用いたイオンチャネル発現の網羅的解析」を実施した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
    研究期間 : 2018年10月 -2021年03月 
    代表者 : 今泉 祐治; 大矢 進; 山村 寿男; 鈴木 良明; 鬼頭 宏彰
     
    炎症慢性化過程の細胞機能変動において、免疫担当細胞に機能発現するイオンチャネルがどのような病態生理学的意義を果たしているかは明らかにされていない。本研究の目的は、貪食機能を有する免疫担当細胞の活性化と、炎症慢性化による組織リモデリングにおける細胞内Ca2+濃度制御に関わるイオンチャネル群とその分子機構を解明し、炎症慢性化・組織リモデリングにおける新規治療標的イオンチャネルを探索・同定することである。本年度の研究実施計画は、マウス腹腔マクロファージのサブセット依存的なイオンチャネル発現・活性の解析であった。マウス腹腔マクロファージは、Large peritoneal macrophage (LPM)とSmall peritoneal macrophage(SPM)の二つのサブセットが存在することが報告されていることから、両細胞を分取しイオンチャネル発現解析を行ったところ、SPMにおいて有意にKCa3.1 K+ チャネルが高発現し、細胞機能制御に関与する可能性を明らかにした。 変形性関節症(OA)に対するCa2+シグナルの関係を明らかにするため、in vitroのOAモデルとしてIL-1β処置した軟骨細胞を用い、OA病変とイオンチャネルの関連を調べた。IL-1β刺激により、マウス初代培養軟骨細胞において、一過性あるいは反復性のCa2+シグナルが観測された。また、その下流シグナルとしてNFATやCaMKの活性化を示唆するデータも得た。種々のイオンチャネル阻害薬により、IL-1βによって誘発されるOAマーカー(ADAMTS5やIL-6)発現も有意に抑制された。 カルガリー大学Wayne R. Giles教授を日本に招聘し、特別講演および共同研究に関するディスカッションを行った。特に、日本人若手研究者のカルガリー大学への2019年度の派遣に向けて、具体的にどこの研究室へ派遣し共同研究を実施するか綿密な打ち合わせを行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 鬼頭 宏彰
     
    前骨芽細胞の細胞増殖・細胞分化は骨組織恒常性維持において重要な役割を果たしている。我々は、マウス前骨芽細胞MC3T3-E1を用いて細胞増殖・細胞分化におけるイオンチャネルの役割を検討した。これまでの検討により、MC3T3-E1細胞には中コンダクタンスCa活性化KチャネルKCa3.1が機能発現することを明らかにしている。今検討により、細胞増殖に対するKCa3.1の役割を検討したところ、細胞周期依存的にKCa3.1発現・活性が変動し細胞内Caシグナルを修飾することによって細胞増殖の制御に関与することが明らかになった。 細胞分化に対するイオンチャネルの役割を検討したところ、骨芽細胞への分化成熟過程において内向き整流性KチャネルKir2.1の発現が亢進し、骨芽細胞分化の制御に関連することが示された。Kir2.1は活性化により深い静止膜電位の形成に寄与することが考えられたため、細胞膜電位に対するKir2.1阻害作用を検討したところ、骨芽細胞分化によりKir2.1依存的な膜電位成分が増加した。骨芽細胞分化マーカー(ALP及びBSP)の発現およびALPの酵素活性を評価したところ、Kir2.1の阻害により発現・活性の有意な低下が認められたことからKir2.1は骨芽細胞分化を正に制御する因子であることが予想された。 以上の結果より、KCa3.1及びKir2.1は骨芽細胞増殖及び細胞分化の制御において重要な役割を果たすことから、骨形成制御を目的としたイオンチャネル創薬の標的分子としての可能性を検討していきたい。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 大矢 進; 鬼頭 宏彰; 村木 克彦
     
    2種類のK+チャネル(K2P5.1とKCa3.1)が炎症性腸疾患(IBD)の病態に関与している。本研究により、①pre-mRNAスプライシング阻害薬が、活性化T細胞におけるK2P5.1の発現過程に異常をきたし、K2P5.1活性を消失させること、②クラスI ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬により、CD4陽性T細胞におけるKCa3.1発現・活性が抑制されること、③KCa3.1活性化薬が、Smadシグナルを抑制することで制御性T細胞のIL-10発現・産生を抑制することを見出した。IBD病態におけるK+チャネルの役割に関する理解が深まった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 鬼頭 宏彰
     
    本研究では、マウス前骨芽細胞(MC3T3-E1)において機能発現するイオンチャネルの分子同定とその生理機能の解析を目的として研究を行い、以下の点を明らかにした。 ①Ca2+活性化K+チャネルKCa3.1が機能発現し、Ca2+シグナル制御を介して細胞増殖を促進した。②ビタミンD刺激により誘導されるマウス前骨芽細胞の増殖抑制作用において、KCa3.1活性低下が一部寄与した。③ビタミンD刺激によるKCa3.1発現抑制メカニズムを検討したところ、AP-1およびHDAC2の活性低下が関与する可能性が示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    研究期間 : 2013年 -2014年 
    代表者 : 鬼頭 宏彰
     
    脳血管内皮細胞は血液脳関門を構成する主要な構成細胞であり、脳血管内皮細胞の正常な細胞増殖は血液脳関門の機能維持において需要な役割を果たすと考えられる。我々は脳血管内皮細胞の細胞増殖・細胞死制御において細胞内遊離Ca^<2+>濃度変化が重要な役割を担うことを明らかにしていることから、本検討では脳血管内皮細胞におけるストア作動性Ca^<2+>流入(SOCE)を介した細胞内Ca^<2+>動態について検討した。本年度の検討によりウシ脳血管内皮細胞株t-BBEC117において主に機能発現するOrai, STIMのサブタイプはOrai1及びSTIM1であり、CRACチャネルを構成し SOCE を担うことを明らかにした。細胞増殖に対する CRAC チャネルの寄与を詳細に検討するために、t-BBEC117に対して細胞周期同調培養を行った。その結果、他の細胞周期と比較してG2/M期の細胞群において有意にSOCE活性が低下することが明らかとなった。この細胞周期依存的なSOCE活性低下の原因を検討するために、細胞周期依存的なイオンチャネル発現変化を解析したところG2/M期においてOrai2の発現がmRNA及びタンパクレベルで有意に上昇していた。また、G2/M期におけるSOCE活性低下はsiRNAによるOrai2発現抑制により消失した。以上の結果より、G2/M期においてOrai2発現が増加しSOCEに対して抑制的に作用することが明らかとなった。細胞周期依存的なSOCE活性低下が細胞周期進行に及ぼす影響を検討するために、Orai2発現抑制細胞における細胞周期分布を解析した。その結果、対照群と比較して、発現抑制細胞においてG0/G1期の割合が有意に減少していることが明らかとなった。またMTT法によりOrai2発現抑制細胞における細胞増殖を検討したところ、対照群と比較して有意に細胞増殖が減少した。以上の結果より、Orai2は細胞周期依存的にSOCE活性を変化させ細胞周期進行を制御することで、正常な細胞増殖に寄与することが明らかとなった。

委員歴

  • 2018年04月 - 現在   日本薬理学会   学術評議員

担当経験のある科目

  • 薬理学名古屋市立大学
  • 薬理学京都薬科大学

その他のリンク

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