教材開発を目指した高齢者介護施設における新人介護人材育成のプロセスの実態調査
Japan Society for the Promotion of Science:Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
Date (from‐to) : 2018/04 -2022/03
Author : 大場 美和子; 吉田 輝美
本研究の目的は、介護施設の業務に関して、研修担当者が介護未経験者に専門的介護技術を指導する場面を継続的に収録し、研修担当者と新人間で業務を伝達するやりとりの実態、ならびに、そこで発生する問題を、会話データから具体的に明らかにすることである。調査では、介護技術を含む施設での就労に関して、研修担当者の指導方法と新人の業務の習得のプロセスをそれぞれ会話データから記述する。そして、就労場面での問題とその解決策を考察したうえで、介護の人材育成のための研修プログラムと指導マニュアルの作成を目指す。具体的には、介護施設関係者に対するインタビュー調査と実際の就労場面の調査を行ってデータを収集する。
当初の予定とは異なる介護施設で調査を行うこととなったものの、インタビュー調査では、人材育成担当者2名、外国人新人介護職員(ミャンマー出身、日本在住歴20年以上、日本語上級レベル)2名、日本人新人介護職員1名、施設の現場指導者4名から話を聞くことができた。介護事業所としてどのような人材育成方針であるのか、それを現場ではどのように指導しようとしているのか、日本人ならびに外国人の新人介護職員はどのように介護技術を学び、現場で実践しようとしているのか、異なる立場からそれぞれの視点で話を聞くことができた。
さらに、就労場面の調査では、予備調査として、外国人新人介護職員2名を対象に、施設での就労場面(早番、遅番、日勤、夜勤)の音声収録ならびに参与観察を行った。現在はこれらの分析を進めており、今後はその成果を発表するとともに、次年度の本調査につなげる。