日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
Date (from‐to) : 2021/04 -2024/03
Author : 加藤 晋; 野村 孝泰; 加藤 寛之
本年度は肺胞マクロファージの採取と分析の基盤となる系を確立することから着手した。
①肺胞マクロファージの採取と分析; 1.1免疫組織学的検討:P0からP10まで85%酸素に暴露して作成する慢性肺疾患モデル(以下モデル)を作成し、ホルムアルデヒド固定してパラフィン包埋切片を作成し、肺胞マクロファージ特異的表面抗原マーカー(CD68, 163) を用いて肺胞マクロファージの存在を確認した。; 1.2BALFの採集:P4マウスの気管切開とカニュレーションを行い、HBSS0.5mLを用いて肺胞洗浄液を回収した。肺胞洗浄液を遠心して回収し、スライド上に固定してギムザ染色を行い、肺胞マクロファージの回収ができていることを確認した。;1.3 肺胞懸濁液の作成:P1マウスの肺を摘出し、dissociation kitを用いて肺懸濁液を作成した。以上の手技を確立した上で、E17, P1, P4, P7, P10にて肺懸濁液を作成し、フローサイトメトリーで肺内に存在するマクロファージのプロファイリングを実施する予定である。; 1.4フローサイトメトリーによる炎症細胞のプロファイリング
②慢性肺疾患モデル動物の作成; 2.1高濃度酸素暴露によるモデル作成:炎症を惹起させるモデルのベースとして、1.1にも述べたとおりモデル作成を行った。;2.2高濃度酸素+LPS投与によるモデル作成:動物への薬物投与トレーニングも含め、現在モデル作成に取り掛かっている。P10で固定して免疫組織化学法を用いて構造の解析を行い、炎症によって惹起される肺胞形成の悪化を確認していく予定である。