研究者データベース

加藤 寛之 (カトウ ヒロユキ)

  • 医学研究科実験病態病理学分野 講師
メールアドレス: h.katomed.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/04/24

研究者情報

学位

  • 博士(名古屋市立大学)

J-Global ID

研究分野

  • ライフサイエンス / 実験病理学

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 加藤 晋; 野村 孝泰; 加藤 寛之
     
    本年度は肺胞マクロファージの採取と分析の基盤となる系を確立することから着手した。 ①肺胞マクロファージの採取と分析; 1.1免疫組織学的検討:P0からP10まで85%酸素に暴露して作成する慢性肺疾患モデル(以下モデル)を作成し、ホルムアルデヒド固定してパラフィン包埋切片を作成し、肺胞マクロファージ特異的表面抗原マーカー(CD68, 163) を用いて肺胞マクロファージの存在を確認した。; 1.2BALFの採集:P4マウスの気管切開とカニュレーションを行い、HBSS0.5mLを用いて肺胞洗浄液を回収した。肺胞洗浄液を遠心して回収し、スライド上に固定してギムザ染色を行い、肺胞マクロファージの回収ができていることを確認した。;1.3 肺胞懸濁液の作成:P1マウスの肺を摘出し、dissociation kitを用いて肺懸濁液を作成した。以上の手技を確立した上で、E17, P1, P4, P7, P10にて肺懸濁液を作成し、フローサイトメトリーで肺内に存在するマクロファージのプロファイリングを実施する予定である。; 1.4フローサイトメトリーによる炎症細胞のプロファイリング
    ②慢性肺疾患モデル動物の作成; 2.1高濃度酸素暴露によるモデル作成:炎症を惹起させるモデルのベースとして、1.1にも述べたとおりモデル作成を行った。;2.2高濃度酸素+LPS投与によるモデル作成:動物への薬物投与トレーニングも含め、現在モデル作成に取り掛かっている。P10で固定して免疫組織化学法を用いて構造の解析を行い、炎症によって惹起される肺胞形成の悪化を確認していく予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 加藤 寛之
     
    本研究はフラボイドの1種であるLuteolinがSTAT3-DPYD経路を介して膵発癌の抑制をするという我々の研究を元に、DPYDは5-FUの分解酵素である事に着目し、5-FUとLuteolinによる膵癌治療における相乗効果を検討しDPYDの制御機構をより詳細に明らかにする事が目的である。本年度は予定ではshDPYDによるDPYD抑制株の作成を予定していたが、DPYDをCSⅡ-CMV-MCS-IES2-Bsd ベクターを用いてDPYD低発現膵癌細胞株である8988T、AsPC1に強制発現させた細胞株を作成し実験に用いた。DPYD強制発現細胞株ではpSTAT3発現、増殖能が増加する事を見いだしDPYDとSTAT3は相互依存の関係であることが分かり、DPYDの発現自身が増殖能に寄与することを見いだした。また、両者とも低容量の5-FU投与においてはDPYD高発現細胞株で感受性が低い事が分かり、DPYD高発現は5-FUの治療抵抗性に寄与することを見いだした。 また、DPYDのプロモーター領域のMotif AssayからDPYDの発現調節にはE2F1, COUP-TF1が関与している可能性があり、タンパク、mRNA発現を検討するとCOUP-TF1はLut投与により発現が低下し、STAT3発現抑制によっても発現が低下している事が分かりSTAT3-DPYD経路に関与している事が示唆された。KPCマウスを用いた5-FUとLuteolinの相乗効果についてはKPCマウスの確保に難渋し現在実験を行っている最中である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 高橋 智; 内木 綾; 加藤 寛之
     
    (1) PLS10由来のcDNA発現ライブラリーの作成 PLS10のmRNAから逆転写によりcDNA群を作成し、エントリーベクターに組み込んだcDNAライブラリーを樹立した。さらにレンチウイルスベクターに組み替えたcDNA発現ライブラリーを作成した。cDNA発現ライブラリーが適切に作成されたかどうかを検討したところ、cDNAをエントリーベクターに組み込む段階での組み替え効率は23%程度、レンチウイルスベクターに組み替える段階での効率が33%程度であることを確認した。組み替え効率が低く、適切なcDNA発現ライブラリーが作成されていないことが明らかとなった。 (2) マイクロアレイ解析から抽出した遺伝子群の検討 PLS10、PLS20、PLS30のマイクロアレイ解析からPLS10のみ高発現がみられた9遺伝子(Cd81、Ccl2、Cx3cl1、Ifi44、Pycard、Nradd、Tmem9、Ubxd8、Tmem252)を抽出し、qRT-PCR法を用いてその発現を検討したところ、Cd81、Ccl2、Cx3cl1、Nradd、Tmem252の5遺伝子はmRNA量がPLS10のみ増加していることを確認した。この5遺伝子の中からCd81についてさらに検討した。PLS10、PLS30のCd81タンパク発現量を比較し、PLS10のみで高発現していることを確かめた。 これらを踏まえ、PCR法によりFLAG-Cd81融合遺伝子を構築し、Cd81発現レンチウイルスベクターを作成した。その後、PLS30に遺伝子導入を行い、PLS30にFLAG-Cd81が発現していることを確認した。Cd81を導入したPLS30は有意に細胞増殖速度が増加していた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 内木 綾; 野尻 俊輔; 高橋 智; 加藤 寛之
     
    非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) は急増し、肝癌に進展することから予防法の開発が望まれている。肝細胞ギャップ結合タンパクであるconnexin 32 (Cx32)をドミナントネガティブに阻害し、細胞間コミュニケーション能が低下したトランスジェニック(Tg)は、野生型 (Wt)ラットと比較して、化学物質に対する感受性が高い。昨年度、メタボリックシンドロームを随伴するNASHモデルを新たに確立することを目的として、 7週齢雄TgラットおよびWtラットに、high fat diet (HFD)とdimethylnitrosamine (DMN)を投与しNASHを惹起した。その結果、肝におけるNASH、線維化や前癌病変とともに、従来のメチオニン・コリン欠乏飼料を用いたNASHモデルでは見られない、肥満やインスリン抵抗性が誘導されることが明らかとなった。本年度は、このTg-HFD-DMNモデルを用いて、NASHの化学予防効果の検証が可能であるかを検証した。Tg-HFD-DMNモデルに対して、被験物質としてアントシアニンを豊富に含有する紫米抽出物を投与した結果、脂肪肝炎、肝線維化は有意に抑制され、このモデルの肝において遺伝子発現が上昇する炎症性サイトカイン(Tnfα, Tgfβ, Il1β, IL18, Ifnγ, Timp1, Timp2, Col1a1)とNF-κBおよびJNKシグナルの活性化に対する抑制効果を認めた。紫米抽出物投与群では、活性型肝星細胞が減少しており、肝線維化の抑制に関与していると考えられた。現在、HFDとDMNを投与したTgとWtラットの血清からエクソソームを抽出し、マイクロRNAの発現変化を検討している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 加藤 寛之
     
    以前の疫学調査の結果、アレルギー疾患罹患者かつ治療歴の長い患者は膵癌の発生は低いという報告がなされた。この報告から抗アレルギー薬には膵癌発生予防効果があるのではないかと考えハムスター膵発癌モデルを用いて実験を行った所、4種類の抗アレルギー薬からロイコトリエン受容体拮抗薬のみが有意な膵発癌予防効果が有ることが分かった。その機序として、膵星細胞内から分泌される物質を修飾する事により、Smad3経路を介して増殖抑制効果を来している事が推測された。

その他のリンク

researchmap



Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.