田向 権; 田中 豪; 末竹 規哲
電子情報通信学会技術研究報告SIS2014-98,vol.114, no.496, pp.39-44, 2015/03
本稿では,クレイク・オブライエン効果を生成する簡略型アルゴリズムの提案を行う.提案方法では,入力画像中のオブジェクトの周辺部のみ函南のY成分を変化させることでクレイク・オブライエン効果を生成する.これにより,オブジェクト間のコントラストに差がつくような錯視が生成され,入力画像の色に関する印象を保ったまま,2色覚者にとって弁別困難なオブジェクトを判別可能とする.提案手法では,オブジェクトの輪郭情報を抽出するためにTモデルフィルタを導入する.Tモデルフィルタは1ライン分のラインバッファで構成可能であるため,少ないメモリ使用量での実現が可能である.また,提案手法では,乗算や除算を必要としない簡略化が成されている.これらにより,組込み化に適したクレイク・オブライエン効果の生成が可能となる.いくつかの実験により提案手法の有効性を示す.