日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2024年04月 -2029年03月
代表者 : 末松 三奈; 田中 真木; 高橋 徳幸; 半谷 眞七子; 宮崎 景
臨床実習を経験した医療系学生の専門職間コンピテンシーの自己評価尺度 (C-JASSIC)がある。(Haruta,2024)名古屋大学医学部医学科では臨床実習において薬学生、看護学生との模擬患者(SP)参加型の IPE を行っており、その効果として学生間のチームワークとコミュニケーション能力の向上が見込めることや、SP との交流により学生同士の協力が促進されるということが報告されている。(Shamoto,2017)また、模擬患者家族(SFM)参加型の、薬学生、看護学生とのオンライン IPE では、学生にとって他職種の考えや見方を知る貴重な機会になったことが報告されている。(Noda,2021) 2024 年 10 月から、新たなシナリオを作成して、SFM 参加型の、意思決定が困難な認知症を有する方の家族へのアドバンスケアプランニング(ACP)についての IPE を開始した。
ACP とは、将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて本人を主体にそのご家族や近しい人、医療・ ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、本人による意思決定を支援する取り組みであり、医療者教育でも重要な位置を占めている。(日本医師会,2023)アメリカで行われた ACP をテーマとした SP 参加型の IPE では、実習前後を比較すると職種間のコミュニケーションスキルと ACP に関する知識が向上したが、職種間チームワークには有意な差が見られなかったという報告がある。(Millstein,2022) しかし、SFM 参加型の IPE に関する報告は、見られなかった。
そこで、今年度は、ACP をテーマとした SFM 参加型の IPE によってIPE コンピテンシーに対する認識がどのように変化するか、また、ACP に対して何をどのように考え、感じたかを探索した。