日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2021年04月 -2026年03月
代表者 : 益田 美津美; 杉山 文乃; 八木 街子; 井上 智子; 田戸 朝美; 栗原 康行; 大石 英則; 淺田 義和; 高崎 詩彩
令和3、4年度で、以下の①、②、③を計画・実施した。
①高度実践看護師教育課程におけるシミュレーション教育の実態を明らかにすることを目的に全国調査を行った。APRN教育全336教育課程の長または教育課程の長が適任とした教員を対象とし、オンライン調査を実施した。その結果、シミュレーターの保有率は高かったが、XR教材の普及率は未だ低いことが明らかになった。また、実施しているシミュレーション教育のタイプは、シナリオベースのシミュレーションやペーパーペイシェント、ロールプレイなどが多く行われていた。学部教育とは異なり、タスクトレーニングやアルゴリズム型のスキルに関連した能力向上よりも、臨床判断能力やAPRNとしての役割機能の能力を高めるためのトレーニングが必要であり、そのためのトレーニングが多く実施されていることが示唆された。
②IMSH 2023および米国ハワイ州でのSimTiki・WCCHC Workshopを企画した。これらの視察により、コロナ禍を経てバーチャルなデバイスや学習コンテンツが大幅に増える等の知見が得られた。また、SimTikiシミュレーションセンターでは設備の充実により、米国と日本など遠隔での共同シミュレーションを行うことが可能となっていた。ここから、より効果的・効率的な学習方法として更なる活用が期待される。Waipahu Family Health Center では、NPによる産婦人科診療の現場を見学した。コミュニケーションスキルを活かした診療を行い、患者に合わせた治療選択の提案をしていた。最善の治療が受けられるようにともに考えることで、プライマリーケアを実践していた。
③現在、CCNS教育へのニーズと障壁の明確化するために質的調査を行っている。これにより、CCNSの特徴を反映した学習課題、学習内容を明確化できると考える。