研究者データベース

井上 靖道 (イノウエ ヤスミチ)

  • 薬学研究科細胞情報学分野 准教授
メールアドレス: yainouephar.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/04/26

研究者情報

学位

  • 名古屋市立大学大学院薬学研究科(2004年03月)

J-Global ID

研究キーワード

  • 転写制御   分子標的   がん   細胞周期   

研究分野

  • ライフサイエンス / 医療薬学
  • ライフサイエンス / 薬系衛生、生物化学
  • ライフサイエンス / 腫瘍生物学

経歴

  • 2011年02月 - 現在  名古屋市立大学大学院薬学研究科Graduate School of Pharmaceutical Sciences
  • 2007年04月 - 2011年01月  財団法人癌研究会癌研究所生化学部
  • 2008年04月 - 2009年03月  独立行政法人日本学術振興会
  • 2004年04月 - 2007年03月  国立がんセンター研究所放射線研究部

学歴

  • 1999年04月 - 2004年03月   名古屋市立大学大学院薬学研究科   Graduate School of Pharmaceutical Sciences
  • 1995年04月 - 1999年03月   名古屋市立大学   薬学部

所属学協会

  • 日本薬学会   日本分子生物学会   日本がん分子標的治療学会   日本癌学会   

研究活動情報

論文

MISC

受賞

  • 2020年10月 名古屋市立大学 令和2年度 学長表彰
  • 2012年 日本がん分子標的治療学会 研究奨励賞

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年04月 -2027年03月 
    代表者 : 井上 靖道
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 井上 靖道
     
    上皮間葉転換 (EMT) は、がんの浸潤・転移をはじめとしたがんの悪性化に深く関与している。しかしながら、EMT研究においては、in vitroで得られた結果と、in vivoでの研究結果との間で整合性がつかないことも多く、両者を隔てる原因として、生体における腫瘍の時間空間的多様性が考えられる。本研究では、EMTを起こしたがん細胞の生体内動態を可視化できるイメージングシステムを構築して、EMT形質の獲得および腫瘍化に重要な因子やシグナル伝達を明らかにし、がん転移を予防または克服する薬の創造的開発につながることを目的とした。 今年度の研究で以下の結果を得た。 (1)ヒトビメンチン(Vim)プロモーター、マウスVimプロモーターを元にしたEMT可視化レポータープラスミドを用いて、NMuMG及びA549をはじめとした各細胞株に導入しTGF-β、TNF-αによるEMT誘導とレポーター活性化を確認した。ビメンチン以外にも、間葉系マーカーN-cadherinとテネイシンC、上皮系マーカーE-cadherinを利用した可視化プローブの検討も実施した。(2)作成したEMT可視化を用いて、がん原遺伝子c-MycによるSnail誘導を介したEMT誘導機構の分子メカニズムを解析した。加えて、脱ユビキチン化酵素USP17がc-Mycの脱ユビキチン化を介してc-Mycタンパクを安定化させ、c-Mycによる細胞増殖とワールブルグ効果様代謝変化を促すことを明らかにし論文発表した。
  • p53野生型難治性腫瘍に対する新規治療薬の探索
    国立研究開発法人日本医療研究開発機構:創薬総合支援事業(創薬ブースター)
    研究期間 : 2023年04月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 井上 靖道
     
    上皮間葉転換(EMT)は、がんの浸潤・転移をはじめとしたがんの悪性化に深く関与している。したがって、EMTの制御機構を明らかにすることは、新たながん治療法を開発する上で極めて重要である。申請者らはEMTの誘導に関わる転写因子Snailタンパクの安定性を制御する新規脱ユビキチン化酵素(DUB)を同定し、そのDUBががんの浸潤・転移に関与することを見出した。これらの研究成果から、EMTを制御する脱ユビキチン化酵素を同定することで、同酵素の阻害による新たながんの分子標的薬の開発につながると考えた。そこで本研究では、申請者らがすでに研究を進めているSnailに加えて、一連のEMT関連転写因子に対するDUBを同定し、EMT誘導における分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。 本年度までの研究で以下の結果を得た。 (1)DUBによるSnailタンパク発現を介したEMT制御:Snailに対する新規DUBに対する阻害剤を入手し、その阻害剤の処理でSnailタンパクの半減期が減少することを確認した。(2)Twistタンパクを制御するDUBの同定:Twistの脱ユビキチン化をするDUBを同定し、その酵素をsiRNAでノックダウンすることで、Twistレベルの低下、細胞の運動能・浸潤能が低下することを明らかにした。(3)EMTを制御するヒストンメチル化酵素SET8に対するDUBの同定:SET8を脱ユビキチン化する酵素として新たにUSP17を同定した。USP17のノックダウンは、SET8のレベルを低下させるとともにH4K20me1のレベルを低下させ、細胞増殖を抑制した。
  • SREBPタンパクの安定性を制御する新規脱ユビキチン化酵素の同定と治療への展開
    小野医学研究財団:研究奨励助成
    研究期間 : 2018年 -2019年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 井上 靖道; 林 秀敏
     
    TGF-betaは増殖因子として発がんに関わる一方で、がんの悪性化を促すといった作用を持つことが知られている。しかしながら、その相反する生理作用がどのように制御されているかについては未だ不明なままである。本研究では、メチルトランスフェラーゼSET8がその作用を媒介する一つのSmadコファクターであることを見出した。また、がん抑制遺伝子p53がTGF-betaのがん抑制的な作用をフォローアップするコファクターであることも明らかにした。
  • がん抑制遺伝子p53活性化作用を持つ化合物の同定とその作用機序の解析
    東洋医学研究財団:研究・調査助成金
    研究期間 : 2017年 -2018年 
    代表者 : 井上 靖道
  • メチルトランスフェラーゼSET8によるTGF-βシグナル制御を介したがん悪性化メカニズムの解明
    金原一郎記念医学医療振興財団:基礎医学医療研究助成金
    研究期間 : 2017年 -2018年 
    代表者 : 井上 靖道
  • メチルトランスフェラーゼSET8によるTGF-βシグナル制御を介したがん悪性化メカニズムの解明
    愛知県がん研究振興会:愛知県がん研究振興会
    研究期間 : 2017年 -2018年 
    代表者 : 井上 靖道
  • メチルトランスフェラーゼSET8によるTGF-βシグナル制御を介したがん悪性化メカニズムの解明
    稲盛財団:研究助成
    研究期間 : 2015年 -2017年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 原がん遺伝子Ski阻害ペプチド(Ski-tide)による新規がん治療法の開発
    科学技術振興機構(JST):研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)
    研究期間 : 2015年 -2016年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 関節リウマチ関連タンパク質PADI4 によるTGF-β シグナル伝達制御機構の解析
    中冨健康科学振興財団:研究助成金
    研究期間 : 2014年 -2016年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 原がん遺伝子Ski阻害ペプチドによる新規分子標的薬の創製
    横山臨床薬理研究助成基金:研究助成金
    研究期間 : 2014年 -2015年 
    代表者 : 井上 靖道
  • エピジェネティック制御によるTGF-βのがん抑制因子から悪性化因子への転換機構
    鈴木謙三記念医科学応用研究財団:調査研究助成金
    研究期間 : 2014年 -2015年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 翻訳後修飾制御によるTGF-βのがん抑制因子から悪性化因子への転換機構
    堀科学芸術振興財団 堀科学芸術振興財団:研究助成
    研究期間 : 2014年 -2015年 
    代表者 : 井上 靖道
  • エピジェネティック制御によるTGF-βのがん抑制因子から悪性化因子への転換機構
    武田科学振興財団:薬学系研究奨励
    研究期間 : 2013年 -2015年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月 
    代表者 : 井上 靖道
     
    TRB3は小胞体ストレス時に誘導される分子として同定されたキナーゼ様分子である。TRB3は基質結合部位を持つが、キナーゼ活性を持たないpseudokinaseであり、細胞内では主にスキャフォールドタンパクとして様々なシグナル伝達分子の活性を調節する。TRB3の過剰発現は種々のヒトがんにおいても見られ、TRB3が細胞がん化に関与していると考えられているが、その詳細は不明であった。本研究では、TRB3がp53に結合しその作用を抑制することがTRB3によるがん化の一因であることを明らかにした。また、TRB3が小胞体ストレス時のチェックポイントから回避させる新たな機構も見いだした。
  • 原がん遺伝子Ski阻害ペプチドによる新規がん治療法の開発
    持田記念医学薬学振興財団:持田記念研究助成金
    研究期間 : 2012年 -2013年 
    代表者 : 井上 靖道
  • TRB3によるがん抑制遺伝子p53機能制御と発がん機構の解明
    薬学研究奨励財団:研究助成金
    研究期間 : 2012年 -2013年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 原がん遺伝子産物Skiを標的とした分子標的薬の創製
    科学技術振興機構(JST):研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 原がん遺伝子産物Skiを標的とした新規がん治療戦略
    興和生命科学振興財団:研究助成
    研究期間 : 2011年 -2012年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 関節リウマチ関連タンパク質PADI4によるTGF-βシグナル伝達制御機構の解析
    日本リウマチ財団:調査・研究助成費
    研究期間 : 2012年 
    代表者 : 井上 靖道
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2010年 -2011年 
    代表者 : 井上 靖道
     
    p53とTGF-βシグナルは細胞増殖停止やアポトーシスを誘導するなどがん抑制因子として作用する。一方でTGF-βはがん細胞に対しEMTを誘導してがんの浸潤・転移を促す作用も知られ、また変異型p53は腫瘍の悪性度を高めるなど両者のシグナルは密接に関係している。本研究では、TGF-βシグナルの負の制御因子として知られる原がん遺伝子Skiがp53に結合しその作用を抑制することがSkiによるがん化の一因であることを明らかにした。さらに、Skiの過剰発現は抗がん剤に対して抵抗性を示すようになり、Skiを標的とした分子標的の可能性が期待できた。また、p53のレギュレーターとして知られるSET8がTGF-βシグナル伝達制御に関与することも見いだした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究
    研究期間 : 2008年 -2009年 
    代表者 : 今村 健志; 井上 靖道
     
    本研究課題の目的は、がん遺伝子c-Ski/SnoNによる新たな細胞周期制御機構を明らかにし、c-Ski/SnoNによる発がんメカニズムの理解を目指すことである。具体的には、c-Ski/SnoNががん抑制遺伝子p53の機能を抑制するネガティブレギュレーターであることを証明し、c-Ski/SnoNが、従来から報告されているTGF-βシグナルを抑制することに加えて、p53経路も遮断することで細胞周期制御異常を引き起こすことを明らかにする。 本年度は、ヒトがん臨床検体でのp53/c-Ski/SnoN関連分子の発現解析を進めた。まず、自らが作製した抗c-Ski抗体を含め数種類の抗体の臨床検体免疫染色における特異性と親和性を確認した。さらに乳がんを含めた数種類のヒトがん臨床検体おいてc-Skiの発現異常を見いだしたが、p53発現との関係を明らかにすることはできなかった。 次に、c-Ski/SnoNの抗がん剤による細胞増殖抑制やアポトーシスに関わる可能性について検討を進めた。具体的には、c-Ski/SnoNの新たな結合因子を同定し、c-Ski/SnoNがp53に結合し、p53蛋白質の脱アセチル化を促進することを明らかにした。この結果、c-Ski/SnoNが過剰発現するがん細胞においては、p53の標的遺伝子プロモーターDNAへの結合が抑制され、抗がん剤による細胞増殖抑制やアポトーシスが起こりにくくなることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    研究期間 : 2008年 -2008年 
    代表者 : 井上 靖道
     
    本研究では、新たにインビボイメージングシステムを構築し、今までin vitroで具現化することが困難であった癌と微小環境の相互関係を明らかにすることを目標に、本年度はトレーシング可能な癌細胞、TGF-βシグナルを可視化できる癌細胞及び細胞周期を可視化できる癌細胞を樹立し、生体内での癌細胞の動態、シグナル伝達と細胞周期をin vivoで経時的な可視化を検討した。 (1)Smad結合エレメントをプロモーターに持つレポーター遺伝子又はコントロール遺伝子が挿入されたレンチウイルスをそれぞれ作製した。ヒト乳癌癌細胞株MDA-MB-231の亜株MDA-D細胞に、作製したウイルスを癌細胞に感染させ、安定発現細胞株を得た。MDA-D細胞をヌードマウスに心注する骨転移モデルにおいて、in vivoで骨に転移した癌細胞でTGF-βシグナルが骨転移初期に増強している結果が示唆された。そこでこの骨転移モデルを利用して、TGF-βシグナルを制御するユビキチンリガーゼSmurf2が乳癌骨転移における働きについて検討を行ったところ、Smurf2は乳癌の骨転移に対して抑制的に作用し、それはTGF-βシグナルを抑制する作用に加えて同じファミリー分子であるSmurf1をユビキチン化、分解することで細胞運動を負に制御していることがわかった。 (2)浸潤や転移の過程において、細胞周期の進行がどのような時空間パターンで展開するかを調べるために、細胞周期をリアルタイムに可視化できる蛍光プローブFucciを導入できるレンチウイルスをMDA-D細胞やヒト線維肉腫細胞株HT1080細胞に感染させ、安定発現細胞株を得、in vitroで細胞周期の可視化を観察し、リアルタイムでモニターすることに成功した。さらに、MDA-D細胞を用いた骨転移モデルにおいて、骨に転移した癌細胞の細胞周期をin vivoにおいても観察できた。

委員歴

  • - 現在   日本がん分子標的治療学会   評議員

その他のリンク

researchmap



Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.