日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2021年04月 -2025年03月
代表者 : 祖父江 和哉; 志田 恭子; 加藤 大輔; 小山内 実; 大澤 匡弘; 打田 佑人; 中西 俊之; 上村 友二; 仙頭 佳起
血液脳関門(BBB)の破綻の部位と時間の検討を行うため、昨年度に引き続き、2光子顕微鏡を用いて術後神経認知機能障害(NCD)モデルのBBBの破綻の観察を行った。投与後6時間で残存色素がなくなり、追加投与が可能なフルオレセインナトリウムを用いた。9週齢で円形開頭術を行ったマウスに14-15週齢でイソフルラン麻酔下に試験開腹術を行い、術後NCDモデルマウスとした。このマウスにフルオレセインナトリウムを投与し、術前と術後(0-6hr, 12-18hr, 24-30hr)の血管内外の色素の輝度値の変化を経時的に撮影した。血管外と血管内の輝度値の開きが大きい部分を色素の漏出と仮定し、麻酔+手術群で輝度値の開きを確認した(n=1)。
その後の撮影の途中で、鎮痛薬の循環動態への影響を再検討した。当初のモデルでは、臨床の状況に合わせ、麻酔のみ群は生理食塩水を、麻酔+手術群には術後鎮痛のため、ブプレノルフィンを投与していた。しかし、これが循環動態に影響を与えている可能性があるため、麻酔のみ群にもブプレノルフィンを投与して、イメージングを実施した。
現在、これらの結果を解析中である。