澤田 雅人 (サワダ マサト)
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学部生で研究を開始してから現在に至るまで、一貫して「細胞移動」に興味を持って研究しています。
慶應義塾大学(学部・大学院修士過程)では、新規化合物によるがん細胞遊走阻害活性の評価および作用機序解析に従事し、標的タンパク質の同定などに貢献しました。また、他のがん細胞遊走阻害剤のメカニズム解析研究にも参画しました。
名古屋市立大学(大学院博士課程〜現在)では、生後脳で生まれる未熟なニューロン(新生ニューロン)の移動メカニズム解析に従事しています。これまでに、微細形態解析やライブイメージング、オミクス解析を組み合わせて、新生ニューロンが移動停止過程で形成する新規突起構造や移動停止位置決定機構、移動するニューロンにおける成長円錐の発見と神経再生促進法の開発などの研究に従事し、細胞移動を1細胞レベルで高精細に解析する基盤を確立してきました。
さらに最近、新たに「がん細胞の転移・浸潤機構の解明と治療法開発」に関する研究を開始しています。これまでに、ニューロン移動とがん浸潤の共通性に着目し、その制御機構を明らかにしつつあります。今後、脳腫瘍をモデルとし、これまでに培った高精細な細胞移動解析技術で腫瘍細胞の浸潤過程にアプローチし、新たなメカニズムの解明や治療標的の創出を目指します。