研究者データベース

樋渡 昭雄 (ヒワタシ アキオ)

  • 医学研究科放射線医学分野 教授
Last Updated :2024/04/24

研究者情報

科研費研究者番号

  • 30444855

ORCID ID

J-Global ID

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 橋爪 卓也; 杉浦 真由美; 樋渡 昭雄; 下平 政史
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 樋渡 昭雄; 栂尾 理; 菊地 一史; 石神 康生
     
    脳転移は成人で最多の頭蓋内腫瘍であるが、微小な病変や多発病変が多い。診断には一般に造影後3DT1WIが用いられるが、増強された血管と微小転移の区別が困難な場合があり、正確な診断には時間を要し、見逃される病変が多い。VISIBLE (Volume Isotropic Simultaneous Interleaved Bright- and bLack-blood Examination)法は血管信号抑制画像と非抑制画像を同時取得し、高感度、低偽陽性率で脳転移を診断可能であるが、従来法では撮像に5分程度必要である。そこで近年臨床応用されつつある圧縮センシング法やハーフスキャンなども活用し、撮像時間の短縮、すなわち患者負担の軽減を試みている。また、VISIBLE法でさえも血管信号の不十分な抑制などで脳転移と偽病変を鑑別することは困難である。そのために、本研究では経過観察し、臨床的に確実に脳転移と診断された病変を教師画像に用いることで、偽病変を鑑別することでより精度の高い脳転移のsegmentationを目的としており、継続的に症例を蓄積中である。さらにAIシステムを応用し、脳転移を自動検出することで、診断効率のさらなる向上が期待される。現在ファントム、正常被験者を用いた至適撮像条件の確立、最適化されたVISIBLE法を用いた脳転移疑い患者の撮像、および患者データベース構築、データベースからの脳転移segmentation及びその深層学習、AIシステムを応用した脳転移の自動検出診断支援システム確立、脳転移の大きさ、部位、個数及び全身状態を加味した自動治療法選択を目標として取り組んでいる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 中尾 智博; 村山 桂太郎; 樋渡 昭雄; 豊見山 泰史
     
    今年度までにためこみ症25名の臨床データを収集し、頭部MRIの撮像を行った。ためこみ症25名と健常対象者36名について全能の主要な白質路の異常を調査するため、拡散テンソル画像に対してTract-based spatial statistics(TBSS)を用いた解析を行った。また、臨床的特徴との相関関係を調査するために関心領域の事後解析を実施した。TBSSではためこみ症患者において、拡散異方性比率(Fractional anisotropy:FA)の増加と放射拡散係数(Radial diffusivity:RD)の増加を示し、前頭皮質視床回路、前頭頭頂ネットワーク、前頭辺縁系経路などの前頭白質路に広範な変化を認めた。また、関心領域の事後解析ではためこみ症状の重症度と左内包前脚のFAは負の相関を示し、更にためこみ症状の重症度と右前視床放線のRDは正の相関を示した。ためこみ症はこれまで視覚情報処理、注意、ワーキングメモリ、反応抑制などの認知機能障害が指摘されているが、今回異常を認めた前頭白質路はそれらの認知機能を担う皮質領域を接続している。そのため、ためこみ症状の重症度と前頭白質路の異常に相関があることは、ためこみ症の生物学的基盤に新たな知見をもたらす可能性がある。 今後もためこみ症患者のリクルートを続けながら、安静時機能画像を用いた機能画像解析、およびFreeSurferを用いた構造画像解析を行う予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 秦 暢宏; 溝口 昌弘; 空閑 太亮; 波多江 龍亮; 三月田 祐平; 樋渡 昭雄; 栂尾 理
     
    脳脊髄液には神経膠腫由来のct-DNAが存在することが知られていたが、従来はそのような微量な核酸では、正確な解析を行うことは困難であった。我々はdigital PCRシステムを用いた解析法を開発して、グリオーマで重要とされるドライバー変異:IDHR132H,TERT promoter mutation,H3K27M mutationに対して、digital PCRのプローブを設計して、各々の変異を高感度で検出することに成功した。以上の研究内容を”Molecular diagnosis of diffuse glioma using a chip-based digital PCR system to analyze IDH, TERT, and H3 mutations in the cerebrospinal fluid”として、論文化した(J Neurooncol. 2021 Mar;152(1):47-54. doi: 10.1007/s11060-020-03682-7.) 以上の研究を踏まえて、実際の臨床で採取した髄液を用いて、術前診断に繋げる試みを導入しており、一部の患者では臨床に役立つ知見を得られるようになってきている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 栂尾 理; 菊地 一史; 樋渡 昭雄
     
    閉塞性脳血管障害や脳動静脈短絡疾患の診断および治療においては脳血管構造や血行動態の可視化および灌流の把握が重要である。本研究の目的は新たなarterial spin labeling (ASL)アプローチを用いた頭部MR angiography (MRA)および脳灌流画像の開発とその臨床応用を行うことであり、具体的に以下の3点である。 1) Acceleration selective ASL (AccASL)を用いた灌流画像の開発 2) Pseudo-continuous ASL (pCASL)を用いた4D-MRAの臨床応用 3) Superselective pCASLを用いた血管超選択的 4D-MRAの開発 本年度はsuperselective pCASLを用いた血管選択的4D-MRAの開発に主眼を起き、ボランティアでの最適な撮像パラメータの検討をまず行い、内頚動脈および椎骨・脳底動脈のラベルの最適位置およびラベルの最適な傾斜モーメントを決定した。その結果内頚動脈はcervical portionの上部、椎骨動脈はC2レベルが最適と考えられた。gradient momentは0.75が最適であった。その撮像条件を用いて、頭蓋内硬膜動静脈瘻の患者において血管選択的4D-MRAの撮像を行った。血管非選択的な4D-MRAに比べて、本手法では硬膜動静脈瘻の流入動脈の描出に優れていた。また流出静脈の描出、皮質静脈の逆流についてはほぼ同等であった。本手法は血管造影検査の代替検査となりうる非侵襲的な手法であると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 村山 桂太郎; 中尾 智博; 樋渡 昭雄; 山下 洋
     
    本研究の目的は、児童思春期における強迫性障害の患者と、その家族に同様の脳ネットワークの異常を認めるかを調査することであった。しかし児童・思春期の患者とその家族のリクルートが進まず、画像解析、神経心理検査の解析に必要な対象者数に至らなかった。そのため、成人の強迫性障害患者とその近親者を対象として、脳の大域ネットワークならびに神経心理機能に異常を認めるか調査を行った。 結果として、強迫性障害患者だけではなく、その家族も共通する脳のネットワーク異常が存在していることを明らかにすることができた。加えて、強迫性障害の患者における認知機能障害が脳のネットワークの異常と関係していることを明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 中尾 智博; 村山 桂太郎; 樋渡 昭雄
     
    2018年4月から2021年3月の期間、我々は文科省科研費の助成を受けてためこみ症患者25名と健常対照者31名を対象に頭部MRI検査を行い、安静時機能的脳画像による比較を行った。その結果、ためこみ症群は健常対照群と比較して右背外側前頭前野と海馬の安静時における機能的結合性が高いという結果が得られた。背外側前頭前野は作業記憶について中心的な役割を担い、課題遂行に必要な情報を取捨選択するため、記憶形成に関わる海馬とは協調的に働くとされている。ためこみ症は作業記憶を含む実行機能障害が先行研究で示唆されており、今回の結果からその神経基盤に関する新たな知見が得られた。今後は更なる解析を行う予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 栂尾 理; 樋渡 昭雄; 空閑 太亮; 吉本 幸司; 山下 孝二; 本田 浩
     
    本研究では新たなコントラストに基づくMR分子イメージング法であるAPTイメージングの臨床使用に最適なシークエンスの開発とその臨床的有用性を評価することを目的とした。まず臨床使用にDixon法を用いた3D APT MRIシークエンスを開発し、その撮像パラメータを最適化した。最適化した3D-Dixon法は従来使用していたシングルスライス2D法と信号の高い一致率を認めた。その条件で臨床評価を行い、グリオーマの悪性度の進行、テモゾロミドやベバシズマブによる化学療法後の治療効果判定および治療中のモニタリング、放射線治療による壊死と腫瘍進行との鑑別が可能であった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 樋渡 昭雄; 栂尾 理; 山崎 亮; 山下 孝二; 本田 浩
     
    13名の慢性炎症性脱髄性多発根神経炎患者と5名の健常者の腕神経叢をSHINKEI Quant法で撮像し、比較した。後根神経節と神経根のT2 緩和時間は慢性炎症性脱髄性多発根神経炎患者 (平均119.31msec と 111.15msec) が健常者 (101.42msec と 85.29msec)よりも有意に延長していた。またそれぞれのサイズは患者群が (平均6.25mm と4.37;mm) で健常者(5.59mm と 3.50mm)で健常者よりも大きかった。受信者動作特性曲線解析では神経根のT2緩和時間が両社の区別に有用であった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2019年03月 
    代表者 : 山下 孝二; 栂尾 理; 樋渡 昭雄; 空閑 太亮; 吉本 幸司; 本田 浩; 平田 秀成
     
    まず、後方視的に評価可能な画像データ収集および検討可能な画像パラメータの抽出を行った。MRI装置は九州大学放射線部の臨床用1.5Tもしくは3T MRI装置を使用した症例とした。当院における倫理審査委員会にて承認を得た後に収集を開始し、2003年までの解析にて膠芽腫症例は118例、悪性リンパ腫は52例の画像データが使用可能であった。共通して使用可能なシーケンスは造影前後のT1強調画像および一部の症例にて拡散強調像から得られるみかけの拡散係数(ADC)値が使用可能であった。摘出された腫瘍標本より得られた遺伝子データに関しては後ろ向きにはIDH1やTERT遺伝子データが取得されていたため、TERT遺伝子変異の有無について画像所見の特徴を解析し、ASNR 55th Annual Meeting & NER Foundation Symposiumにて報告した。論文作成は終了し、現在投稿中である。 同時にMRI撮像パルスシーケンスの開発および最適化を行った。複数の遺伝子変異有無を予測するためにはより多くのパラメータを用いる事が望ましいが、単に撮像シーケンスを増やすだけでは撮像時間の延長につながるため、臨床現場で用いる際には撮像時間を減らす、つまりある程度撮像条件を限定することが求められる。ただし、発生部位や増強効果、細胞密度、腫瘍血流量や分子学的特性の情報が正確に得られるように、また、得られたデータより多くの特徴量が抽出できるように撮像シーケンス数、スライス枚数・スライス厚などを考慮し、撮像条件を設定した。また、臨床データとして年齢・性別、既往歴、血液データを記録する。倫理審査委員会承認後に脳腫瘍患者撮像を行い、前向きにデータ取得を行う予定であったが、今回研究代表者は海外留学のため、廃止申請を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 村山 桂太郎; 中尾 智博; 樋渡 昭雄; 光安 博志
     
    本研究では強迫性障害(OCD)の患者とその両親、同胞を対象とし、脳画像解析と神経心理機能検査を用いて、中間表現型を同定することでOCDの客観的な指標を用いた生物学的異種性を明らかにすることが目的であったが、両親や同胞は当初予定の30名をリクルートすることができず、本研究の当初の目的は完遂できなかった。 しかし、OCD群と健常コントロール群の二群比較を行い、安静時においてOCD群は背側尾状核と前島部を含むいくつかの脳領域との機能的結合の増大が認知的柔軟性の低下と関連していることを導き出し、海外の学会にて報告した。現在結果を海外の専門雑誌に投稿し査読中である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2019年03月 
    代表者 : 権藤 元治; 河合 啓介; 樋渡 昭雄; 高倉 修; 守口 善也
     
    神経性やせ症(AN)の患者はボディーイメージの障害など自己に対する不適切な認知・思考が存在している。デフォルトモードネットワーク(DMN)は、機能的磁気共鳴画像(fMRI)によって測定される安静時の神経活動であり、自己参照処理に関連すると言われている。我々はAN患者と健常者18名ずつに安静時のfMRIを撮影した。AN患者は、統合的な入院治療の前後でデータを収集した。治療前のANは健常者に比べ、DMNへの機能的連結が脳梁膨大後部皮質で低下しており、また、治療によって上昇していた。この領域において治療によりDMNへの機能的連結が上昇していた患者ほど、治療後のやせ願望や完璧主義が低値を示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 渡邊 祐司; 馬場 眞吾; 栂尾 理; 樋渡 昭雄; 磯田 拓郎; 本田 浩; 亀井 僚太郎; 鷺山 幸二
     
    頚動脈プラークは脳梗塞や一過性脳虚血疾患の原因であり、その脆弱性の予測を正確に推定できれば最適な治療法の選択に役立つ。PETとMRを同時に収集することのできるPET/MRハイブリッド装置を用いて、PETとMRの高空間分解能画像の取得を試みた。 FDG-PET画像では頚動脈壁と内腔の集積の完全な分別は困難であった。MR心電図同期撮像による壁運動の動画像では、高空間分解能画像では信号強度が弱く壁全周でのボクセルトラッキングが不可能であった。またストレイン解析に必要な壁の移動量を検知することができなかった。今後は、デジタルPETによるさらなる高空間分解能撮像とMR動画の高精度化が必要であると思われた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 中尾 智博; 村山 桂太郎; 樋渡 昭雄; 實松 寛晋
     
    ためこみ症17名と、年齢・性別をマッチさせた強迫症患者、健常対照群それぞれ17名が本研究に参加した。3群の灰白質体積に差が存在するかを調査した。 3群の平均年齢はそれぞれためこみ症:43.9±11.5歳、強迫症:39.9±9.0歳、健常対照群:42.4±10.4歳だった。分散分析において、右前頭前野で3群の間に有意な体積の差異を認めた。 OCDと同様に、HDは認知機能障害をその基礎として有すると考えられている。 この結果は、HDの臨床的特徴を考慮した上で説得力があり、前頭前野領域の構造異常がHDの病態生理学に関連する可能性が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 山下 孝二; 樋渡 昭雄; 栂尾 理; 吉浦 敬; 本田 浩
     
    IVIM法は拡散強調画像の複数のb値より得られたデータを解析する事により分子拡散と毛細血管による血流を同時取得できる方法である。今回の研究ではIVIM法を用いて神経膠腫の悪性度評価では悪性度が高いほどf値(灌流の比率)が高く、D値(真の拡散係数)が有意に低下する事を報告した。また、膠芽腫と悪性リンパ腫の鑑別を行い、膠芽腫において、有意にf値およびD値が高い事を報告した。以上から、IVIM法は脳腫瘍術前における非侵襲的な悪性度や組織型評価に有用である事が示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 栂尾 理; 樋渡 昭雄; 吉浦 敬; 山下 孝二; 本田 浩
     
    CESTイメージングの一種であるAmide Proton Transfer (APT)イメージングの臨床応用について、撮像法の開発、撮像シークエンスの最適化、再現性の検討、神経膠腫の悪性度評価の有用性についての検討を行った。撮像法としてパラレルトランスミットを用いた手法と3D FSE Dixon法を開発した。飽和時間の延長により神経膠腫におけるAPTコントラストの向上が得られた。神経膠腫のWHO gradeの上昇とともに有意なAPT信号の上昇が見られ、悪性度評価に有用と考えられた。造影MRI、拡散強調画像、灌流画像と診断能の比較を行い、APTイメージングはこれらの手法より高い診断能を示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 樋渡 昭雄; 栂尾 理; 吉浦 敬; 山下 孝二; 本田 浩
     
    1つの研究では23名の下垂体腺腫を有する症例をDSDE法のDWIで撮像した。下垂体腺腫は明らかな歪みがなく、全例がDSDE法のDWIで描出された。下垂体腺腫と正常下垂体前葉のADC値に有意差はなかった.プロラクチン産生腫瘍のADCは成長ホルモン産生腫瘍や非機能性下垂体腺腫より有意に高かった。成長ホルモン産生腫瘍と非機能性下垂体腺腫間に有意差はなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 吉浦 敬; 福倉 良彦; 樋渡 昭雄; 栂尾 理; 山下 孝二; 吾郷 哲朗; 本田 浩; 熊澤 誠志; Keupp Jochen
     
    ファントム実験と急性期脳梗塞患者でのデータから、amide proton transfer(APT)に基づくpH強調MR画像の最適な撮影条件を検討し、3Dイメージングの導入、飽和パルスの強度と長さの最適化を行った。また、得られた画像から、より効率よくAPT信号を検出する画像解析法について検討した。急性期脳梗塞患者において、従来のMR画像と比較して解析した結果、3.5ppmでの磁化移動率の非対称性(MTR asymmetry)で平均0.74%の低下をみとめ、視覚的には37%の症例で梗塞病変に明瞭なAPT信号の低下をみとめた。pH強調画像による嫌気代謝の同定が可能であることが明らかにされた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 吉浦 敬; 樋渡 昭雄; 栂尾 理; 山下 孝二; 馬場 眞吾; 磯田 拓郎; 大八木 保政; 熊澤 誠志; 本田 浩
     
    CESTイメージングによるベータアミロイド検出法確立のためのファントム実験を行い、CESTによりアミロイドの検出が可能であることを初めて明らかにした。PET/MRIによる脳内のPIB集積の測定における骨の影響を評価し、PET/CTでの測定に比較し、皮質や小脳でのSUVが低くなり、小脳を基準とするSUV相対値を用いる場合、PET/MRI独自の基準が必要であることを明らかにした。また、MRIの形態情報に基づいて、皮質の集積を選択的に測定する方法を開発し、より客観的でばらつきの少ない測定が可能になった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 川嵜 弘詔; 中尾 智博; 光安 博志; 實松 寛晋; 樋渡 昭雄; 吉浦 敬; 神庭 重信; 中川 彰子
     
    強迫性障害患者(OCD)95名と健常者93名に対して、各種遺伝子多型(5HTT-LPR、5HTT-VNTR、DAT-VNTR、D4-120、D4-48)の、患者-健常2群間比較解析において有意差は認められなかった。OCD群40名、健常群40名の遺伝子多型と脳画像体積との間での交互作用の解析では、いずれの遺伝子型においても有意な所見は見出せなかった。5-HTTLPRに関して、疾患と右の前頭極の体積との関連性が示唆された。OCD群48名、健常対照者48名に対して、HTR2A遺伝子とCOMT遺伝子においてメチル化定量解析を行った。COMT遺伝子においてOCD患者群で有意に多くのメチル化が観察された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 筑井 徹; 徳森 謙二; 河津 俊幸; 吉浦 敬; 樋渡 昭雄; 加美 由紀子; 川野 真太郎; 吉浦 一紀
     
    dynamic撮影にコンパートメントモデル解析を行った。動脈入力関数は、位相画像を利用して算出し、平均化し用いた。臨床応用の結果、良性の多形腺腫は、造影剤の移行定数(Ktrans)が悪性腫瘍に比較し低い事、細胞外血管外腔の割合(ve)は、病変に特徴的で、多形腺腫がもっとも高く、悪性リンパ腫が最小であった。口腔扁平上皮癌症例では、N stageが進むとKtransが減少し、原発巣の低酸素状態と関連していると考えられた。スピンラベリング法では、小脳と比較して相対的血流量(rBF)を算出した。rBVとKtrans、vpとは強い相関を示したが、スピンラベリング法では描出できない病変も多かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 中尾 智博; 實松 寛晋; 吉浦 敬; 樋渡 昭雄
     
    2015年3月末日までに面接を行った25例中、ためこみ症(HD)の診断基準に該当した者は17例だった。該当者の平均年齢は43.6±13.5(21~73歳)だった。 また我々はCIRSを用いてためこみ症状の重症度評価を行い、ため込み症状の重症度と灰白質体積についてHD4名、OCD22名、HC10名の3群でVBMによる一要因の分散分析を行い、有意差のある部位は検出されなかった。なお、OCD患者のためこみスコアを用いた相関解析では、視覚連合野、縁上回などの候補部位が見出された。今回の結果について特にためこみ症のサンプルが少なかったことの影響は大きく、今後はサンプルサイズを増やしての再解析が必要となる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月 
    代表者 : 栂尾 理; 大和 真由美; 樋渡 昭雄; 吉浦 敬; 本田 浩; 市川 和洋
     
    近年アルツハイマー病の脳内で見れられるアミロイドに対して活性化したミクログリアが認知障害に関連している可能性が示されている。本研究ではUltrasmall Superparamagnetic Iron Oxiside (USPIO)造影剤を用いて、MRIによってアルツハイマー病脳内のアミロイドプラークに集まるミクログリアを検出する手法を動物実験により確立した。この方法の臨床応用により、アルツハイマー病の早期診断やモニタリングが可能となると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 樋渡 昭雄
     
    目的:予防的経皮的椎体形成術を施行した患者に関して、新規骨折を生じる危険因子を解明すること。対象・ 方法: 予防的経皮的椎体形成術を施行された骨粗鬆症性圧迫骨折を有する 116 名の年齢、性別、ステロイド剤使用歴及び圧迫骨折の数(未治癒のもとの治癒後のもの双方を含む)と治療後に生じた新規骨折との関係を評価した。結果:治療前に 3 か所以上の未治癒の骨折を有した患者は 1 か所のみの未治癒の骨折を有した患者に比べ有意に高頻度で新規骨折が見られた(p < 0.05)。他の因子に関して有意差はなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 吉浦 敬; 本田 浩; 樋渡 昭雄; 山下 孝二; 栂尾 理; 大八木 保政; 門司 晃; 小原 知之; 有村 秀孝; 熊澤 誠志
     
    アルツハイマー病(AD)およびその前駆状態である軽度認知障害(MCI)の診断のために、MRIによる脳形態画像、ASL 潅流画像および拡散テンソル画像を組み合わせた、新しい手手法を研究した。脳形態画像により MCI における早期の異常を検出できた。ASL と形態画像を組み合わせることで、それぞれ単独による場合に比べ、より高い精度で AD を診断できることを明らかにした。海馬における AD の早期異常を検出するための、高分解能拡散テンソル画像法を開発した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 樋渡 昭雄
     
    有痛性骨粗鬆症性圧迫骨折を有する患者に対して骨セメントを注入する経皮的椎体形成術の予後(続発性骨折)の危険因子について検討を行った。治療前のCTで、椎体高の小さい、すなわち圧潰の強い骨折がある場合は治療椎体の隣接椎体に骨折が生じやすい傾向にあった。また、隣接椎体以外(遠隔椎体)の続発性骨折に関しては、ステロイドを使用している患者や未骨折のCT値が低い患者に多く見られる傾向にあった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2009年 
    代表者 : 吉浦 敬; 三原 太; 熊澤 誠志; 野口 智幸; 本田 浩; 有村 秀孝; 古賀 寛; 樋渡 昭雄; 田中 和宏; 門司 晃
     
    大脳皮質およびそれを連絡する白質路からなる脳内神経ネットワークと、その疾患による障害を、拡散テンソル画像を用いて定量的に画像化する方法を開発し、その妥当性を検証した。またこの方法を用いて、正常の脳における部位による構造の違い、思春期以降の脳の発達や加齢による変化を研究した。さらにアルツハイマー病における病的変化を検討し、開発された方法がアルツハイマー病の診断に有用であることを突き止めた。

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