日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2020年04月 -2023年03月
代表者 : 秦 暢宏; 溝口 昌弘; 空閑 太亮; 波多江 龍亮; 三月田 祐平; 樋渡 昭雄; 栂尾 理
脳脊髄液には神経膠腫由来のct-DNAが存在することが知られていたが、従来はそのような微量な核酸では、正確な解析を行うことは困難であった。我々はdigital PCRシステムを用いた解析法を開発して、グリオーマで重要とされるドライバー変異:IDHR132H,TERT promoter mutation,H3K27M mutationに対して、digital PCRのプローブを設計して、各々の変異を高感度で検出することに成功した。以上の研究内容を”Molecular diagnosis of diffuse glioma using a chip-based digital PCR system to analyze IDH, TERT, and H3 mutations in the cerebrospinal fluid”として、論文化した(J Neurooncol. 2021 Mar;152(1):47-54. doi: 10.1007/s11060-020-03682-7.)
以上の研究を踏まえて、実際の臨床で採取した髄液を用いて、術前診断に繋げる試みを導入しており、一部の患者では臨床に役立つ知見を得られるようになってきている。