研究者データベース

熊澤 慶伯 (クマザワ ヨシノリ)

  • 理学研究科生命情報系 教授
メールアドレス: kumansc.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2025/04/25

研究者情報

学位

  • 東京大学工学系研究科工業化学専攻/工学博士

ホームページURL

科研費研究者番号

  • 60221941

J-Global ID

研究キーワード

  • 分子系統   生物多様性   歴史生物地理   次世代シーケンス   DNAバーコーディング   ミトコンドリア   tRNA   

研究分野

  • 環境・農学 / 生物資源保全学
  • ライフサイエンス / ゲノム生物学
  • ライフサイエンス / 進化生物学
  • ライフサイエンス / 多様性生物学、分類学

経歴

  • 2024年09月 - 現在  名古屋市立大学大学院理学研究科 生命情報系教授
  • 2020年04月 - 現在  名古屋市立大学理学研究科教授
  • 2017年04月 - 現在  名古屋市立大学生物多様性研究センター長
  • 2008年04月 - 2020年03月  名古屋市立大学システム自然科学研究科教授
  • 2000年06月 - 2008年03月  名古屋大学理学研究科講師・留学生専門教育教員
  • 1993年10月 - 2000年05月  名古屋大学理学研究科(理学部)助手
  • 1990年11月 - 1993年09月  カリフォルニア大学バークレー校分子細胞生物学科ポストドクトラルフェロー
  • 1990年04月 - 1991年03月  東京工業大学総合理工学研究科日本学術振興会特別研究員

学歴

  • 1986年04月 - 1989年12月   東京大学   工学系研究科   工業化学専攻 博士課程(工学博士)
  • 1984年04月 - 1986年03月   東京大学   工学系研究科   工業化学専攻 修士課程(工学修士)
  • 1982年04月 - 1984年03月   東京大学   工学部   工業化学科(工学士)
  • 1980年04月 - 1982年03月   東京大学   教養学部   理科一類

所属学協会

  • 日本進化学会   日本古生物学会   日本分子生物学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 古生物学の百科事典 日本古生物学会(編)
    熊澤慶伯 (担当:分担執筆範囲:分子系統学 pp. 492-493)丸善出版 2023年02月 ISBN: 4621307584
  • 熊澤慶伯 (担当:分担執筆範囲:DNAバーコーディング pp. 521-525)エヌ・ティー・エス 2022年01月 ISBN: 9784860437374 5, 13, 973, 18p, 図版56p
  • 魚類学の百科事典 第1版 日本魚類学会(編)
    熊澤慶伯 (担当:分担執筆範囲:大陸移動—淡水魚.pp. 168-169)丸善出版 2018年 ISBN: 9784621303177
  • 生物の事典 第1版 石原勝敏・末光隆志(総編)
    熊澤慶伯 (担当:分担執筆範囲:動物の進化.動物の分布の変遷.pp. 43-45, 47-49)朝倉書店 2010年 ISBN: 9784254171402
  • 古生物学事典 第2版 日本古生物学会(編)
    熊澤慶伯 (担当:分担執筆範囲:分子系統学.シクリッド.多重置換.分子生物地理学.ミトコンドリアDNA.pp. 211, 338, 444-445, 476-477)朝倉書店 2010年 ISBN: 9784254162653
  • 海洋生命系のダイナミクスー第1巻、海洋の生命史−生命は海でどう進化したか− 西田睦(編)
    熊澤慶伯 (担当:分担執筆範囲:第7章:分子データを用いた魚類の分岐年代の推定.pp. 122-138)東海大学出版会 2009年 ISBN: 9784486016854
  • Biohistory 2003.中村桂子(編)
    熊澤慶伯 (担当:分担執筆範囲:淡水魚アロワナが海を挟んで暮らしている理由.pp106-109)JT生命誌研究館 2004年 ISBN: 9784788508996
  • The Biology of Biodiversity (ed) Kato M.
    Yoshinori Kumazawa; Motoomi Yamaguchi; Mutsumi Nishida (担当:分担執筆範囲:Chapter 3, Mitochondrial molecular clocks and the origin of euteleostean biodiversity: Familial radiation of perciforms may have predated the Cretaceous/Tertiary boundary. pp. 35-52)Springer-Verlag 1999年 ISBN: 9784431659310
  • Current Topics on Molecular Evolution (eds.) Nei M. and Takahata N.
    Yoshinori Kumazawa; Mutsumi Nishida (担当:分担執筆範囲:Phylogenetic utility of mitochondrial transfer RNA genes for deep divergence in animals. pp. 29-35)Institute of Molecular Evolutionary Genetics, The Pennsylvania State University, USA, and Graduate School for Advanced Studies, Hayama, Japan 1996年

MISC

  • 関東・北陸・中部地方に分布するオクガタギセルMegalophaedusa dorcasのCOI遺伝子からみた分子系統学的位置付け
    川瀬基弘; 横山悠理; 市原俊; 西尾和久; 横井敦史; 熊澤慶伯 瀬木学園紀要 24 22 -30 2024年09月
  • 川瀬基弘; 横山悠理; 横井敦史; 熊澤慶伯 なごやの生物多様性 10 125 -133 2023年03月
  • 矢作第二ダム湛水池のミナミタガイ
    川瀬基弘; 横山悠理; 山本大輔; 熊澤慶伯 矢作川研究 27 43 -48 2023年01月
  • 岐阜県初記録の湿地性稀少種ミズコハクガイ
    川瀬基弘; 横山悠理; 吉村卓也; 茅原田一; 熊澤慶伯 瀬木学園紀要 18 10 -14 2021年03月
  • 愛知県名古屋市,豊橋市,山梨県北杜市で発見されたBuldowskia shadiniヤハズヌマガイ(新称)
    川瀬基弘; 横山悠理; 横井敦史; 熊澤慶伯 瀬木学園紀要 18 3 -9 2021年03月
  • 愛知県で発見されたクチベニマイマイの系統関係
    川瀬基弘; 横山悠理; 市原俊; 西尾和久; 尾畑功; 熊澤慶伯 鳳来寺山自然科学博物館館報 50 23 -29 2021年03月
  • 川瀬基弘; 横山悠理; 西尾和久; 松原美恵子; 横井敦史; 熊澤慶伯 なごやの生物多様性 8 127 -132 2021年03月
  • 岐阜市に棲息するナミギセルの分布と系統関係
    川瀬基弘; 横山悠理; 松原美恵子; 横井敦史; 森山昭彦; 熊澤慶伯 瀬木学園紀要 17 9 -16 2020年12月
  • 愛知県奥三河地域で発見された日本初記録のBuldowskia shadini
    川瀬基弘; 村松正雄; 横山悠理; 横井敦史; 熊澤慶伯 瀬木学園紀要 17 3 -8 2020年12月
  • 川瀬基弘; 西尾和久; 松原美恵子; 市原俊; 森山昭彦; 熊澤慶伯 なごやの生物多様性 7 31 -37 2020年03月
  • 外来種タイリククサキリモドキ(新称)の日本初記録と知見
    寺本匡寛; 宮田賢輔; 横山悠理; 熊澤慶伯; 内藤遊多; 鵜飼普 月刊むし 580 2 -5 2019年06月
  • 脊椎動物嗅覚受容体遺伝子ファミリーの進化研究における次世代シーケンサーの活用
    橋口康之; 熊澤慶伯 生物科学 64 (3) 131 -140 2013年03月 [査読有り][招待有り]
  • 進化学のすすめ
    熊澤慶伯 Annual Review 2009. Graduate School of Natural Sciences, Nagoya City University 14 35 -43 2010年 [招待有り]
  • 脊椎動物の系統進化
    西田睦; 宮正樹; 白井滋; 斎藤憲治; 熊澤慶伯; 馬渕浩司 月刊海洋 号外 29 36 -42 2002年 [招待有り]
  • Yoshinori Kumazawa Fisheries Science 68 (sup1) 357 -360 2002年
  • アロワナ淡水魚類のプレートテクトニクスによる大陸移動:分子時計と地質データの総合による新しい生物進化像の構築
    熊澤慶伯 月刊地球 23 (3) 208 -214 2001年 [招待有り]
  • 熊澤慶伯; 山口素臣; 西田睦 月刊海洋 32 (4) 275 -280 2000年 [招待有り]
  • ミトコンドリアtRNA遺伝子の配置変動と分子系統学
    熊澤慶伯 SHINKA 7 (2) 49 -59 1997年 [招待有り]
  • Y. Kumazawa Nature 388 (6639) 223 1997年
  • 生命と地球の共進化−分子状酸素の発生と消費をめぐる共進化
    熊澤慶伯; 小澤智生 月刊地球 17 (7) 464 -471 1995年 [招待有り]
  • 分子時計の有用性と課題
    熊澤慶伯 日経サイエンス 25 (10) 24 -28 1995年 [招待有り]
  • 遺伝子を用いた太古バクテリアの探査法
    熊澤慶伯 月刊地球 号外 10 76 -82 1994年 [招待有り]
  • T Yokogawa; Y Watanabe; Y Yotsumoto; Y Kumazawa; T Ueda; I Hirao; K Miura; K Watanabe Nucleic Acids Symposium Series 1991 (25) 175 -176 1991年12月
  • H Tsurui; Y Kumazawa; R Sanokawa; K Watanabe; A Wada; T Shirai Nucleic Acids Symposium Series 1991 (25) 149 -150 1991年12月
  • Y Kumazawa; T Yokogawa; K Miura; K Watanabe Nucleic Acids Symposium Series 1988 (19) 97 -100 1988年12月
  • Gene organization of tRNAs and their secondary structures found in starfish mitochondrial genome
    T Araki; S Asakawa; Y Kumazawa; K Miura; K Watanabe Nucleic Acids Symposium Series 1988 (20) 93 -94 1988年

受賞

  • 2017年09月 日本学術振興会 科研費第一段審査員表彰
     「有意義な審査意見を付し公平・公正な審査に大きく貢献」 
    受賞者: 熊澤 慶伯
  • 2010年10月 日本学術振興会 科研費第一段審査員表彰
     「模範となる審査意見を付し公平・公正な審査に大きく貢献」 
    受賞者: 熊澤慶伯
  • 2007年10月 日本魚類学会論文賞
     Molecular phylogenetic analyses of snakeheads (Perciformes: Channidae) using mitochondrial DNA sequences. 
    受賞者: Xia Li;Prachya Musikasinthorn;Yoshinori Kumazawa
  • 2004年08月 日本進化学会第4回研究奨励賞
     アロワナ科魚類の分子生物地理学の発展 
    受賞者: 熊澤慶伯

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 2019年10月 -2025年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯; 武藤 望生; 渋川 浩一; スティアマルガ デフィン
     
    2021年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の影響で、日本側研究者がインドネシアを訪問して現地調査を実施できなかった。そこでインドネシアおよびタイの研究協力者による魚類サンプル採集を複数回実施した。インドネシアでは、9月-10月にジャワ島東部・中部、スマトラ島西部、ボルネオ島南部、バンカ島で、12月-2月にジャワ島中部・西部、スマトラ島東部・西部、バンカ島でサンプルを収集した。一方タイでは、10月-12月にマレー半島の西岸に位置するプーケット県・ラノン県、マレー半島の東岸に位置するソンクラー県、首都バンコク周辺の数県でサンプル採集を実施した。主要河川の河口域や湖沼を中心に、ハゼ目のハゼ科・オクスデルクス科・ノコギリハゼ科・カワアナゴ科などを構成する約50種の淡水・汽水魚類標本を採集できた。また、スズキ目20科の約40種を中心とした沿岸魚類の標本も収集できた。 これらの標本の一部は、インドネシア政府またはタイ政府の許可を得て、研究代表者の研究室に提供され、本科研費研究課題の研究協力者になっている留学生を中心に、国際共同研究体制のもとで系統分類学的研究を行なった。組織標本については、そこからDNAを抽出して、ミトコンドリアDNAにコードされるシトクロムオキシダーゼサブユニットI遺伝子の塩基配列を決定し、分子系統解析を実施した。ホルマリン固定された体標本については、形態学的な分析を行い、既存の分類学的情報による種同定と分子情報に基づく系統関係の対比を行った。ハゼ目オクスデルクス科ゴビオプテルス属やスズキ目ツバメコノシロ科ミナミコノシロ属などの分類群において、従来の分類学的情報では認識できていなかった新種がいることを示唆するデータが得られた。 一方、本科研費研究課題の国際共同研究チームのメンバー間の情報交換を行うために、zoomを利用した科学セミナーを3月7日に公開で実施した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2022年03月 
    代表者 : 倉林 敦; 熊澤 慶伯; 森 哲; 土岐田 昌和; 澤田 均
     
    フクラガエル属は、皮膚から分泌する「糊」によって雌雄が体を接着して交尾(抱接)する、奇妙な四足動物として知られている。我々は、60年間謎のままであったフクラガエルの糊分泌物について研究を行い、その接着力や接着持続時間などの物理的特徴と、水分・アミノ酸含有量などの化学成分、および、糊タンパク質と候補遺伝子について、新たな知見を得た。さらに、南アフリカ共和国においてフィールドワークを行い、13種のフクラガエルについて糊の接着力を測定し、フクラガエル種間で糊の接着力に差があることを明らかにした。さらに、どのような形態・生態・環境要因が種間の接着力の強さに影響しているかについて検討した。
  • カメ類のミトコンドリア遺伝子と核遺伝子の大量比較に基づく分子進化特性の解明
    日本学術振興会:科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般)
    研究期間 : 2015年04月 -2019年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯
  • 爬虫類ミトコンドリアにおける遺伝子発現様式の多様性と進化
    日本学術振興会:科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 2010年04月 -2012年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯
     
    4種の有鱗類の肝臓からトランスクリプトーム解析を行い、各種から100以上のほぼ完全長のcDNA塩基配列を効率的に決定した。Blast解析で遺伝子の同定を行い、種間での高発現遺伝子の共通性の評価及びパラログを持つ可能性の高い遺伝子の排除を行った。その結果得られた11遺伝子のcDNA塩基配列を用いて系統解析を行ったところ、ヘビ類がイグアナ下目及びアンギストカゲ下目に近縁であるとの結果が得られた。
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 2008年04月 -2012年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯
     
    次世代シーケンサーを用いたハイスループットなミトコンドリアゲノミクスの手法の開発を行った。まずミトゲノム配列既知の個体を用いて、この方法の効率性と正確性を証明し、ヤモリ下目の様々な系統を代表する約40種から新たにミトゲノム全塩基配列を決定した。遺伝子配置の変動の事例を4例発見するとともに、ヤモリ下目の7科間の系統関係等について従来の形態データに基づく仮説とは異なる結果を示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 2008年04月 -2012年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯; 本村 浩之; 岩田 明久
     
    東南・南アジアの6カ国の様々な淡水域から、8目27科123種を含む約3900個体の淡水魚類を採集した。いくつかの分類群について分類学的な再検討を行うとともに、ミトコンドリアゲノムや核ゲノムにコードされる数個の遺伝子領域を塩基配列決定し、分子系統解析を行った。タイワンドジョウ類やナマズ類などに関する信頼できる系統関係に基づき、東南・南アジアの古環境変動とこれら淡水魚類の進化の関係を考察した。
  • Channa属タイワンドジョウ類の分類に関する研究
    藤原ナチュラルヒストリー振興財団:第14回学術研究助成(魚類学)
    研究期間 : 2006年04月 -2007年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 2005年04月 -2007年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯; 長谷川 政美
     
    トカゲ亜目を構成する主要な科より代表種を選んでミトコンドリアDNA全塩基配列約17キロ塩基対の決定を行った。その結果、イグアナ下目やヤモリ下目を構成する科から多数の種について(その他の科の殆どからは少なくとも代表種1種について)ミトコンドリアDNA全塩基配列を決定することができた。コードされる37遺伝子の塩基配列を用いて最尤法などによる分子系統解析を行い、信頼できる系統関係を構築するとともに、分子時計を仮定しないベイズ法を用いて分岐年代の推定を行った。その結果に、大陸移動に関する地質学的情報と古生物学的情報を加味して、トカゲ類の系統分岐と中生代の大陸移動の関係について考察を行った。主な生物地理学的成果は次の通りである。1)トカゲ類の主要な科間の分岐は白亜紀の大規模な大陸分離の以前にさかのぼる、2)ただしアガマ科とカメレオン科の分岐だけは約1億年前のゴンドワナ大陸で起き、その後アガマ科はインド亜大陸などに乗ってユーラシアに分散した可能性がある、3)マラガシートカゲ亜科のイグアナ類は他のイグアナ類と大陸の分断に伴い分岐した、4)ヤモリ科とトカゲモドキ科の分岐はパンゲア超大陸のローラシア大陸とゴンドワナ大陸への分裂に伴い分断的に起きたと考えられる。またこれらの研究を行う過程で、Draconinae亜科アガマ類のミトコンドリアゲノムの遺伝子配置に、脊椎動物としては初めてとなる遺伝子(本件ではプロリンtRNA遺伝子)の逆位を発見し、その分子進化機構として相同的DNA組換えを提唱した。
  • ナイルスッポンの種の保全に向けた分子系統学的研究
    大幸財団:第14回外国人来日研究助成
    研究期間 : 2006年02月 -2007年02月 
    代表者 : 熊澤 慶伯; サヤド アメル
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 2002年04月 -2005年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯; 西田 睦
     
    平成14年度からの3カ年間で、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の全塩基配列を30種以上の爬虫類から決定し、それらmtDNAゲノムの遺伝子配置や制御領域の構造の特徴づけを行つた。その結果多くの爬虫類のmtDNAは一定の37コの遺伝子をよく保存された順序でコードしているが、ヘビ類、アガマ類、カメレオン類、オオトカゲ類、ヨロイトカゲ類などにおいては、典型的な脊椎動物の遺伝子配置と異なる配置を持つ例もあることが示された、次に、mtDNAにコードされる37コの遺伝子ごとに既知の相同遺伝子の塩基配列とアラインメントを行い、最尤法、ベイズ法などを用いて分子系統樹の作成を行った。さらに、系統ごとの分子進化速度の可変性を前提とするソーンらの方法を用いて、爬虫類の系統間の分岐年代を推定した。その結果以下のことが示唆された。1)トカゲ亜目は、ヤモリ下目、イグアナ下目、スキンク下目、アンギストカゲ下目に大別できる、2)これらの4下目の中では、ヤモリ下目が最も初期に分岐した、3)現在の分類では独立した亜目に立置づけられているミミズトカゲ類は、トカゲ類の内部(恐らくカナヘビ類に非常に近縁な系統)から派生した、4)ヘビ類はオオトカゲ類の近縁系統から進化したのではなく、現生のトカゲ類の基部系統ないしはトカゲ類全体との姉妹系統から派生した可能性が高い、5)真性ヘビ類の主要な科は新世代第三紀に分岐したと思われるが、トカゲ類の主要な科は三畳紀からジュラ紀にかけての非常に古い時代に分岐したらしい。哺乳類や鳥類では、目レベルの系統分岐が白亜紀の大規模な大陸の分断によって促進されたことが、これまでの研究で示唆されている。トカゲ類の場合、このような白亜紀の大陸分断は科内の亜科あるいは属レベルの分岐に関わった可能性がある。以上のようなアプローチで爬虫類の科間の系統関係と分岐年代の問題を整理し、順次論文化を進めている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2004年 
    代表者 : 熊澤 慶伯; サヤド アメル
     
    アガマ科トカゲ類の系統進化と古環境変動の関係を探るために、分子系統学的な研究を行なった。オーストラリアに生息するアガマ類であるフトアゴヒゲトカゲから、ミトコンドリアDNAの全塩基配列を決定した。16751塩基対の塩基配列中に、13コのタンパク質遺伝子、2コのrRNA遺伝子、22コのtRNA遺伝子に加え、2コの制御領域が同定された。重複した制御領域は、NADHデヒドロゲナーゼサブユニット5遺伝子と同サブユニット6遺伝子の間に挿入されていた。この新しい制御領域は、オーストラリア及びニューギニア原産のアガマ類のミトコンドリアDNAにおいて共通に見られたが、アジアやアフリカのアガマ類においては存在しないことも分かった。制御領域の塩基配列を調べたところ、種間の比較では大きく塩基配列が異なるが、同種内の重複した制御領域の塩基配列は殆ど同一であることが分かった。そのことから制御領域の塩基配列が種内で協調進化していることが示唆された。次にミトコンドリアDNAの一部領域の塩基配列を用いて分子系統樹を構築し、系統間における分子進化速度の一定性を仮定しないThorneとKishinoの方法を用いて分岐年代を推定したところ、オーストラリア・ニューギニアのアガマ類が単系統群を成し、漸新世ころにアジアの姉妹種(Physignathuscocincinus)と分岐したらしいことが示唆された。オーストラリア・ニューギニアのアガマ類の起源は、中生代の大陸分裂に伴う分断ではなく、ワレス線を超えての分散に求められるようである。
  • アジアロワナの保全に有効なDNAマーカーの開発
    平和中島財団:アジア地域重点学術研究助成
    研究期間 : 2002年04月 -2003年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯; 西田 睦; ドジョコ イスカンダル; ウィドド
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 2000年04月 -2002年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯
     
    この研究の当初の目標は、有鱗類6-7科の代表種についてmtDNAの全塩基配列を決定し、a)トカゲ亜目内における4つの下目間の系統関係、b)トカゲ類内におけるヘビ類とミミズトカゲ類の位置づけ、c)メクラヘビ類の系統的位置づけ、を解明することであった。我々は、mtDNA塩基配列を様々な爬虫類から決定する方法論の改良に取り組んだ結果、予定した以上のペースでmtDNA解読を行うことができた。現在までに12科の有鱗類からmtDNA全塩基配列を決定している。トカゲ類mtDNAは、一部の科の代表種を除き、いわゆる典型的な遺伝子配置を持つことが分かったが、多くのタクサで制御領域の中に、他に類を見ないほど高頻度な繰り返し配列が見られた。コモドオオトカゲでは制御領域が2箇所に重複していることも分かった。分子系統解析を行った結果、1)イグアナ類は有鱗類の初期派生系統ではないこと、2)ヘビ類はトカゲ類とは別系統を成すこと、3)メクラヘビ類は他のヘビ類と独立に派生した系統ではないこと、などが示唆された。過去の分岐分類学的研究では、イグアナ下目の初期派生に対して数多くの共有派生形質が示されており、我々の解析結果は爬虫類の高次系統関係を分子的観点から検証することの重要性をますます際だたせることになった。今後はさらに多くの有鱗類のmtDNA全塩基配列を決定し、豊富な分子データに裏付けられた信頼できる分子系統解析を行っていきたいと考えている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 西田 睦; 熊澤 慶伯
     
    生命活動に不可欠なDNAに刻まれた遺伝情報はまた,その生物の血縁関係や集団構造,さらには系統や進化について物語る貴重な情報源でもある。しかしそうした情報を,大部分の情報が存在する核ゲノムから入手することは意外に困難なことであることが明らかになってきた。それは,多くの遺伝子が重複しているなど核ゲノムが非常に複雑であるためである。そこで注目されるのが,コンパクトなミトコンドリアゲノム(mtゲノム)である。高等動物の場合,mtゲノムの相同性は確実で,組換えなしに遺伝するため,系統推定や集団構造解析のための情報源として,改めて注目される。しかし,脊椎動物の過半を占める魚類のmtゲノムについての知見はまだ限られている。そこで本プロジェクトでは,魚類の主要なグループを代表する多数の種について,mtゲノムの全塩基配列を決定することを試みた。そうして,その結果を比較分析することにより,魚類のミトコンドリアゲノムの実態を明らかにするとともに,mtゲノムデータから見た魚類系統の大枠を検討することを目指した。 手法の改良,分析設備の充実,さらに活力ある研究協力者の参入を得て,当初掲げていた,魚類の主要なグループを代表する約20種のmtゲノムの全塩基配列を決定するという目標を,10倍も上回る200以上の種からデータを得るという成果をあげることができた。この結果,遺伝子配置に関して,脊椎動物で初めての種々の変動がいくつも見つかった。また,真骨類主要グループ間の系統関係について,塩基配列データの分子系統学的解析の結果、ウナギなどが属するカライワシ類が従来想定されていたよりも系統的により"低位"に位置することなど,新たな知見が多数得られた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 西田 睦; 熊澤 慶伯
     
    コンパクトなミトコンドリアDNA(mtDNA)は,DNAレベルからの魚類の集団解析や系統解析の第1義的な手がかりとして注目されるところとなっているが,その進化様式についてはまだ不明な点が多い。そこで本研究では,魚類のmtDNAの進化特性を,とくに2つのリボソームRNA遺伝子,いくつかのタンパク質遺伝子,それに制御領域のそれぞれについて解析するとともに,それらの領域の塩基配列データを用いて,どのDNA領域をどのようなデータ処理法によって扱ったらよいかという点に留意しながら,実際に魚類における集団構造解析,近縁種間の系統解析,遠縁種間の系統解析などを進めた。その結果,概略つぎのような点が明らかになった。1)種内集団や近縁種間の系統解析には,制御領域の解析が適切であるが,魚類グループによっては,この領域の変異性が必ずしも高くない場合もある。2)科間レベルといった遠縁グループの系統関係の解析には,リボソームRNA遺伝子の塩基配列データだけでは,2つ分を足しても不足する可能性が高い。3)遠縁のグループの比較には,多くのタンパク遺伝子の情報を足し合わせるとよさそうである。4)複数のタンパク遺伝子情報を活用して,魚類を対象にしたいわゆる「分子時計」の本格的較正をすることができた。なお,この研究の過程で,ロングPCR法を利用した非常に効率的な全mtDNA増幅および塩基配列決定法を魚類を対象に確立できた。次の研究ステップでは,この手法を最大限に活用して多数の魚種のmtDNAの全体像を明らかにし,mtDNA全塩基配列データを用いて魚類の主要分類群間の系統関係をより詳細に検討していきたいと考えている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1999年 
    代表者 : 小澤 智生; 延原 尊美; 熊澤 慶伯
     
    陸生哺乳類(シカ科、ウシ科、イノシシ科),海生哺乳類(海牛類、クジラ類、鰭脚類),魚類(スズキ類)ならびに海生軟体動物(腹足類キサゴ類,サザエ類,ウミニナ類,エゾバイ類)の系統解析に有効なミトコンドリアDNAの12SRNA遺伝子,16SRNA遺伝子,Cytochrome b遺伝子領域をPCR(DNA増幅反応)によって増幅,塩基配列を決定し近隣結合法,最大節約法により分子系統樹を作成した.また,それぞれの系統群における信頼のおける化石記録を基準年代(reference date)として,系統の分岐時期(年代)を算定した.陸生哺乳類(シカ科,イノシシ科),海生哺乳類(クジラ類),魚類(スズキ類)ならびに海生軟体動物(腹足類キサゴ類)については成果をまとめ,国際誌(一部国内誌)に印刷した.また,ウシ科,海牛類,鰭脚類,ウミニナ類,エゾバイ類については原稿を作成し投稿の準備を進めている. 一方,種分化に関連する基礎データをまとめるため,新生代の日本の暖流系動物群の変遷過程のアウトラインをこれまでの成果をもとに補足調査しまとめあげた.この研究では,分類グループ毎に新しい種が出現する層準(年代)を整理し種のレンジチャートを作成した.この成果は論文にまとめ,現在投稿準備中である.以上の研究の結果として,海・陸生態系,分類群をとわず,種分化のタイミングは新生代における顕著な気候変動期に対応して,同時多発的に生じていることが確認できた.
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 1997年04月 -1998年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯; 小澤 智生; 西田 睦
     
    スズキ目を主体とした14種の真骨魚類と2種の全骨魚類について、ミトコンドリアDNAにコードされるcytb遺伝子及びND2遺伝子の塩基配列を決定した。南米とアフリカの淡水性カワスズメ類の系統分岐時期と両大陸の分離年代(100Ma)が概ね一致するとの合理的な仮定のもとに、両遺伝子のアミノ酸配列(計728座位)に基づき上記魚類の分岐年代を推定した。その結果、真骨魚類の目間の分岐は三畳紀にまでさかのぼる、スズキ目の科間の分岐はジュラ紀から白亜紀初頭にまでさかのぼる、ことが示唆された。化石記録によれば、真骨魚類の目レベルの多様化は白亜紀に、スズキ目の科レベルの多様化は主としてK/T境界から始新世初頭までの短い期間に集中して起きたことが示唆されている。本研究で分子データから得られた分岐年代は、これら化石記録の出現時期をいずれも大幅に上回る。従来の古生物学では、多様化した化石の初出現時期がそれら系統間の分岐年代にほぼ等しいと解釈されてきたが、この解釈では本研究の結果を説明できない。そこで我々は、化石記録の出現時期は個体数(種の適応度)の急激な増加あるいは生息環境(化石の堆積場所)の変化が起きた時期と捉えるべきであり、それは必ずしも生物系統が適応放散した時期を表すものではない、という挑戦的な仮説をたてることにした。恐らく真骨魚類は激しい海洋環境変動が起きたP/T境界の前後で目レベルの多様化を既に遂げており、ジュラ紀/白亜紀境界付近でスズキ目の科レベルの多様化も起きていた。しかし、中生代を通じて真骨魚類は既存の魚類(全骨類等)のニッチを奪うことができず、K/T境界後に多量に化石記録が認められるようになるまでどこかでひっそりと生き延びていたのであろう。我々の化石記録の新解釈に一般性があるとすれば、専ら化石記録に基づいて構築されてきた顕生代の生物進化史は分子系統学によって大幅に改訂される可能性も考えられる。
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 1996年04月 -1997年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯
     
    太古代地球における生命と地球の共進化を解明するために、遺伝子の塩基配列を用いた分子進化学的アプローチを試みた。まずセレノシステイン特異的伸長因子の遺伝子(se1B)に着目し、既知の大腸菌se1Bとの相同性を指標にして古細菌の一種であるメタン細菌からse1B遺伝子を同定した。アミノ酸非特異的伸長因子tufA、開始因子infB、se1Bなど互いに相同性を持つ遺伝子群を含んだ分子系統樹を作製したところ以下のことが示唆された。1)初期生物において開始因子と伸長因子の役割が分かれた後になってセレン化合物を特異的に利用する伸長因子が誕生した。2)Doolittleらによって計算された全現生生物につながる共通祖先の推定年代(約20億年前)を基準とすれば、開始因子と伸長因子の分岐は約32億年前、セレンを生物が利用するようになったのは約30億年前のことと推定された。3)古細菌と真核生物が真正細菌に対して近縁であることが支持された。セレノシステインは生体内の過酸化水素を除去する役割を持つグルタチオンペルオキシダーゼの活性中心に位置することが知られている。従って30億年前には既に酸素呼吸を行う生物が出現しており、酸素呼吸の副産物として発生する過酸化水素の除去を行う必要性が生物に生じていたのかもしれない。次に無酸素呼吸系に関与する遺伝子がいつごろ誕生したかを探るために、真正細菌で見出されている無酸素呼吸系遺伝子が古細菌にも存在するかどうかを調べた。現時点までにフマル酸還元酵素遺伝子(frd)がメタン細菌にも存在することが分かり、無酸素呼吸系遺伝子の一部は少なくとも20億年前には誕生していたことが示唆された。しかし前述の伸長因子の場合と異なり、frdに対して明確な相同性を示す他の遺伝子群を見出せなかったため、20億年前から先にどのくらい遡るのかについては不明とせざるをえなかった。この点は今後に課題を残した。
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 1995年04月 -1996年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯
     
    ミトコンドリアDNA(mtDNA)の遺伝子配置は哺乳類、両生類、魚類などの脊椎動物間で極めてよく保存されている。しかし本研究の結果、ヘビ類mtDNAにおいては著しい遺伝子配置変動があることが明らかとなった。本研究ではヘビ亜目を代表する10数種について、既知の脊椎動物mtDNAにおけるtRNA遺伝子クラスター領域(IQM領域、WANCY領域)の塩基配列を解析し、以下の事実を明らかにした。1)原始的なヘビ類とされるメクラヘビ上科の代表種は、いずれもWANCY領域中のL鎖複製起点様ヘアピン構造を欠失していた。2)メクラヘビ上科のうちホソメクラヘビ科に分類される種では、いずれもGln-tRNA遺伝子がIQMからWANCY領域へ転位していた。3)メクラヘビ以外のヘビ類はいずれもIQM領域中に約1.5kbpもの長挿入断片が見出された。これらの事実からメクラヘビ上科及びホソメクラヘビ科の単系統性が強く示唆された。また上記挿入断片は、他のmtDNAにおける(複製や転写の)コントロール領域及び周辺のtRNA遺伝子と相同な配列から成ることが分かったため、メクラヘビ類以外のヘビ類の共通祖先においてコントロール領域近傍からIQM領域へ転位したものと判断された。しかし驚くことに、コントロール領域が本来存在するはずの箇所(12SrRNA遺伝子とシトクロムb遺伝子の間)をヒメハブにおいて解析したところ、IQM領域に挿入されているのと全く同一のコントロール領域様配列が存在していた(但し隣接するPro-tRNA遺伝子は欠失していた)。一つのmtDNA分子中に2ヶ所のコントロール領域様配列が存在する事実は、LA-PCRを用いた別の実験により更に裏付けられた。以上の結果は、2ヶ所のコントロール領域間での遺伝子交換がかなり頻繁に行われている可能性を示唆し、mtDNA遺伝子の配置変動における分子機構を探る上で有用な題材を提供するものと思われる。
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 1995年04月 -1996年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯
     
    生命と地球の共進化の実態解明に向けて、本年度は「酸化鉄層の形成に関与する生物因子の解明」に焦点を絞り、野外調査及び実験研究を行った。現生の日本で酸化鉄層が形成されつつある代表的フィールドとして長野県濁川源泉地帯に注目した。酸化鉄層の生成環境に関して二度の野外調査を行い、この源泉水が高濃度(50ppm)の二価鉄を含み還元的(Ehは292mV)かつ弱酸性(pH5.8)の状態にあること、源泉付近に大量に生成した酸化鉄の赤茶色堆積物を顕微鏡観察すると高密度にバクテリア様の集塊が見られること等を明らかにした。この堆積物から抽出したDNAを基に、リボソームRNA遺伝子をポリメラーゼ連鎖反応によって増幅して分子系統解析した結果、この赤茶色堆積物中に生息するバクテリアの過半数は鉄酸化細菌Gallionella ferrugineaの近縁種であることが判明した。従って、この堆積物全体としては相当数の鉄酸化細菌が生息し、源泉水から供給される二価鉄の酸化に寄与していることが示唆された。次に採取した源泉水中の二価鉄濃度の減少が堆積物の添加によってどの程度促進されるかを経時的に定量した。その結果、堆積物を添加することによって二価鉄濃度の急激な(初速度で約10倍)減少が見られたが、驚くことに加圧加熱滅菌した堆積物を加えても添加後初期においてはこれに匹敵する効果を生むことが分かった(ただし添加後2時間以降は加圧加熱滅菌しない場合の方が、より強い効果を現した。)このことは、堆積物中の鉄細菌による生物学的な酸化以外に、堆積物中に既に存在する酸化鉄や有機物等による二価鉄の酸化・吸着も二価鉄濃度減少の有力要因であることを示唆している。こうしたことから、大気中の分子状酸素濃度が現在より低く二価鉄の空気酸化が起きにくかった太古代においては、大量の酸化鉄層がバクテリアの直接的・間接的作用によって形成された可能性もあると推論された。
  • The evolution of mitochondrial tRNAs in birds
    Alfred P. Sloan Foundation:The Alfred P. Sloan Postdoctoral Award for Molecular Studies of Evolution
    研究期間 : 1991年 -1993年 
    代表者 : 熊澤 慶伯
  • 日本学術振興会:科学研究費補助金
    研究期間 : 1990年04月 -1991年03月 
    代表者 : 熊澤 慶伯

委員歴

  • 2024年02月 - 現在   名古屋市環境局なごや生物多様性センター   アドバイザリーボード
  • 2020年04月 - 現在   なごや生物多様性保全活動協議会   幹事
  • 2020年09月 - 2023年03月   なごや生物多様性センター機関誌「なごやの生物多様性」   編集長
  • 2020年04月 - 2023年03月   名古屋市環境局   生物多様性推進参与
  • 2018年02月 - 2020年02月   名古屋市環境局なごや生物多様性センター   アドバイザリーボード

担当経験のある科目

  • Introduction to Natural Sciences and Sustainable Development Goals (SDGs)(英語オムニバス講義)名古屋市立大学
  • 生命科学実験(複数教員分担)名古屋市立大学
  • 総合博物学(オムニバス講義)名古屋市立大学
  • 進化学I名古屋市立大学
  • 文系のための環境理学入門(オムニバス講義)名古屋市立大学
  • 生命情報学I(2名分担)名古屋市立大学
  • 化学熱力学基礎名古屋市立大学
  • 動物とヒトの進化多様性(複数教員分担)名古屋市立大学
  • 自然科学実験(複数教員分担)名古屋市立大学
  • 地球生物学実験(複数教員分担)名古屋大学
  • 地圏生物圏相互作用論名古屋大学
  • 生物多様性情報学名古屋市立大学
  • 進化自然学(複数教員分担)名古屋市立大学

その他のリンク

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