研究者データベース

久松 洋介 (ヒサマツ ヨウスケ)

  • 薬学研究科精密有機反応学分野 講師
メールアドレス: hisamatsuphar.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2025/04/29

研究者情報

学位

  • 薬学(名古屋市立大学)

科研費研究者番号

  • 80587270

J-Global ID

研究キーワード

  • ナノ粒子   ホスト-ゲスト化学   自己集合   超分子化学   

研究分野

  • ナノテク・材料 / ナノ構造化学
  • ライフサイエンス / 生物有機化学

経歴

  • 2017年04月 - 現在  名古屋市立大学大学院薬学研究科講師 (樋口恒彦 教授、2022年11月から 梅澤直樹 教授)
  • 2017年01月 - 2017年03月  名古屋市立大学大学院薬学研究科助教 (樋口恒彦 教授)
  • 2012年04月 - 2016年12月  東京理科大学薬学部生命創薬科学科助教 (青木伸 教授)
  • 2011年10月 - 2012年03月  デュイスブルグ・エッセン大学(Carsten Schmuck 教授)
  • 2011年04月 - 2012年03月  独立行政法人日本学術振興会日本学術振興会特別研究員(PD)
  • 2010年04月 - 2011年03月  東京理科大学ポストドクトラル研究員 (青木伸 教授)
  • 2008年04月 - 2010年03月  公益財団法人相模中央化学研究所博士研究員

学歴

  • 2005年04月 - 2008年03月   名古屋市立大学   大学院薬学研究科 博士後期課程 (小田嶋和徳 教授)
  • 2003年04月 - 2005年03月   名古屋市立大学   大学院薬学研究科 博士前期課程 (小田嶋和徳 教授)
  • 1999年04月 - 2003年03月   名古屋市立大学 薬学部 製薬学科

所属学協会

  • 錯体化学会   日本薬学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • Synergy in Supramolecular Chemistry
    Shin Aoki; Mohd Zulkefeli; Masanori Kitamura; Yosuke Hisamatsu (担当:共著範囲:Supramolecular Hosts and Catalysts Formed by Synergistic Molecular Assemblies of Multinuclear Zinc(II) Complexes in Aqueous Solution” Synergy in Supramolecular Chemistry)CRC Press 2015年02月

講演・口頭発表等

  • Control of Self-Assembly Process of 4-Aminoquinoline-Based Amphiphile in Water  [招待講演]
    Yosuke Hisamatsu
    10th International Postgraduate Conference on Pharmaceutical Sciences 2024年03月 口頭発表(招待・特別)
  • Control of the Self-Assembly Process of an Amphiphilic 4-Aminoquinoline-Tetraphenylethene Conjugate  [招待講演]
    Yosuke Hisamatsu; Fangzhou Cheng; Katsuhiro Yamamoto; Hiroshi Takase; Naoki Umezawa; Tsunehiko Higuchi
    ICPAC Kota Kinabalu 2022 2022年11月
  • Fluorescence response and self-assembly behavior of a tweezer-type synthetic receptor triggered by complexation with heme  [招待講演]
    Yosuke Hisamatsu; Koki Otani; Hiroshi Takase; Naoki Umezawa; Tsunehiko Higuchi
    The 2021 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (Pacifichem) 2021年12月
  • Design, Synthesis and Biological Applications of 4-Aminoquinoline-Based Molecular Tweezers That Recognize Protoporphyrin IX and Heme  [招待講演]
    Yosuke Hisamatsu
    7th International Postgraduate Conference on Pharmaceutical Sciences 2020年02月 口頭発表(招待・特別)
  • Design, Synthesis and Biological Applications of a Molecular Tweezer That Recognizes Protoporphyrin IX and Iron(III) Protoporphyrin IX  [通常講演]
    Yosuke Hisamatsu; Koki Otani; Naoki Umezawa; Tsunehiko Higuchi
    14th International Symposium on Macrocyclic and Supramolecular Chemistry 2019年06月 ポスター発表
  • 機能性イリジウム錯体の精密な設計・合成と生物学的応用  [招待講演]
    久松 洋介
    相模中央化学研究所 第2回材料相模セミナー 2016年10月 口頭発表(招待・特別)
  • Design and Synthesis of Luminescent Tris-Cyclometalated Iridium(III) Complexes Containing Bioactive Peptides  [招待講演]
    Yosuke Hisamatsu; Ai Shibuya; Nozomi Suzuki; Abdullah-Al Masum; Hiroshi Tanaka; Sarvendra Kumar; Yuichi Tamura; Shin Aoki
    4th International Postgraduate Conference of Pharmaceutical Sciences 2016年02月 口頭発表(招待・特別)
  • 錯体形成を鍵とする機能性分子の設計・合成と生物学的応用  [招待講演]
    久松 洋介
    平成27年度日本薬学会関東支部奨励賞 受賞講演 2015年09月 口頭発表(招待・特別)
  • Design and Synthesis of Peptide-Conjugated Tris-cyclometalated Ir(III) Complexes for Staining and Cell Death Induction of Cancer Cells  [招待講演]
    Yosuke Hisamatsu; Nozomi Suzuki; Ai Shibuya; Hiroshi Tanaka; Abdullah-Al Masum; Shin Aoki
    Vietnam Malaysia International Chemical Congress 2014 2014年11月 口頭発表(招待・特別)
  • 位置選択的な置換基導入反応に基づくトリスシクロメタレート型イリジウム(III)錯体の合成・発光特性の制御と生物学的応用  [招待講演]
    久松 洋介; 諸見里 真輔; 中川 朗宏; 神戸 彩; 渋谷 愛; 田中 裕志; 青木 伸
    錯体化学会第63回討論会 (シンポジウム:新たな発光性金属錯体の可能性、発光エネルギー制御を指向した分子設計とその応用) 2013年11月 口頭発表(招待・特別)
  • 位置選択的な置換基導入反応を用いたトリスシクロメタレート型イリジウム(III)錯体の合成と発光特性  [招待講演]
    久松 洋介; 青木伸
    錯体化学若手の会関東支部前期勉強会 2011年06月 口頭発表(招待・特別)

産業財産権

受賞

  • 2020年01月 名古屋市立大学大学院薬学研究科長表彰
     
    受賞者: 久松 洋介
  • 2019年02月 有機合成化学協会 2018年コニカミノルタ研究企画賞
     
    受賞者: 久松 洋介
  • 2015年09月 日本薬学会関東支部奨励賞
     
    受賞者: 久松 洋介

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 低副作用かつ高効率な光線力学療法を指向した光増感剤高親和性超分子ナノキャリアの創製
    武田科学振興財団:2023年度 武田科学振興財団 薬学系研究助成
    研究期間 : 2023年11月 -2028年03月
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年04月 -2027年03月 
    代表者 : 久松 洋介
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 久松 洋介
     
    近年、ヘム(プロトポルフィリンIX鉄錯体)が、生体機能制御に関与するシグナル分子として重要な役割をもつことが明らかになってきた。しかし、動的なヘムの生理学的役割については解明されていないところも多く、細胞内ヘムを認識しその挙動を直接観測できる分子プローブの開発が注目されている。本研究では、超分子化学を基盤として水中でヘム高選択的な認識能を発揮する蛍光性人工レセプターの創製を目的とする。これまでの研究で、4-アミノキノリン部位を特徴とするピンセット型人工レセプターが、ヘムに対して高い結合親和性を有することを明らかにしたが、ヘムの分解産物であるビリベルジンやビリルビンに対するヘム選択性に課題を残していた。 本年度は、4-アミノキノリン部位に加えてへム鉄に配位結合可能なイミダゾール基を有し、ヘム選択性の改善を期待した新規人工レセプターの設計、合成に取り組んだ。また、人工レセプターとヘムの複合体形成を蛍光変化として検出するために、フルオレセインを蛍光色素として人工レセプターに導入した。合成した人工レセプターとヘムの複合体形成を pH 7.4の緩衝液中で評価した結果、ヘム濃度依存的に人工レセプターの蛍光強度が減少した。一方、ビリベルジンやビリルビンに対する人工レセプターの蛍光強度変化はヘムと比べ小さかった。これらの結果から、配位結合部位を人工レセプターの適切な位置に導入することで、ヘム選択性の向上が示唆された。しかし、合成した人工レセプターとヘムの複合体において凝集体の生成が示唆されたため、より水溶性の高い新たな人工レセプターの設計、合成に取り組んでいる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 樋口 恒彦; 梅澤 直樹; 久松 洋介
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 久松 洋介
     
    タンパク質に結合していない遊離へム(鉄-プロトポルフィリンIX(FePPIX))が様々な細胞機能の重要な調節分子であることが近年明らかになってきたが、それらの分子メカニズムはいまだに解明されていないところも多い。このような背景から、生体内の遊離ヘムの挙動を直接観察できるツールの開発が望まれているが、現在のところ遺伝子工学的手法を用いた例に限られている。 本研究では、まず、超分子化学的アプローチによりヘム高親和性ピンセット型分子(人工ヘムレセプター)の設計・合成に取り組む。続いて、開発した合成分子に適切な蛍光色素を導入し、蛍光応答性人工ヘムレセプターの創製を行う。さらに、得られた知見を基盤とし細胞内ヘムの可視化を実現する蛍光プローブの開発を目指す。 本年度は、研究の第一段階として、ヘム高親和性ピンセット型合成分子の開発に着手した。具体的には、ピリジン-2,6-ジカルボキサミドスペーサーの両端に認識部位として4-アミノキノリン構造を導入したピンセット型のホスト分子 1 を設計・合成した。そして、Fe(III)PPIX およびその前駆体であるプロトポルフィリンIX (PPIX)に対する1の錯体形成能をDMSO/HEPES buffer (pH 7.4) = 2:3 (v/v) 中、吸収スペクトル滴定実験により評価した。その結果、1 は、Fe(III)PPIX に対して、1:1 錯体だけでなく2:1錯体(Fe(III)PPIX:1 = 2:1)の生成も見られたが、1:1 錯体の結合定数(K)が >2×107 M-1 と安定な錯体を形成できることが分かった。 一方、ヘムの前駆体であり光増感作剤として知られる PPIX に対しても 1 は、同条件下で K = 4.0×106 M-1 と比較的安定な錯体を形成した。この結果に着目し、ヒト大腸がん細胞であるHCT-116 細胞に対してPPIX の可視光照射 (530-590 nm) による細胞死誘導活性を評価したところ、PPIX 単独の場合と比べ、1 共存下で光照射による細胞死誘導活性が大きく向上した。
  • 光線力学療法を指向した超分子光増感剤の創製
    薬学研究奨励財団:第 39 回(平成 30 年度)薬学研究奨励財団 研究助成金
    研究期間 : 2019年04月 -2021年03月 
    代表者 : 久松 洋介
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 樋口 恒彦; 梅澤 直樹; 久松 洋介
     
    化学発光プローブは、それ自身蛍光プローブより感度が格段に高く、また、励起光が必要のない点、簡便に計測可能な利点を有している。一方で、酵素活性や刺激に応答できるものでは、多くはフェノキシドの生成を引き金にするため、中性条件ではほとんど発光しないことや、水中では発光強度が極端に低下することが課題である。平成29年度には、ジオキセタン型フェノールであるAMPDとフェノール性水酸基のオルト位にアセタミド基を導入した1を合成し、pHプロファイルについて期待通りの結果を得ている。 平成30年度は、実際のクロモフォアとなる3-ヒドロキシ安息香酸メチル(A)の4位に各種のアシルアミド基を導入した化合物を合成し、有機溶媒中及び中性から弱塩基性の各pHにおけるバッファーでのそれらの蛍光スペクトルを測定し、そのプロファイルを比較した。アセトニトリル中では、4位にアセタミド基を導入した化合物(B)が最も蛍光強度が大きかった。また、バッファー中では、蛍光のプロファイルが(A)よりも(B)の方が約pH1だけ、中性側に有利な結果となり、前年度行った化学発光分子の特性とよい相関を示した。 また、平成30年度は、AMPDと1の化学発光におけるpHプロファイルをさらに詳細に実験的に解析した。特に、水溶液中で分子内のNH-O水素結合が予想通り起きているかどうかについては、Bの1H NMRでアセタミド基の隣のベンゼン環水素のシフトから、NH-O水素結合を形成する向きにアミド基が向いていることが示された。さらに、DFT計算による理論的な面でも分子内水素結合が確かに生じていることを支持する結果を得た。これらの結果を合わせて、研究結果をOrganic Lettersにて公表した。 この過程で、化学発光分子1の単位時間当たりの発光量がAMPDより50倍大きく、一方熱安定性は3倍高いという興味深い結果を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 久松 洋介
     
    カチオン性ペプチドを有する両親媒性 Ir 錯体の細胞死誘導メカニズムの解明を目指したこれまでの研究を継続し、本研究では、Ir 錯体が細胞表面で作用する標的分子の同定を行った。具体的には、光反応性基であるジアジリンを導入したカチオン性 Ir 錯体を設計・合成し、Jurkat 細胞に作用させた後にフォトアフィニティーラベリングを行った。プロテオーム解析の結果、カルシウム結合タンパク質であるカルモジュリンがカチオン性 Ir 錯体の標的タンパク質の一つであることが示唆された。実際に、カチオン性 Ir 錯体は、カルシウム-カルモジュリンと安定な複合体を形成できることが発光滴定実験により明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 青木 伸; 久松 洋介; 安部 良; 西道 隆臣; 小野 公二
     
    本研究の目的は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に有効な含ホウ素薬剤と、ホウ素NMR(MRI)によるホウ素化合物のin vivo イメージング法の開発である。Sulfoquinovosylacyl-1,3-propanediolの長鎖アルキル部にo-carboraneやCT用のヨウ素化化合物を導入した化合物を合成したが、これらの細胞移行性は低く、マウスに対する毒性を示した。一方、グルコーストランスポーターを標的としたホウ素キャリアーは低毒性であり、高い腫瘍移行性を有するものを発見した。o-カルボランが中性pH水溶液中でCu2+によって分解されることを見出し、11B MRIプローブへ応用した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 久松 洋介
     
    本研究の目的は、リガンドと金属イオンとの錯体形成および自己集積化により構築されるカチオン性両親媒性金属錯体の設計・合成と、がん細胞選択的に細胞死を誘導する薬剤の創製である。具体的には、カチオン性ペプチド Lys-Lys-Gly-Gly (KKGG) と Ir 錯体を長さの異なるアルキルリンカーで連結したカチオン性両親媒性 Ir 錯体が、Jurkat 細胞に対しアルキル鎖長依存的な細胞死誘導活性を示すことを見出した。さらに、細胞死誘導メカニズムについて詳細な検討を行い、Ir 錯体が、まず細胞内カルシウム濃度の上昇を引き起こし、その後、細胞の形態変化を伴った細胞死が誘導されることが示唆された。
  • がん細胞表面で合成されるがん治療薬・診断薬の開発
    上原記念生命科学財団:上原記念生命科学財団平成25年度研究奨励金
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 久松 洋介
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
    研究期間 : 2012年08月 -2014年03月 
    代表者 : 久松 洋介
     
    TRAILは、細胞膜上に発現するデスレセプター(DR)に結合し、がん細胞選択的にアポトーシスを誘導する。本研究では、Ir錯体にDR結合性ペプチドを導入した化合物を設計・合成し、がん細胞に対する細胞死誘導活性評価とイメージングを行った。その結果、Jurkat細胞を用いた染色実験で、DR5結合性ペプチドを導入したIr錯体由来の緑色発光が、DR5を発現する細胞膜上で観察された。さらに、フローサイトメーターを用いて、Jurkat細胞、Molt-4細胞、K562細胞に対するIr錯体の結合量を評価した結果、DR5発現量と相関性が示唆された。現在、細胞死誘導活性の向上を指向し、化合物の最適化を検討している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    研究期間 : 2011年 -2011年 
    代表者 : 久松 洋介
     
    デスリガンドの一種であるTRAILとデスレセプターを介するシグナル伝達は、がん細胞選択的にアポトーシスを誘導するため、副作用の少ない抗がん剤開発のための標的経路として注目されている。本研究は、生体内に存在する亜鉛イオンもしくは鉄イオンを用いて、Zn^<2+>(bpy)_3もしくは、Fe^<2+>(bpy)_3錯生成に基づくC_3-対称性の自己集積型TRAIL様人工デスリガンドの創製を目的として取り組んだ。 採用1年目である本年度、C_3-対称性構造を有する自己集積型TRAIL様人工デスリガンドを開発するための配位子の選定を行い、1,10-フェナントロリン配位子に対してデスレセプターとの相互作用部位であるPatchA、PatchBペプチドを導入したリガンドの合成を行った。今後、合成した人工デスリガンドの精製およびTRAIL様活性評価と課題は残っているものの、一定の進展はあったと判断する。さらに、C_3-対称性構造に固定化されたトリスシクロメタレート型イリジウム錯体に関して、種々の誘導体化を行い、特徴的な発光特性を有する新規イリジウム錯体を見出した。この知見に基づき、イリジウム錯体にPatchAペプチドを導入したリガンドを合成し、現在、TRAIL感受性細胞を用いた活性評価に取り組んでいる。 ドイツでの半年間の留学では、人工トランスフェクション試薬および4点型双生イオン部位を導入した自己集積型分子の創製研究に取り組んだ。特に後者では、高極性溶媒中で外的な刺激に応答可能な超分子ポリマーの生成に関して有用な知見を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
    研究期間 : 2010年 -2010年 
    代表者 : 久松 洋介
     
    TRAIL(tumor necrosis factor(TNF)-related apoptosis-inducing ligand)は、TNFファミリーに属するデスリガンド(DL)の一種で、亜鉛を中心に有するホモ三量体を形成することにより、がん細胞に異常発現するデスレセプター(DR)に結合し、がん細胞選択的にアポトーシスを誘導する。従って、TRAILとDRを介するシグナル伝達経路は、副作用の少ない抗がん剤開発のための標的経路として注目されている。本研究の目的は、亜鉛とビピリジンとの1:3錯体(Zn^<2+>(bpy)_3)生成に基づくC_3対称性自己集積体の構築を特徴としたTRAIL様人工デスリガンドの創製である。本年度は、水溶液中におけるZn^<2+>(bpy)_3錯体の低安定性の改善を研究目的とし、ビピリジン骨格に疎水性相互作用部位を導入した多点相互作用型人工デスリガンドを設計・合成し、亜鉛との集積体生成評価を行った。具体的には、ビピリジンと疎水性相互作用部位として8-キノリノールをメチレン鎖で連結したリガンドを合成した。合成したリガンドに対し、亜鉛を添加した場合のUV-Vis、ESI-MS、^1H-NMRスペクトルを測定したところ、定量的な1:3錯体の生成には至らなかったものの、ビピリジンそのものと比べ、より安定な錯体を生成した。疎水性相互作用部位として、8-キノリノールを7-キノリノール、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ニトロベンゼンやジオクチルアミンに置き換えたリガンドについても設計・合成し、亜鉛との集積体の評価を行ったが、8-キノリノールを有するリガンドと亜鉛との錯体の安定性改善には至らなかった。現在、ビピリジン骨格に異なる配位結合部位を導入し、亜鉛と2:3錯体の生成を期待するリガンドの設計・合成に取り組んでいる。

委員歴

  • 2017年04月 - 2019年03月   日本化学会生体機能関連化学部会若手の会 幹事

その他のリンク

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