日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
研究期間 : 2016年04月 -2021年03月
代表者 : 中川 志信; 近藤 逸人; 蔡 東生; 山中 玲子; 行実 洋一; 尾本 章; 川口 幸也; 大須賀 公一; 川西 千弘
研究成果は、先ず抽出した文楽人形の人を模さない骨格構造を適応した文楽人形ロボット2号機は、機械的な動きの軌跡を自然物の有機的な動きの軌跡に変え、感情表現豊かな生き物のように機械であるロボットを錯覚させ、結果人々に受容されたことである。次に文楽の音と動きの定式が、文楽人形の動きの美しさや生物感の醸成に機能することも明らかにできた。これら文楽の定式適応には、ぎこちない人形芝居を、歌舞伎など人が演じる芝居と同等以上に価値を高める機能がある。すなわち、文楽定式適応を動き・音・物語と拡大することで、ロボットとの共生を、人やペットとの共生と同等以上に価値を高める可能性を発見できたことが最大の成果である。