研究者データベース

中務 邦雄 (ナカツカサ クニオ)

  • 理学研究科生命情報系 准教授
Last Updated :2024/04/19

研究者情報

学位

  • 博士(理学)(名古屋大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • 応用生物化学   応用分子細胞生物学   細胞生物学   機能生物化学   代謝生化学   

研究分野

  • ライフサイエンス / 応用分子細胞生物学
  • ライフサイエンス / 応用生物化学
  • ライフサイエンス / 細胞生物学
  • ライフサイエンス / 機能生物化学

経歴

  • 2024年04月 - 現在  名古屋市立大学大学院理学研究科教授
  • 2020年04月 - 2024年03月  名古屋市立大学大学院理学研究科准教授(P.I.)
  • 2017年04月 - 2020年03月  名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科准教授(P.I.)
  • 2015年10月 - 2017年03月  名古屋大学大学院理学研究科 生命理学専攻講師
  • 2009年04月 - 2015年09月  名古屋大学大学院理学研究科 生命理学専攻助教
  • 2004年04月 - 2009年03月  ピッツバーグ大学生物科学教室博士研究員
  • 2004年02月 - 2004年03月  日本学術振興会特別研究員(PD)
  • 2002年04月 - 2004年01月  日本学術振興会特別研究員(DC2)

学歴

  • 2000年04月 - 2004年01月   名古屋大学   大学院理学研究科博士後期課程
  • 1998年04月 - 2000年03月   京都大学   大学院理学研究科修士課程
  • 1994年04月 - 1998年03月   京都大学   理学部

所属学協会

  • 日本農芸化学会   日本細胞生物学会   日本分子生物学会   日本生化学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • SCFUcc1ユビキチンリガーゼはグリオキシル酸回路の代謝スイッチとして機能する
    中務邦雄; 嘉村巧 (担当:共著範囲:)実験医学 2015年 2613-2615
  • Elongin BC 型E3ユビキチンリガーゼと細胞機能制御
    奥村文彦; 奥村晶子; 中務邦雄; 嘉村巧 (担当:単著範囲:)生化学 2013年 76-88
  • Cullin型E3リガーゼの機能と制御機構(実験医学増刊 タンパク質分解系による生体制御)
    中務邦雄; 嘉村巧 (担当:共著範囲:)羊土社 2011年07月 1933-1937
  • In vitro reconstitution of the Selection, Ubiquitination, and Membrane Extraction of a Polytopic ERAD Substrate
    Nakatsukasa K; Brodsky J.L (担当:共著範囲:)Springer, Methods in Molecular Biology 2010年 365-376
  • The Enzymes "The Role of BiP/Kar2p in the translocation of Proteins Across the ER membrane"
    Kunio Nakatsukasa; Jeffrey L. Brodsky (担当:共著範囲:)ACADEMIC PRESS 2007年 245-273
  • 実験医学増刊 細胞内タンパク質の社会学 第3章3)-1 タンパク質のOマンノシル化と小胞体品質管理
    中務邦雄 (担当:共著範囲:)羊土社 2005年09月 2333-2337
  • 蛋白質核酸酵素増刊 「細胞におけるタンパク質の一生」 小胞体品質管理におけるシャペロンと糖鎖の役割:何が異常で何を除去すべきか
    西川周一; 中務邦雄; 遠藤斗志也 (担当:共著範囲:)共立出版 2004年05月 988-991

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2023年03月 
    代表者 : 中務 邦雄
     
    微生物は発酵生産過程において、過酷な環境変化に曝される。微生物に環境耐性を付与して有用物質を大量生産させるには、環境変化に対する応答機構(代謝制御、遺伝子発現制御など)を明らかにする必要がある。代謝制御の仕組みとして、古典的には代謝酵素のアロステリック制御、フィードバック制御、フィードフォワード制御などが研究されてきた。分子生物学の発展以降、代謝酵素の転写・翻訳レベルの制御も明らかにされてきた。近年、ユビキチン修飾系による代謝制御の報告が続いている。しかし、これらは「氷山の一角」であり、ユビキチン修飾を介した未知の代謝制御が数多く存在するものと考えられる。本研究では、出芽酵母を材料に、ユビキチン修飾を介した炭素代謝系の新たな環境応答機構の解明を目指している。これまでに、脂肪分解に関わる脂肪滴上の酵素の半減期を、シクロヘキシミドチェイス法→ウエスタンブロッティングによって調べた。この酵素の分解が細胞周期に依存することが明らかになった(投稿準備中)。また、出芽酵母の炭素代謝系に関わる、ある一連の酵素群(20種類)について、ユビキチン修飾を網羅的に解析した。その結果、一部の酵素にはポリユビキチン化が、また一部の酵素にはモノユビキチン化あるいはマルチモノユビキチン化と思われるバンドが再現良く見られた。そこである特定の酵素について、ユビキチン化に関わるリガーゼを探索したところ、いくつかの候補が得られた。また、ユビキチン化サイトをアルギニンに置換した変異体は、酵素活性はあるものの、変異体を発現した細胞は膜流動性が低下するストレスに脆弱であることが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年06月 -2022年03月 
    代表者 : 中務 邦雄
     
    小胞体の構造異常タンパク質はサイトゾルのプロテアソームによって除去される。この分解系はendoplasmic reticulum-associated degradation (ERAD)と呼ばれている。本研究では膜貫通の異常タンパク質に着目して、分解メカニズムを解析した。酵母の遺伝学的手法と生化学的手法を併用することで、 (1)生体膜における膜タンパク質の安定性の実験的、理論的考察、(2)膜タンパク質分解の生理的意義の考察、(3)レトロトランスロコン複合体の変異解析を行った。その他、(4)哺乳類におけるERADについて共同研究を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 嘉村 巧; 奥村 文彦; 中務 邦雄
     
    ユビキチン・プロテアソーム系を介したタンパク質分解が様々な生命現象に重要な働きをしていることが明らかになり、注目を集めている。基質特異性を決めるE3、中でもSCF複合体はその数の多さから多彩な機能を有していることが予想されている。そこで本研究では、出芽酵母SCF複合体の新たな機能解析を目的とした。遺伝学的及び生化学的手法を用いてSCF複合体の新規基質を検索し、その結果としてストレス応答性転写因子Tmc1を同定した。Tmc1がSCF複合体依存的にユビキチン修飾を受け分解されることを見出した。さらにTmc1はArr2の発現を誘導することにより、ヒ素ストレスに適応していることを発見した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2017年03月 
    代表者 : 中務 邦雄
     
    研究期間中、細胞周期関連因子の解析が進んだ(ここではCdc99とする)。ERADの変異株において、内在性のCdc99の発現量が上昇していることが分かった。これが分解の抑制によるものか、転写の上昇によるものか、今後の検討する必要がある。 本研究ではまた、ERADと金属イオン輸送体の新しい遺伝学的相互作用を発見した。この相互作用はCdc99を介したものと考えられるが、Cdc99のノックダウン株などを作製して、今後検討する予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2017年03月 
    代表者 : 嘉村 巧; 中務 邦雄
     
    本研究では、ユビキチン・プロテアソーム系の多彩な生理機能を明らかにするために、基質側からE3を探索するシステムを構築した。出芽酵母のタンパク質半減期データベースから、機能的に重要な短寿命タンパク質を複数個選択した。そしてE3欠失株あるいは発現抑制株を用いてこれらのタンパク質の分解を制御するE3の同定を行った。その結果、Nup1、Tma17、Hcm1、Cdc1そしてSpo12の分解を制御するE3としてそれぞれ、p70、p75、p75、p65およびp150、そしてp340を見出した。さらにはp340によるSpo12分解の生理的意義を明らかにした。本研究によりユビキチン系の新たな機能が解明された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2015年03月 
    代表者 : 中務 邦雄
     
    レトロトランスロケーションを駆動するサイトゾルのAAA-ATPase Cdc48/p97の機能が低減すると、Hrd1が26Sプロテアソーム、ユビキチン化基質、Hrd3などを含む、レトロトランスロケーション中間体を形成することを報告した(Mol. Biol. Cell 2013)。Hrd3の光架橋実験では、Hrd3と架橋されるタンパク質が部位特異的に複数個見られたが、Hrd1と同定するには至らなかった。現在実験系をスケールアップしてHrd1の検出を試みている。またHrd3の膜貫通領域がストレス条件下において重要な働きを果たすという仮説のもと、研究を進めている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 中務 邦雄
     
    小胞体の構造異常タンパク質はERADと呼ばれる分解系によって除去される。しかし、小胞体内の基質がどのように膜を越えて、サイトゾルのユビキチン・プロテアソーム系に輸送されるのか、全く明らかにされていない。我々はこのレトロトランスロケーションと呼ばれる現象について、in vitroおよびin vivoの両面から解析を進めてきた。本研究の前に、in vitro解析系によって、疎水性アミノ酸に富む膜貫通タンパク質でさえも、サイトゾルへ逆行輸送されるという有力な証拠を得ていた。本研究期間中このモデルを検証すべく、(1)新しいin vitro解析系の構築、および(2)徹底したショ糖密度勾配遠心による逆行輸送中間体の生化学的解析、を行った。 (1)では最初に、in vitroで合成した膜貫通型基質をミクロソーム画分に取り込ませた。その後、ユビキチン化反応に必要な因子を添加し、逆行輸送を観察した。しかしながら、取り込み反応はある程度進んだものの、ユビキチン化と逆行輸送を有意に検出することは困難であった。本研究を進めている途中、海外のグループから、基質のアセチル化がユビキチンリガーゼによる認識に必要であるという驚くべき報告がなされた。我々のin vitro解析系で扱っていたユビキチンリガーゼは、まさに基質のアセチル化を認識に必要とするものであった。ユビキチン化を有意に検出するには、アセチル化とその認識のステップを系に組み込む必要があるものと考えられた。平成24年度は、アセチル化酵素などユビキチンリガーゼによる基質の認識に必要なコンポーネントの精製方法を検討した。 (2)では逆行輸送を促進するCdc48/p97の変異によって、逆行輸送中間体を蓄積させることに成功した。その結果、プロテアソーム、E3リガーゼ、基質認識因子からなる巨大中間複合体の同定に成功した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2011年 
    代表者 : 中務 邦雄
     
    ユビキチンリガーゼ(E3リガーゼ)による基質の特異的な認識メカニズムを高次構造の観点から解明することは極めて重要である。しかし、X線結晶構造解析やNMR解析が困難である場合や大腸菌での発現も困難なE3リガーゼについて、基質の認識メカニズムを解析するためには、技術的なブレークスルーが必要である。我々は、小胞体関連分解(ERAD)に関与する膜貫通型E3リガーゼHrd1およびDoa10について、機能-構造情報を得るために、in vivo部位特異的光架橋法という新しい手法の導入を試みた。最初に、デグロンと呼ばれる酵母のDeg1配列を適当なレポーター遺伝子に融合して、酵母細胞のサイトゾルで発現させ、Doa10との相互作用の追跡を試みた。過去の研究によると、Deg1配列中の両親媒性ヘリックスが認識に重要という知見があり、その部位へアンバーコドンの導入を始めた。しかしながら本年度の途中で、従来考えられていたDeg1認識のメカニズムとは異なる新しい概念(N末端のアセチル化がDoa10による認識に関与する)が報告された。現在はDeg1の解析を継続しているが、同時にHrd1-Hrd3相互作用の解析を開始した。我々は遺伝学的スクリーニングによって、Hrd1の2番目の膜貫通ドメインがHrd3と相互作用している可能性が高いことを見出した。そこで、Hrd1の2番目の膜貫通領域に光架橋性アミノ酸を導入して、Hrd3との相互作用を解析している。この相互作用がERADの反応を停止させた時にどのように変化するか調べる予定である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2010年 
    代表者 : 中務 邦雄
     
    小胞体で高次構造の形成に失敗した分泌タンパク質や細胞膜タンパク質は、ゴルジ体以降へ輸送されずに小胞体に留められ、サイトゾルのユビキチン・プロテアソーム系によって分解される。この分解系はERADと呼ばれており、小胞体の恒常性を維持するうえで、必須の役割を果たしている。本研究は、比較的研究が進んでいる構造異常タンパク質の認識のステップではなく、ERADの基質が小胞体膜を超えてサイトゾルへ輸送される逆行輸送のステップを解析することを目標としている。 本研究の前段階として、我々は、複数回膜タンパク質を基質としたERADのin vitro系を独自に開発し、ERADの一連の反応の中で、膜タンパク質が小胞体膜からサイトゾルへ抽出されることを見出した。本研究では、同様の現象がin vivoでも起こりうる現象であるか調べるために、細胞レベルの解析を行った。細胞分画の方法を詳細に検討した結果、in vivoでも、12回膜貫通型のERADの基質が、ユビキチン化に依存して、サイトゾルへ抽出されている証拠を得ることに成功した。現在は、サイトゾルへ抽出された基質と相互作用している因子の同定、複合体の分子量を解析するとともに、小胞体膜のどの部分からサイトゾルへ抽出されているのか、in vitro系を用いた生化学的な解析を進めつつある。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 中務 邦雄
     
    真核生物の小胞体は、分泌タンパク質や中央空胞系オルガネラの生合成の場となっている。小胞体にはタンパク質の品質管理機構が存在し、正しい高次構造を形成した正常タンパク質のみをゴルジ以降へ送り出し、正しい高次構造を形成できなかった異常タンパク質は分泌することなく小胞体に留める。異常タンパク質の蓄積は細胞生存にとって害悪である。小胞体には、異常タンパク質をサイトゾルへ送り返し分解、除去する系(ERAD:Endoplasmic Reticulum Associated Degradation)と、分子シャペロンを発現させることによって異常タンパク質の凝集体形成を防ぐ系(Unfolded Protein Response)が存在し、異常タンパク質の蓄積という危機的状況に対処している。 我々はこれまでに、in vitro、in vivoの実験から、2種類のモデル異常タンパク質(pαFの変異体と糸状菌由来プロテアーゼの変異体)が分解されずに小胞体内に蓄積した場合、O型糖鎖付加を受けて可溶性となること、さらに可溶性となった異常タンパク質の一部は品質管理機構による小胞体内への滞留を免れ、細胞外へ分泌されうることを見出していた。平成15年度はこの現象の生理的意義について検討した。分解系とO型糖鎖付加に関与する遺伝子の二重破壊酵母株は、恒常的にUnfolded Protein Responseが亢進されており、異常タンパク質の蓄積にも感受性を示した。さらに、蛍光抗体法による顕微鏡観察から、この二重破壊株の中で異常タンパク質が大きな凝集体を形成していることが示唆されるデータを得た。これらの結果から、O結合型糖鎖付加は異常タンパク質が蓄積することによって引き起こされるストレスから細胞を守る役割をもつことが示唆された。 これらの結果を学位論文としてまとめ、平成16年1月に学位を取得した。また、第56回日本細胞生物学会大会のワークショップ、第76回日本生化学会大会のポスター討論会で発表を行った。

担当経験のある科目

  • 生物機能化学(3年生)名古屋市立大学
  • 生化学(2年生)名古屋市立大学
  • 生命科学実験(2年生)名古屋市立大学
  • 文系のための環境理学入門(1年生)名古屋市立大学
  • 総合理学概論(1年生)名古屋市立大学
  • 生命情報学特講(大学院)名古屋市立大学
  • 理学概論(大学院)名古屋市立大学
  • 生体分子化学名古屋市立大学
  • 分子代謝機構学(大学院)名古屋市立大学
  • 自然科学実験(1年生教養)名古屋市立大学

その他のリンク

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