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岩田 欧介 (イワタ オウスケ)

  • 医学研究科新生児・小児医学分野 准教授
Last Updated :2024/04/26

研究者情報

学位

  • PhD(University College London)

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科研費研究者番号

  • 30465710

J-Global ID

プロフィール

  • 1968年生まれ

    1993年 名古屋大学医学部卒業,トヨタ記念病院にて臨床研修.

    1996年 長野県立こども病院にて新生児・麻酔科臨床研修.

    2001年 ロンドン大学UCL校にて脳傷害の早期診断と保護に関する研究

    2007年 久留米大学小児科学教室

    2017年 現職


    研究分野

    •発達中の脳傷害の画像診断と神経保護療法の開発

    •新生児の生体リズムと脳機能発現のメカニズム解明

    •新生児の痛み・ストレスの客観定量法の開発

    •臨床の疑問を様々な身近な観察系を組み合わせて解き明かすボーダーレスな研究を通じて,リサーチマインドを持った若手臨床家を多数育成することをライフワークにしています.

研究キーワード

  • 低酸素虚血   γアミノ酪酸   新生児脳症   Bumetanide   新生児けいれん様発作   動物モデル   神経興奮   白質障害   栄養   方向性拡散強調画像   FractionalAnisotropy   予後   早期産児   発達障害   磁気共鳴診断   

研究分野

  • ライフサイエンス / 胎児医学、小児成育学

経歴

  • 2013年 - 2014年  久留米大学医学部助教

学歴

  • 2006年05月 - 2013年12月   ロンドン大学UCL校 大学院   周産期母子保健研究所
  • 1987年04月 - 1993年03月   名古屋大学   医学部

研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2027年03月 
    代表者 : 荒木 由布子; 尾畑 伸明; 今泉 允聡; 岩田 欧介; 川野 秀一; 山本 倫生
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 竹内 章人; 津田 兼之介; 岩田 欧介; 柴崎 淳; 小林 徹; 向井 丈雄; 諫山 哲哉
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2025年03月 
    代表者 : 岩田 欧介; 岡村 尚昌; 國吉 康夫; 永田 雅子; 藤岡 一路; 柴崎 淳; 竹内 章人; 日下 隆; 有光 威志; 荒木 由布子; 戸田 智基
     
    本研究は,母親の歌や語り掛け・読み聞かせを編集加工・最適化し,生後早期から早産児に聞かせることによって,遠隔期の言語・認知機能が改善するかを,短期脳科学ツールと長期言語認知発達評価から詳細に検討するプロジェクトである.多施設での症例集積を予定していたが,Covid19パンデミックによる制約から,当面研究代表施設である名古屋市立大学病院NICUによる単施設研究として実施し,研究分担者では,得られたデータの解析・二次利用や,施設独自の関連研究を実施するよう軌道修正している.代表施設では,2020年度に倫理審査・機器整備を完了し,2021年度にパイロット研究による観察系の動作確認を行い,母親の語り掛けや読み聞かせを録音・加工するアルゴリズムが確立されている.Covid19パンデミックによる長引く面会停止により,症例のリクルートメントが中断しているが,2022年度は面会制限が緩和される見通しであり,状況の改善を待って症例リクルートメントを開始したい. 代表施設では,近赤外線分光法を用いたベッドサイドでの脳組織構造変化の評価法を確立する研究,生後1か月の健常児における環境と睡眠周期の関係を明らかにする研究,NICU入院時における自閉症スペクトラム障害発生状況の詳細評価に関する研究を関連研究として実施し,本研究で使用するポリグラフ・近赤外線スペクトロスコピーおよびアクチグラフのバリデーションを行うことができた(それぞれ国際査読誌に公表).東京大学・静岡大学・香川大学・久留米大学チームは,本研究再開後に得られる検体アッセイおよびデータ解析法を確立している.神戸大学・慶応義塾大学チームは,新生児脳波を用いて遠隔期の高次脳機能を予測するプロジェクトを軌道に乗せ,成果を上げている.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 今井 一徳; 岩田 欧介
     
    本研究の目的は、搬送にかかるリソースに重点を置いた定量的なトリアージスケール(Neonatal Extricartion triage; NEXT)が従来型と比較して有用であるかを明らかにすることである。そのために ① NEXTは搬送トリアージとして妥当性・信頼性のある基準か ② 単一施設のNICU避難においてNEXTは従来型に比べ有用か ③ 地域内複数のNICUの避難が必要な状況でもNEXTは従来型に比べ有用か について検証している。
    令和3年度は、 ① NEXTは搬送トリアージとして妥当性・信頼性のある基準か について取り組んだ。当院NICUで従来型とNEXTによる評価が行われた患児を後方視的に電子カルテから抽出し、NEXTの構成概念妥当性と検者間信頼性を検証した。この結果従来型トリアージ、NEXTともに、NICUにおける重症化スコアであるNeonatal Therapeutic Intervention Scoring System (NTISS)と高い基準関連妥当性を示し、かつNICUに勤務する医師及び看護師間で高い検者間信頼性を持つことが示された。 さらにNEXTが従来型トリアージに比べて、より広く患者を分類できる(一部のスコアに患者が固まり、患者の順位決定を妨げることをさけることができる)可能性が示唆された。この結果を、Prehospital and Disaster Medcine誌に報告した( PMID: 35388784.)。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 荒木 由布子; 岩田 欧介
     
    本研究は、時間・空間で変動する高次元データに,関数データ解析法による新たな統計モデルの理論的・実践的開発を行うものである. 関数データ解析法とは,各個体や対象に対して,離散点で経時的・空間的に観測・測定された一組のデータを滑らかな関数として捉えて関数化して平滑化を行い,その関数化データの集合から有効に情報を抽出するための統計モデルからなる一連の手法である. 本研究では,まず第1段階において, 高次元データの関数データ化について検討した.特に多層構造の高次元データの場合に,各層に特有の効果と誤差の仮定をおき,展開を工夫してバイアスを最小とする計画であった.2021年度は前年度の研究を継続し, 第3段階において本研究で扱う医学データの構造に関連した理由から, 当初の予定とは異なるアプローチで階層構造のあるデータを扱うモデルを構築した. 第2段階は, 関数データ集合に対する解析モデルの開発である. 対象データを非高次元データ,高次元データ,多層高次元データと進化させ,3種の統計モデルを開発する計画である. 2021年度は,凸クラスタリングを関数データの枠組みで構築し,その情報をCox比例ハザードモデルの説明変数に与えたモデルを検討した. さらに, 複雑な構造を有する現象において, 時間の経過に伴い分散が変動する現象を捉えるため, 分位点の枠組みで非線形な構造を捉えるモデルを構築した. 第3段階は,医学・工学データに新モデルを適用する実践的研究である. 2021年度は前年度に引き続き, 研究分担者から提供された実際の問題への取り組みを開始し, 対象となる現象や研究目的により, 本研究の第1段階と第2段階の具体的な取り組みを決定した.第2段階で開発した統計モデルを、そのうちの1つである小児ホルモン分泌データへ適用し、乳児の体内周期に関する新たな知見が示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2020年03月 
    代表者 : 岩田 欧介
     
    NICU入院管理を要した新生児の安定期に,脳波・近赤外線スペクトロスコピー・呼吸波形・心電図の同時記録を行い,経時変動について,周波数帯域ごとの経時変動と,痛みスコアの経時変化を比較した.心電図および近赤外線スペクトロスコピー定量値(酸素化ヘモグロビン)の変動における特定周波数成分の痛み刺激による減少が確認され,その減少率と時間積分値が,確立された痛みスコアであるN-PASS (Neonatal Pain Agitation and Sedation Scale) と強く相関することが確認された.予定症例数におけるデータ収集完了後にも,同様の傾向が統計モデルにおいて確認されるかを検討する.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2019年03月 
    代表者 : 岩田 幸子; 岩田 欧介
     
    在胎24~40週のNICU入院児150例において時間分解近赤外線分光法(TR-NIRS)を用い,頭蓋各部位の近赤外光散乱係数を取得した.うち,生後1週間以内に測定を行った初期コホート60症例で生直後の散乱係数と関連した臨床因子を検討したところ,Apgarスコア・出生時のアシドーシス・在胎週数・人工呼吸の要否など,成熟度と生後のトランジションと関連した因子が独立変数として認識された.また,出生予定日前後に取得された散乱係数の決定因子を探索した研究では,散乱係数は出生時の在胎週数や体重など,成熟度と関連した因子との相関を維持しつつ,栄養投与量や成長の速度と関連した生後の因子との相関を見せた.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2016年03月 
    代表者 : 岩田 幸子; 岩田 欧介
     
    胎児リズムと生後2か月以降に確立される概日リズムの繋がりについては解明されていない.今回,Actigraphで乳児期早期に活動量をモニターすると同時に,唾液コルチゾールによる内分泌学的検討を行ったところ,生下時より胎児期由来と推測される低振幅概日リズムの存在と,その減衰を認めた.また,生後1か月の健常母子を対象にした大規模調査では,児の夜間睡眠は生活習慣により規定される一方,児の睡眠に認められる季節差のように,母児間の同調だけでは説明できない制御因子の存在が示唆された.生後の睡眠形成には,産前母体メラトニンなどを介した内因性因子と同時に,胎児期プログラミングが関与する可能性が示唆された.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2015年03月 
    代表者 : 岩田 欧介
     
    昨年までに収集した早産児及び成熟児のアクチグラフ・唾液コルチゾール・尿コルチゾールを解析し,新生児期早期の睡眠覚醒周期が3-4時間程度のアルトラディアンリズム中心であるのに対し,コルチゾール分泌リズムは,生直後には出生時刻に印加された24時間周期のリズムが中心となりつつ,これに重合する形で,胎児型の夕方にピークを迎えるリズムが2週間程度残存することが,多面的なデータから明らかになった.生後1か月・3か月で再建されたアクチグラフでは,ほとんど全症例に明確な成人型昼夜リズムの形成が認められた.今後は新生児期のアクチグラフや内分泌マーカーの変動パターンと,生後1-3か月の変動振幅,そして今後データが蓄積される認知発達との関係を明らかにして行く.唾液検体の収集は,24時間以上の持続は困難であるが,尿中コルチゾールは,紙おむつにサンプル収集用のパッドを装着することで,少ない侵襲で長期間にわたって検体を集めることができた.尿中コルチゾールと血中および唾液中コルチゾールの相関関係も非常に良好であることが証明され,今後の長期フォロー研究における内分泌マーカーの切り札となり得ると考えられた. 脳機能・睡眠・生体リズムの成熟観察と同期して変化する脳の微小構造をベッドサイドで繰り返し観察するために導入した,時間分解近赤外線スペクトロスコピーにより,脳内構造の複雑さを反映する光の散乱係数が,出生までは在胎週数に強く正の相関を見せること,そして,生後は修正在胎週数と相関する上昇を止め,臨床経過と関連した個々に特徴的な増減を見せることが分かった.現在MRI拡散強調画像上の定量値との直接比較を行っており,ベッドサイドでの脳微細構造マーカーとしての有用性が確立されると期待している.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 岩田 幸子; 岩田 欧介
     
    極低出生体重児76名のコホート研究において,従来式MRI評価と9歳発達予後を比較し,白質傷害と遠隔期の認知・言語・運動発達との問に強い相関が認められた.2007年6月-2010年8月に出生した極低出生体重児82名において,退院前の脳MRI定量マーカーを検討したところ,児の髄鞘形成は,出生後の日齢に応じて成熟していること,体重増加不良の児は,髄鞘形成が遅延することが示唆された.さらに,修正18か月, 36か月時に対面式発達評価を行っており,周生期の栄養,画像所見との関連性を現在解析中である.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 岩田 欧介; 岩田 幸子; 岡村 尚昌; 神田 洋; 岡田 純一郎
     
    新生児はけいれん発作を発症しやすい上に,薬物治療に難治性であることが多い.新生児の脳では,成人で有効な抗痙攣剤が効きにくい背景があるが,臨床病態に近い動物モデルがないため,治療法解明のための研究も進んでいない.本研究では,新生児に脳の構造・成熟度が近い新生仔豚に低換気負荷を与え,その深度を調節することによって,高率に電気生理学的・臨床的けいれん発作を呈する大動物モデルを確立した.これらの動物の脳病理組織学的損傷は,臨床的発作を呈した症例において非常に強く認められた.独自に開発したポータブルテレメトリー脳波計により,低換気負荷からの回復後は,動物をケージ内で自由に運動させながら,暗視カメラ・電気生理学的情報を72時間まで記録し,圧縮技術により,迅速にレビュー可能なアルゴリズムを確立中である.

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