研究者データベース

内木 拓 (ナイキ タク)

  • 医学研究科腎・泌尿器科学分野 准教授
Last Updated :2024/07/05

研究者情報

学位

  • 医学博士(名古屋市立大学院)

科研費研究者番号

  • 50551272

ORCID ID

J-Global ID

研究キーワード

  • 酸化ストレス   ロボット支援下手術   泌尿器悪性腫瘍   

研究分野

  • ライフサイエンス / 病態医化学
  • ライフサイエンス / 泌尿器科学

経歴

  • 2024年04月 - 現在  名古屋市立大学医学部付属西部医療センター泌尿器科准教授
  • 2018年03月 - 2024年03月  名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野講師
  • 2016年04月 - 2018年02月  名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野助教
  • 2003年04月 - 2005年03月  名古屋市立大学病院臨床研修医

学歴

  • 2008年04月 - 2012年03月   名古屋市立大学   大学院
  • 1997年04月 - 2003年03月   名古屋市立大学

研究活動情報

論文

MISC

受賞

  • 2023年11月 名古屋市立大学 理事長賞 臨床部門
  • 2023年10月 Best presentation award in Asian Oncology Society 2023 annual congress
  • 2020年03月 日本泌尿器科学会 JUA EAU Academic Exchange Program
  • 2015年12月 前立腺財団研究助成 最優秀演題
  • 2013年04月 日本泌尿器科学会総会 第7回ヤングリサーチグラント
  • 2011年03月 科学技術交流財団 第5回わかしゃち奨励賞最優秀賞

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 内木 綾; 惠谷 俊紀; 内木 拓; 高橋 智
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 内木 拓
     
    私たちは、ラットのプロバシン遺伝子プロモーターの下流に、SV40ラージT抗原の遺伝子を結合して得られるPBSVTジーンを、Sprague-Dawley (SD)系ラットの受精卵に導入し、前立腺癌動物モデル(TRAP)を確立した。またTRAPから得られた癌組織を、去勢したヌードマウス皮下に移植し長期に継代することで、アンドロゲンの枯渇した状態でも、安定して増殖するCRPCモデルを樹立した。私たちはこのCRPCモデルの解析によって、酸化ストレスの制御機構がCRPCの増殖・進展に促進的に働いていることを解明した。また抗酸化剤によって、AR-V7の発現低下を介してCRPCの増殖抑制が起こる事を解明し、さらにAR-V7を制御する新たなマイクロRNAであるmiR-8080を、世界に先駆けて発見した。そして今回、CRPC転移モデルにおいて去勢抵抗性を獲得する前後でcDNAマイクロアレイを行った結果、CRPCにおいてこれまで文献上報告のない遺伝子Cx43の発現低下を、新たに発見することができた。さらに、TCGAの癌ゲノムデータベースを用いた解析でも、ヒト前立腺組織におけるCx43タンパクの低発現は、予後不良因子となりうることを証明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 惠谷 俊紀; 河合 憲康; 内木 綾; 永井 隆; 安藤 亮介; 飯田 啓太郎; 安井 孝周; 内木 拓; 野崎 哲史
     
    (1)LSD1の発現プロファイルの検討:前立腺癌患者における臨床検体を用いて、悪性度(Gleason score)ごとのLSD1発現の変化について検討した。Gleason score 3,4,5の各群でLSD1発現を免疫染色で定量化し比較したところ、悪性度の高い癌においてLSD1が高発現していることが確認された。Gleason scoreの高い癌は臨床においても治療抵抗性になりやすく、かつ転移をきたしやすいため、悪性度が高く癌性疼痛の原因になりやすい癌ほどLSD1の発現が高いことから、LSD1の癌性疼痛の標的としての可能性が示唆された。 (2)in vivoにおいて去勢がLSD1発現に与える影響の検討:本学において樹立した、ラット由来前立腺癌細胞株PCai1を用いて検討した。PCai1をCharcoal stripped mediumで長期間培養し、去勢抵抗性前立腺癌細胞株PCai1-CSを作成した。ウェスタンブロットを用いてPCai1とPCai1-CSにおけるLSD1発現を検討したところ、去勢によるLSD1発現の大きな変化は認めなかった。これは昨年度の臨床検体を用いた検討の結果とも一致しており、LSD1は去勢抵抗性の獲得の段階にかかわらず癌性疼痛の治療標的となりうる可能性が示唆された。 (3) 液体高速クロマトグラフ質量分析器(LC-MS)を用いたホルムアルデヒド検出の検討:前年度の蛍光を用いた検出方法よりさらに低濃度のホルムアルデヒドを高精度に検出する方法を確立するために、本学に導入されたLC-MSシステム(LC-MS8030 島津製作所)を用いて、ホルムアルデヒドの計測を試みた。除タンパクや誘導体化につき条件設定を行い、in vitroの条件でホルムアルデヒド試薬を用いてホルムアルデヒドが検出可能なことを確認できた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 畦元 将隆; 河合 憲康; 安藤 亮介; 惠谷 俊紀; 戸澤 啓一; 安井 孝周; 堤内 要; 内木 拓
     
    本研究の目的は温度感受性に抗癌剤を放出する磁性ナノ粒子(抗がん剤内包マグネタイト結合ナノホーン粒子(Thermo-SWNH))と交流磁場照射による磁場誘導組織内加温法の併用療法を浸潤性膀胱がんに対する治療として確立するための基礎研究である。臨床応用のためには解決するべく課題は1) Thermo-SWNHの最適化と安定供給体制 2)定量的スクリーニング系の構築(in vitro, in vivoでの腫瘍退縮効果確認) 3) 交流磁場発生装置の製造の3点である。私たちは磁場誘導組織内加温法の研究を長年おこなっており、前立腺がんを中心にその成果を報告してきた。そこでThermo-SWNHとの併用療法を浸潤性膀胱がんに対する新しい治療法として確立するための基礎研究として1). 抗がん剤内包マグネタイト結合ナノホーン粒子(Thermo-SWNH)の最適化と2).定量的スクリーニング系の構築(in vitro, in vivoでの腫瘍退縮効果確認)を主たる目的とし、交流磁場発生装置は、非臨床の段階のもではあるが、従来のものを用いることで改良点を模索する。 研究計画は初年度(2019年度):抗がん剤内包マグネタイト結合ナノホーン粒子の作成であった。共同研究者との協力により以下の手順で作成した。①単層カーボンナノホーンに硝酸を加えて100℃で1時間硝酸化処理を行う。②硝酸化処理した単層カーボンナノホーンから鉄イオンを精製し開孔部を形成させる。③開孔部を形成した単層カーボンナノホーンに 80℃のアンモニアで処理し、マグネタイトナノ粒子を鞘の内部に取込ませる。 上記方法により2019年度にThermo-SWNHを作成することができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 中川 基生; 内木 綾; 内木 拓; 下平 政史; 小澤 良之
     
    monoegergetic imaging再構成法を作成するためのdual energy CT 撮影プロトコルを作成し、膀胱癌、尿管癌症例の画像データを蓄積した。同症例の術中所見、病理所見も収集し画像データと比較を行った。その結果、monoenergetic imagignでは微細な移行上皮癌を通常CT撮影にくらべ明瞭に描出することがわかった。従来膀胱癌や尿管癌のCT診断には造影排泄相が用いられたが、monoenergetic imagingによる仮想低keV画像と合わせて評価することにより診断能を改善することがわかった。これらをまとめた成果は学会や論文にて発表することを予定している。 またmonoegergetic imaging再構成法は造影効果を増強することがわかっているため、同プロトコルが、下肢静脈瘤に対し穿通枝描出に対しても有用であるかどうかを検討した。下肢静脈瘤の術前評価には造影CT画像から構築される3D像が有用であるが、同プロトコルを用いることで、下肢静脈穿通枝の造影後吸収値が周囲筋組織より高く描出することで、3D作成が容易になることを証明した。この成果は論文にて報告している(Acta Radiol Open. 2020;9:2058460120916198)。 現在我々は、本研究の撮影プロトコルで得られた画像を用いて3Dプリンターによる模型作成を行い、実際の症例の静脈の形態を正しく模しているかを評価し、術前評価などに寄与できるよう臨床応用することを目指している。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 秋田 英俊; 安井 孝周; 河合 憲康; 安藤 亮介; 内木 拓; 飯田 啓太郎; 惠谷 俊紀; 内木 綾
     
    ヒストン脱メチル化酵素Lysine Specific Demethylase 1(LSD1)は精巣腫瘍における治療標的として注目されている。本学で創製した新規LSD1阻害剤であるNCL1およびNCD38の精巣悪性腫瘍への治療効果について検討した。 WST-8アッセイでは、LSD1阻害剤は濃度依存的に生存細胞数を抑制し、アポトーシスを誘導した。マウスモデルにおける検討では、コントロール群に比較し、LSD1阻害剤投与群では腫瘍体積の増加が抑制されていた。血清AFPは、LSD1阻害剤投与群において低かった。上記より、NCL1およびNCD38は精巣腫瘍において、新規治療薬となる可能性が示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 永田 大介; 安井 孝周; 河合 憲康; 安藤 亮介; 内木 拓; 飯田 啓太郎; 惠谷 俊紀; 中川 基生; 内木 綾
     
    MRIにおけるADC値は、膀胱癌における予後予測因子となり得るかを検討した。2007年から2012年の間に、名古屋市立大学病院でTURBTを施行した141例を対象とした。男性108例、女性33例、年齢中央値71歳、深達度はTa 38例、T1 62例、T2以上41例、組織学的異型度はlow grade35例、high grade116例であった。深達度が上昇するほどADC値は低値を示した。T1膀胱癌において、ADC低値群では非進展率が有意に低かった。多変量解析による予後因子解析でADC値は進展を予測する独立した予後因子であった。よってADC値は、非進展率を予測するマーカーになると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 山田 健司; 安井 孝周; 安藤 亮介; 内木 拓; 戸澤 啓一
     
    膀胱の発がん進展過程は未だ不明な点が多い。近年、がんは遺伝子変化の集積に伴って多段階で生じ、染色体レベルでのゲノムの不安定性(Chromosomal instability:CIN)がみられることが解明されてきた。しかし、膀胱がん患者は遺伝・環境背景が多様でCINの解析は困難であった。このことから私は、膀胱がんモデルマウスを用いてCINを検討することにより、ヒト膀胱発がんに関わる遺伝子としてUQCRBを同定した。UQCRBはiNOSを介してヒト膀胱発がんの過程に関与しているものと考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 内木 拓; 安井 孝周; 河合 憲康; 安藤 亮介; 飯田 啓太郎; 惠谷 俊紀; 高橋 智; 内木 綾
     
    去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)は、薬物治療に耐性を示すことが多い。私たちはこれまで独自のCRPCモデルを用いて、酸化ストレス(ROS)制御機構がCRPCの増殖に強く関わることを証明してきた。そして今回、天然食品由来のフラボノイドであるルテオリンの抗酸化作用に着目し、新規治療法の樹立に向けた解析を行った。その結果ルテオリンはin vitro, in vivoどちらにおいても、CRPCの増殖抑制効果を認め、そのメカニズムはROSを介したアポトーシスの制御を柱とした分子ネットワークの変化であることが解明された。ルテオリンは有望な治療薬となる可能性があり、今回の解析に基づいた治療法の樹立が期待できる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 安藤 亮介; 安井 孝周; 河合 憲康; 内木 拓; 鈴木 貞夫; 細野 晃弘
     
    ベースライン登録から5年経過した健診受診者を対象とした追跡調査を実施した。がん現病者・既往者、糖尿病治療中または空腹時血糖値140mg/dLを超える対象者等を除外し、最終的に2,366名を解析した。平成25年3月から平成28年10月に行った2次調査から60名(2.5%)の前立腺がん患者の新規発症が確認された。本研究では、インスリン抵抗性の指標として、高HOMA-IR(2.5以上)と、高インスリン血症(15.0μU/mL以上)を採用した。前立腺癌発症に対するオッズ比をロジスティック回帰分析を用いて検討したところ、高HOMA-IR、高インスリン血症と前立腺癌との間に有意な関連は認めなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 惠谷 俊紀; 河合 憲康; 内木 綾; 安藤 亮介; 飯田 啓太郎; 安井 孝周; 内木 拓; 高橋 智; 鈴木 孝禎
     
    去勢抵抗性前立腺癌細胞株を用いて、in vitroおよびin vivoでLSD1阻害剤およびオートファジー阻害剤の効果の検討を行った。WSTアッセイではNCL1は濃度依存的に細胞増殖抑制効果を認めた。NCL1投与によりオートファジーが誘導されていた。オートファジー阻害剤の併用により、NCL1の抗腫瘍効果は増強された。 動物モデルでの検討では、NCL1投与群はコントロール群に比較し有意に腫瘍体積が小さく、CD31陽性腫瘍血管数の有意な減少と、アポトーシスの誘導を認めた。臨床検体を用いた検討では前立腺癌の悪性度とLSD1発現は関連があると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 飯田 啓太郎; 安井 孝周; 鈴木 孝禎; 河合 憲康; 安藤 亮介; 内木 拓; 惠谷 俊紀
     
    本研究では、膀胱癌細胞株を用いて新規ヒストン脱メチル化酵素LSD1の新規阻害剤であるNCL1の抗腫瘍効果を検討し、NCL1が効率よく膀胱癌の増殖を抑制し、ヒストンのリジン残基のメチル化を促進することを見い出した。また、NCL1の投与によりオートファジーが誘導され、オートファジー阻害剤の投与によりNCL1の抗腫瘍効果が増強されることが示された。そして、ヒト臨床検体やデータベースをもちいて、LSD1の発現と予後との関連について検討した。そして、膀胱癌皮下移植モデルや、膀胱発がんモデルの作成を行い、NCL1の投与プロトコールについて検討した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 鈴木 周五; 佐藤 慎哉; 内木 拓; 高橋 智
     
    正常に比べ、前立腺癌で発現上昇を認めるHigh mobility group box 2 (HMGB2)の役割を、前立腺癌進展およびアンドロゲン依存性および去勢抵抗性それぞれの状態について検討した。 ヒト手術検体で、組織異型や進行度に対して発現上昇を認めたものの、生存期間には関与していなかった。ホルモン療法によりHMGB2は発現低下傾向を示し、治療効果とHMGB2発現は反比例する結果が見られた。 前立腺癌細胞株では、HMGB2がアンドロゲンレセプターを介する経路に関与することを確認した。また、アンドロゲン依存性および去勢抵抗性いずれの前立腺癌細胞株においても細胞増殖に関与した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 河合 憲康; 安藤 亮介; 戸澤 啓一; 内木 拓; 小林 大地
     
    マグネタイトと8-MHz のラジオ波を用いた温熱治療が様々な固形癌の転移巣治療に応用できるように, マグネタイトを標的臓器にIVR技術を用いて注入と停滞をさせる方法を開発し、その部位の温熱治療が可能か腎がんを想定して検討をした。マグネタイトとリピオドール混和物を注入し、Thermotron RF-8で、同部位の温度が上昇することを確認した。通常のIVR技術でマグネタイト混和物の注入が可能であることが確認できた。IVR技術を用いた上での温熱治療までは実施できなかったが、データを総合するとIVR技術で磁性微粒子を癌転移巣に注入する新規温熱治療の臨床応用に向けた本研究の有用性が示されたと考える。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 高田 英輝; 河合 憲康; 安藤 亮介; 戸澤 啓一; 内木 拓; 小林 大地; 河合 憲康; 安藤 亮介; 内木 拓; 小林 大地
     
    私たちは、正電荷リポソーム包埋型磁性ナノ粒子(Magnetic Cationic Liposome:MCL)を発熱体とする温熱治療(MCL Heat Therapy)を開発し、様々ながんの増殖抑制効果を報告してきた。その研究で、MCL Heat TherapyのMHC分子を介した強い抗腫瘍免疫の誘導を見出した。今回、MCLを膀胱注入し交番磁場を照射することで、Th1およびCTLへの誘導を強化し、有意な腫瘍縮小効果を証明した。さらに、抗TGF-β抗体および抗IL-6抗体を投与することでTh-17,Tregへの分化誘導を抑制し、Th1への誘導が強化され、より強い腫瘍縮小効果を証明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 内木 拓; 河合 憲康; 内木 綾; 安藤 亮介; 惠谷 俊紀; 飯田 啓太郎
     
    ホルモン療法抵抗性前立腺癌(CRPC)には抗がん剤が使用されるが、薬剤が細胞内に効率よく分布せず、効果が乏しくなる。Connexin43 (Cx43)によって構成されるGap junction (GJ)は、低分子物質を交通させ隣接細胞との連絡を維持し生体の恒常性を保持する。それゆえ、CRPCでGJが担う輸送機構が回復すれば、薬剤が細胞内に分布しやすくなる。今回私たちは動物モデルを用いた解析で、CRPCにおいてCx43の発現低下を認めることを初めて確認した。さらに、CRPC細胞株へCx43を安定導入することで、Cx43の発現上昇が、ホルモン療法下における細胞増殖低下を誘導することを証明した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 丹羽 里実; 内木 拓; 佐々木 昌一; 高橋 智; 大矢 進
     
    AR (Androgen receptor)が発現しているヒト前立腺癌組織サンプルとヒト前立腺癌細胞株LNCaPにおいて、KCa2.2が高発現していることを明らかにした。KCa2.2阻害薬UCL1684やKCa2.2のノックダウンにより、LNCaPの細胞増殖は抑制された。また、KCa2.2はARを介した細胞増殖に機能的に関与する可能性がある。さらに、KCa2.2はARの下流に位置し、ARによる転写調節を受けることを明らかにした。加えて、短期間の去勢環境では、KCa2.2の遺伝子発現、タンパク発現共に減少した。対して、比較的長期間の去勢環境では、KCa2.2 mRNAの発現が増加を明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 永田 大介; 河合 憲康; 郡 健二郎; 安藤 亮介; 恵谷 俊紀; 戸澤 啓一; 内木 拓
     
    磁性ナノ粒子(Magnetite Nano Particle:MNP)に前立腺癌骨転移に関連するRANKL (nuclear factor kappa-B ligand)の抗体を結合して経静脈的投与し、骨転移巣へ到達させ温熱治療をする目的でin vitroおよびin vivoで研究を行った。in vitroでRANKLが存在するマウス骨芽細胞MC3T3-E1に有意に接着することが確認された。In vivoではラット前立腺癌骨浸潤モデルを用いて経静脈的(経尾静脈的)に抗RANKL抗体結合MNPを注入したが、骨浸潤巣に認められなかった。温熱治療の効果を確認する実験はできなかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 福田 勝洋; 河合 憲康; 郡 健二郎; 戸澤 啓一; 内木 拓
     
    前立腺癌細胞(PC-3)をターゲットとしたPEGによる多角巨細胞の発現とアポトーシスの誘導、さらにはin vivoへと発展させた研究を基礎として、本研究は膀胱癌をターゲットとし前立腺がんと同様の結果を導きだすことを目的とした。しかし、膀胱癌細胞株では期待した結果は得られなかった。組織学的に膀胱は「尿路上皮がん」であり前立腺がんの性質が違うと考えた。「腺癌」であるヒト胃がん細胞を用いたところ、多角巨細胞の出現とアポトーシスの誘導が示唆された。本研究期間でin vivoまでは実施することはできなかった。今後、細胞学的に「腺癌」「尿路上皮癌」に差異によるPEGの作用を研究したい。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 河合 憲康; 小林 猛; 郡 健二郎; 戸澤 啓一; 佐々木 昌一; 内木 拓
     
    酸化鉄微粒子(MCL)が、NS極が交互に入れ替わる交番磁場の照射により発熱する性質を利用したがん温熱治療(MCL Heat Therapy)を数年前に開発した。これをがん免疫治療と融合し、全身治療が可能な新しい治療法の開発のための基礎研究を行った。In vitroでは加温によって腫瘍抗原の発現を増強させることはできなかった。しかし、in vivo研究において、MCL Heat TherapyによりヘルパーT細胞および殺細胞性T細胞の発現を確認した。 本学IRBの承認を得て、人を対象としたMCLの局所注入を併用する誘電加温装置による温熱治療を同意を得られた3名に実施、安全性を確認した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月 
    代表者 : 内木 拓
     
    前立腺癌において最大の問題点は、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の発症機序が明らかでなく、有効な治療がないことである。私たちは以前、ヒトのCRPCを忠実に再現したモデル動物を樹立した。今回そのモデル解析にて、去勢抵抗性前立腺癌発症に関わる遺伝子Glutathione peroxidase 2 (GPX2)を同定した。さらに、機能解析にて、CRPCでは、GPX2の発現上昇を誘導することで細胞内ROSを制御し、増殖促進に深く関与していることが明らかとなった。以上の結果からGPX2は去勢抵抗性獲得の予後マーカーとして有用であり、CRPC治療の標的分子候補となりうることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2010年 -2011年 
    代表者 : 内木 拓
     
    トランスジェニックラットから新しく樹立した細胞株PCai1は、ヌードマウスへの移植で、リンパ節転移・肺転移を安定的に起こした。これにより、新たなホルモン療法抵抗性転移動物モデルの確立に成功した。 そこで、ホルモン療法抵抗性獲得前後で遺伝子解析を行い、発現上昇を認める遺伝子Glutathione S-transferase Pi(GST-Pi)に新たに着目し、機能解析を行った。siRNAを用いた解析で、GST-Piは前立腺癌の細胞増殖に関わることが分かり、この遺伝子は骨転移の治療標的遺伝子となりうることを見出した。

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