本研究の目的は、女性研究者の多様なキャリアの形成と社会の各分野における活躍を促進する要因を明らかにすることにある。特に、女性研究者は結婚・妊娠・出産などのライフイベントを含む長期的なキャリアをどのように展望しキャリアパスを選択するかに焦点をあてる。
2019年度は以下の3点を中心に研究を進めた。①本年度のインタビュー調査の進め方を研究チームで検討し、7月から12月の6か月間で計11名の理系女性に対して聞き取り調査を実施した(地域:関東4件、東海2件、関西4件、東北1件、職種:出版社編集者1名、高校教員1名、水族館員(教育プログラム担当)1名、イラストレーター1名、保育園副園長1名、民間企業研究・開発技術者1名、大学特任研究員2名、URA1名、大学教員2名)。②2020年度に向けてインタビュー調査の候補者の探索を進め、暫定的に3名の調査協力者を確保した。③2016年度および2018年度に実施したオンライン・アンケート調査のデータを用いて、女性技術者の職場における両面価値的性差別と職務意識に関する分析、および女性研究者・技術者のワーク・ファミリー・コンフリクトに関する分析を進め、その結果を論文として取り纏め複数の国際学会および国内学会で研究報告を行った。学会発表は以下を含む計5本である。 Fujimoto, Tetsushi, & Xia, Shiming. Ambivalent Sexism in the Workplace and Work Attitudes of Japanese Women in Engineering. 2019 Annual Meeting of the American Sociological Association (New York, New York) August 11, 2019.