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青木 孝義 (アオキ タカヨシ)

  • 芸術工学研究科建築都市領域 教授
メールアドレス: aokisda.nagoya-cu.ac.jp
Last Updated :2024/05/24

研究者情報

学位

  • 東京大学工学研究科建築学/博士(工学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 歴史的建造物   調査・診断   構造解析   動特性評価   構造ヘルスモニタリング   既存ストック   

研究分野

  • 社会基盤(土木・建築・防災) / 建築構造、材料
  • 社会基盤(土木・建築・防災) / 構造工学、地震工学
  • 社会基盤(土木・建築・防災) / 建築史、意匠

経歴

  • 2023年02月 - 現在  名古屋市立大学大学院芸術工学研究科研究科長
  • 2011年04月 - 現在  名古屋市立大学大学院芸術工学研究科教授
  • 2007年04月 - 2011年03月  名古屋市立大学大学院芸術工学研究科准教授
  • 2002年04月 - 2007年03月  名古屋市立大学大学院芸術工学研究科助教授
  • 1998年04月 - 2002年03月  名古屋市立大学芸術工学部助教授
  • 1997年04月 - 1998年03月  名古屋市立大学芸術工学部講師
  • 1994年04月 - 1997年03月  宮城工業高等専門学校建築学科講師
  • 1993年04月 - 1994年03月  長崎大学大学院海洋生産科学研究科助手
  • 1988年04月 - 1993年03月  長崎大学工学部構造工学科助手

学歴

  • 1986年04月 - 1988年03月   東京大学   大学院工学系研究科   建築学専攻
  • 1986年10月 - 1987年09月   フィレンツェ大学   建築学部
  • 1984年04月 - 1986年03月   豊橋技術科学大学   大学院工学研究科   建設工学専攻
  •         - 1984年03月   豊橋技術科学大学   工学部   建設工学

所属学協会

  • 日本実験力学会   国際シェル空間構造学会(IASS)   芸術工学会   日本コンクリート工学協会   日本建築学会   

研究活動情報

論文

書籍

講演・口頭発表等

MISC

産業財産権

受賞

  • 2021年08月 日本建築学会 Japan Architectural Review 論文賞
     Optimal structural restoration of historic building in Japan considering lifecycle seismic loss analysis 
    受賞者: 髙橋典之;片貝勇介;青木孝義
  • 2014年 Best Paper Award
  • 2009年 First Honourable Mention H.W.H (Timber) West Best Paper Award
  • 1998年 日本コンクリート工学協会賞(奨励賞)
  • 1997年 日本コンクリート工学協会優秀講演賞

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2021年04月 -2026年03月 
    代表者 : 西澤 泰彦; 永井 康雄; 砂本 文彦; 青木 孝義; 小松 尚; 角 哲; 湯澤 規子; 服部 亜由未; 橋寺 知子; 安野 彰
     
    2021年度は、初年度として、本課題の研究目的①「公共施設のRC造化に関する情報収集:各施設の情報を網羅的に収集し、RC造建築物として建て替え、あるいは、新築されていく時間的・空間的変化を把握」に対応したRC造公共建築物の情報収集とその整理をおこなうことを主眼として研究を進めた。新型コロナウィルス感染対策による移動制限があるなか、研究代表者、分担者の所属機関が所有する書籍、雑誌などの文献資料とweb上で確認できる情報を中心に、移動制限が緩和された時期におこなった各地での調査結果を踏まえ、「1910-50年代RC造公共建築物一覧」(以下「一覧」)を作成した。その結果、地域別リストとして314件を収録したリストと、特に重要と考えられる市庁舎29件、公会堂58件を収録したリストを作成した。このリストの作成と、5回にわたっておこなった研究会での討論の結果、次の知見を得た。1)本科研課題である公共施設のRC造化を総合的に俯瞰するには、対象施設(官庁舎、学校、病院、図書館・博物館・美術館、公会堂)のみならず、駅舎、銀行、公衆浴場、市場、といった不特定多数の市民が日常的に使用する施設の情報も同時に収集する必要がある。また、同潤会、住宅営団といった公営住宅の情報も必要である。2)RC造建築の構造的特徴や施工の問題を考えたとき、躯体がRC造でありながら木造の床、屋根を架けた混構造の建物も重要である。3)建物の大規模化とRC造技術の関連を考察するうえで、民間のオフィスビルや商業建築、さらに耐火目的で建てられたRC造の神社建築や寺院建築、大規模化を目指したRC造大仏という建物の情報把握も必要である。4)耐火、衛生の観点から、部分的なRC技術の把握も必要である。5)関東大震災前に建てられたRC造建物の把握が必要である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 青木 孝義; 張 景耀; 神沼 英里
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
    研究期間 : 2021年10月 -2025年03月 
    代表者 : 青木 孝義
     
    本研究は、2009年と2016年に発生したイタリア中部地震、2012年に発生した北部地震により被害を受けた被災地をテストフィールドとして、現地の構造工学、地盤工学、建築保存学、建築構法の研究者と協働して調査研究を実施することで、土や煉瓦、石を建築材料とする脆弱な建築(伝統住宅や文化遺産建築)の保存再生のための非破壊・微破壊検査法の確立、解析法と最適設計法を取り入れた保存再生法に関する提案を探ることを目的としている。 R3年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により渡航できなかったため、一部対面、一部オンラインによる打合せを行いながらテストフィールドでの調査・実験を除く以下の研究課題を実施した。 ①日本で開発してきた各種微破壊検査技術(版築圧縮強度推定法、煉瓦簡易吸水法、小径ドリル型削孔試験機による煉瓦、石、目地の強度・劣化推定)の実験室実験により改良を進めた。②3Dレーザースキャナやフォトグラメトリーによる3次元モデル化を行った。③イタリア北部地震後に実施している世界遺産であるモデナ大聖堂とギルランディーナの塔の、中部地震後に実施している被災建物のモニタリング結果の分析を行った。④煉瓦や石の外観を変えない補修方法の検討のため、劣化環境再現装置を購入して実験を行い、親水性樹脂による凍害に対する補修および予防の有効性を確認した。⑤過去の実験結果が再現できる数値解析法の開発、最適化手法を用いた引張力に弱い土や煉瓦、石を建築材料とする脆弱な建築を安全にするための新たな技術開発に着手した。また、R4年3月に開催された非破壊検査協会のシンポジウムで、「歴史的建造物の非破壊検査はどうすすめるか」に関するPDを行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 木村 俊明; 青木 孝義
     
    本研究は自由曲面ラチスシェル屋根構造物を対象とし,高耐震性能と省資源を両立させるシェル形状の設計法の構築を目的としている。本年度は省資源化可能な形状最適化法の構築を主目的として研究を実施した。 構築した最適化手法では,ラチスシェル屋根の形状をNURBS曲面でモデル化し,NURBS曲面の曲率を評価指標としてクラスタリングを行う。また,クラスタリングしたデータセットの偏差の最大値とひずみエネルギーの最小化を目的とした多目的最適化問題を定式化し,クラスタリング数に応じた接合部のパターンの形状を求めている。本年度の研究にて,単純なシェル屋根を例題として数値解析を行い,得られる解の特徴を考察し,有効性を検証している。 一般的にラチスシェルの形状最適化を行った場合,節点で取りつく部材角度が様々となる。実際の建設を想定すると,節点の制作難易度が上がり,コストが増大する傾向にある。本研究にて,形状の他に,節点の接合パターンを導出する必要があることを示した。さらに,本手法により,ラチスシェル節点の接合角をパターン化したシェル形状が導出可能となった。今後,手法の高度化を図ることにより,施工性の改善等が期待でき,省資源化につながることが期待される。
  • ブータンにおける組積造建築の地震リスク評価と減災技術の開発
    科学技術振興機構:地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム
    研究期間 : 2016年 -2022年 
    代表者 : 青木 孝義
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(S)
    研究期間 : 2016年05月 -2021年03月 
    代表者 : 青木 孝義; 長谷川 直司; 松田 浩; 湯淺 昇; 岸本 一蔵; 森田 千尋; 小椋 大輔; 濱崎 仁; 丸山 一平; 高橋 典之; 張 景耀
     
    3Dスキャナ、SfMを用いて既設構造物の3次元維持管理システムを構築し、他の光学的計測装置を用いて変位や振動計測を実施して既往の計測結果と比較した。コンクリート、鋼材、石、煉瓦や仕上げモルタル等の寸法、強度と劣化度および劣化メカニズムを非・微破壊試験、化学分析等により評価する方法を国内外の歴史的建造物等に適用させ、試験方法の開発、整備および検証を行った。 大型放射光施設で煉瓦の吸水、乾燥過程について撮影されたX線CT画像の解析結果と重量測定から換算された塩析出量との比較により画像解析で得られた塩析出量の定量化が可能となり、内部構造での塩水移動と塩析出の様子を明らかにした。併せて煉瓦の塩類風化の促進試験方法を検討し、メカニズム解明のための実験を行った。RC部材の構造性能評価として、乾燥とそれによって生ずるコンクリートの変化を考慮できる実験を引き続き実施し、剛体バネモデルによる評価を行った。腐食劣化したRC部材の性能評価のためのデータを蓄積し、鉄筋定着部が損傷したRC梁の曲げ、せん断補強法を提案、検証するとともに、煉瓦壁の実験を行った。積層ゴム支承の大変形材料特性試験法を開発した。 外観変化を抑制したRC構造物の補修工法を検討し、補修を施したRC供試体の屋外暴露試験等の結果から、外観変化を考慮したRC部材の補修材料・工法の提案、検証を行った。これらの結果を踏まえてオーセンティシティを考慮した補修技術としてとりまとめる。 耐震性能評価のための不連続変形法の計算効率を大幅に向上した。経年劣化が構造性能に与える影響について分析を進め、目標供用期間を通した損傷累積と経済損失および経済価値評価をあわせて考慮した最適構造補強方法選択支援プログラムを開発した。微動計測とモニタリングを行い、構造形式毎の構造性能評価に貴重な基礎データの蓄積、固有振動数の季節変動、地震時の加速度応答倍率の検証を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2016年04月 -2017年03月 
    代表者 : 青木 孝義; 湯淺 昇; 岸本 一蔵; 濱崎 仁; 丸山 一平; 高橋 典之; 松井 智哉; 張 景耀
     
    ヨーロッパには、組積造やコンクリート造、鉄筋コンクリート造の文化遺産建築が数多く残っているが、材料の経年劣化や地震(古くは1755年のリスボン地震、近年では2009年と2016年のイタリア中部地震、2011年のスペイン南部地震)などの要因により、その構造的安定性が脅かされている。 本研究は、これら文化遺産建築を保護(予防保全)することを最終目的に、イタリア、スペイン、ポルトガルの研究者と北地中海地域における文化遺産建築を対象に、1)各種非破壊・微破壊検査技術適用による材料劣化調査と構造・振動調査、2)地震被害調査および被災地域における復興調査を実施し、3)温度、ひび割れ、傾斜や振動のモニタリングにより補強途中における構造的安定性と補強後の補強効果を検証することにより、4)文化遺産建築の有効な修復・補強方法、地震によるリスクから文化遺産建築を保護する方法、について調査・研究することを目的としている。 研究課題採択後、イタリア、スペイン、ポルトガルの研究者と、北地中海地域における具体的な調査研究対象文化遺産建築の選定と、具体的な調査に向けての最終調整をE-mailで行う一方で、国内の建築材料、建築構造の研究者で、具体的な調査時期、調査方針と調査項目に関する研究打合せを実施した。また、長期的な調査方針と調査時期に関する打合せを実施した。 しかし、基盤研究(S)の交付内定があったため、本研究課題はこの段階で廃止となった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2010年04月 -2014年03月 
    代表者 : 青木 孝義; 谷川 恭雄; 中埜 良昭; 湯浅 昇; 岸本 一蔵; 丸山 一平; 高橋 典之; 松井 智哉; 濱崎 仁; 迫田 丈志; 奥田 耕一郎
     
    本研究は、2009年にイタリアで発生した地震により被害を受けた文化遺産建築の被害調査を実施して、被害状況と応急処置方法を系統的に整理し、1970年代以降に文化遺産建築に対して行われたRC補強の効果を検証し、モニタリングにより補強前、補強途中の構造的安定性と補強後の補強効果を検証することにより、また、関連する国内外の文化遺産建築の調査を通して、文化遺産建築の有効な修復・補強方法、地震によるリスクから文化遺産建築を保護する方法に関する海外学術調査を実施したものである。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 松田 浩; 森田 千尋; 中村 聖三; 才本 明秀; 森山 雅雄; 黄 美; 山下 務; 奥松 俊博; 原田 哲夫; 佐川 康貴; 山口 浩平; 一宮 一夫; 伊藤 幸広; 合田 寛基; 添田 政司; 内野 正和; 青木 孝義; 岡本 卓慈; 宮本 則幸; 高橋 洋一; 肥田 研一; 川村 淳一; 原田 耕司; ティモティ ニョムボイ; 趙 程; 安東 祐樹
     
    構造物の構造健全度を診断するためには、構造物に空間的に分布したミクロからマクロに至るまでのマルチスケールでの変形・ひずみデータを計測することが必要となる。本研究ではそのための実用的計測法として、光学的計測法の高精度、非接触、全視野計測が可能というメリットに注目し、デジタル画像相関法、電子スペックルパターン干渉計測、棒状スキャナ、レーザードップラ速度計などの光学的手法を用いてロバスト性の高い計測・解析システムを開発した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 青木 孝義; 谷川 恭雄; 中埜 良昭; 阪上 隆英; 湯浅 昇; 高橋 典之; 濱崎 仁; 溝口 明則; 永山 勝
     
    本研究は、イタリアにおける歴史的な組積造建築であるヴィコフォルテ教会堂(国宝)とRC建築である飛行船格納庫(国宝)、および関連する歴史的建造物のa)目視、非破壊・微破壊・破壊検査による劣化現況調査、b)構造・振動調査、c)構造解析による構造特性の把握と分析に関する海外学術調査を実施し、その後の研究の出発点となるような資料価値の高い調査報告書を作成することを目標に進めたものである。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 湯淺 昇; 松井 勇; 師橋 憲貴; 青木 孝義; 濱崎 仁
     
    2ヶ年にわたる研究実績は下記の通りである。 (1)旧5号館の集中調査を平成16年8月18日から10月30日まで行い,500本を超えるコア試験体の採取、2つの梁採取、建物全域にわたるはつり及びそれに伴う中性化深さ及び配筋、鉄筋腐食の観察を行った。その際、20団体100名を超える調査関連研究者により、旧5号館を使い、開発途中のものも含め各種非・微破壊試験を実施し、破壊試験との結果との比較等により試験方法を検証した。更に、これらの結果に関連して、実験室実験で非破壊試験・微破壊試験による測定値と各種コンクリートの品質との関係づけを行った。 (2)採取したコアについて、処理・分析して、強度や調合(単位セメント、単位水量、水セメント比)、耐久性(細孔構造、中性化抵抗性、塩化物イオン量、凍結融解抵抗性)を評価するとともに、観察した劣化との対応を図った。また、外壁から採取した生物を培養分析し、同定した。 (3)解体時のコア・ハツリなどの作業の程度に対応して数度にわたり測定した常時微動に基づき、旧5号館の振動モードの同定を行い考察した。荷物移動による重量軽減の効果が大きく、コア・ハツリの作業の影響が表れていない。今後の研究方法・調査方法への提言とした (4)解体時に採取した梁2本について、曲げ試験を行い、破壊モード等から実構造物における構造耐力の現状を考察した。付着破壊による破壊モードとなり、現場施工の部材の構造の実体を浮き彫りにした。 (5)新5号館の品質を調査するとともに、材料試験として、新5号館竣工にあわせた、使用セメント、水セメント比、乾燥開始材齢の異なる暴露試験を開始した。なお、遠距離地域における暴露試験に対応するため、遠隔操作及びデータ送受信システムの構築についても研究した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2003年 -2005年 
    代表者 : 谷川 恭雄; 青木 孝義; 黒川 善幸; 森 博嗣; 込山 貴仁
     
    本研究の成果は、以下の2項目に大別される。 1.各種非破壊検査技術に関する研究 (1)ウィンザーピン貫入抵抗法:レンガ、セメントモルタルおよびヨーロッパを中心とする歴史的レンガ造建築物の目地に多用されてきた消石灰モルタルに関する広範囲の実験を行い、これらの圧縮強度とウィンザーピン貫入抵抗値との関係式を提案した。 (2)電磁波レーダ法:筆者らが開発した有限時間領域差分法による電磁界解析プログラムを用いて、電磁波レーダ法による内部探査画像の改善方法について検討するとともに、実験によって、解析結果の妥当性を検証した。 (3)赤外線サーモグラフィー法:サーモグラフィー画像に及ぼす壁面の表面色および表面粗さの影響を色彩値と日射吸収率を用いて補正する方法ならびに人工光源によるサーモグラフィー画像をデジタルカメラによって測定した輝度分布を用いて補正する方法を提案した。 (4)色彩値によるモルタルの力学特性推定法:消石灰モルタルおよびセメントモルタル表面の色彩値から、調合と動弾性係数が推定可能であること、調合と色彩値の関係を用いることにより、カラーマッチングが可能であること、などを明らかにした。 (5)削孔式表層強度測定法:試作した削孔式表層強度試験器を用いて、セメント硬化体およびテラコッタの強度を推定するための検量線を作成した。 (6)常時微動解析法:建築物の多数箇所における常時微動測定結果を用いて、建築物の劣化の箇所とその程度を推定する方法を提案した。 2.歴史的建築物の劣化診断に対する各種非破壊検査技術の適用性に関する研究ヴィコフオルテ教会堂(1750年竣工、レンガ造、イタリア国宝)、シラクーサ飛行船格納庫(1919年竣工、RC造、イタリア国宝)、羅漢寺橋(1920年竣工、石造、有形登録文化財,大分県中津市)、レンガ造煙突群(愛知県常滑市)、日本大学生産工学部校舎(1971年竣工、RC造、千葉県習志野市)などの劣化現況調査に、上記の各非破壊検査技術を適用し、それらの有効性を明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 青木 孝義; 湯浅 昇; 込山 貴仁; 谷川 恭雄; 濱崎 仁; 小浜 芳朗; 宮村 篤典
     
    本研究は、ヴィコフォルテ教会堂を中心とする歴史的建築物のa)目視・非破壊検査による劣化現況調査、b)構造,振動調査、c)構造解析による構造特性の把握と分析、に関する海外学術調査を実施したもので、またVicoforte2002-2006プロジェクトとしてトリノ工科大学との国際共同研究に位置付けられている。 1.目視および赤外線サーモグラフィー法により、ヴィコフォルテ教会堂の外壁石貼り、礼拝堂天井およびメインドーム内殻面のフレスコ画に関して、浮きの箇所特定を行った。 2.電磁波レーダー法により、ドーム殻面およびヴォールトの厚さを推定した。 3.Galloによりドーム基部に設置された補強リングの接合部を確認するとともに、衝撃弾性波法により、補強リングの破断調査を行った。 4.反発硬度法、超音波法、引っかき法、フィルムケース簡易吸水試験法、ウィンザーピン法を用いて、レンガ、モルタルの劣化現況を調査し、提供を受けた当時のレンガについて、凍結融解試験を含む室内実験を行った。 5.常時微動測定を行い、教会堂と鐘楼の固有振動数を推定した。 6.構造解析により、教会堂全体の荷重の伝達メカニズムとクラックの発生原因を明らかにした。 7.トリノのシンドーネ礼拝堂とアウグスタの飛行船格納庫(RC造)について、各種非破壊検査法を適用して劣化現況調査を行うとともに、常時微動測定により固有振動数の推定を行った。 8.RC格納庫について、温度、壁体の傾斜とクラック、ワイヤーの張力のモニタリングを開始した。 9.日本国内において、大分県下毛郡本耶馬溪町の羅漢寺橋、常滑市のレンガ煙突の劣化現況調査と振動実験を行い、固有振動数と固有モードの推定を行った。レンガ煙突については、耐震性能の評価も行った。また、伝統木造社寺建築物の振動実験を行い、その動特性を明らかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 1997年 -1998年 
    代表者 : 柳澤 忠; 志田 弘二; 青木 孝義; 高田 豊文; 小浜 芳朗; 宮村 篤典
     
    本研究では,建築設計における総合的最適化に関する基礎的研究として,建築計画的・構造計画的な最適化について考察を行った.各年度ごとに以下のようにまとめられる. 1年目:建築計画では,手術室などの各部屋を近接させるべき度合いを「親近度」で表現し,部屋間の相互関係に関する知識ベースを構築した.あいまいな知識はファジィ表現により記述した.これを踏まえて,各部屋の配置問題を,親近度に基づく動線量の最小化問題として定式化し,動的計画法およびニューラルネットワークによる解法を提案した.構造計画では,動的ねじれ特性の適正化を主眼に置き,耐震要素の配置問題に対して分枝限定法を適用した手法を提案した. 2年目:実設計に向けて,建築計画では解探索の一層の効率化と,構造計画では建物強度算定の精度向上が問題となり,これらの問題点の解決を当年度の目標とした.建築計画では,新たに逐次線形計画法を用いた最適化手法を提案し,計算効率と解の精度の点で有効であることを確認した.しかし,平面計画のエスキス段階のように,条件を満たす多数の配置結果を要する場合は,ニューラルネットワークのような人工知能技術も有効であった.また,一次元の施設配置問題として,病院の廊下に沿うナースステーション,便所および避難階段の配置計画を数理的に取扱い,入院患者の利用距離最小の理論解を誘導するとともに,実設計との比較を行った.構造計画では,耐震2次診断レベルの安全性の確保を目標に,保有水平耐力を制約条件とした壁配置問題を設定し,具体的な設計例への適用によって制約条件が壁配置に及ぼす影響を考察した. 本研究では,全体のシステム最適化を,建築計画と構造計画に分けて取扱っているが,動線量の最小化を目標として各部屋の配置を決定し,得られた部屋配置に対して,壁量が最小となる壁配置を決定すれば,全システムの最適化が可能である.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 1995年 -1997年 
    代表者 : 青木 孝義; 伊藤 憲雄; 角舎 輝典
     
    平成9年度の研究成果は,以下のとおりである。 1)炭酸化養生したモルタルは気中養生した場合の圧縮強度では約2.3〜3.6倍,引張強度では約1.7〜3.4倍,動弾性係数では約1.8〜2.7倍の値が得られた。炭酸化したモルタルの引張強度は,圧縮強度の約1/8〜1/12程度であることを明らかにした。また細骨材の混入によって脆度係数が小さくなり,粘り強く成ることが分かった。 2)炭酸化したモルタルの耐薬品性試験結果,炭酸化促進養生したモルタルが連による劣化を遅らせていることが分かった。さらに凍結融解試験を行った結果では炭酸化促進養生した試験体が耐凍害性に優れていることが分かった。 3)部材劣化の原因となる空間内に滞留する湿気について,同様の事例分析と試算からその対策を検討した結果,空間が、密閉されている場合に,主発生源である人体から発生した高湿空気は空間上部に滞留した後結露する可能性が高くこれには動力の必要の無い煙突効果による換気が有望であることが分かった。 4)地動加速度が80〜100Gal程度の地震時の層剪断力係数はイスタンブールの組積造では0.18となり.自重と水平荷重を考慮した構造解析結果,大聖堂は東西・南北両方向とも安全であることが分かった。しかし,300〜400Gal程度の地震に対しては,東西・南北共危険であることが分かった。 5)構造解析の結果,大聖堂の構造的弱点が東側と西側の横断アーチの中間の高さに発生するヒンジにあると推定し,構造保存のためには横断アーチの補強が必要であることが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際学術研究
    研究期間 : 1994年 -1996年 
    代表者 : 日高 健一郎; AHUNBAY Zeyn; IZMIRLIGIL U; AHUNBAY Meti; 青木 孝義; 石川 浩一郎; 木俣 元一; 河辺 泰宏; 中井 泉; 佐藤 達生; 加藤 史郎; 谷川 恭雄; 坂本 順; FERIDUN Cili; METIN Ahunba; ZEYNEP Ahunb; MUFIT Yorulm; NILAY Lilmaz; ARAS Neftci; 飯田 喜四郎
     
    1文献・史料調査:平成7年度、8年度に計3回にわたってパリ国立図書館、パリ国立美術史図書館、パリ大学付属美術史研究所図書館、フィレンツェ国立図書館、ローマ国立図書館、大英図書館、王立英国建築家協会図書館、フォッサーティ古文書館でハギア・ソフィア大聖堂に関するきわめて詳細かつ網羅的な文献・史料調査を行った。建築史、美術史関連のメンバー4名で行われたこの調査では、17世紀以降のハギア・ソフィアに関する史料とフォッサーティによる19世紀半ばの修復工事に関する史料の収集・分析に多くの時間を費やした。調査の結果、これまでハギア・ソフィア大聖堂関連の研究では言及されたことのない資料、文献から、17世紀以降の後補工事、修復補強について重要な知見がえられた。研究結果はハギア・ソフィア大聖堂修復史に関わる論文として整理中である。 2現地調査: (1)ドーム・コ-ニスの細部調査、コ-ニス施工線の実測:平成6〜8年度かけてドーム・コ-ニスで細部記録調査を行い、基部のリブ40本について、きわめて詳細な表層劣化の記録をとった。コ-ニスの施工線については、実測の整理を終え、曲線の性状、中心とうに関して研究成果を公表した。 (2)ドーム内面の細部調査:ドーム内面4分の1を覆う修復用足場を利用して表層の劣化とモザイク装飾の特徴を記録し(平成6〜7年度)、内面に開く埋め込み陶管の小穴を詳しく調査した。埋め込み陶管の傾斜、分布、奥行き(ドームの殻厚に相当)については、調査結果と考察を公表した。 (3)主要ピアの傾斜測定:平成7〜8年度に主要ピア4本の傾斜を、地上付近、ギャラリー、第二コ-ニスの位置で実測した。下記(2)、(5)項の実測値とあわせて現在中央身廊部の変形の全容を整理している。 (4)南北テュンパヌムおよび南北外側大アーチの写真測量:テュンパヌムの建設年代および修復年代を特定するため、外部表層の等高線図を作成する目的で、写真測量を行った。現在、誤差評価を終え、図化作業が進行中である。 (5)ドーム直下の大アーチの内側頂部座標値の測定:テュンパヌムおよびドーム直下の4基のアーチの変形を確定するため、大アーチ各々の頂部の空間座標の計測を行った。頂部は直接接近できないので、簡易な計測道具を工夫し、第2コ-ニスからトータルステーションを用いて標尺目盛を読み取った。結果は整理中であるが、ピアの傾斜実測値とあわせ、創建時以降の主要構造の変位が確定できる。 (6)堂内微気候測定および壁体亀裂変位の測定を目的としたモニタリング・システムの設置と長時間の自動観測:平成7年度にモニタリング・システムを設置し、堂内主要点で温度(50点)、湿度(26点)、亀裂変位(25点)の自動観測(1日あたり6回)を開始した。トルコ側の協力を得てデータを日本に送り、長期の変動を監視するため、グラフ表示を行っている。データが集積されてきたので、長期間の微気候および亀裂の変動状況が明らかにするために、現在データ処理(フィルタリング)の手法を検討中である。 (7)金属補強材に関する非破壊探査:ドーム基部、第二コ-ニス、およびギャラリーで鉄筋探査用ニミ・レーダー装置を用いて金属補強材に関する非破壊探査を行った。探査成果と考察は公表した(平成7年度)。 (8)上部構造の壁体表面温度測定と雨水浸透経路の特定:赤外線温度計を用い、堂内、堂外からドーム、半ドーム、エクセドラ表層の温度測定を行い、西側半ドーム、北西エクセドラに著しい漏水跡を発見し、外部からの浸透経路を特定した(平成8年度)。 (9)主要ピア位置での常時微動計測:多点同時の常時微動計測を行い、南北方向で1.30Hzおよび1.85Hz、東西方向で2.15Hzおよび2.55Hzの値を得た。振動モードについては、現在解析を実行中である(平成8年度)。 (10)ハギア・ソフィア大聖堂に関連するトルコ、シリア、イタリア各地の初期キリスト教建築の現地調査:平成7年度に、5、6世紀の組石造ドームを擁する遺構を中心に計20地点でジェネラル・サーベイを実施した。期間の制約からすべてを詳しく調査することはできなかったが、ハギア・ソフィア大聖堂とほぼ同時期の遺構に関して、写真および観察記録が集積され、研究成果報告書作成の上で重要な資料を整えることができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1995年 -1995年 
    代表者 : 青木 孝義
     
    本研究は、トルコのイスタンブールにあるハギア・ソフィア大聖堂を対象に設定し、1)常時微動測定結果に基づく大聖堂全体の振動特性の分析と調査結果のデータベース化、2)弾塑性シェル要素および立体要素を用いた固有値解析、地震応答解析プログラムの開発と有限要素法による静的・動的構造解析システムの構築、3)数値解析モデルの設定、4)目地(モルタル)を含んだレンガ、石のヤング係数の同定、5)水平荷重時の大聖堂の弾塑性解析を行った。以下にその成果を示す。 1.常時微動測定結果と有限要素法による固有値解析結果の比較より同定された目地(モルタル)を含むレンガと石のヤング係数はそれぞれコンクリートのヤング係数の約1/8〜1/3で、このヤング係数は消石灰モルタルの実験から得られた動弾性係数と良い一致をみた。 2.地動加速度が80〜100Gal程度に相当する中規模地震に対する日本の一次設計(許容応力度設計)用地震力の層せん断力係数は、トルコの耐震設計基準によればイスタンブールに立つ組積造建築物の場合0.18となる。自重+水平荷重を加えた構造解析を行った結果、大聖堂は東西・南北両方向とも中規模地震に対しては安全であることが分かった。 3.地動加速度が300〜400Gal程度に相当する大規模地震に対する日本の二次設計(保有水平耐力の検討)用地震力の標準せん断力係数が一次設計の5倍であることを考慮すると、自重+水平荷重を加えた構造解析を行った結果、大聖堂は東西・南北両方向とも大規模地震に対しては危険であることが分かった。 4.自重+水平荷重を加えた構造解析結果より、バットレスを含む南北方向の方が半ドームを含む東西方向より水平荷重に対して耐力があることが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1994年 -1994年 
    代表者 : 青木 孝義
     
    本研究は、トルコのイスタンブールにあるハギア・ソフィア大聖堂を対象に設定し、1)常時微動測定結果に基づく大聖堂全体の振動特性の分析と調査結果のデータベース化、2)弾塑性シェル要素および立体要素を用いた固有値解析、地震応答解析プログラムの開発と有限要素法による静的・動的構造解析システムの構築、3)数値解析モデルの設定、4)目地(モルタル)を含んだレンガ、石のヤング係数の同定、5)静的および弾性地震応答解析を行った。以下にその成果を示す。 1.ミナレットの固有振動数が約1Hzであることをあきらかにし、常時微動測定結果と有限要素法による固有値解析結果の比較により、目地(モルタル)を含むレンガと石のヤング係数を同定するとともに、弾性地震応答解析により崩壊最小加速度が中震に相当する20から31galの間にあることをあきらかにした。 2.固有値解析により中央のメインドームの固有振動数を約10Hzと推定した。 3.中央のメインドームの荷重が東西方向では半ドームを介してセカンダリ-ピアへ、南北方向ではダブルアーチ、ペンディンティブを介してメインピアとバットレスピアへ流れていることをあきらかにした。 4.ペンデンティブの腰積みは中央のメインドームからの推力をバランスよく2方向の大アーチやペンデンティブに伝達するために重要な役割を果していることをあきらかにした。 BC2世紀のウィトル-ウィウスけいち建築書や15世紀のアルベルティ建築論に基づきモルタルの構成材料を分析を行うとともにモルタルの強度を推定するために材料実験を行っている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 青木 孝義
     
    本研究は、トルコのイスタンブールにあるハギア・ソフィア大聖堂を対象に設定し、特に本年度はハギア・ソフィア大聖堂とスレイマニエモスクのミナレットに注目して、1)文部省科学研究費国際学術研究学術調査により実施された常時微動測定結果の分析、2)コンクリート造および組積造の解析に不可欠な立体要素とシェル要素を用いた固有値解析、弾性地震応答解析プログラムの開発、3)結果の映像ぞう理を含む有限要素法による構造解析システムの構築、4)実測と図版に基づくミナレットの寸法関係の整理、5)数値解析モデルの設定、6)固有値解析によるレンガと石のヤング係数の同定、7)弾性地震応答解析を行った。以下にその成果を示す。 1.常時微動計測より、ハギア・ソフィア大聖堂南東部に位置するレンガ造ミナレットの固有振動数は1.00Hz、南西部に位置する石造ミナレットは1.25Hz、北東部に位置する石造ミナレットは1.00Hz、スレイマニエモスク南東部に位置する石造ミナレットは0.87Hz,北西部に位置する石造ミナレットは1.12Hzとそれぞれ測定でき、ミナレットの固有振動数は約1Hzであることをあきらかにした。 2.常時微動測定結果と有限要素法による固有値解析結果の比較より、目地(モルタル)を含むレンガと石のヤング係数はそれぞれコンクリートのヤング係数の約7.5分の1,約3.1分の1と推定できた。 3.弾性地震応答解析より、ミナレットにより破壊する位置が異なるものの崩壊最大加速alphaは中震に相当する20から31galにあることをあきらかにした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1992年 -1992年 
    代表者 : 青木 孝義
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際学術研究
    研究期間 : 1990年 -1992年 
    代表者 : 日高 健一郎; FERIDUN CILI; METIN AHUNBA; ZEYNEP AHUNB; MUFIT YORULM; 青木 孝義; 中井 泉; 篠野 志郎; 石川 浩一郎; 河辺 泰宏; 佐藤 達生; 真下 和彦; 加藤 史郎; 飯田 喜四郎; METIN Ahunba; ZEYNEP Ahunb; MUFIT Yorulm; FERIDUN Cili; 石川 浩一郎; CULU Feridun; AHUNBAY Meti; AHUNBAY Zeyn; YORULMAZ Muf; 高原 健一郎; 五島 利兵衛
     
    平成4年度は本研究最終年度にあたるので,これまでの調査結果を踏まえて史料調査,実測調査,細部調査,構造調査,建築材料分析を行ない,その成果を研究報告会で発表した。 史料調査としては,フォッサーティ以後のハギア・ソフィア大聖堂修復史を整理し,特に1950年以降の修復工事についてイスタンブール国立資料館保存の史料を精査した。同資料館の文書保管状況が悪く,史料研究の能率は低かったが,特にドーム内面,テュンパヌムの内装修復について未公開の史料を得ることができ,これについての考察は現在論文として準備中である。 実測調査では,ハギア・ソフィア大聖堂に関して,中央ドーム,ペンデンティヴ,南北大アーチとテュンパヌム,および4本の主ピアについて写真測量を実施した。調査団の日程および調査対象の都合から,これに先立ってエディルネのセリミエ・モスクで中央ドームと上部支持構造の写真測量を実施した。セリミエ・モスクのドームはハギア・ソフィア大聖堂と同規模であり,建設年代は大きく異なるものの,構造上,形態上の比較研究の対象と考えられる。ハギア・ソフィア大聖堂の中央ドームについては,すでに初年度に写真測量を実施したが,対標の設置方法と観測方法にやや問題があり,図化の段階で図化機の特性から型状解析に必要なデジタル・メッシュ・データを得ることができなかった。今回の測量では,その後の経験を生かして誤差を少なくし,デジタル・メッシュ・データが得られた。この結果,大聖堂の主たる架構構造である東西半ドーム,中央ドーム,ペンデンティヴの実測が完了したことになる。主ピアについては写真測量を行なったが,目的は各部位の外向き変位の測定であり,代表点のみの図化になる予定である。デジタル・メッシュ・データによる形状解析は,調査帰国後に開始し,東測半ドームについて結果が得られた。同半ドームの仮想中心点からの半径差および垂直断面での曲率を視覚化することにより,殻面が基部の窓の上付近で急に内測に迫り出し,頂部でも大きな曲率をもつ尖頭形状に近い形であることが半明した。 細部調査はドーム基部のコーニス,リブ基部を対象とし,コーニス石の仕上げ状況,表面傾斜角,リブのモザイク仕上げ状況を詳細に記録した。コーニス石の仕上げと傾斜角は建設・再建年代にほぼ対応しており,特にドーム崩落後(10世紀,14世紀)の再建部分と創建時の殻面の境界点および接合方法を明確にする上で重要なデータになると思われる。考察結果は研究報告会で発表された。 構造調査は,第一,二年度の一点常時微動測定の結果を参考にして,振動モードを得るために二点同時の常時微動測定を実施した。測定対象はハギア・ソフィア大聖堂,ハギア・イレーネ聖堂,スレイマニエ・モスク,ミフリマーフ・モスクである。ハギア・ソフィア大聖堂の二点測定では,一つのピックアップを南西主ピアのギャラリ一階に,他のピックアップをドーム・コーニスの8点,第2コーニス上5点に設置し,北西主ピアについても同様の測定を繰り返した。ハギア・ソフィア大聖堂の固有振動数は南北方向2.12HZ,東西方向1,87HZと測定され,固有周期約0.5秒は,過去の地震がこの周期付近で大きなエネルギーをもつことから,同大聖堂の耐震強度の評価にとって重要である。他の測定値は,南北・東西の順でハギア・イレーネ聖堂(2.37,2.62),スレイマニエ・モスク(3.5,3.25),ミフリマーク・モスク(2.62,2.12)であった。 ハギア・ソフィア大聖堂,およびそれと同年代の建築材料を含むイスタンブール市壁から採取した微量のサンプルを帰国後いくつかの物質化学的分析法(ICP発光分光分析,赤外線吸収スペクトル,TG-DTA熱分析,粉未X線回析分析,蛍光X線分析など)によって分析し,特にレンガについては,組成と焼成年代とのあいだに密接な相関が得られ,今後未知年代の建築材料の同定にとって有効な指標となることが予想される。 以上の調査研究成果を公表するため,トルコ側研究分担者のうち3名を招き,平成5年3月20,21両日にわたって日本建築学会建築会館ホール(港区芝)で学術研究報告会を開催した。本報告会は日本建築学会,建築史学会,日本イコモス国内委員会,トルコ大使館の後援を受け,参会者は第一日180名,第二日110名を数え,盛会であった。発表講演のプログラムおよびレジメは添付の通りである。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 総合研究(B)
    研究期間 : 1989年 -1989年 
    代表者 : 日高 健一郎; 青木 孝義; 篠野 志郎; 佐藤 達生; 加藤 史郎; 飯田 喜四郎
     
    今年度中に全体研究会(メンバ-全員ないし大部分が出席)と個別研究打合せ会(メンバ-2、3名による会合)を計16回開き、トルコの歴史的な組積造ド-ム、特にハギア・ソフィア大聖堂のド-ムに関する国際共同研究にむけて、さまざまな準備を行った。主たる全体研究会の議事および成果は下記の通りである。 1)第1回研究会(平成元年7月8日):アルメニア建築についてのスライド会、および科研費海外学術調査応募に向けてのトルコ側研究者との連絡状況の報告 2)第2回研究会(平成元年8月9日):歴史的ド-ムの構造に関する各国研究グル-プの現状と将来の研究目標。今後の構造解析の展望。 3)第3回研究会(平成元年11月2日):日本学術振興会国際共同研究の採択による今後の研究計画について。トルコ側研究者との研究連絡状況について。ハギア・ソフィア大聖堂のド-ムに関する構造解析の中間報告と、ド-ムの実測、写真測量について種々の問題点が議論され、より詳しい計画案を策定することとなった。 4)第4回研究会(平成元年11月22日):ド-ムの施工方法に関する研究方法および実験方法について。 5)第5回研究会(平成元年12月8日):シェル要素を用いたハギア・ソフィア大聖堂のド-ムのモデル化について。文部省科研費海外学術調査採択による研究計画について。ド-ムの実測作業に関し、トルコ側研究者との役割分担、研究課題等が詳しく議論された。 6)第6回研究会(平成2年1月10日):トルコ側研究者との連絡状況の報告。 本研究は、国際共同研究にむけて研究者相互が研究打合せを行うもので、その点で十分な成果があげられた。しかし、研究の性格上、論文発表の形式はとらない。

社会貢献活動

  • 史跡原爆ドーム保存技術指導委員会委員
    期間 : 2018年03月01日 - 現在
    役割 : その他
    主催者・発行元 : 広島市
  • 萩反射炉保存修理委員会委員
    期間 : 2013年01月08日 - 2013年03月22日
    主催者・発行元 : 行政
     山口県萩市 「九州・山口の近代化産業遺産群」として世界遺産登録を目標とした萩反射炉保存修理委員会の委員を務めた。全2回
  • 文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業(文化庁補助事業)
    期間 : 2012年06月18日 - 2013年02月21日
    主催者・発行元 : 地域団体・NPO
     名古屋市 スマートフォンを活用した熱田界隈・本町通の文化財案内システムの構築(2012年6月18日、8月9日、9月10日、10月26日、12月12日、2013年2月21日)

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