大石 真澄 (オオイシ マスミ)
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【現在の研究テーマ】:高度経済成長期前後までの日本における視聴覚メディアの生み出した公共性/道徳的機能についての解明:生活改善運動を中心に
【過去の研究テーマ】:1950-80年代の日本におけるテレビCMの文化的機能 -身体的感覚から公共性までを理解するという活動に焦点を当てて-
主にテレビCMに関する研究が専門です。より広くいうならば、映像(コンテンツ)を中心とした視覚的な文化全般に関して、その理解のやり方がどのようなものであるかということと、映像で用いられることば、表現の運用やその機能の解明に関心があります。さらに、これらを適切な手法で質的に分析を行うことがどうやればできるのか、という点についても重点的に考えています。
このためにエスノメソドロジー的な立場に視点を置いて研究を行っています。主としてテレビCM、広告に関心があり、研究の中心としています。その他にも学習図鑑や読書感想文、マンガやアニメ、またゲームについての研究もしています。
この他に、長期的な研究目的として、映像のアーカイビングについての関心も持っています。
映像をデータベースとして所蔵を行うことと、その分析を行いフィードバックをかける循環のプロセスそのものに大きな関心があるため、このテストケースとしてテレビCMの研究は常に続けています。自ら収集を行った3万件超のデータをコモンズ的なものとして開かれたものにするというアクションリサーチを兼ねています。
社会学的な抽象度の高いメタ的な関心は、「メディア研究を社会学の行為論の文脈に取り戻すこと」「社会的規範形成のダイナミズムにおける視覚的メディアの機能」の2つです。
また、エスノメソドロジー的視点からメディア”テクスト”の分析手法を検討すること、実際にそれを用いて分析することが主たる中心の研究関心でもあり、教育可能な分野でもあります。また、これらの分野(主としてエスノメソドロジーおよび現象学的社会学と社会学説史)に関する理論研究も指導可能です。そして何よりもテレビCM研究をしたい方を大いに歓迎しております。通常のオーディエンスを対象としたメディア研究も実習科目などで持っておりますので、ご関心があり、相談のある方は以下の教員一覧表よりご連絡ください。
http://emca.jp/learn/researcher
【博士前期課程での指導をご希望の方へ】
必ず事前にご相談ください。本研究室では、名古屋市立大学での入試以外に指導希望の学生さんには「できれば」以下の前提をお願いしています。
(1)社会学史に関する基本的な知識の習得(学部の初級者用のテキスト程度でかまいません)
(2)TOEFLで最低でも50点程度の得点がとれる程度の英語能力
(3)(理論研究の指導希望の場合)理論研究であっても必ず具体的な研究対象を定め、具体的に分析調査方法についてプランを組むこと
の3つです。そこまでリジッドなものではありませんが、これらを念頭に置いた上で事前相談をください。連絡先は上記のエスノメソドロジー・会話分析研究会の指導可能教員の一覧の中にあります。なるべく様々なご要望にお応えしたいと思います。